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「題名のない音楽会」の酒井はなさん    (2005.2.1)

 
テレビ朝日の「題名のない音楽会」にバレリーナの酒井はなさんが出演、「ドン・キホーテ」のカスタネットの踊りと、「瀕死の白鳥」を踊りました。
 
まず、「ドン・キホーテ」〜カスタネットの踊り。このカスタネットの踊りは、第一幕でバルセロナの元気な娘キトリがカスタネットを持ち踊る軽快な曲ですが、酒井さんが「ドン・キホーテ」の中で特に好きな踊りだそうで、笑顔いっぱい、楽しそうに踊っていました。 なお、バレエ「ドン・キホーテ」では、第三幕でのキトリとバジルのパドドゥが有名です。バランスやグランフェッテの超絶技巧が楽しめます。 以前彼女がこの第三幕グランパドドゥを踊ったのを見ましたが、見事でした。

一方、「瀕死の白鳥」は、ロシアの名バレリーナ、アンナ・パヴロヴァのために、振付師ミハエル・フォーキンが、サン・サーンス作曲「動物の謝肉祭」の中の「白鳥」に振り付けしたもので、死に瀕した白鳥の生への憧憬を表現した作品で、ソロで踊るバレエの難曲の一つです。
私は、酒井はなさんの「瀕死の白鳥」は初めて見ましたが、彼女は、この曲をあまり踊り込んでいないのか、波打つ腕の動きなどにやや堅さが感じられましたし、アップの表情はこわばって真剣そのもの、むしろ不安そうな感じすら漂っていました。 でも、ブーレは正確で細やかでしたし、アラベスクでバランスでたっぷりタメて、とても美しく、全体に叙情的な素敵な踊りでした。広い横浜みなとみらいホールのステージ、しかも難しいソロの踊りに、彼女、相当緊張していたのでしょう、終盤近くなると、背中には汗が光っていました。 こんなに汗がにじんだ「瀕死の白鳥」は見たことがありません。胸がジーンと熱くなり、懸命に難しい役に取り組んでいる酒井さんの健気な姿に感動しました。
 
酒井さんは、村娘キトリや、可憐なオデットやオーロラ姫という今までの役柄に加えて、先日の「ニューイヤーオペラコンサート」の「サロメ」、今回の「瀕死の白鳥」と、難かしいソロの踊りに果敢に挑戦、頑張っています。 チャレンジなければ進歩なし。彼女の未知の世界へ恐れずに挑戦する前向きな気持ちに、心から拍手を贈りたいと思います。
 
  題名のない音楽会(テレビ東京)
   2005.1.30、横浜みなとみらいホール
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