ごみにまみれて '98/10

Last update: 98/10/31

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●勉強会at富田林 (98/10/30)

 CASA経由で、「温暖化を防ぐ快適生活」の話をしてほしいという依頼があり、大阪の富田林まで出掛けてきました。今回は今までとは違い、人数も20人ほどだということであまり気負いなくやってきたのですが・・・・、このくらいの人数のほうが難しいですね(^^;)。連続講演会の最後ということで、来ている人はお互いに親しいのかと思いきや、お互いあまり知らないらしく、単なる勉強会として話し始めると、いきなり机に目を伏せられてしまいました。辛かったのは、なかなか笑いをとれなかったところですね(^^;)。

 やはり単に話をするのではなく、これくらいの人数ならお互いに話し合うというワークショップに切り替えたほうがよかったのかもしれません。終わった後には、かなり頻繁に質問も出て話ができました。一番目立っていたのは学校の元先生らしいおじさんで、しきりに「こんなのじゃ解決にはならない、一部の人だけが参加しているだけでむなしい」と話をしていました。こちらの意見を言おうとすると途中で話の腰を折って「意味がない」というのには辟易しましたが、「これからグループを作って新聞を発行するなり取り組んでいくべきだ」という提案をしている点では協力したい気もありました。

 話をしても大抵はその場の議論で終わってしまうことが多い中で、グループを作って続けていこうというのは面白い動きです(1993年のエコ・リーグ設立に向けた動きを思い出します)。ただ心配なのは、話を持ちかけたこの元教師が、うまくグループ運営をしていけるのかという点でしょうか。しきりと「むなしい」「年をとっているので死ぬまでに間に合わないかもしれない」という発言を繰り返しており、確かにその気持ちは分かるのですが、みなで協力して取り組んだことを同じようにけなして、やる気をなくしてしまう人が出てくるのではないかというのが心配です。確かに、その気持ちは、新しい企画を立てて取り組もうという時には重要なんですけれどもね。遠いのであまり関われないかもしれませんが、上手な動きをしてもらえたらうれしいです。

 その後はCASAの事務所に寄ったのですが、上園さんと川阪さんが忙しなく、アルゼンチンで行われるCOP4の出発準備をしていました。今日の夕方に関空から出発して、30時間飛行機の中で過ごすそうです。財団からお金が降りており、一時はいっしょに行かないかと誘われたのですが、面倒そうなので私は断ってしまいました。まだ海外旅行はしたことがないので、ちょっとうらやましい面もあったのですが、やはり面倒そうですね。


●廃棄物学会と私 (98/10/27)

 学会は年に一回だけ、その専門の人たちが集まって議論ができるということで、非常に若手の研究者にとっては勉強になる場所です。夜は夜で、年に一回のお祭りだと称して飲み会が行われ、こちらも「非常にためになる」場所です。この廃棄物学会は、私たちの研究室が参加しているメインの学会になるのですが、残念ながら私はテーマから少し遠ざかっていることもありここ4年ほど発表をせずにぶらぶらとしてきました。本来は自分の成果を発表して専門の人たちの意見を聞くことが一番ためになり、発表しない人は居場所が無いのが普通なのですが・・・・、さすがに何年も学会に顔を出していると、知り合いも多くなって楽しいものです。ここでしか会えない人っていますからね(何のために来ているのやら・・・)。

 今回は名古屋での開催。京都からなら朝早く普通電車に乗れば十分開催時刻に間に合い、新幹線代を浮かすことができると計算していたのですが、早速初日から寝坊して新幹線に乗ることになってしまいました。混雑した新幹線のデッキで、競馬の予想のごとく発表論文一覧表を開いて「ここに参加しようか」と○をつけていると、向かいの人も京都市環境局の職員で廃棄物学会へ参加するということでした。旅は道連れと、いっしょに会場へと向かいました。

