脳梗塞の分類と抗血栓療法
血液の流動性と凝固のバランスが破綻し、形成された血栓が脳の血管を詰まらせて起こる疾患が脳梗塞です。脳梗塞は、非心原生脳梗塞と心原生脳梗塞に分類されます。
非心原生脳梗塞は血管に問題があり発症すると考えられており、高血圧などで脳の細い血管に圧力がかかり血管壁が肥厚して詰まる「ラクナ梗塞」や、脳の血管壁にコレステロールなどが入り込んでできた動脈硬化巣を覆う膜が破れ、そこに血小板が集まって血管が塞がる[アテローム血栓梗塞」などがあります。非心原生脳梗塞には、抗血小板療法が行われます。
心原生脳塞栓症は心疾患に起因し、心臓内に形成される血栓や心臓内を通過する血栓が脳血管を塞ぐことによって生じる脳梗塞です。原因の一つである心房細動は、心房全体が震える不整脈で、心房内の血流がうっ帯することで形成されやすくなります。その他、左室血栓、急性心筋梗塞、人工弁置換などが原因で心原生脳塞栓症が引き起こされます。心原生脳塞栓症は脳梗塞の25〜35%を占め、他の病型より再発率が高く予後不良の傾向があり、約6割が死亡もしくは重度の後遺症を残すとされています。そのため、再発予防が極めて重要であり、抗凝固療法(ワルファリン)が推奨されます。