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ヘリコバクター・ピロリ菌の検査方法について

内視鏡を使う方法

迅速ウレアーゼ試験(RUT)

 ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼ活性を有し、尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を作り出す。採取した組織を尿素とpH指示薬を含んだ試薬と反応させ、アルカリ性へと変化するかどうかを調べて、ヘリコバクター・ピロリの存在を確かめる。この検査は迅速性に優れ、簡便で制度は高い。

鏡検法

 採取した組織を染色して顕微鏡で観察することにより、ヘリコバクター・ピロリの存在を調べる。検査結果の保存性が高く、ヘリコバクター・ピロリの存在のほか、組織診断(炎症、腸上皮化生、萎縮の程度の評価や疾患の組織診断)も可能である。

培養法

 採取した組織を利用して、ヘリコバクター・ピロリが増殖するかどうかを調べる。ヘリコバクター・ピロリの唯一の直接的証明法である。特異性に優れ、菌株を保存できることから、菌株のタイプや抗菌薬の感受性試験が行える。ただし、結果判定までに時間がかかり、培養条件や培地によって生育状況が変化するため、施設間で精度が異なる。

内視鏡を使わない方法

抗体測定

 この検査は、血清、全血、尿中のヘリコバクター・ピロリ抗体の有無を調べる方法である。抗体が陰性の時は、免疫不全などの特殊な場合を除いて、ヘリコバクター・ピロリ感染陰性と診断できるが、除菌成功の場合にも抗体の陰性化あるいは抗体価の有意な低下には1年以上を要することがあるため、除菌の成否を速く知りたい場合には適さない。

尿素呼気試験(UBT)

 ヘリコバクター・ピロリは尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を生成するウレアーゼをもっている。この検査は、非放射性の安定同位体である炭素(13C)をラベルした尿素の液を飲ませ、20分後の呼気中の(13C)二酸化炭素の割合を測定する。(13C)尿素を服用する前と比較して(13C)二酸化炭素の割合が増加していれば、ヘリコバクター・ピロリ感染陽性である。

便中抗原測定

 抗ヘリコバクター・ピロリ抗体が塗布してあるマイクロプレートに糞便を希釈して加え、糞便中のヘリコバクター・ピロリの有無を測定する。小児の検査が可能。除菌判定における信頼性は高いが、偽陰性が起こりうるため注意を要する。

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