 発表をする人も、その道の大家から、卒論でかじったものを発表に引っぱり出された人まで混在しており、なかなか気を抜けません。非常に専門的で突っ込んだ議論になることもあれば、司会の人が上手に問題点を指摘してやさしい指導をしてくれたりするものもあります。なかなか100人以上専門家が顔をそろえている中で質問をすることはためらいがあり、他の人が質問する内容を聞いて「どんな質問が適切なのだろうか」という観点から眺めていました。どうしても尋ねたいことがあり、ためらっていると、次の人がその質問をしてくれて、「ああ、俺の考えていたことは、他の人も同じように疑問に思っていたのか」と、思わずうれしくなってしまいました(思い切って質問すればよかった・・・)。

 発表として興味深かったのは、比較的大学自体の環境改善(ごみ減らし)について研究発表が多かったことでしょうか。先日は武蔵野工業大学でISO14001を取得したらしく、研究としてではなく一事業体の責任として大学の環境改善を進める例が多いようです。京都大学も一時期はかなり真剣に議論したものですが、やはり遅れをとってきているのかもしれません。

 あと、自分の研究が関係していると非常に面白いですね。5年前に私が発表した結果が引用されていると、なんともお礼を言いたくなってしまいました。焼却炉の中の鉛が非常に高濃度なんですが、それが何に由来しているものなのか未だに明らかではなく、当時は鉛蓄電池が6割近くを占めると結論づけたのですが、5年経っても議論が続いているようです。やはりそろそろ論文にまとめないといけないですかね(^^;)。

 学会では多くの人に会うのですが、会う度に「来年はどうするの?」という話になってしまいます。今年は博士課程3年でもう大学から出なくてはいけないのですが、今のところ全く就職活動もしておらず、かなり心配されているようです。自分としては、パルコープで行っている省エネチャレンジが面白い動きを見せそうなので、プー太郎(いわゆる無職もしくはフリーター)になってでも、どこまで市民に受け入れられるものなのか突き詰めてみたいという気持ちがありました。会社を作ろうか、という話も冗談混じりで話がされているのですが、本気でやるとなるとどうしても躊躇してしまうところもあります。環境家計簿を取り組むにしても長期にできるわけではなく、いずれは研究職に戻りたいという気持ちもあり、それが本当に可能なのかも心配です。まあ少なくとも、そのまま大学の職を探した方が、はるかに安心して研究が続けられるのは確かでしょうね。

 そんな話を尋ねられる度にするのですが、「とりあえず大学の職を探したほうがいいんじゃない」と引き留めてくれる人は全くおらず、「それはすごいよ」とか「思いっきりやってきな」という声ばかりでした。知り合いの環境コンサルの人などは、すでに私が手伝いとして入ることが決まったように喜んでくれました(^^;)。専門家の話を聞いて、引き留めてくれるのなら考え直そうかと思っていたのですが、結局だれも引き留めてくれないんですね(^^;)。ここまできたら後には引けないようです。

 結局飲み会の場で、田中勝先生という大御所の先生に、「ドクターがとれていなくても期限を決めて研究所に入って研究をやる仕組みは整備されている」という救いの船を出して貰って非常にうれしかったのですが、その時には酒も入っておりもう後戻りはできませんでした。「そんな片手間ではなく、24時間全力を出してこの仕事の可能性を追求してみたいんです」と啖呵を切ってしまい、とうとう私の人生は決まってしまいました。


●中古と包装 (98/10/24)

 とうとう私が購入したパソコンが8台目となりました(^^;)。決して無駄に買っているつもりはなく、それぞれ私の人生で非常に重要な手助けをしてくれたのですが、・・・でも客観的に見て多いですね。すみません。今回は、パソコンのプログラムのお仕事をしている都合上、別のOS(WindowsNT)上で開発・動作チェックを行う必要があり、今使っているノートパソコンでは対応できないために購入した物です・・・といってもやはり言い訳にすぎないですね(^^;)。

