ごみにまみれて '98/11

Last update: 98/11/30

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●楽園図鑑 (98/11/29)

 今日は、日本テレビ系の深夜にやっている番組「楽園図鑑」のロケがありました。私の下宿の部屋のなかで自転車をこいでテレビをつけようというものです。けっこううるさいことになりそうなので、そのむね下宿のおばさんに伝えておいたのですが、なんかおばさんがはしゃいじゃって大変でした。

 もっと広いところでやればいいものを、私の狭い6畳一間の下宿に自転車まで入れて、「ふつうはこんな生活していないよ」という状態で自転車をこいでいました。本当はカラオケもするということだったのですが、ちょっと歌をつたうのは勘弁してもらいました。

 新しく購入したインバーターでテレビがなかなかつかずに、ちょっと心配していたのですが、やはり調子はよくなかったようです。最初のチャレンジではどうにかつけることができましたが、2回目以降はなんどこいでもだめでした。また大学でもビデオを撮るというので、しっかり動くやつ(東京の秋葉原産)を仕入れてこないといけないですね。

 放映は12月10日だそうです。まだ楽園図鑑という番組じたい見たことないので、ちょっとチェックしてみたいと思います。


●アンケート印刷 (98/11/27)

 ようやく卒論、修士論文で使うアンケートの案もできあがってきたのですが、考えてみれば酒井先生のチェックを受けていなかったことにふと気がついてしまいました。アンケートの中で「家庭での有害物のリスト」を掲載しており、これも危険、あれも危険と、かなり不安をあおる内容が盛り込まれていることから、許可が下りるか心配だったのですが、無事通してもらいました(もしかしたら詳しい内容までチェックしていないのかもしれないけれど)。

 印刷、製本、発送と事務作業はもう慣れたものなんですが、今回のアンケートで一番心配なのは、16ページにわたる質問にきちんと答えてくれるかどうかと言う点です。質問数はゆうに50を越えます。文字も小さいですしね。しかしこれだけは返却されてみないとよくわかりません。私の3年前に行ったアンケートでは7割の回収があったのですが、見直してみると4ページなんですね。今回は5割を切ることも覚悟しないといけないかもしれません。

 安全センターで、研究とはまったく関係のない人間をつかまえてビール1本で手伝いをさせました。夜中までかかるかなと思っていたのですが、やってみると8時から初めて、途中でビール休みを入れても11時には完了することができました。やはり人数がいると仕事が速いです。最初は一つずつ、きちんと書いてもらえるようにと祈りながら折り込み作業をしていたのですが、500部という数はやはり大きいものです。だんだん考え事をするのが面倒になってきました。パルコープのアンケートでもそうでしたが、最近はこうした「頭を使わない事務作業」が非常に多くなっています。本など読まずにこうしたことばかりしていると、だんだん自分が「バカ」になっていくのがわかりますね(^^)。


●嵐山 (98/11/26)

 今日は学校をさぼってしまいました(・・・って特に取り立てて言うほどのものでもなく、いつものことなんですけれどもね)。先週末に静岡の親から電話がかかってきて、26日に京都に行くからよろしくという話でした。どうも地元の知り合いにそそのかされて、「京都の紅葉はすごい」ということで来ることにしたみたいです。

 残念ながら今年の紅葉はあまり鮮やかではないのですが、それでも名所と言われる嵐山や保津峡はそれなりにきれいかも知れないなと期待しながら一日つきあってきました。よそから誰かがこないと観光地など回らないもので、保津峡も「一度いってみたい」と思いながらもなかなか行く機会がなかったものです。

 比較的いい天気だったのは幸いでした。もう11月の末となると京都では寒くて仕方ない日も多いのですが、窓がないトロッコ列車でも、川下りでもそれほど寒さを感じずにすみました。紅葉としては山全体が輝くような見事な物はなく、時々見え隠れする木々のなかに見事なグラデーションを示すのがあって感動するのはありましたが、総じて落ち着いた感じでした。やはり紅葉というと「あかるい あかるい 里の秋・・・」ではないですが、ぱっと開ける明るさがおもしろいんですけれどもね。

