ごみにまみれて '98/05

Last update: 98/06/01

[98/04][98/06]



●ゲーム打ち合わせ (98/05/30)

 昼間はかねてから希望していた江戸東京博物館を見学。目的の「戦後の子供たちの遊び風景が表現された、すごく表情が豊かな人形たち」は見つかりませんでしたが、伊能忠敬の地図展をやっていて、楽しんできました。やはり興味は自分の田舎がちゃんと書かれているかどうかということですね(^^)。伊豆の下田はちゃんと足で回ったようで、我が家の前の道もどうも通過したようです。

 夜に子供向けゲームの打ち合わせをしたのですが、残念ながら他の用事でことごとく参加者がおらず、私と八木ちゃん以外は新しいメンバー2人で会議らしきものをしました。本当はメインの用事だったのですが、どうも拍子抜けといった感じです。結局、プログラムができる人は私だけのようで、適当に仕事を分担して、のんびり進めていくことになりました。

 ゲームの細かい表現については、ゲーム会社に投げることを考えており、このプロジェクトではゲームの発想を大事にしようといった感じです。私はイメージを沸かせるために、簡単にプログラムを作るといった役割でしょうか。時間があればね、もっといろいろプログラムができるんでしょうけれど・・・・。


●廃棄物処理展 (98/05/29)

 わざわざ5月の末に日程を会わせた理由は、この廃棄物処理展を見に行くためでした。以前に同期の黒田からチケットをもらっていっしょに行こうという話をしていたのですが、突然彼が行けなくなってしまったので、東京で仲間を呼んででかけてきました。東京方面で景気のいい「和民」という飲み屋に勤めている(もうすぐ店長になるらしい)やつで、飲み屋としてISO14000sを取得するために動いているそうです。金曜日でかきいれどきなのに、無理矢理休みをもらって来たみたいですね。

 ダイオキシンの問題が多くなってから、焼却炉の展示は比較的少なくなり、今回はコンポスト機と発泡スチロールの減容機が目立ったでしょうか。和民の彼も、厨房から出てくるごみをどう処理するのかで、あちこち聞き回っていました。一番興味を持っていたのは、食用油の再生機で、普通なら捨ててしまうような真っ黒になった油をその機械に通すことによりきれいな油になり、酸化もある程度防げるようです。そういえば家庭でも、継ぎ足しをしながらやると、ほとんど油を廃棄せずにも済ませられるというはなしですから、事業用でも可能なのかもしれませんね。カタログを見る限りでは、経済的にも十分ペイするようでした。

 もう一つ興味を持ったのは、生ゴミ処理機と称して「処理費用無料、耐用年数3年、処理能力1日200g、副産物卵」と張り紙をして展示してあった「にわとり」でした。隣には「副産物ペレット」として山羊がいましたし、豚もゲージで展示していました。やたらと怪しい機械が並んでいるなかで、目からうろこが落ちたような感動を覚えました。たしかに一番望ましい処理方法なんでしょうね。残念ながら背広を着て会場を回っている人たちはあまり興味を持っていないようでしたし、ブースにたたずんでいるおじさんもなんとなく寂しげでした。会場のなかで一番いいと思ったんですけれどもね。

 エコリーグの東京事務所に酒を飲みながら泊まっていたのですが、私宛に電話がかかってきました。どうも研究室のサーバーの調子がおかしいということ。なんで京都を離れる時に限ってこうしたトラブルが起こるんでしょうかね。リモートでチェックしてみましたが原因はわからず。どうもMicrosoft関連のネットワークが弱いようですね。


●住環境計画研究所 (98/05/28)

 今回の東京行きの実質的にメインイベントです。CASAの報告書を作った時にも、住環境計画研究所の研究を多く参考にさせてもらいました。まだ一度も挨拶にも行っていなかったので、顔を出したという次第です。特に、ブックレットで市民に提案している内容が、本当に効果があるものなのかどうか、実際に調査している立場からチェックしてもらうつもりでした。