 購入したマシンは、Pentium75のFMVマシン。3年前の製品で、すでに去年の雑誌の記事で「未だにこんなに古いマシンを使っているなんて信じられない」とこけにされているものです。(こういう新しい製品をあおる記事っていやですよね。これで買い替えてもまた次の年にはこけにされるんでしょうから)。研究室ではこれより古いマシンが快適に動いているために、大丈夫だろうと購入に踏み切りました。メモリ32MB、ハードディスク830MB、CDROMがついていて24800円でした。たぶんどこかの会社で使われていて大量に中古に出回っているんでしょうね。

 東京で購入して宅配してもらったのですが、メモリの内蔵量が違っていたり、CDがついていなかったりと、2度ほど送り返したりして(^^;)、ようやく求めているものが届きました。各種設定をしインストールをしてみたのですが、かなり重たいと言われるWindowsNTもそれなりに快適に動いてくれており、結果的にいい買い物だったと思います。今もパソコンは安くなったようですが、こうした中古でも十分使えるんですよね。あんまり速いマシンは本当は必要ないのかもしれないのですが・・・、どうも変な世の中です。

 中古を購入したという点ではなかなかいい選択をしたと言えるかもしれませんが、しかし中古品ってすごい包装で届くんですね。適当な大きさの段ボールがないからなんでしょうが、ちょっと大きめの箱に入れて、大量の充填材(発泡スチロールのビーズ)が詰められているんですね。その量、なんと大型ごみ袋3袋分!!。普段はスーパーの買い物袋分のごみを2週間に1回程度出すくらいなんですが、ほぼ容積で1年分のごみがこれで出てしまったわけです。ごみ回収のおじさんも大変でしょうね。ごみ処理費用は、容積が大きく関与しており、だいたい袋1つで300円から400円程度実際には費用がかかっているそうです。するってえと・・・・、1000円分以上のごみが押しつけられたということになるんでしょうか。せっかく中古なんですから、もう少し適切な包装ってないもんなんでしょうかね。


●パルコープ:省エネチャレンジ速報 (98/10/23)

 私にとって今年最大のプロジェクトである省エネチャレンジですが、ようやく結果が返ってきました。最近は集計に追われています。しかし、どうも成果は芳しくないようです。

 まだ最終集計ではないのですが、7月と8月の電気の使用量は、昨年に比べて10%以上も増えてしまっているようです。集計をしていても、減った家庭というのはほとんどないですね。家庭内でのコミュニケーションについても7月と10月で比較をしてみたのですが、ほとんどコミュニケーションが改善されていないようです(^^;)。唯一、取り組みの自己チェックは改善されていますが、どうもその他は全滅(効果がない)ようですね。アンケートでは「かなり大変だった」という意見が多かったため、苦労が多い割には成果少ないという最悪の結果となりそうです。

 電気が昨年に比べて10%増えたという点ですが、これは関西電力の小口の電力供給量の統計を調べてみても、平均的家庭ではだいたい去年に比べて12%程度増えているようです。だから、今回「省エネチャレンジ」をやったから増えたわけではない、ことは言えるようです。今年が暑かったというよりは、どうも去年が意外と冷夏だったというのが実状のようですね。

 集計結果は11月には出す予定です。


●メール2件 (98/10/20)

 おかげさまで最近いろいろメールをいただいています。公開してよさそうなものを紹介させてもらいます。

 ディスカバリーパーク焼津(子供向けの科学館のようなところかな:静岡県)の中野さんから、自転車発電が成功したことを写真付きで送ってくださいました。写真はこちらこちらです。なんか立派な施設で、こんなに原始的な装置を使うというのはちょっと妙なものですね。科学館向けにもっと丈夫なやつを設計したらいいのかもしれません。以下メールの抜粋です。

公開実験は館内で行ったため、電波の受信状況がいささか不良でしたが、初公開と
しては、まずまずの成果でした。今月25日のサイエンス教室でも公開する予定です。
現在、自転車が大人用であるため、小学生には少々難があります。ママチャリに変
更したり、W数の小さいステレオなど、負荷を小さくしたりして、小学生高学年くら
いには試乗してもらえるよう、今後工夫してみたく思います。試乗者は皆、発電の大
変さを実感しつつ、楽しんでおりました。当日の最長発電記録は、成人男性、5分
でした。