 しかし、岩と水しぶきと紅葉の織りなす仙境の風景はなかなか見ていてみあきないものです。トロッコ列車からは見下ろす眺め、そして川下りからは見上げる眺めでそれぞれおもしろさがありました。船頭さんの船のあやつりかたも見事なんですね。川下りには2時間くらいかかるのですが、どこにどんな岩があって、どの岩のどの部分に竿をたてて船を進めるかをちゃんと理解しているんですね。一人若い船頭さんが乗っていたのですが、年寄りの船頭さんから「なんでこの岩をつつかないんだ」と怒られていました。

 亀岡から京都市へとそれぞれかなり大きな都市なんですが、その間にこんな急流があるというのも妙なものです。江戸時代には丹波と京を結ぶ重要路として、荷物を運搬するために川の整備が行わてきたということですが、いつごろからか船遊び用としても用いられるようになり、トラックや道路が整備された今では完全に観光用となっているそうです。おばちゃんたちが多く、風流を味わうというよりは、にぎわいを見せていたのですが、まあそれも現代の風景なんでしょうか。

 紅葉といえば、最後に回った常寂光寺が見事でした。黄色がはえるとかなり明るくきれいに見えるものですね。


●環境教育ビデオ (98/11/25)

 京都大学の学生向けに、今年度中に作ろうという環境教育用のビデオですが、今日もまた打ち合わせがありました。前回は3種類のシナリオを提示してくれたのですが、今回は2つにしぼってさらに詳しいシナリオを書いてきてもらいました。そのひとつは未来的な設定で、環境改善を請け負う研究所があり、ターゲットとして選ばれた京都大学に、特命をうけた美少女(原文通り)を潜入させて現状をレポートさせ、対策を講じていくというものです。ほかにも「ほんわか」系もあったのですが、たぶん学生むけにはインパクトがあるほうがいいだろうと言う点と、「美少女」という言葉にひかれて、結局こちらのシナリオを選択することになりました。

 まあビデオを作る自体は専門家なので、どうにかなるのでしょうが、心配なのはシナリオの中に「自転車発電をやって省エネがいかに大切か認識してもらう」という一節が入っている点です。そんなの全然未来的ではないような気がして、かなり浮いてしまうのではないかと非常に心配なんですが・・・・(^^;)。このビデオってたぶん今後10年くらいにわたって、環境教育と称して新入生とかに見せるためのものなんですが・・・・、ほんとうに自転車発電など見せてもいいんでしょうかね。


●地球温暖化シンポジウム/正立会 (98/11/22)

 去年に比べて準備期間が短く、ほとんど会合を持たずに進めてきたシンポジウムがとうとう当日となってしまいました。まあ慣れているのでわざわざ会議をしなくてもどうにかなるというのは確かなんですが、あまりにも準備が簡単だったので心配ですね。特に最近は温暖化の話はほとんどマスコミでも騒がれなくなったので、人が集まるかどうかが非常に心配でした。心配でついつい朝6時に早起きしてしまいました(^^;)。心配だといっても別にやることもないので、明日の準備をしていただけですけれど・・・・。

 200人近く入る会場なのですが、開場10分前の時点で10人程度しか入っていなかったのには焦りましたが、どうにか直前には50人以上が座るようになり、全体見回してみても「ひととおり入っているな」といった程度にはなり安心しました。CASAの早川さんと、おおさかパルコープの松下さんと、知り合いを2人も呼んでいるので、これでようやく顔向けができるかなといった感じです。朝日新聞社の記者の方も来ていましたし、世の中で聞かれなくなったわりにはよく入っているといった所でしょうか。

 環境庁の田中さん、RITE(温暖化防止の技術開発を行っている通産省の研究組織。特に二酸化炭素の回収技術、海中固定技術などを重点的に行っている)の山口さん、そしてCASAの早川さんと、パルコープの松下さん、という組み合わせで、ひととおりCOP3以降の温暖化の問題について全般的に話がされた感じです。田中さんと早川さんは先日ブエノスアイレスで行われたCOP4にも参加しており、報告をしてもらいましたが、やはり政治的な駆け引きに終始してしまい、どうもぱっとしないようですね。早川さんが指摘していましたが、途上国の同意を得ていくためにも、日本などが対策・法整備をきちんとして削減に向けたシナリオを率先して提示する必要があるのは確かのようです。佐和先生も、アメリカのパートナーなら、日本がイニシアティブをとって削減の方向を示すことによりアメリカを説得していくことも重要だと話をしていました(少なくともクリントンとその近辺は温暖化防止をしたいのだが、国内的に産業界の圧力が大きいので困っている。そこで外圧があったらクリントンも助かるという話らしいです)。

