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愛車「プリウス」                      (2005.12.10改)
エンジニアの遊び心?・・・「未来」を詰め込んだ車

2004年12月末に我が家にトヨタ・プリウスが届いてから、現在(2005年12月)で、1年近くなりました。 「ドライブが気持ちよくて、しかも、世界一地球に優しい」。「プリウス」は、そんなクルマを目指して、作られたそうです。 ACモーターと1,500CCのガソリンエンジンを上手に組み合わせて、お互いのいいとこ取りをするハイブリッドカー。初代プリウス(NHW10型)は世界初の量産型ハイブリッド乗用車で、欧米にも輸出され、すでに約12万台が走っているそうです。 その2代目が今回購入した、このクルマ(NHW20型)です。 メディアでも話題になっており、レオナルド・ディカプリオなど、ハリウッドの俳優たちが競って買っているというこのクルマ、念願かなって昨年末やっと購入できたのですが、1年間乗った結果を一消費者の目でレポートしてみたいと思います。
【プリウスは割高ではなかった!!】
このプリウス、諸経費込みの購入価格が約310万円。エンジンは1,500CCですし、サイズは、カローラ、サニークラスを少し大きくした程度。購入の時の310万円は、割高に感じました。 でも一年間使ってみて、決して高くなく、むしろ割安に感じられるのです。まず、第一が環境対策車としての優遇措置。購入数ヶ月後に21万円戻ってきました。 また、メーカーの定期点検が初回車検までの3年間、無料です。それに、なんと言っても安いのが燃費。 プリウスの前に使っていた、日産ローレルは、リッターあたりの走行距離が約7キロでしたが、プリウスは約20キロ強。約3倍走ります。 尤も、プリウスのカタログ値は35.5キロですから、もう少し走行距離が伸びても良さそうな気がしますが。 それにしても、7キロ対20キロの差ですと、私は年間8000キロ位走るので、ガソリン1リッターあたり130円として、ローレルの ガソリン代は149,000円に対し、プリウスは52,000円で、ガソリン代が、一年間で97,000円安くなります。 3年間で節約出来る費用が、優遇処置21万円+定期点検6回で6万円+燃料費3年分29万円の計56万円となり、購入価格は250万円と見ることができます。 こう考えると、プリウスは決して高くないのです。
ちなみに、リッター当たり20キロ強走るので、燃料タンク(45リッター)を満タンにすると、1000キロ近く走ることができます。 つまり、東京・大阪間(554Km)の往復を、悪くても1回の給油、うまくいくと無給油で往復できることになります。東京・大阪間片道、燃料切れの心配がない・・・。これは大変な安心感を与えてくれます。この車の最も価値のあるところでしょう。

さて、このプリウス、車内に乗り込むと、真っ先に目につくのが多くのボタンが並んだステアリングホイール。プリウスのステアリングホイールには、センターコンソールやナビのモニターを手元で操作ができるよう、たくさんのボタンが並んでいます。 一番右上の「MAP」ボタンを押すと、モニターがカーナビの地図画面に変わります。その他、エアコンのオンオフや温度調整、オーディオ、内外気切り替えなど、操作したいことが、ステアリングを握ったまま、指をちょっと伸ばすだけでできるのはとてもいいと思います。 運転中ハンドルから手を離さなくてもいいから運転に集中できます。
 
【パソコンのブートを思わせるスタート】
ブレーキを踏んで、ハンドル右横の「POWER」ボタンを押し、液晶の表示板に「READY」と出て、「ピッ」と鳴ったらハイブリッドシステムの起動完了。 あたかもパソコンをブートした時のようです。小さなチェンジ・レバーを「D」レンジへ。手を離すと、レバーは中立位置に自動的に戻ります。 その操作はあたかもゲーム機のジョイスティックという感じで、最初は違和感がありましたが、慣れるととても使いやすいものです。
                   