 最近わかったのですが、何分テレビを付けていられるかは、自転車の性能に左右されるようです。整備された自転車なら何分でも発電を続けられるようですね。・・・つまり私の自転車はかなり「ボロイ」ということみたいです(^^;)。


 続いて、家庭の中にためられた捨てるに捨てられない商品をどうしたらいいのかという質問です。

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早速ですが、シャンプー、リンス等の液体ものの処分で
困ってます。 購入したものが髪の質に合わず、買いかえたり
して中途半端に残ったものが数十本もたまってしまったのですが
風呂場に流しても問題ないでしょうか?

ほかにいい処理方法あれば、教えて頂きたいのですが・・。
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 一応現在研究室では、家庭での有害廃棄物について研究を行っていることもあり、研究室のみんなにも尋ねました。まあ有害といっても、明らかに有害と言えるもの(農薬とか有名になったシロアリ駆除剤、殺虫剤など)もあるのですが、洗剤や塩ビなど、どうしたらいいのか困るものも含めています。単独では有害とは言えないのですが、ごみ処理過程で有害になったり、長期的に環境中に放出して安全とは言い切れないといったものもあるからやっかいです。まずは研究室の専門家の回答(メールなんで軽く読み飛ばしてください)。

ないです(^^;;)。
家庭を想定した場合,適切な処理方法は思い浮かびません。

一応,3年ほどは水処理の研究をしてましたので考えましたが・・・。

シャンプーは界面活性剤,着色料,香料などの有機物質が主成分ですが,
それを家庭で適切に処理する方法はないです。
敢えて言えば,土にまくことでしょうが,それにしても分解には時間がかかります。
当然,濃度が高いので植物には負荷を与えることになるでしょうし・・・。
私はしょうがないので普通に使い切るようにしてます。

そのまま流すのとどちらがよいか判断に苦しむところです。
下水道が整備されている地区では,当然下水処理場へ流れ着き処理されますので,
そちらの方が確実に綺麗にしてくれるとは思いますが,
洗剤の分解物が環境ホルモンの作用があるとか言う話もありますしねぇ
(家庭用の洗剤でもそうなるのかちょっと不安(^^;)調べてみます)。

 ついでにもう一人。

なんで,数十本もたまってしまったの?
髪質に対して,そんなに違いがあるの?
そんなに頻繁に,種類を変えなきゃ行けないの?
誰か,引き取ってくれるような友達はいないの?
   などという素朴な疑問が出ますが...

それに,未使用のものを流すのに躊躇しているけど
使ってから髪を洗うときに流すのは疑問を感じないの
かなあ,というのも聞いてみたいですね。

皆さんにお聞きしたいのですが,シャンプーで洗濯すると
何か問題があるんでしょうか?風呂場に流すくらいなら
洗濯とか,食器洗いとかに使う方がましな気がする。

あと,焼却炉に入れた場合はどうなるんですかね?
少しずつなら大丈夫そうですね。最終的にどんな形になるのか,
よく分からないけど。

直接,埋立ごみに捨てるのは,なにかいろいろと溶出させる
一因になりそうですね。

その自治体が,プラスチックを埋め立てているのか,燃やして
いるのかによっても変わるのではないかと思います。

 ということです。結論から言うと、もっと困りましょうということで(^^;)。困るから、困るような物は買わないようにしましょう、ということなんでしょうか(完全に逃げていますね)。洗剤系をどうしても処理しなくてはいけない場合には、下水に流す(下水道が整備されているところ)か、小分けにして焼却ごみに出すかして、その後1週間くらい真摯に自己批判をしてください(^^)。現状ではどうしようもないですから。


●環境就職相談会 (98/10/17)

 昨日は泉大津の話から、直接東京へ出てきてちょっと会合に出てきました。と言うわけで、今は東京です。ちょうどエコ・リーグで環境就職相談会なるものが企画されており、その準備に顔を出してきました。