 今の不況に関連して、なぜ不況なのにエネルギー消費量が伸びているのかについても大きな議論になりました。まあ家庭や運輸の伸びが大きく、贅沢に歯止めがかかっていないのは事実のようですが、本当に経済成長とエネルギー消費の伸びが関連があるのについては、佐和先生と山口さんで経済学的に専門的な議論となっていました。

 もう一点、松下さんから、市民ががんばろうとしても値段が高くては省エネ機器も買えないため、補助金なりで安くしてほしいという話がありました。これは日本の政策を見直す点で重要なんでしょうね。また、子供が独立して電気代を自分で払い始めたら、その多さに省エネを始めたという話がありました。いっしょに暮らしていたときはいくら省エネの話をしても、動かなかったのに、自分で払う番になったから実感がわくんでしょうね。

 シンポジウム自体は、最近の中ではなかなかわかりやすくできたんじゃないでしょうか。久しぶりに企画者としても楽しめた企画でした。


 本当はシンポジウムが終わってから、早川さんとかと飲みに行きたかったのですが、夜には正立会の懇親会があって、そちらの幹事をしてきました。学部のときですからもう7年近く前に高橋先生という経済学の先生がいて、ゼミをしていたのですが、環境の問題を扱っていることで参加していました。面白いもので、学生の間の交流ができていて、今でも正立会として毎年集まって議論をしています。

 かなりシンポジウムで疲れ果てていたのですが、話をしているとめちゃくちゃ面白いです。法律の話とか、大学運営の話とか、本当は関係ないことなんですが、なんとも知的好奇心を刺激されるんですよね。年に1回しか集まっていないはずなんですが、なんか久しぶりという感じはせず、非常に親しみある人たちといったところです。本を作った話をしたところ、先生も含めてみんなに購入して貰い、何人かにはサインまでしてしまいました。いい人たちです(^^)。ついつい調子に乗ってちょっと飲み過ぎてしまいました。


●廃棄物研究会 (98/11/20)

 久しぶりに午前中から研究室に顔を出していたところ、高月先生がやってきて今後の進路についての話になりました。やはり博士課程を出た人間がどうするのか心配なんでしょうね(・・・って他人事のように^^;)。前から、環境家計簿に関する調査を行いたいという話はしていたのですが、大学に籍を置いたまま調査を行うのか、それとも完全に独立するのか尋ねられました。難しい問題です。それは大学に籍を置いたままのほうが、資料をあさるのに最適なのですが、なんか迷惑ばかりかけて申し訳ないのと、また恵まれた環境に甘えてしまうような気がして、できたら外に出たい気もします。人生の岐路では、あえて茨の道を設定したほうがいい結果が出るだろうというのは私の人生観なので、たぶん独立の道を歩むんでしょうね。かっこいいこと言うようですが、本当は心配で仕方ないんですけれどもね(^^)。まあ、いずれにせよ、来年度にはドクター論文を仕上げるという条件の元で進めていくことになります。いやあ、忙しくなりますよ。

 高月先生のもう一つの話は、今日の午後、同志社大学の郡嶌先生が講演をするから来ないかというお誘いでした。日曜日にやるシンポジウムの準備もあるのですが、まあ暇を作ろうとおもえばできるし、久しぶりに郡嶌先生の話も聞きたかったので顔を出してみることにしました。

 いそいそと同志社大学へでかけてみて、話が違うなと思ったのは、いきなり背広を着た方々がたくさん会議室に集まっていることでした。郡嶌先生が講演するというのは、どうも「廃棄物研究会」という廃棄物研究財団が企画している研究会の一部として、話をするということらしいです。いきなり「オブザーバー」という席を用意されてしまいました。以前一緒に「家電製品のリサイクル」と「容器包装リサイクル」について研究会をした自治労の小幡さんなどが来ており、懐かしいメンバーで話ができるので非常に楽しかったのですが、なんともはめられたといった感じです。