 ちょっと早めについたので、山手線の恵比寿駅から青山方面へ歩いて向かったのですが、この通りの雰囲気はなかなかいいですね。ちょうど5月のさわやかな晴天であったこともあるのですが、並んでいる喫茶店がことごとくドアがなく、ところによっては外にパラソルを建ててくつろげるようになっていました。自然な風がふきこんで、なかなかいい感じでした。これで道路に車が走っていなかったら最高なんでしょうね(それほど車通りも多くなかったようですが)。

 今回、相談してもらったのは増田さんという方でしたが、懇切丁寧に教えてもらいました。研究所で行っている実験などに基づいて細かくバックグラウンドを話してくれて、ようやくブックレットの内容にも自信を持てるようになってきました。もし相談に来なかったら、心配のまま本を出していたことになるんでしょうね。その意味ではとても助かりました。自分の研究範囲がどこまでなのかよくわからないのですが、このように相談を受けてちゃんと根拠に基づいたアドバイスができるというのが専門家なんでしょうね。私も早く地に足をつけた研究をしないといけないですね(^^;)。

 このあとは、環境庁へ行って、資料をたくさんもらってきました。最近は知り合いも多くなって、ようやく安心して顔を出せるようになりました。しかし官庁へ勤めるのって、みんな女の子なんですよね。


●東京行き・ブックレット打ち合わせ (98/05/27)

 公用ではないのですが、明日から東京へでかけることになりました。本来の目的は土曜日にある、子供向けパソコンゲームソフトの開発の打ち合わせなのですが、ついでということであちこちに連絡をして、会う約束をとりつけてきました。ところが、具体的な日程調整ってものは、けっこう大変なものですね。今日になってようやく待ち合わせの場所や時間などが決まってきた状態です。明日から4日間、6カ所をめぐる予定です。一番心配なのは、待ち合わせで携帯電話を持っていないことでしょうか。あまり持ちたくないものですが、待ち合わせには非常に威力を発揮しそうですね。

 ブックレットについて、出版社の人と打ち合わせを持つ機会がようやくとれて、大阪に出かけてきました。まあ大枠としては変更なしでしたが、温暖化のために取り組めることをもう少し表に出して主張してみようということになりました。6月17日に最終原稿の調整を行って、印刷に回すそうです。出版は7月半ばということになりそうです。

 うちわでは、10万部を売って大儲けしようなどとほざいていたのですが、どうも売った冊数で支払われる印税方式ではなく、原稿料として最初に一括で支払われるもののようです。かなりショックでした(^^;)。まあ、アルバイトとしては破格にいい仕事であることには変わりないんですけれどもね。


●パソコン (98/05/23)

 昨年の夏に購入したSOTECのノートパソコンは、毎日自転車のかごに積んでがたごとと走り回っても大丈夫だったのですが、気を緩めたすきに落としてしまい、バックライトが付かなくなってしまいました。修理に出して2ヶ月目、ようやく修理の見積もりが出されてきました。液晶部分の故障で10万円以上するのではないかと危惧していたのですが、3万円以内ですむそうなので、安心しました。

 しかし修理にこれだけ時間がかかることは非常に負担ですね。研究を中断させるわけにはいかないので、修理に出す前に現在使用している富士通のノートパソコンを購入して、データを全部コピーさせていました。まだ購入して半年なのにまた20万もの出費で、非常に痛かった思いがあります。大学にもパソコンはあるのですが、さすがに2ヶ月も待たされるとなると、購入していてよかったんでしょうね。ノートの場合には2台あったほうがいいかもしれません。

 デスクトップなら部品の交換は大抵自分でできるので、その点ではノートより安心して使えるのですが、なんといっても持ち運べることと、家でも同じ環境で研究作業ができることは代え難いですね。あと、電力消費をあまり気にせずに使えることでしょうか。本当は後者のメリットを重視すべきでしょうし、購入時点での動機も「長時間使うから省エネになるほうを」ということで選んだつもりなのですが、結果的には持ち運びのメリットは大きいです。デスクトップでもめちゃくちゃ速いものも出ていますが、当面事務作業にはPentium133で十分でしょう。