 環境就職相談会は2年ほど前から行われてきたもので、環境関係の仕事につきたいという要望を持った人たちが多いことから毎回かなりの盛況のようです(いちおう相談会ということで、実際の就職活動・面接の場ではありません)。ただ例年は2月ころに行われており、就職活動が早まっているとはいえ、今回10月という中途半端な時期に企画したのは始めてということです。事務所に朝から顔を出していたのですが、新聞に掲載されたこともあり、かなり頻繁に問い合わせの電話がかかってきました。みんなかなり真剣の様子ですね。会場も100人近くの人が集まってきました。

 非常に興味がある話なのですが、私自身はすでに会社を作ろうという具体的な動きが始まってしまっているので途中で抜けさせて貰いました。京都では作業が待っています。まあ持っていったブックレットが全部はけたので、なかなかいい相談会だったのではないでしょうか。


●泉大津の勉強会 (98/10/16)

 CASAの関係で、大阪の泉大津で行われる生協組合員さん対象の勉強会に呼ばれて話をしてきました。最近はダイオキシンやら環境ホルモンやら遺伝子組み替え食品の話題ばかりで、温暖化はどこへいったやらといった感じなのですが、さすが生協の組織力というか、大雨洪水警報が出ている中、150人も集まってきました。

 心配していた寝坊もせず(おいおい、もっと話す内容とか心配しろよ)、せっかく印刷したレジュメを下宿に忘れてくるといったへまもせず(すみません、前回やっちゃいました)、無事に会場までたどり着きました。

 「温暖化を防ぐ快適生活」を売ってこいと言われたので、本の内容をそのまま話すことなく、「詳しいことはブックレットで・・・」という宣伝もしながら話をしていると、どうも嫌らしくっていけないですね。でもまあ、ちゃんと随所で笑いはとれたし、1時間半の時間を終わりまできちんと聞いてもらったし、結果的には良かったんではないでしょうか。いつも通り、人前に立つと緊張してしまうのですが、10分も立つと無性に気持ちよくなってしまい(^^;)、ついつい調子に乗って話をしてしまいました。こんなに気持ちよく話ができたのは久しぶりです。

 内容的には、COP3の後の動きを話して、家庭でどのようなことができるかについて「冬の暖房」と「冷蔵庫」の2点にテーマを絞って、話を構成してみました。「これをしたら二酸化炭素がこれだけ減る」といった情報は、根拠が忘れられたまま一人歩きしてしまっており、ちょっと危惧を抱いています。そこで家電機器の仕組みを理解してもらう方が実感がわくのではないかと考えてみました。機械の話になってしまうため、どうしても難しくなってしまうのですが、実際に家庭にあるわけですから理解はしやすいのではないかと見込みました。

 特にこれからの省エネにおいて、エアコンが効率がいいことと、家の断熱についてはちゃんと消費者に理解してもらわないと、二酸化炭素排出の改善が見込めないはずです。どこまで理解してもらえるか、心配な面もあったのですが、今回来てくれた人が理解が早かったせいか、一応納得してもらえたようです。こういったものは、本で読むよりは説明して貰ったほうが早いかもしれないですね。

 次回のお話は30日。今回の話が調子良かったので、また同じように話してみます。


●環境市民:買い物ガイド (98/10/12)

 ホームページにも紹介してあるグリーンコンシューマーガイドですが、現在2種類の企画が同時進行中です。一つは、全国のNGOが協力して、大手のスーパーを環境の視点から評価しようというもの(全国版)で、もう一つは京都市内のスーパーを全店舗調べてどこのお店がいいのか評価しようというもの(地域版)です。全国版のほうは、私のあずかり知らない世界(たぶん東京)で会議が開かれており、それなりに組織だった運営がされているようですが、さすがに調査事項が複雑らしくて発行が予定より遅れて来年の2月ころに出されるようです。今回ミーティングがあったのは、京都市版のやつです。こちらも最近はご無沙汰していたのですが、直接研究室にお誘いの電話がかかってきたので、顔を出してきました。