 
【娘も満足、ガソリンの臭いのない車内】
足踏み式パーキングブレーキを解除し出発。この時点でエンジンはかかっていないのでエンジン音はしません。タイヤの転がる音や風などが耳に入り、無音ではありませんが、かなり静かです。 エンジンが回っていないので排気ガスが出ず、ガソリンの臭いが全くしません。これが、ガソリンの臭いが嫌いな私の娘に大好評で、思わぬところでおやじの株が上がりました。 気付くと思ったより速く走っています。さらに加速しようとアクセルを踏み込むと、エンジンが始動し、モーターをアシストします。結構力強い加速で、以前の2000CC、6気筒エンジンのローレルを上回ります。 追い越しなどの加速では、以前乗っていたターボ車のような後押しの感じもあり、エコを標榜するわりに、かなり力強く走ります。
 
乗り心地は、割合「しっかり・どっしり」という感じ。省エネ車なので、軽い感じかと思っていたので意外でしたが、 おそらく、私の買ったグレードが、スポーツ仕様でサスペンションが固く、かつ重いミシェランの16インチ扁平タイヤを履いているからでしょう。これはこれで納得いきます。ステアリング、ブレーキ、各操作部も、しっかりしていて信頼できそうです。
回転半径も2700mmあるホイールベースの割には5.1mと小さく、実際、運転していても小回りは利く方だと感じました。
我が家近くは、団地の坂道、国道16号、そして高速の横浜横須賀道路や首都高速湾岸線がありますが、どんな場合も、モーターとエンジンの連携は実にスムーズに感じます。低速時には極力モーターを使って燃料消費を防ぎ、高速走行や上り坂では エンジンのパワーで補うという設計意図が感じられます。ハイブリッドという、いわば未知のシステムを、ここまで完成されたものにしたトヨタの努力には本当に感心させられます。
 
アクセルを離したときにかかるブレーキは、モーターを発電機として利用する「回生ブレーキ」で、電車や電気機関車と同じです。ただ、今までのエンジンブレーキより、急に効く感じで、スムーズな走行にはチョット慣れが必要です。
 
プリウスは、ハイテクの固まりのようなクルマですが、マニュアルをまったく読まなくても、ほとんどの操作をクリアすることができたのは驚くべき事です。最近の携帯電話やパソコンのように、エンジニアが凝れば凝るほど、分厚いマニュアルがついてくることが多いのですが、そうでないのはとても嬉しいことです。誰もが使いやすくというコンセプトには賛成です。
 
なお、プリウスは、トヨタのエンジニアが可能な限り「未来」を詰め込んだクルマというだけあって、レクサスなど一部の高級車と同様に最新の設備を採用しています。

【ハンドルを握ったまま話せるハンズフリー電話】
まず、ハンズフリー電話です。車載カーナビにはブルートゥースが内蔵され、頭上のバックミラーの近くにマイクが埋め込まれていて、ステアリングにも電話のON/OFFのスイッチがついています。 ブルートゥース付き電話機さえあれば、ワイアレス接続で、すぐハンズフリー電話の機能を実現できるようになっています。 私の携帯電話機(Vodafon903SH)にはブルートゥースを内蔵しているので、ハンズフリー電話を利用しています。 ハンズフリー電話は、運転中に電話がかかってきたときはとても便利です。携帯電話だと運転中に手に持って操作することは違反ですから、必ず車を止めなければなりません。高速道路を走っている時はなかなかとめられず、そのうちに電話が切れてしまいます。 ハンズフリー電話だと、ステアリングのスイッチをオンにするだけで、すぐ相手に応答できます。尤も、走行中の通話は危険なので、その時は「こちらから、かけ直します」と言って車を止めて、改めて電話をするようにしています。

【エンジニアの遊び心?、コマンドの音声認識】
「エレクトロマルチビジョン」という名のプリウスのカーナビは、曲がる所や、渋滞情報などを、美しい女性の音声で案内してくれます。 また、外出先から家に着くと「お疲れさまでした!!」と語りかけてくれます。 このナビ、よく使うコマンドを、音声で入力が可能です。 たとえば、ステアリングのトークボタンを押して「温度を上げて」と言うと、エアコンの温度が上がりますし、 「テレビ」と言うとテレビ放送が受信でき、「CD」と言うとCDの演奏に切りかわります。 「あと、どのくらい?」と聞くと、「目的地まで、XXキロ、YY分です」と答えてくれます。 普通に話す声の大きさで、結構よく認識します。音声認識もここまで来たかと感心させられました。 音声入力は、必要不可欠か?・・・と言われると、??ですが、エアコンやオーディオの操作で、ハンドルから手を離さなくてすむので、 運転時の危険性は減ると言えるかもしれません。ほんのりエンジニアの遊び心が感じられて、良い装備と思います。