 なんやかんやいって、これでパソコンは7台目になってしまいました。長く使いたいという希望はあるのですが、いつも型落ちを購入しているので3〜4年くらいが限度のようです。最近の4台はすべてノートなのですが、どうもノートパソコンと相性が悪いのか、使用条件が厳しすぎるのか、かなり壊していますね(^^;)。


●生協の省エネチャレンジ (98/05/21)

 大阪へでかけてきました。半袖半ズボンにサンダルという、夏の格好で出かけたのですが、京阪電車の中が非常に寒くて苦労しました。電車の中は寒いと言われますが、京阪の特急はそのなかでも一番寒いのではないでしょうか。駆け込んで最初に涼しいのは、汗がひいて気持ちがいいものですが、京阪特急は京都七条を出てから大阪京橋までの四〇分間どこにも止まらないのですが、その間に徐々に冷房が利いていって、大阪に到着する直前が一番寒くなるというどうしようもない仕様になっています。たぶん、風邪をひく人も多いのではないでしょうか。冷房のかけすぎにはちょっと気を配っていきたいところです。

 と思ったら、早速大阪パルコープもかなり冷房がかかってちょっと寒いくらいでした。一ヶ月くらい前に建てられたばかりの近代的な建物で、電話の代わりにPHSが個人に渡されていたり、ノートパソコンだけで本棚がなかったりと、非常に余裕のある作りなのですが、カタカナでオフィスといった感じで、どうも暖かみがない感じがしました。ごちゃごちゃのほうが性に合っているんでしょうかね。寒い室内にいて、背中にあたる夕日が暖かくて気持ち良かったです。いやあ無駄ですね。

 省エネチャレンジ自体は、試してもらった程度ですが、あとで反省会みたいなものを開けるそうで、なぜエネルギー消費が多いのか(少ないのか)細かい相談もできそうです。あまり内部事情に入り込むとまずいでしょうし、どこまで聞き出せるかちょっと楽しみです。しかし五月末までに報告書をまとめてくれというのもちょっとしんどい話です。まあ生協の人もみな忙しそうなので、あまり文句は言えないのですが・・・。


●リサイクル研究会 (98/05/20)

 毎週水曜日と決まって3回目のリサイクル研究会がありました。今日は私が担当ということで、大阪のパルコープで行っている省エネチャレンジシートの集計結果と、マル秘計画について検討してもらいました。うちの研究室から新たに村田君(立命出身)が加わったほか、関西学院大学から前田君が参加してくれてちょっとにぎやかでした。

 ゼミが終わってから、最後の集計作業を進めていたのですが、これほどまでに世帯ごとの差が大きいとは思ってもみませんでした。ブックレットにも書いてあるのですが、世帯のエネルギー消費量の平均がどれだけであるといったことは、数値として出ているのですが、実際には3倍とか10倍とか差が出てくるものです。なかなか環境配慮の取り組みを行っている家庭がエネルギー消費量が少ないというきれいな結果も出てこず、ちょっと世帯の事情を詳しく調べてみる必要がありそうです。さすがに生協さんがかかわっているということもあって、全国平均に比べてみると少な目という結果がでてきています。

 もう一つのマル秘計画ですが、いずれ動き出したらまた報告します。一応50年計画ということで人生をかけて(^^)進めていきたいと考えています。


●鉛とカドミウムの国内フロー (98/05/18)

 ゼミで結局徹夜でした。もっと前々から準備をしていれば楽なんですけれどもね(というのは何度反省しても変わりませんね)。ゼミが終わったとたんに眠気がして、家に帰って12時間も寝てしまいました。

 鉛蓄電池の話は4年前に卒論でやったのですが、それを今になって引っぱり出してきたわけです。焼却炉からは非常に濃度の高い鉛を含んだ灰が出てくるのですが、それがどの製品に由来しているのかが今まで明らかでありませんでした。絵の具のチューブなどいくつか鉛がありうるのですが、それらだけではほとんど鉛量を説明できないのが現実です。今回のものは、自動車用のバッテリーがあちこちに不法投棄されていることもあり、たぶん焼却炉の中にも入っているのだろうという研究です。自動車用はちょっと眉唾ものですが、ハンドクリーナーなどに小型のシール電池が使用されており、これがごみ回収にだされて燃やされることは十分あり得るでしょう。同じようにカドミウムではニッカド電池がかなり大きな要因となっていそうです。

