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薬事法改正の要点 2014年(平成26年)

医薬品の販売規制の見直しの概要

一般用医薬品は、適切なルールの下、全てネット販売可能となる。

 第一類医薬品は、引き続き薬剤師が販売し、その際は、年齢、他の医薬品の使用状況等について薬剤師が確認する。

要指導医薬品が新設され、薬剤師による対面販売が義務づけられる。

 スイッチ直後品目・劇薬等については、要指導医薬品に指定し、薬剤師が対面販売情報提供・指導を行う。なお、スイッチ直後品目については、原則3年で一般用医薬品へ移行し、ネット販売が可能となる。

医療用医薬品に関しては、引き続き薬剤師が対面で販売・情報提供・指導を行う。

主な変更点(平成26年6月12日から実施)

  • 店舗等の基準について(薬局等構造設備規則関係)
  • 医薬品区分と取扱いの変更について
  • 特定販売について

店舗等の基準について(薬局等構造設備規則関係)

 新たに以下の項目が追加されました。

  1. 薬局・医薬品販売業の許可を取得した有形の店舗が行うこと。
  2. 看板の設置等、薬局・医薬品販売業の店舗であることが外観から明らかであること。
  3. 購入者等が容易に出入りできる構造であること。
  4. 開店時間の1週間の総和が30時間以上、そのうち深夜(午後10時から午前5時まで)以外の開店時間の一週間の総和が15時間以上を目安に実店舗を開店すること。(平成26年3月10日付け薬食発0310第1号厚生労働省医薬食品局長通知)

医薬品区分と取扱いの変更について

 一般用医薬品と異なる医薬品の区分として「要指導医薬品」を新設する。

医薬品の分類について

 平成26年6月12日以降、要指導医薬品として区分された医薬品を販売する場合は、30日以内に「変更届」を提出する必要があります。
 また、従前から要指導医薬品を販売している方も「変更届」の提出が必要です。

 一般用医薬品とは、効能および効果において、人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく重要者の選択により使用されることが目的とされる医薬品のことです。

要指導医薬品(新設)
その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医療関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているものであり、かつ、その適正な使用のために薬剤師の対面販売による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものを要指導医薬品とします。
原則3年で一般用薬品へ移行させ、ネット販売が可能となる。
第1類医薬品
その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうちその使用に関し特に注意が必要なもの。一般用医薬品としての市販経験が少なく、一般用医薬品としての安全性評価が確立していない成分又は一般用医薬品としてリスクが特に高いと考えられる成分は、安全性上特に注意を要する成分として独立した分類とすることが適当であるとして、厚労省はこれを第一類としています。
第2類医薬品
比較的リスクが高く、まれに日常生活に支障を来すおそれがある成分。その中でも、相互作用や患者背景等の条件によって、健康被害のリスクが高まるものや依存性・習慣性のある成分などは「指定第2類医薬品」として区別しています。
第3類医薬品
第一類医薬品及び第二類医薬品以外の一般用医薬品。比較的リスクが低く、日常生活に支障を来す程度ではないが、身体の変調・不調が起こるおそれがある医薬品を第三類としています。

販売方法や情報提供などの仕方、確認すべき事項等について、具体的に法令の中で明文化されました。

「あらかじめ確認ルール」

医薬品の分類 調剤済み薬剤 薬局医薬品 要指導医薬品 第1類医薬品 指定第2類・第2類・第3類医薬品
情報提供の際、あらかじめの確認  義務 義務
義務 義務
義務努力
確認する者 従事する薬剤師 従事する薬剤師
従事する薬剤師 従事する薬剤師
従事する薬剤師、登録販売者

あらかじめ確認する事項

  1. 年齢
  2. 他の薬剤・医薬品の使用状況
  3. 性別
  4. 症状、医療機関の受診の有無等(診断の内容等)
  5. 現にかかっている疾病名
  6. 妊娠の有無、妊娠周数
  7. 授乳の有無
  8. 当該薬剤・医薬品の購入や使用の経験
  9. 薬剤・医薬品の副作用の経験やその内容
  10. その他情報の提供等を行うために確認することが必要な事項