 郡嶌先生の話は興味深いものがありました。特にヨーロッパのごみ事情について話をしてもらったのですが、やはり海外をしっかり見てこないといけないですね。世の中の動きは以外と早い物です。

 日本では、ようやく家電製品リサイクル法が作られ、容器包装に続いて業者責任による個別リサイクルの方向に進んできました。廃棄物処分場の問題でも、基準を強化することで法律を改正し、以前考えられたことはとりあえず実現させてきたようです。しかしダイオキシンの問題が大きく取り上げられ、厚生省が焼却炉の数を大幅に減らす方針を出したため小規模自治体がてんてこまいしている問題(要するに将来にわたってどうしたらいいのか見えない)、依然として処分場に対する住民の不信が大きく処分場をトラブルなしに設置できない問題などが広がってしまいました。どうもキリがないみたいですね。とりあえずこれらの問題を整理して、方向性を考えてみようというのが今年度の企画のようです。

 その中で、やはり海外の事情はかなり参考になるものです。もともと容器包装もドイツのDSDなどを参考にしています。(※ドイツの容器包装リサイクルのシステムで、「緑のマーク」のついた容器包装については、DSDという会社が回収を行い、責任を持って一定レベル以上のリサイクルをするようになっています。DSDは容器包装の会社が資金提供して運営しています。日本よりはいいと言われてかなりの自治体の人がとりあえずドイツに行ったら顔を出すところらしいです。) ところが、もてはやされたDSDも最近は立場が悪いみたいですね。以前からDSDが独占企業化していることが問題とされていましたが、確かにリサイクルはがんばっているものの、効率の悪いリサイクルとなっているようです。最近はスイスのlandbellという会社が、安くてリサイクル率が高く、市民への負担も小さいという新しいシステムを提案して、どんどんDSDのシェアを奪っているようです。まだまだ日本にはそれほど紹介されておらず、これからDSD詣でからlandbell詣でに変わるだろうと話していました。

 DSDシステムの問題として、市民のモラルを前提にしているところがあるようです。DSDなら製造業者がリサイクル費用をまかなってくれるので、回収ボックスは無料です。それに対して、一般ごみは有料ですから、生ゴミなどもDSDの回収ボックスに入れたほうが市民にとっては得のわけです(公園のごみ箱に捨てるみたいですね)。そんなことで、都市部では回収されたもののうち半分程度は、容器包装ではないという現実があるようです(ドイツ人もそれほど環境意識が高いわけではないみたいです)。市民の立場としても、ビンや缶ならまだ分かっても、プラスチックや紙などでどれが容器でどれが容器でないか区別はわからないでしょう。しかも、容器かそうでないかは費用を払う側の理屈であって、本来ならプラスチックならプラスチックでまとめて処理したほうが合理的であるはずでしょう。

 landbellがどのようなシステムを提案したかは、また詳しく報告書が出てくるでしょうが、要するに「市民が確実に分別をしてくれるわけではない。かなり混在した状態で排出される」ことを前提に、適度に機械を利用してリサイクルを進めているという話です。ビンなどは独立で回収したほうがいいのですが、缶は機械選別が低コストでできるのでいっしょに集める、さらに生ゴミとプラスチックと紙はいっしょに集めて、コンポストと熱回収を行うそうです。これにより排出されるごみの97%がリサイクルできるという画期的なシステムらしいです。

 まあ無理に市民に分別を求めるのではなく、機械でできるほうが合理的ならそうするというのも妥当な考えなんでしょうね。京都市も、ビンと缶とペットボトルをまぜて出すようにしていますが、(せめてビンはべつのほうがいいような気もしますが・・・)、負担をかけずに一定のリサイクルを達成するのにはいいかもしれませんね。これから日本のごみ回収・リサイクルについても大きく方向が変わってくるかもしれません。

 最後に小幡さんと話をしていたのですが、ちょっと将来の状態が見通せないんで何か研究でもしましょうかということで合意しました。廃棄物学会では提案したものの、軽くあしらわれてしまったので、できたら廃棄物研究財団といっしょにやっていきたいですね。こちらのほうが居心地が良さそうですし。