 調べていてわかったのですが、鉛もカドミウムも人間の摂取経路としては、食物が一番大きいのですね。ただ、カドミウムの場合には、たばこの中にたくさん含まれていて、喫煙者の場合にはたばこ経由が一番大きくなるそうです。


●太陽電池とバッテリー (98/05/17)

 本当は明日ゼミ担当なので、レジュメをまとめないといけないのですが、最近どうも机にずっと向かって集中することができずに、ちょっと本屋へと気晴らしにでかけてきました。ゼミの内容が、鉛とカドミウムの日本国内の流れについてなんですが、どうも自動車用のバッテリーがリサイクルされずに廃棄されていることが多いのではないかという点をつっつこうと思っているのですが、そもそも免許も持っていないので、様子がわからず「自動車分解おたく」の本を探してみたわけです。・・・と言い訳しながらあちこち立ち読みして回りました。

 自動車おたく本って、外装はいろいろパーツの紹介や宣伝がされているのですが、なかなかバッテリーって地味なのか載せられていないですね。JAFだかが出している自分でメンテナンスをするための本にちょっと載せられていた程度でした。だいたい自動車用のバッテリーで、高級なもので1万円以上、安売り店では4000円程度、中古屋では1000円程度で手にはいるということです。値段により性能は大きくかわるいということですが、中古で1000円はしかし極端ですね。リサイクルに費用がかかるので、それほど値段を高くしなくてもいいという話なんでしょうか。

 バッテリーがこんなに安いとなると、前々から気になっていた太陽電池のほうに足が向きました。トランジスタ技術という、電子工作関係ではかなりおたく系の雑誌にはいろいろな部品が宣伝されているのですが、そのなかに太陽電池もありました。家庭用でちょっとしたものに使うくらいなら50Wもあれば十分でしょうか。だいたい50cm×1mくらいで5万円といったあたりが相場のようです。昼間中発電を行えば、8時間で400whくらいの電力が得られるのでしょう。するってえと、バッテリーに充電するには何個くらいあったら十分かということですが、まあ値段が安いので気にすることはないかもしれません。400whあったら、テレビを5時間くらいつけられますし、下宿生活でかなりの部分をまかなうことができそうです。ただ心配は万が一発火したら怖いなというところでしょうか。


●ブックレット (98/05/16)

 今日はCASAの気候変動研究会で、新エネルギーなどについての検討を行いました。どうも風力発電もかなり実用的にできそうですね。まだ料金的にペイするほどではないのですが、太陽光発電よりはまだ現実的のようです。ただ、設置できる場所がかなり限られてくるようで、共同で出資して、発電できた分を還元するような会社でもつくって運営をすることは十分可能かもしれません。講演会などでも、「省エネをしても最低限必要な消費はどうしようもなく、二酸化炭素を出してしまうのなら、どこかで吸収してくれるものはないか」という意見が多いのです。単純に植林をしたいという方向に向かってしまうのですが、あまり効果がないのは事実です。そうした人に向けて、風力発電所に出資するというのが、効率的に二酸化炭素を吸収するに相当する取り組みになるかもしれません。

 バイオマス利用についても話がありましたが、一番いい利用方法は、家庭からの生ゴミや家畜・人の屎尿を蓋付きの地下タンクにためて、メタンガスを調理場で利用、沈殿した残さを肥料として利用する「インド方式」がもっとも効率がいいし、循環にかなっているようです。無理にエタノールを作ったりすると逆に加工でエネルギーを消費する可能性が高いようです。日本では現実的ではないかもしれませんが、今後100年位したらもっとも重要な技術になっているかもしれませんね。資源循環も含めて一番すっきりしていると思います。