※ お願い:努力規定である医薬品についても積極的に「あらかじめ確認」をして頂きたい。

「販売等」ルール

医薬品の分類 調剤済み薬剤 薬局医薬品 要指導医薬品 第1類医薬品 指定第2類・第2類・第3類医薬品
販売することができる者 従事する薬剤師 従事する薬剤師
従事する薬剤師 従事する薬剤師
従事する薬剤師、登録販売者による
購入者が使用者であることの確認 現行の通り (薬局製剤は適応外) − 
他店からの購入状況 現行の通り (薬局製剤は濫用品目のみ) (濫用品目のみ) (濫用品目のみ)
上記確認結果による販売制限 現行の通り (薬局製剤は濫用品目のみ) (濫用品目のみ) (濫用品目のみ)
購入者の理解の確認後の販売 − 
相談があった場合、情報提供の後に販売
販売した資格者の氏名

 要指導医薬品または一般医薬品の販売は、注文を受けた薬局・薬店において、営業時間内に常駐している必要な資質・知識を持った専門家(薬剤師・登録販売者)による情報提供のもとに行われ、情報提供・販売した専門家の氏名等を購入者に伝達するとともに、要指導医薬品及び第1類医薬品については、販売日時等の記録を作成・保存(2年間)します。
 インターネット販売においては、対応する専門家に勤務シフトがある場合の表示、店舗閉店時にも販売を行う場合における薬事監視を確実に行える仕組みの整備(テレビ電話等の設置等)が求められます。

「情報提供」ルール

医薬品の分類 調剤済み薬剤 薬局医薬品 要指導医薬品 第1類医薬品 指定第2類・第2類・第3類医薬品
施設内の情報提供場所での情報提供 ◯対面
(居宅含む) 
◯対面
(薬局製剤対面規定なし)
◯対面
(対面規定なし)
△努力義務
情報提供を行う者 従事する薬剤師 従事する薬剤師
従事する薬剤師 従事する薬剤師
従事する薬剤師、登録販売者による
個別の情報提供等
副作用発生時の対応の説明
購入者の理解・再質問の有無の確認
他剤推奨 (薬剤師法)
(薬局製剤適用除外。但し、通知で第一類に取り扱い同じ) 
通知で、必要に応じ
(省令規定なし) 
第2類は、通知で、必要に応じ
(省令規定なし) 
必要に応じた受診推奨 (処方箋あり) 
書面を用いての情報提供の実施

 特定販売については、情報提供は施設内で行えば足りる。(情報提供場所で情報提供する必要はない)
 薬局製剤における販売及び情報提供の方法については、第1類医薬品と同じ扱いとする。

「相談があった際の情報提供等」ルール

医薬品の分類 調剤済み薬剤 薬局医薬品 要指導医薬品 第1類医薬品 指定第2類・第2類・第3類医薬品
相談時の情報提供等を行う者(必ず) 従事する薬剤師 従事する薬剤師
従事する薬剤師 従事する薬剤師
従事する薬剤師、登録販売者
保険衛生上の危害発生防止に必要な事項の説明
個別の情報提供

他剤推奨 (薬剤師法) (薬局製剤適用除外) 省令規定なし
(通知に、必要に応じの明記なし) 
省令規定なし
(通知に、必要に応じの明記なし) 
必要に応じた受診推奨 (処方箋あり)
情報提供等を行った資格者氏名の伝達

特定販売について

 平成26年6月12日、改正薬事法が施行され、一般用医薬品のインターネット販売のルールが整理されます。一般用医薬品のインターネット販売は、新たなルールの下、専門家による情報提供を適切に行った上で実施することが求められます。

 平成26年6月12日以降、特定販売(インターネット販売)を行う場合は、直ちに「変更届」を提出する必要があります。
既に「郵便等販売届」を提出している方についても、「変更届」の提出が必要です。

届出事項

  1. 特定販売実施の有無
  2. 広告に表示する名称
  3. 使用する通信手段
  4. 主たるホームページアドレス
  5. 特定販売を行う時間
  6. 特定販売のみを行う時間がある場合、その時間
  7. 特定販売を監督するために必要な設備の概要

※ 郵便等販売届を提出している方は、上記1、3、4の項目の記載を省略することができます。

インターネット販売の流れ

 メール等を通じて注文を受け取ると、専門家は、使用者の性別・年齢、症状、副作用歴等の状態等を確認します。これをもとに、購入する薬の用法・用量、服用上の留意点、その他注意事項、再質問の有無等について、購入者に情報提供し、提供された情報を理解したこと、再質問や他の相談がないことを確認します。これらの確認や情報提供等もメール等を通じて行いますが、提供された情報を購入者が理解したことを確認した後に、商品を発送します。

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