●リサイクル研/毎日テレビ (98/11/18)

 リサイクル研で省エネチャレンジの結果を報告してくれ、と依頼があったのが昨日。それから一生懸命半分徹夜で集計をしてきました。昨夜は、ちょうど獅子座流星群もあり、夜中に一度屋上に上がって気晴らしをするのにはちょうどよかったです。結局2つ見事な流星が流れるのが見えました。久しぶりですね、流星痕が見えるような立派な流れ星っていうのは。

 リサイクル研での報告は、とってつけた感じでした。リサイクル研、研究室のゼミ、CASAの気候変動研究会、資源経済談話会など、至る所で報告しているので、話す立場としてはだんだんつまらなくなってきますね。今回は通信簿が見えてきたので、どのような通信簿なら意味があるのかといった議論をしてもらい、その点ではなかなか楽しかったです。あなたの家庭にとって標準的な電力消費量ってどうもとめたらいいんでしょうかね。


 もう一点は、家に帰ってきたとき留守電に、毎日テレビの製作の関係のところからメッセージが入っていました。また自転車発電の取材です。今回は、「環境にやさしい生活」といった視点を全面に出してきている番組らしく、こちらの意図にも合致していることから喜んで引き受けることにしました。毎日放送で木曜日の夜中にやっている「楽園図鑑」という番組らしいです。朝日新聞で「ごみを宝に」という連載を持っているチチ松村さんが関係しているようです。

 いままでの経験で、テレビ局がかなり嫌になっていたのですが(NHKのは多少よかったかな・・・)、今回はちょっとは期待できるんじゃないでしょうか。


●省エネチャレンジ冬の作成 (98/11/15)

 今週はなかなか忙しかった、とゆっくりしていたところ、予定表を見るとおおさかパルコープの省エネチャレンジが12月から新たに始まることが書かれていました。確かその冊子を作るのは私が担当だったような・・・・!!。印刷に1週間かかることを考えると、明日あたりが締め切りのようですね。

 というわけで、せっかくの日曜日がまた無くなってしまいました。前回の打ち合わせで無責任にもかなり修正点を議論していたので、結局16ページにも内容が膨れ上がってしまいました。夏版の集計がまだ済んでいないというのに、なかなか余裕がないものですね。せっかく自分で作るのだからと、見やすく工夫をしたり、説明書きを追加したりしていると、時間ばかりが経ってしまい、結局一通りできあがったのが朝の7時になってしまいました。

 これはしんどいと、一眠りをしていたところ、10時頃にパルコープの花村さんから催促の電話がかかってきました(^^)。いやあせっかく「いいもの」をみなさんに試して貰って作れるチャンスなので、もっと余裕を持って作れたらいいんですけれどもね。


●消費者大会at東京 (98/11/12)

 CASAの研究を報告するということで、東京へでかけてきました。最初の話では、21%削減可能という研究を発表するということで聞いていたのですが、タイトルを見ると「温暖化を防ぐ快適生活」になっていました。自分としてはこちらのほうが話しやすいんですけれどもね。ただ、パネラーが4人もおり、話をできる時間がわずか15分しかなかったことから、十分説明ができなかったようです。こんなもんなんでしょうかね、話が乗ってくる(だんだん関西弁が出てくる^^;)のは30分をすぎてからのようです。

 私のほかの報告としては、グリーン電力の話、自動車の話、このあいだようやく成立した環境アセスメント法の話と盛りだくさんでした。環境アセスメントとしては環境庁から寺田さんという方が見えていましたが、なかなか楽しい話し方をする人でしたね。OECD諸国の中で法律が成立したのが一番最後であったというのは驚きました。まあこれから内容で勝負といったところでしょうね(それも大きな問題なんですが・・・)。

 今回は全国からおばちゃんたちが集まってきており、たくさんの取り組みの話が聞けて面白かったですね。やはり終わった後の交流会が一番でしょうか。高知生協の方々と意気投合して、夜中まで盛り上がっていました。(おばちゃんたちに囲まれて、ばか話ばかりしていたような気がします)。結局、京都に仕事を残してきているので日帰りにしようかと思っていたのですが、また事務所宿泊となってしまいました。