 ブックレットの内容についても、何人かの人に送ったのですが、全然反応が無く困っていたところ、時間をとってくれていろいろ貴重な意見をもらえました。大筋にはきれいにまとまっているものの、読んでいてつまらなくなる(眠たくなる)という非常に致命的なミスがあるようです。ストーブよりもエアコンのほうが環境にいいという話も、ちょっとページ数を割いて、説明を加えないと、「電力会社の回し者か」と誤解を受ける可能性が高いようです。

 「温暖化を防ぐ賢い生活」のブックレットについては、CASA以外でも、直接電話でアドバイスをもらいました。大阪に住んでいる栗田さんからですが、さすが文系の学部にいて教育実習を受けただけあって、的確な指摘をもらいました。説明文というのはおうおうにして興味を引きにくく、これが本の最初から延々と続いていることで、読むのをやめてしまう人が多いのではないかということらしいです。彼女も具体的な対策の三章から読み始めて面白かったという話だったので、ちょっと構成は考え直す必要はあるようです。中学生の立場にたって考えると、文章はもっと短めに、おしつけがましくなく、章のつながりを考えて、引きつけるものがほしいという話でした。おもしろさから言ったら、メインである具体的な対策を最初に持ってきたらいいんでしょうが、構成が大きく変わるので難しいかもしれませんね。六月には発行できるんじゃないかという話もありましたが、ちょっと考える時間がほしいですね。


●鈴木さん (98/05/15)

 月曜日がゼミの担当で、酒井先生に呼び出されてしまいました。「ちゃんとしたのを報告します」と言ってしまった以上、ごまかしはきかないでしょうね(^^;)。鉛やカドミウムなど、4年前の資料を引っぱり出して一生懸命読み返しています。

 久しぶりにまじめに研究をしていたところ、東京大学の環境安全研究センターの学生が2人ほど顔を出してきました。どうも平井君の卒論(大学の環境負荷を調査したやつ)を参考に去年東京大学でも卒論が書かれたらしく、それを持って今後の発展の方向について話を聞きに来たというらしいです。鈴木君というらしいのですが、いろいろ興味を持って話を聞いてくれて、こちらとしても楽しかったです。彼もどうも環境意識について調査をしているらしく、アンケート調査などで修士論文を作ったそうですが、今後の進め方について個人的にも悩んでいるということ。悩んでいる者同士、話が盛り上がりました。

 大学の環境負荷では、文部省から通達が出されて、基本的な消費量についてはすべてデータがあがっているはずなのですが、文部省は公開しようとしませんね。せっかくきれいな情報が集まったのだから、削減に向けて指導などしてくれたらいいと思うのですが・・・。慶応大学の岡崎君らが、全国の学生に呼びかけて、大学が調査したものを集約していますが、そうした取り組みの余地を残しているということなんでしょうか。

 京都大学も環境大学をめざすことを新聞紙上で宣言してしまったので、中途半端なことでは許されないでしょう。イニシアティブを持って取り組んでくれたらうれしいのですが・・・。


●游さん (98/05/14)

 京大の生態学研究センターを中心に、ちょっと大変な研究が始まっているようです。「地球環境情報収集の方法の確立−総合調査マニュアルの作成に向けて」というパンフレットを渡され、なにやら難しそうなタイトルにきょとんとしている私に、「よくわからないでしょ?」と声をかけているのが、総合人間学部で研究をしている游さんです。

 エコリーグで昔から知り合いだった今田さんから電話があったのが、2週間ほど前。先ほど書いたようなよくわからない研究を始めている游さんという方が、大学生の環境活動に興味を持っているので会ってくれないかという話で、今日お話をした次第です。結局何のために話をしたのかよく分かりませんでしたが、子供の自然に対する感じ方とか、環境教育のあり方、大人と子供の自然の見方の違い、環境研究で現場を見ていくことの意味から、環境研究の進め方など、とりとめない話をして楽しく盛り上がりました。こうして落ち着いて環境の話ができる相手というのも、なかなか大学にいて少ないもので、貴重な時間だったと思います。なにか取り組みをしたいというので、ジャスコでやっている廃油回収に参加してもらうことにしました(本当は昨日やっていたので参加してもらえたら面白かったのかもしれませんね)。