 常に10人程度のメンバーが集まっており、前回(93年)作成した時よりもスタッフは多いのですが、民主的に話し合いで決めていったり、組織運営のことを配慮したりと、なかなか物事はスムーズには動かない印象がありました(決して前回が民主制を無視したわけではないですが・・・4人じゃ意思統一も楽でした)。スタッフも常に顔を合わせられるわけではないらしく、2週間に1度程度の会合がやっとといった感じです。顔を合わせる機会が少ないのであれば、かなり仕事分担を明確にして、ビジョンを統一しておかないと大変でしょうね。

 店舗の調査は夏休みを利用して、ほぼ京都市内全店舗(250店)の調査を終えていました(この情報量は見事です)。あとは集計をしたり、ミスデータを直したり、本文を書いていくことになるのですが、まだまだ本を作る体制ができていないことが心配です。どんな本を作るのか、ページ数をどれだけにするのか、といったことがまだまだ議論されていました。まだ具体的な作業には入れないようです。自分としては会議が大嫌いであることもあり(^^;)、話をしている時間があったら手を動かしたい、抽象的な議論をするくらいならさっさと見本を作って合意を得たい、と思ってしまうのですが、結果的に忙しくて手を出せない人間が口を出すほど迷惑なことはないので黙っていました。まあメンバーはしっかりしていますから、それなりの方法できちんとやるのでしょうね。

 もしかしたら、前回のガイドブック作成のほうが異常だったのかもしれません。当時はMacが一台しかなく、それで集計からページレイアウトまで行っていました。LCと呼ばれる今から考えると極端に貧弱な機械で、ちょっと複雑なページを作ると、パーツが一つずつ表示されていき全部表示されるまでに1分近くかかることもありました。また集計ではエクセルを使っていたのですが、ファイルが大きすぎて一度保存したファイルが開けないという事態も起こりました。まさに機嫌をとりながらの作業で、なかなか面白かったですね。一台しかないこともあり、24時間交替でスタッフが入れ替わりで作業をしていました。最後の編集の時期などは、よく事務所にも寝泊まりしましたね。

 大変だったですが、それだけ面白かったですね。今回のスタッフには、後からいい思い出だったと酒を飲みながら話ができるような、いい体験をしてほしいです・・・(って完全におじさんモードですね)。


●京都市ごみ調査 (98/10/08)

 今日は研究室恒例の家庭ごみ調査でした。もともとうちの研究室は、ごみの研究室であり、これが本業なんですけれどもね。

 まず朝の6時に集合して、京都市内の某場所で家庭ごみを集めてきてきます。一応「京都市環境局」という名札をつけて、アンケートをしながら集めるんですけれどもね。悪いことはしていないんですが、なんとなく後ろめたさを感じてしまいます。「なんでごみを持っていくの?」と尋ねられることもしばしばあるようです。あまり正直には答えられないんですけれどもね。

 ごみの分別はいつもどおり160種類くらいに分類して、重量と体積を測定するのですが、今回は特に「薬品」について重点的に調査を行いました。なんでこんなことまで調べるかな、という細かい成分まで書き写すのですが、まあいつかは貴重な資料になるんでしょう。書き写しは大変でしたが、去年の「生ゴミ」の分類よりははるかに幸せな調査でした(去年の11月1日参照)。

 最近はプラスチック中の塩素が、ダイオキシンの原因ということで問題にされていますが、見た目ではなかなかわからないもですね。そこで、アルコールランプを使って一部を燃やして、燃え方からプラスチックを分類することを行いました。以前は、卵パックはすべて塩ビだったのですが、最近はポリスチレンのもの、PETのものが増えているようですね。あとよく言われているのが、ラップですが最近はポリエチレンのものが多くなっているようですね。さすがに店で売っているもの(ラベルが付いているもの)は塩ビ(正確には塩化ビニリデン)のものばかりですね。