●学研ビデオ/京都市環境家計簿(98/11/10)

 環境保全センターでは、学生向けなどに廃液処理の講習会をするにあたって、ビデオを作成しています。これは10年以上前に作られたものですが、「クルーゾー警部」が出てきて大学内を捜索するといった、なかなか面白いできになっています。(何度も見ていると辛いですが)。今回は、一般学生向けに、大学でのリサイクルや下宿生活での省エネについて、環境教育の一環としてのビデオを作成しようという話が持ち上がってきました。今回はビデオ作成を担当する学研さんに、3種類のシナリオを作って貰ったのですが、さすが面白いものを考えますね。

 端から見ている分には、興味深いのですが、早速仕事がふりかかってきまして、「学生が普段生活する各場面で、環境にいい生活と悪い生活で、どれだけ環境負荷に差が出てくるのか数値で示せ」という仕事をしなくてはならなくなりました。客観的にみたら非常に興味深いのですが・・・、一番の心配はこれから何年も多くの人に見てもらうビデオなのですが、それに耐えられるだけのデータの信頼性があるかというところでしょうか。月に2回程度のペースで検討を行い、来年の3月までにはビデオができあがるようです。

 もうひとつ新たに参加したところとして、京都市で行っている環境家計簿の取り組みの会合に出てきました。こちらは一般市民を対象に1000人規模で取り組んでいるものですが、成績表を配ったり、事前のアンケートや、終わった後のアンケートをして成果を調査しようなどという取り組みは、私がおおさかパルコープで行っているものと同じです。ちょうど家計簿をつけてもらう期間が始まった段階で、これから忙しくなってくる様子です。知り合いも関わっていたので、似たようなことをやっているのならと参加した次第です。COP3で活躍した気候ネットワークが中心となって作業を行っており、比較的柔軟に動きができそうな感じでした。ただ作業が進んでいるところにいきなり入って、「おおさかパルコープではこうやった」という話をしてしまったものだから、ちょっと議論を混乱させてしまったようです(申し訳ありません)。ただ、さっそくメンバーに加えて貰えることになり、いろいろお仕事の担当ももらってきました。

 来年以降これで飯を食っていこうと考えている私にとっては、京都市のこの取り組みはボランティア的に動いているため、お金にはなりそうもありませんが、まあ貴重な情報が集まるという点では非常にメリットがあると思います。立命館大学の笹谷先生も、事業的にやっていくことを考えているようで、いままで一緒にできなかったことがちょっと残念といった感じでした。ともかく、パルコープと京都市、面白くなりそうです。


●家庭の有害物アンケート (98/11/09)

 今までは研究室で、私と同じテーマをやる人がいなかったので後輩のサポートはあくまでも距離を置いて(コンピュータの使い方など直接関係ないところで)行ってきたのですが、今回は卒論と修論の2人を面倒みることになっています。正確に言えば、平井君の卒論は私の担当だったのですが、彼は自分で研究を進められるので全然指導をしていませんでした。・・・というわけで、今回がまともに指導をするのは始めてのわけです。

 考えてみれば、論文提出までもう100日を切っていることもあり、なかなかせっぱつまってきました。一応、一般向けのアンケートを行って調査をするという話だったのですが、全然話が煮詰まっていませんでした。最低でもアンケートの設計に半月、書いて貰うのに半月、集計に1ヶ月と考えると、もうデッドラインと言ってもいいかもしれません。ようやく重い腰を上げることになりました。

 今回の研究のテーマは、家庭から排出される有害廃棄物についてです。海外ではすでに「有害物」として別途回収している自治体も多いのですが、日本の場合にはとりあえずまとめて焼却(もしくは埋め立て)という困った状況です。廃棄物学会の市民部会でも指摘していましたが、有害物は配慮しながら適正に処理をしないといけず、かなり政策的優先度は高いはずなのですが、厚生省が指揮をとっているわけでもないというので、野放しになれている現状があります。家庭でも「これはそのまま捨てたら危ないだろうな」というものがかなり保管されていると思いますが、いつまでも保管できるものでもなく、いずれは廃棄されることになるでしょう。もしくは災害時にいっせいに放出されることも考えられます。こうならないように、危ない物はちゃんと集めようという方向に向かっていかないといけないでしょうね。