 まあこの研究も、人文系から工学系まで多様な人が集まって研究を進めるために、今まで何回か話し合いをする中でも考え方の折りあわせを付けることが大変で、研究方法の違いから対立することも多々あるという話でした。こういった考え方の違いが面白いんでしょうけれどもね、游さんのようにまとめる立場にある人は大変かもしれません。有名な先生方が集まっていることもあり、うまく歯車がかみ合えば面白い物ができそうな感じがします。


●更新せずにすみませんでした (98/05/12)

 気が付いたらずいぶん長い間更新していなかったですね。別に環境に関連したできごとがなかったわけではなかったのですが、あまり気が進まずに書いていませんでした。まあ私も日記を付けてはやめの繰り返しで、半年以上続いたことがないので、今回もまあそれから考えると正常な反応なのかもしれませんね。4月の1ヶ月間、できごとか少なかったと言うよりは、むしろ多すぎた1ヶ月間でした。

 CASAで作成していたブックレットの話ですが、ようやくゴールデンウィークを使ってとりあえず一般の人が読める段階まで体裁を整えることができました。結局ゴールデンウィークは下宿にこもりっきりで、寝る暇も惜しんで執筆に励んでいました。個人的な重い入れも強く、もしかしたら文書で書かれたものを読むと違和感があるかもしれないので、とりあえず多くの人にチェックしてもらうようにしています。中学の同級生や大学での知り合いなど、何人かに原稿チェックをお願いして、「読める」ものなのかどうかを確かめています。これらを集約して、5月の末頃には原稿として完成になるでしょうか。

 ブックレットですから、たかだか60ページそこそこのものです。文章の量としては、少なすぎて、書きたいことをかなり削って無理矢理ページ数に納めたといった感じもありますが、今までさすがにこれだけのものを書いたことがないので、しんどかったのは確かです。読みやすいようにと気を付ける必要があるので、むしろ論文よりも難しい面があったような気もします。論文だったら図表を多少使って論理を進めていけば形になりますからね。できれば中学生の副読本として読めるようなレベルにしたいですね。

 4月になって、環境サークルのほうにも新入生がたくさん入ってきました。環境・農業系サークル合同で勧誘を行っていたのですが、なかなかシャイな人が多く、もう少し強引に引き込んでもいいんじゃないかと思えるくらいで、かなり心配していたのですが、4人くらい定着したようです。これでしばらくはまた安泰かもしれませんね。

 勧誘には何年ぶりかで参加してきました。自転車発電はちょっと引かれてしまったようですが、それとは別に、上回生向けにも勧誘を行いました。京大CO2とリサイクル研究会とCASA気候変動研究会は、比較的院生が多いこともあって、「大人の環境問題」として宣伝を行いました。結果的にはこれで入った人はいませんでしたけれどもね(^^)、もうすこしまじめに宣伝したらよかったかもしれません。

 リサイクル研究会は順調に始まりました。ほかの学部の人たちも来てくれたらいいのですが、結局環境工学専攻の人が中心になりそうですね。京大CO2はこのままでは企画も何もないので、そのままつぶれていきそうな雰囲気ですね。新入生がだれも入らなかったら自然消滅させるという話をしていたので、どうもそのようになりそうです。

 研究方面も、方向性が定まってきました。環境負荷項目として、ごみ以外として、二酸化炭素排出量(エネルギー消費量)のほかにも、有害性についても評価ができそうな雰囲気になってきましたので、生活者主導でどこまで削減ができるのかを検討していきたいと考えています。とりあえずは、鉛とカドミウムのマテリアルフローで一本、環境心理で1本、家庭からの廃棄物フローで1本論文を書いて、全体をまとめる形で博士論文をまとめていく予定です。まあ今年中には無理でしょうけれどもね(^^;)。環境心理の話も、2年間ほっておいてようやく発展のネタが頭に浮かんできたので、早く手を着けたいのですが、それより先にやるべきことがあるようです。