【数秒の狂いもない電波時計】
もう一つが、自動的に時刻を修正する電波時計です。前の車の時には時計がよく狂って困りましたが、電波時計は全く狂わないので有り難いです。納車後、一度も時刻を合わせていません。

【知らず知らずに経済運転:燃費モニタ】
それから、燃費モニタは、走行時の瞬間燃費とそれまでの経過時の燃費が表示され、ドライバーを自然に急加速・急減速をしないような経済運転に導いてくれるので、とても良いアイデアだと思います。
         

トークボタンとハンズフリースイッチ

電波時計と燃費モニタ

ここまでは、とてもよくできたプリウスなのですが、いくつか気になる点があります。

【改善して欲しい高速運転時の騒音】
まず100キロ/h以上の高速運転でのエンジン音と、CVT(無段変速機)の音です。かなりうなります。明らかに、以前のローレルよりうるさい。高速道路でのクラシック音楽を静かに聴きながらの運転では、結構気になります。強く改善を希望したいところです。
逆に、低速時や発進時は、エンジン音がほとんどしないので、周囲の人が気付いてくれないかもしれません。これは、このクルマの危険な一面でもあり、歩行者には今まで以上に注意が必要です。

【ハイテクの固まり故に必要な心臓部の信頼性】
それから、これは最も心配なことなのですが、このクルマに搭載されているマイクロコンピュータの信頼性と耐久性です。もし走行中にCPUがダウンしたら・・・。コンピュータ頼りのクルマだけに心配です。また、バッテリーの寿命はどれくらいなのでしょう。 いざ交換となったらコストはいくらかかるのでしょう。 これだけハイテクの固まりのクルマですから、マイクロコンピュータやバッテリーのような心臓部の電機部品は車体などの機械的な部分よりも数倍の信頼性が要求されます。 マイコンのCPUとこれを動かすの電源は二重化して欲しいし、定期点検では、これらは、特に厳重なチェックとメンテナンスをして欲しいものです。
 
【イマイチ実用的でない?、インテリジェントパーキングアシスト】
プリウスの売りの一つが、車庫入れや縦列駐車の時、ハンドル操作を補助するインテリジェントパーキングアシストです。車庫入れや縦列駐車を苦手とする人にとっては有り難い機能。 車庫入れの場合、車庫の真横に一旦停止すると、車庫の位置をプリウスの車載コンピュータが記憶します。斜め前に出て、シフトレバーをリバース(R)に入れると、後方のCCDカメラがとらえた車庫の映像がナビのモニターに写し出されます。 ここで車庫の目標位置をセットし、ブレーキを緩めると、ハンドルを自分で切りながらクルマはバックします。ドライバーはブレーキをコントロー ルするだけで完ぺきに車庫入れができるというものです。 確かに便利な機能ですが、ただ、ほんとうに、ここまで自動化が必要なのか?、疑問に思います。現に、この機能を私はほとんど使っていません。ただ、この機能の一部である、ギアをリバースに入れたときにナビのモニターに写る映像により、 後方の安全確認ができるのは、とても良いと思います。

このプリウス、高速走行時に騒音が多いことを除けば、環境に優しいし、燃費はよいし、とても良くできたクルマだと思います。末永く大切に、使っていこうと思います。
    トヨタ・プリウス主要緒元 
     全長×全幅×全高(mm):4,445×1,725×1,490
     車両重量(kg):1,270 、総排気量(cc):1,496
     最高出力(ps/rpm):77/5,000(ガソリンエンジン)、68/1,200〜1,540(ACモーター)
     最大トルク(kgm/rpm):11.7/4,200(ガソリンエンジン)、40.8/0〜1,200(ACモーター)

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