 今回の調査も、基本的に「家庭で有害物がどれだけ使われていて、捨てられずに困っているのはないのか」というアンケートなのですが、各自がばらばらの視点で尋ねたいことがあり、その調整にちょっと時間がかかりそうです。なかなかアンケートも奥が深いものですね。私と小清水君は、家庭でどう保管・処理しているかに注目しており「家庭」を単位に調査したいと言うのに対し、中野屋君は市民としての意識を尋ねたいために「個人」を単位に調査したいということです。これは、無作為抽出の方法にも大きくかかわってきており、「家庭」を単位にするのなら電話帳の無作為抽出でいいのですが、「個人」を単位とすると市(区)役所に置いてある住民登録票や選挙人名簿から無作為抽出する必要があります。いきなり最初から、「別のアンケートでやったほうがいいかな」というまとまりのない意見が出てきてしまいました。

 予定を見てみると、まさか年末にアンケートを回収するわけにもいかず、せめて12月15日が締め切りだろうと考えると、まったく今回話し合いを始めていなければ手遅れになるところでした。しかし、基本的に身勝手な三人組、これからちゃんとまとめてアンケートが作れるんでしょうかね。


●おおさかパルコープ通信簿 (98/11/06)

 省エネチャレンジの集計を行い、お世話になっているおおさかパルコープの花村さんと松下さんに報告に行って来ました。二人とも話し好きなので、こちらが説明する暇もなくあれこれと話が展開して非常に面白かったです。

 ホームページにも載せて置いた「家庭内でのコミュニケーション」についてのまとめを、いたく面白がってくれて、なんか戦略的に使えないかなどと話が盛り上がりました。また、今回省エネチャレンジを取り組んでくれた人に返す通信簿についても、立派なものができたと喜んでくれました。カラー印刷でイラスト入りというのがかなり親しみやすいようです。要望にお答えして、「通信簿」らしくB5の見開きにしています。しかし、これだけ喜んでもらえると作っていてうれしい物です。今は自動的にこうした通信簿を作成するプログラムを作っているところですが、ちゃんとしたものができれば確かに商売ができるかもしれませんね。取り組んだ人にとって、やる気を起こしてもらえるものになったらいいですね。


●自転車発電 (98/11/05)

 学園祭のシーズンだなあと感じるのは、最近自転車発電の問い合わせが頻繁に来ているためである。「簡単に完成しました、ありがとうございました」という幸せな電話もあるが、「動かないんだけれど、どうしたらいいでしょう」というせっぱ詰まった悲鳴も時々聞かれる。なんやかんやで今年は10カ所以上で自転車発電器が作られているようである。

 特に多いトラブルが、インバーターが故障してしまったというもの。今回の部品の中でも最も値段の高い部品であり、遠くまでかなりのお金を出して買い求めた人も多いようである。自動車のバッテリーから100vの交流を作るというので、キャンプ用としても一般に広く売られているものではあるが、詳しく説明書を読んでみると、パソコンはだめだとか扇風機はだめだとか細かく記載されているのである。これを間違えて、もしくは試しにとつないでみると、保護回路が働く前にインバーターが壊れてしまうのである。ただ、他の家電製品(テレビやラジカセ)でも電源回路の作り方によっては、相性が悪い物があり、インバーターが壊れてしまうようである。(私も一台壊したし・・・・^^;)

 自己責任でとは言うものの、これだけ多くトラブルがあるのにはやはり自転車発電自体に無理があるからかもしれない。まあこれくらいスリルがあるというのも、逆に面白いのかもしれないが・・・・。とりあえず、トラブルに巻き込まれたところでも、どうにか本番までには間に合っているようである。

 石川工業高等専門学校では、タイヤチューブを外して、オルタネータと車輪をベルトでつないで発電したという話、かなり安定しているらしい。エコ・リーグの全国事務所でも作ったということだが、2台のうち一台だけどうにか動いた様子。筑波大学は私が去年作ったものを貸していたのだけれど、インバーターが壊れてしまって大変だったという話。滋賀県立大学はインバーターを買うと高いので、インバーターだけ貸してあとは自作したものの、インバーターが壊れて困ったということ。岡山大学だけなのかな、全く順調に動いたというのは(^^)。みんながんばっているみたいやね。


