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白鳥の湖〜グラン・アダージョ: 岩田唯起子、高瀬浩幸  (2009.1.2改)

これは、1995年頃「バレエ誕生」というテレビ番組で放送された映像です。 この映像では、岩田唯起子の20代半ばの初々しい踊りが見られます。 岩田唯起子は、大好きなバレリーナです。ほっそりとしたシルエットがとても美しく、痩せすぎ?と思うくらいスリムなせいか、少し弱々しく感じるところもありますが、 かといってギスギスした感じではなく、とてもしなやかで、優しい雰囲気で、気品に溢れ、可憐で知的な優しさ、清楚なたたずまいといった、クラシックのバレリーナの資質全てを備えた魅惑の舞姫。 オデット姫にはぴったりの雰囲気です。 このグラン・アダージョは、丁寧にで、正確に、じっくり踊り込んでいるという感じで、本当に素敵でした。出だし、緊張のためか、表情が少し固い気がしましたが、憂いを感じるような表情は何とも魅力的。思わずゾクッとするような、ほのかな色気も感じられた美しさでした。終盤には、額や背中には、かすかに汗が滲み、踊り終えた瞬間、緊張が解けてホッとした笑顔がなんとも美しかった。 踊り方に真面目な人柄がでていて、丁寧に、精一杯踊る姿に惹かれます。 彼女は、名前のとおり、とても頑張り屋という感じで、優雅さと気品、それに力強さも兼ね備えて素敵です。 相手役は、当時、貞松・浜田バレエ団の高瀬浩幸。サポートがとても上手で、岩田唯起子の動きを良く見て、しっかりサポートしていました。 ウェストをデリケートに支えてバランスを助け、岩田唯起子も安心して身を任せているという感じで、微笑ましさ溢れるグラン・アダージョでした。 ダンスール・ノーブルとは、こんなダンサーを指すのでしょう。

岩田唯起子がオーロラ姫を踊った「眠りの森の美女」を見たことがありますが、ローズアダージョにせよ、幻想のシーンにせよ、 パ・ド・ドゥにせよ、バランスの確かさと、腕の動きがとてもしなやかで魅力的でした。岩田唯起子の内から自然ににじみ出る気品に魅了されたのを覚えています。 岩田唯起子は、弟の岩田守弘と、岩田バレエスクールで後進の指導に当たっているようです。 「若さの芸術」と言われるバレエ。年齢的にはピークを過ぎているでしょうが、恵まれたクラシックバレエの資質と美しいシルエットを武器に、 今後も踊り続けてくれることでしょう。 高瀬浩幸は、現在はダンサー、振付家として、またコンピュータミュージックによる舞台音楽、音響作品の制作にも携わっているとのことです。 今後とも、お二人の活躍を期待したいと思います。

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