 比較的調べるのは簡単です。プラスチックにほのおを近づけてみて、(1)縮れるだけで全く燃えないのが塩化ビニリデン、(2)燃えるが炎を離すと消える場合には、縮れて臭いのが塩化ビニルで、素直に燃えるのがPET、(3)燃えて炎を離しても消えない場合には、黒煙が出てくるのがスチレンで、黒煙が出ない場合にはロウの臭いがするのがポリエチレンで、臭いのがポリプロピレンとなります。最初はなかなかわかりにくいので、表示があるもので確かめてみて確認していきましたが、慣れてきても臭いが麻痺してしまいだんだん分からなくなってきました。輪になってプラスチックに火を付けて、わいわい騒ぐという端から見たら危ない人たちだったんでしょうね。

 本来なら青空の下で行うべきなのですが、都合上建物の中で行ってしまい、有毒ガスが充満する中の調査は大変でした。たぶんみんな寿命が縮んだのではないでしょうか。なお、プラスチックに火を付けるという非常に危険な作業ですので、まねはしないでください。


●アンケート (98/10/06)

 おおさかパルコープで行っているアンケートが早速返ってきました。金曜日に出したばかりなので、たぶん付いてすぐ返送してくれたんでしょうね。非常にまじめな方々ばかりで本当に頭が下がります。10部程度返ってきたのですが、そのうちの半分は宛先不明でした(^^;)。名簿づくりはパルコープさんにお任せしており、重複もかなりあったので心配していたのですが・・・。

 今回は基本的に、7月に行ったアンケートと同じ項目なのですが、大きな追加として、家庭で使われている有害物の現状と、家電製品の利用状況について記入して貰う項目があります。ちょっと突っ込んで聞きすぎたかなと心配していたのですが、それなりに期待通りに回答してくれているようです。冷蔵庫の消費電力とか、部屋の蛍光灯の数など、家によって全く違うんですね。特に居間の電気なのですが、30W蛍光灯1個という家庭も有れば、60W×6で360Wも消費しているところもあるようです。実に12倍の差。まあ確かに、私の下宿も30W1本もしくは15Wのスタンド1個で部屋全体照明として使っていますが、6畳の一人部屋ですから十分なのですが、研究室では一列だけ電気をつけても40W×10で400Wも消費してしまうんですよね。部屋が広ければ何百ワットも照明に使うというのもあり得るかもしれません。(やはり部屋は狭いほうがいいのか!?)

 アンケートの最後に、今回省エネチャレンジをおこなっての感想を尋ねています。どうも「楽しかった(楽しそうだ)」「成果が上がったと思う(あがりそうだ)」「他の人に勧めたい」という回答がやる前よりも下がっているような気がするのですが・・・・、やはり大変だったのですかね。


●気象協会プログラム (98/10/04)

 研究が忙しくても、お金がないのでアルバイトをせざるを得ないと言うのは悲しいところです。しかし最近は時間効率の非常にいいアルバイトがたくさんあるので助かっています。今回の気象協会からのプログラムの依頼も、突然の依頼だったのですが、なかなかいいお金を出してくれそうです。さすがにWeek Dayはアルバイトをするのは気が引けるので、昨日今日と休みを利用して作業に打ち込みました。

 気象協会からは気象データをユーザさん(放送局から工事現場、一般企業など)に送っているのですが、受け手側でうまく情報を表示するプログラムが求められているわけです。データのやりとりなどのベースはできているのですが、個別に表示をするプログラムとなると、それぞれ要望に応じて対応する必要があり、その作業が大変だということです。もちろんプログラミングをする会社にも依頼しているらしいのですが、賃金が安いせいか私のところにお願いがくるという次第です。今回のものは10月中旬までに仕上げてくれという殺生な仕事でした。

 プログラム作業というのは、なかなか定量的に計ることが難しく、これだけの作業量だったらいくらという値段が出せないんですよね。基本的にプログラム1本あたりいくらという大ざっぱな計算しかできません。これがシステムとして組みあがれば何百万でも何千万でも利益が出てくるものですから、上限もまた無いに等しくなっています。プログラマーとは適当に「これは難しいですね」と言っておけばいくらでもお金を引き出せるという因果な商売です(本当かどうか知りません。そりゃ相場はあるでしょうけれど)。まあ、アルバイトとしては破格の待遇を受けさせて貰っています。