●省エネ家計簿 (98/11/02)

 今日は茨城から今田さんが用事で京都に来ており、ついでに省エネ家計簿についての話をした。来年はどうも京都に引っ越してくるらしく、コンサルタントの下請けをしているという実績もあり、なかなか会社作りには重要な人材となるはずである。以前にもエコ・リーグの事務局を同時期にやっており、事務仕事(さるにでもできる「さる仕事」)が得意なメンバーで、「モンキーズ」と言われたものである。もう3年来のつきあいになるだろうか。

 エコ・リーグの連中は各自が妙な能力を持っており、兼ねなく相談できるのがいいところである。ただ、ついつい無駄話に花が咲いて時間が経ってしまうのは、まあご愛敬なんでしょうかね。


●分子力学 (98/11/01)

 私の下宿の隣の部屋には、京都大学の理学部博士課程の学生がいる。分子のシミュレーションに関しては日本一の研究室だということで、研究は厳しく、いつもしごかれているらしい。彼は非常に勉強家で、机の上にある厚さ20cmにもなるA4の裏紙にはぎっしりとしかも丁寧に数式が書きまとめられている。とにかく基礎がしっかりしていて、私にうれしそうに解説をしてくれるし、物理学の入門書などを書かせたら、めちゃくちゃわかりやすい本を作るんじゃないかというヤツである。私も恥ずかしながら大学の物理は、試験勉強だけしかせず「面倒なもの」としか認識していなかったが、彼の話を聞くと手に取るようによく分かるのである。もっとまじめに勉強しておけば良かったと、反省している次第である。

 その彼が夜中にドアを叩いてきた。まあ普段は映画の話とか、政治の話などが混じるのだが、今日は今研究していることを相談したいという話だった。分子運動のシミュレーションをする中で、プログラムを書いているのだが、どうも意図しない動きをするので調べてほしいということであった。「そんなこと俺に分かるわけないだろう」とは思ったが、いつもながら話は面白そうなのでつきあうことにした。

 話を事例的に示すと「車のタイヤを軸を中心に回すと左右のタイヤが近づいてくる」ことがシミュレーションで出てしまうというのである。実際にそのようなことはあり得ないので、どこかにプログラムのミスがあるのだが、それがわからないというのである。彼は非常にシンプルな状況を設定して、質点4個、角度2カ所、長さ3カ所を数式で記述をして次々に式の展開を進めていった。ベクトルの内積の微分とか、外積の微分とか、私が「わけがわからない」と言うと丁寧にそこで説明をしてくれ、納得してから進むというので非常に手間取ったような気もする。求めるのは「質点1のx座標の2回微分」の値が0になることを示すのであるが、どんどん式は複雑化を極めていった。私は式を追っていくのが精一杯であったが、次から次へと式の展開を進め、いつのまにか式で埋め尽くされた紙は6枚にもなってしまっていた。

 最初はいつ終わるのやらと思っていたが、それでもようやく収束に向かい、最後におかげさまでは非常にシンプルな式に。結局どうも軸の長さ分だけ値がおかしくなっており、途中で計算ミスが1カ所見つかったが、おかげで無事「車のタイヤはどれだけ回ってもくっつかない」ことを示すことができた。「非常に助かった」と感謝されたが、私はまったく助けた覚えはない。

 正直言って、えらく感動してしまった。特別難しい公式を使っているわけではなく、教科書に載っている基礎的な展開だけで、一見手も着けられないような問題を明確に解くことができるというのは、非常に美しいと思った。実際解けた問題はそれほど意味あるものではないが、こうした積み重ねで最先端の研究が成り立っている理学に学ぶべき所は多いような気がした。私自身大学に9年間いたけれど、まじめに積み重ねをしてきていないので、自信を持って何かを示すというのはなかなかできないものである。根拠がしっかりしている理学部がちょっとうらやましいなとも思ってしまった(就職先がなくて大変らしいけれど)。


お問い合わせ、感想などありましたら鈴木(ysuzuki@mti.biglobe.ne.jp)まで。お気軽にどうぞ。

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