リチャード・ボニングは、名ソプラノ歌手ジョーン・サザーランドの夫であり、オペラ指揮者として有名ですが、オペラだけでなくバレエのスペシャリストとしても知られています。
「ジゼル」や「コッペリア」のような古典バレエはもちろん、姿を消したバレエの復活にも積極的に取り組み、演奏や録音を行っています。
「パ・ド・ドゥ」はバレエの中の最高の見せ場ですが、このアルバムには、バレエ・コンサートやコンクールでも取り上げられることの多い、人気のパ・ド・ドゥの音楽が収録されています。
私は、古いLPレコードとCDの復刻盤を持っていますが、今でもLPレコードをよく聴きます。LPレコードはスクラッチノイズはありますが、暖かみのある音質は、CDのクリアーな音とは違った良さがあります。
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「パ・ド・ドゥ」
・ミンクス:バレエ「パキータ」よりパ・ド・ドゥ
・ドリゴ:バレエ「エスメラルダ」よりパ・ド・ドゥ
・ドリゴ:バレエ「海賊」よりパ・ド・ドゥ
・オーベール:バレエ「グラン・パ・クラシック」
・ヘルステッド:バレエ「シェンツァーノの花祭」よりパ・ド・ドゥ
演奏:リチャード・ボニング(指揮) ロンドン交響楽団
録音時期:1964年、録音場所:ロンドン
録音方式:ステレオ・アナログ
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CD復刻盤 |
パッケージの写真は、LPレコードもCDも、マーゴ・フォンティーンとルドルフ・ヌレエフの「海賊」のパ・ド・ドゥです。40歳を過ぎて一時引退も考えたフォンティーンは、20才も年下の天才ヌレエフをパートナーに得て、それまで経験したことのない名人芸に挑みました。
フォンティーンは、「彼は23歳、私は42歳。23対42のペアなんて見苦しい。でも私が踊らなければ、誰かが彼と踊ってしまう。勇気を振り絞って踊りました。お互いにしのぎを削って、高めあいました。」と言っていました(マーゴ・フォンテーン・ストーリー)。
この「海賊」のパ・ド・ドゥの映像が残っています。
「ピルエットは苦手」と言っていたフォンティーンですが、この時ばかりは、ヌレエフに負けまいと、バリエーションではイタリアン・フェッテを、コーダでは高回転のピルエットなど、彼女にしては珍しく高度なテクニックに挑戦しています。「ヌレエフは私のもの。誰にも渡さない」といった女の執念なのでしょう。
このふたりのコンビは「天国で結ばれたようなパートーシップ」と言われて、その後20年間も続きました。
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