 今回の依頼も、ベースとなるプログラムがあって、それを改良して欲しいということなので、作業量としてはかなり軽減されそうですが、こうしたものが一番やっかいなわけです。単にプログラムを追加すれば動くわけではなく、ベースのプログラムを解読するところから始めないといけないんですね。昨日丸一日はこの解読作業に徹して、ようやくプログラムとデータの関係をつかむことができました。20時間以上費やして、実は一行もプログラムを書いていないということになります。

 果てさて、この仕事は期日までに間に合うものなんでしょうか。仕上がらなかったら報酬はもらえないという、ばくち的な仕事です(なんかゴルゴ13みたい)。でも実入りがいいから止められないんですよね。


●省エネチャレンジの成果アンケート (98/10/02)

 工学部の研究というと、薄汚れた白衣を着て、実験室でフラスコを揺すっている姿が目に浮かぶと思いますが、なかなかうちの研究室は雰囲気が違いますね。時々そうした「いかにも実験人」といった感じで歩き回ることもあるのですが、もっぱら文献を読んだり、プレゼンテーション資料をまとめたりする作業になります。まあ文献を読むあたりまでは十分「研究している」と言ってもいいかもしれません。しかし、どうも私は研究室では論文を読むわけでもなく、どう考えてみても「事務作業をしている」といった感じですね。

 確かに研究と言えば研究なのですが、今週はおおさかパルコープの省エネチャレンジ期間が終わることもあり、成果のアンケート作りと発送に追われました。紙や封筒を買ってきたり、印刷に回したり、版下を作ったりと、まさにどこかの事務作業ですね。

 今回のアンケートは、7月に行った事前アンケートと組みになっているもので、省エネチャレンジという取り組みを行う前と後でどれだけ意識が変わったのか調べようと言うものです。環境家計簿が普及して長いので、たぶんこうした研究をしているところも多いと思いますが(こういうところで文献を読んでいないことがばれてしまうんですよね)、まあ面白い結果が出てきそうです。ちなみに前半の結果はこちらにまとめておきました。

 今日は印刷や配布物を全て準備しおえて、折り込み作業を行いました。たかだか250部の発送なのですが、往復の切手代で4万円もかかってしまうんですね。郵便局で500枚の切手を買ってきたのですが、こんなに重みのある切手はなかなか手にすることはないですね。まあこの金額も、無償で記入に協力してくれる人の努力を考えたらわずかなのかもしれませんが、つくずく「これできちんと成果をあげられなかったらかなり迷惑なんだろうな」と思います。アンケートについては卒論でも使っていくということで、4回生の小清水君に召集をかけていたのですが、とうとう現れませんでした。仕方なく、研究室の他のメンバーを集めて、折り込み作業にかかりました。

 どこで学んだのか知りませんが、なぜか事務作業は得意なんですね。特に仕事量を見積もる能力は我ながら見事だと思います。250部の折り込みと発送作業で、6時間・人くらいの作業だろう(一人でやれば6時間かかる)と見込んでいましたが、結果的に3人で作業をして2時間弱かかりました。小学校の時の反比例ではないのですが、単純事務作業はこのように人数割りできるから計算しやすいですね。250部と数字で言うと簡単ですが、大きな買い物袋2つ分くらいあります。切手も貼ってあることだし、どこか近所のポストに入れて使えないようにしてこようかという話もあったのですが、やはり迷惑だろうということで夜まで空いている高野の郵便局まで自転車を走らせました。

 発送を終えて、さすがに疲れました。あとはいい結果が返ってくることを祈るだけでしょうか。


お問い合わせ、感想などありましたら鈴木(ysuzuki@mti.biglobe.ne.jp)まで。お気軽にどうぞ。

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