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山路瑠美子バレエ研究所公演「新人の会」     (2001.11.11)

山路瑠美子バレエ研究所公演「新人の会」を観てきました。(2001.11.11メルパルクホール)
「新人の会」とは新人が踊る会ではありません。「初心忘れるべからず」の意味からつけたそうです。ベテランでも『初心を忘れず、精進を続けなさい』ということでしょう。この新鮮な気持ちこそ、ステージに新たな感動を呼び起こすものだと思います。素晴らしい名ですね。
 
この名に誘われて観に行ったのですが、それはそれは、素敵な舞台でした。
ダンサーのみなさんひとりひとりが、文字通り「初心に帰って」ステージを盛り上げようとしている気持ちが伝わってきました。自らの力をふりしぼって、必死に踊る姿は爽やかで、感動的でした。小さな公演では、しばしば、このような素晴らしい感動を受けることがあります。
ダンサー一人一人が、観客に最高の自分を観てもらおうと一生懸命に踊っておられたのでしょう。中には、笑顔を見せる余裕のないくらい表情の硬い方も。でも、それだけ真剣だったのでしょう。これが、一層の感動を呼んだのだと思います。
 
プログラムは、3部からなっていました。一部「ヴィバルディのAutumn」、二部「バレエコンサート」(サタネラ、エスメラルダよりパドシス、ライモンダより)、三部「白鳥の湖(第二幕)」です。
今回出演されたダンサーのほとんどが初めて拝見した方々。皆さん、本当に素敵な方ばかり。一目でこのバレエ団が大好きになりました。
ライモンダを踊られた佐々木三夏さんは、6年ほど前「バレエ誕生」という番組で拝見したことがあります。呉竹伸之さんと組んだ「眠りの森の美女」のパドドゥで、呉竹さんの好リードに支えられて、とても丁寧で、初々しく美しい踊りだったと記憶しています。
今回のライモンダでは、美しさに加え、堂々として、落ち着いて、じっくり踊り込んでいくところは、さすがベテランとしての貫禄を感じました。梅津勝也さんの心のこもったサポートが光っていました。
 
エスメラルダのパドドゥは私の大好きなものの一つです。
山本みささん、とても魅力的な方ですね。上品な仕草、可愛らしい踊りをとても楽しく観ることができました。
 
サタネラのパドドゥの清水菜穂さん。鮮やかなオレンジのチュチュがよく似合い、可愛らしい。笑顔がとても美しく、江本拓さんの正確で暖かなサポートに、一糸乱れぬハーモニーが素敵でした。
 
白鳥の湖のの佐野明子さん。オデットのイメージにぴったりの美しい方ですね。呉竹伸之さんとの息もぴったり。じっくりと、グラン・アダージョを踊って下さいました。ほっそりとして、気品があり、優しさにあふれ、とても安定した回転とバランス、アチチュードでの決めのポーズの美しさには、ハッと息を呑みました。呉竹伸之さん、サポートがとても上手で、微笑ましさ感じる素敵なパ・ド・ドゥでした。踊り終えてのレヴェランス、ホッとした佐野さんの笑顔がとても美しかった。
 
でも、いくつか気になるところが有りました。
まず、白鳥の湖のコールドバレエが不揃いだったこと。主役が素晴らしかっただけに残念です。今後の課題ですね。
次に、録音による伴奏が良くなかったこと。特に三羽の白鳥の時はひどかった。音が割れて聞くに堪えず、一生懸命な舞台のダンサー達が気の毒になりました。踊りだけでなく、音楽にも気を付けて欲しいと思います。
それから、第一幕と第二幕の間の休憩時間は長すぎます。第一幕の「Autumn」が15分なのに、そのすぐ後、20分の休憩。20分と聞いて、周りからも、「え〜!!」という声があがっていました。これらを、改善して欲しいと思います。

ともあれ、見終わったとき、「皆さん、なんて素敵なんだろう!!」、そして、心から「バレエは、なんて素晴らしいのだろう!!」と、とても嬉しい気持ちにさせてくれた、素敵なステージでした。ダンサーの皆さん、スタッフの皆さん、夢をありがとう、ご苦労様!!。これからも、素敵なステージを期待しています。


山路瑠美子バレエ研究所の新人の会Webサイト



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