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マイ・フィギュア・スケート・アルバム     (2006.3.21)

今や「トゥーランドット」と言えば、イナバウアーと並ぶ荒川静香選手の代名詞。金メダル獲得したフリースタイルで使用され、一躍有名となりました。 この歌劇「トゥーランドット」はプッチーニの最後の作品です。 モーツァルトのレクイエムと同様、プッチーニもオペラを完成させずに他界してしまったので、弟子のフランコ・アルファーノが彼のスケッチなどを参考にして残りの部分を完成させました。 初演は1926年、ミラノ・スカラ座。初演の日に指揮者トスカニーニは第3幕の「リューの自殺」の場面まで演奏し、「先生はここまで作曲されて亡くなられました」と言って指揮棒を置いてしまったとか。 このため、初演の翌日に初めて全曲が演奏されたそうです。 ちなみに「トゥーランドット」は主役の古代中国皇帝のお姫様の名前です。絶世の美女のトゥーランドット姫は、3つの謎が解けた男性だけが自分を妃にできる、挑戦してその謎が解けなかった者は首切りの刑に処すると決めているという、冷徹で恐ろしい心の持ち主なのです。荒川静香さんのフリーの曲「誰も寝てはならぬ」は謎解きに挑戦するカラフ王子が歌うアリアです。

 「誰も寝てはならない、寝てはならない。あなたもそうだ、皇女さま。
 あなたの冷たい部屋でごらんなさい、愛と希望にふるえる星を。
 しかし私の秘密は私の胸にある。私の名前を誰も知ることはできない。
 そうではない、あなたの唇に私がいう、光が輝いた時。
 そして私のくちづけは、沈黙の中に、あなたを私のものにする。」
 
「マイ・フィギュア・スケート・アルバム」という、フィギュア・スケートに良く使われる曲を集めたCD(avex)が出ています。日本を代表する選手が、ショートプログラム、フリースタイルおよびエキジビションで実際に使用している演奏も含まれています。ブックレットには、avex所属の村主章枝選手の、自分の競技曲への想いや演技についてのコメントが載っています。なんといってもトゥーランドットの荒川静香選手がトリノで使用したのと全く同じバージョン(ヴァネッサ・メイのヴァイオリン・アレンジ)が聴けるというのが一番の目玉ではないでしょうか。 荘厳なトゥーランドットの調べに耳を傾けていると、あの金メダルの感動がありありとよみがえってきます。
安藤美姫選手の「メリークリスマス」や、浅田真央選手の「くるみ割り人形」なども入っていて嬉しいところです。それにしても、こうして収録曲を見てみると、フィギュア・スケートの曲目は、大部分がクラシックの名曲ばかりだということが分かります。フィギュアを通してクラシックの名曲に触れられるこのCD、1枚で2度おいしいお得な一枚と言えるのかもしれません。 また、軽快な曲、緩やかな曲が混じっていて、運転中の眠気覚ましにも良いので、自宅で静かに聴くだけでなく、愛車「プリウス」でのドライブの時はいつも車に積んでおくようにしています。

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