 研究の方向性は順調なのですが、本を書いたり、勧誘をしたりと周辺部分の仕事に追い回されて、結局1日1時間もまともに研究に手を着けられない状況でしょうか。研究室に出かけても大抵はコンピュータの相談ですからね(^^;)。こんなのでよく院生やっていると言えるなと思うのですが、まあそれでも許してくれるうちの研究室の懐の深さはすごいと思います。

 とりあえず大学生ももう9年目になり、博士課程3年でもうあとがなくなってしまいました。本当は4年で卒業する予定だったのですが、きっかけを失ってついつい残ってしまいましたが、そろそろ外へ出ないといけない時期に来ているようです。論文もできないのでODという選択肢もありうるのでしょうが、たぶん研究室にそのまま居ると、甘えてしまってだめでしょう。非常に居心地がいいと頃なのですが、そのために研究で自分から探求する力が失われてしまっているような気がしています。一度、どこかの会社につとめるなりしてから、研究に戻ってきたいと考えているのですが・・・・。今一番心配しているのは、育英会の奨学金(400万円)をどう踏み倒せるのかという問題です。

 研究の方向性が、家庭で何ができるのかという話ですから、いくら研究室のなかで数字をいじりまわしていても仕方がないところもあります。また行動を変えられてなんぼのもんでしょうから、できればそれらのことを実地で試せるようなところに行きたいという気持ちもあります。CASAの方でも、省エネアドバイザー制度などというものを言っていましたが、ごみや有害廃棄物を含めて全般的にアドバイスができる組織を作りたいなという気持ちがあります。自治体などからバックアップを受けて、直接クライアントの家におしかけて、アドバイスをしていこうというものです。たぶんもうけはないでしょうから、NPOとしてのボランティア活動になる可能性が高いのですが、友達でやりたいという人も出てきてしまったので、ちょっと後に引けなくなってしまいそうです。

 

 世の中、ダイオキシンの話がかなり話題に上ってきてしまっていますね。毎日、新聞の1面をかざるようになっています。積極的に調査をしている愛媛大学や摂南大学にはかなわないのですが、うちの研究室の酒井先生も最近はいろいろコメントとして引き合いに出されています。これだけ排ガスや焼却灰や土壌が汚染されているのは事実として、これを機会に、ちゃんとした政策が生まれてこない物でしょうかね。かなり廃棄物処理関連は組織が複雑で、既存の権益に守られていることもあり、厚生省も手を出せないという強者です。しかしダイオキシンをきっかけに再編されないとなると、今後改善される見込みは少ないような気もします。

 

 連休も終わって、ようやく9日から休みを取りました。9日には日本国際文化研究センター(日文研)で、去年カンヌ映画祭でカメラドール(新人賞)をとった「萌の朱雀」という映画を見てきました。仙頭直美さんも対談で参加するというので楽しみにしていました。正直言ってすごかったです。吉野の山奥の村の話で、過疎地での人々の様子がよく描かれています。村人がすごくいい表情をしているのに対し、主人公の家庭では、いろいろな事情から家族がばらばらで暮らさざるを得ない状況に追い込まれていく様子がせつないですね。山村の神様がやどっているんじゃないかと思えるほどの、きれいな景色や、見事な光の使い方など感動しました。あまりこうした映画は上映されていないのですが、見てみないと損ですよ。

 

 10日には、エコリーグの昔の連中と、今の運営メンバーとの交流会がありました。めっちゃひさしぶりで顔を合わせた人も何人かいて、腹を割った話ができたのは良かったです。個人的には、シャープの環境関係の部署に勤めている松木さんと話ができたのが非常にためになりました。最近は家電リサイクル法などで注目を集めている家電業界ですが、なかなか改善は難しいようです。CASAの本の内容や、論文のネタとして面白い話を聞くことができました。


お問い合わせ、感想などありましたら鈴木(ysuzuki@mti.biglobe.ne.jp)まで。お気軽にどうぞ。

[ホームへ戻る]