フィギュアスケート(1997−1998年度シーズン)
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1997年NHK杯
1997年のNHK杯が11/30終わりました。五輪前に会場となる長野ホワイトリングで行う大会ということで、五輪直前のラリック杯とはまた違った重要な大会になるはずだったのですが、男女シングルの有力選手は出場しないということで少し肩すかし。でもまあなかなか面白かったです。
個人的に一番期待の女子シングルは、陳露(ルー・チェン)の復活と日本勢がどこまで活躍するかが注目だったのですが、陳露は3位とまずまずの出来。これで長野への足がかりができたんじゃないでしょうか。最近不調といっても、何しろ1995年の世界選手権チャンピオンですからね。表現力は相変わらずなので、後はジャンプとか技術面がしっかりしてくれば希望があります。頑張ってほしいですね(最初の頃に音楽に「ナウシカ」を使っていたので個人的に思い入れがあります)。
一方の日本勢ですが、村主章枝(すぐりふみえ)選手が5位、荒川静香選手が6位と、健闘とは言えるがもう少し上位に行って欲しかったのも正直なところです。ただ、二人とも十代の伸び盛りということでこれからが本当に期待がもてます。もともとジャンプは得意でしたが、かなり表現力も付いてきたように見えます(全日本選手権時と比べて)。後はもう少し成長して体の線が女性らしくなってきて、尚かつジャンプ力も失わなければ世界も近いですね。これに金沢選手を加えた3人で切磋琢磨していって欲しいです。横谷選手はちょっと心配ですね。調子が悪いようです。日本のエースなので、復調して全日本選手権に望んで欲しいと思います。
さて、優勝したのは病気から復帰のドイツのシェフチェンコ。ショート・プログラム1位だったロシアのブティルスカヤをフリーで逆転しての栄冠でした。素人目にはブティルスカヤ優勝かなと思ったんですが。元気いっぱいのターニャが、25歳大人の静の魅力に打ち勝ったという感じですか。シェフチェンコはこの調子を持続していけば、クワン対リピンスキーのアメリカ対決に十分割り込んでいけるんではないでしょうか。
男子シングルの方もストイコやエルドリッジやウルマノフなどの有力どころが出場しないのでちょっと寂しいですが、優勝したのはクーリック。正確で綺麗な演技で堂々の優勝でした。期待の日本勢ですが、既に代表が確定している本田選手はショートプログラムでいい位置につけていたものの、自由で4回転ジャンプに失敗。足を痛めて以降の演技も精彩が無く5位に終わったのは残念でした。成長著しい田村選手も伸びませんでしたね。表現力があるので、技術を磨けばいいところまで行きそうに思うんですが。岡崎選手は初めて見た。どういう選手か謎だ。東北勢2人に比べるとちょっとやぼっったいかな。
男子は不得意なのでこんなところで。
ペアとアイスダンスはシングルに比べて芸術的すぎて、ちょっと素人目には優劣がわかりにくくてあんまり見てこなかったんですが、今回はちょっと真面目に見てみました。すると結構面白いもんですね。特にペアはシングルに近いものがあるんでよかった。優勝した中国ペアはパワフルで美しい演技で納得です。しかし日本にペアがいるとは知らなかった。急増ペアらしく演技はまだまだですね。アイスダンスはやはり素人目にはわかりにくい。もう演技を楽しむだけになってしまう。そういう観点からいくと、私が気に入ったのはイタリアの2人ですね。何か陽気で楽しくて好きです。
エキシビションで一番驚いたのはいきなりキャンデローロが出てきたこと。何にエントリーしてたんだ?と思ったら、翌朝の新聞で知ったのですが、わざわざエキシビのためだけに来たとか。なんとまあ熱心なことで。さすがに一番ファンがいる日本は大切にしてますね。それに相変わらずの役者で、最初から審査員席の和服の女性に抱きついてキス! その後も彼らしい演技で、それほど不振には感じられませんでした。オリンピックに果たして出てこられるのか? 他にはやはりアイスダンスのイタリア組。物語性のあるしゃれたプログラムがナイス。すっかりファンになってしまった。それにしても時間が少なく、上位選手しか映さなかったのは不満。日本選手も全然やらないし。もうちょっと考えて欲しいなNHK。
・・・と思っていたら、エキシビション拡大版を後日放映。さすがNHK(豹変)。これでやっと日本選手の演技が見れた。荒川選手はすっかり表現力が付きましたね。驚いてしまった。体の隅々まで神経の行き届いた動きにほれぼれ。1つ1つの動作もしっかりとやっていてメリハリがありますね。それに反して、ほのぼの村主選手はジャンプと表現力はいいのですが、どうも1つ1つの動きがピシッと決まらなくて流れる感じが気になりました。横谷選手は陽気な音楽と軽やかなステップがgoodでした。ポスト佐藤有香という感じ。岡崎選手はどうしても無骨という感じがしてしまう。和製ストイコってか。田村選手は華がありますね。トリプルアクセルが跳べれば相当いいところまでいけそうです。こちらは和製キャンデローロか? ぼくとつ本田選手は残念ながらクワドラブルの失敗で痛めた足首のため棄権。ちょっと涙声のお詫びの言葉がいじらしいですねえ。五輪ではぜひ頑張ってほしいです。
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1997年全日本選手権
1997年度全日本選手権が終了。
結果は、女子シングルが荒川静香選手が初優勝、男子シングルも田村岳斗選手が初優勝し、2人とも五輪代表の座を手中にしました。
女子シングルは、ショートプログラムまでは村主章枝選手がトップに立っていたのですが、フリーではジャンプが決まらず自滅。痛めていたというお尻をまたも強打して、とても痛々しかったです。他にテレビ放映されたのは横谷花枝選手と井上怜奈選手。世界選手権代表にもなった実績の横谷選手でしたが、ジャンプに精彩を欠いて、ここのところの不調は脱しきれなかったようです。かつてリレハンメル五輪前の全日本選手権でいきなり初優勝して五輪代表の座を射止めたこともある井上選手、ショートプログラム3位ということもあり、かつての再現もあるかと思ったのですが、やはりジャンプに失敗。表現力はあったんですが。結局、トリプルジャンプがダブルになったりして万全とは言えなかったにもかかわらず、荒川選手が他の選手の自滅に助けられた形で逆転優勝したという格好ですね。ただ、去年の全日本選手権と比べて荒川選手の表現力が増したことも事実で、今日の演技もノーミスだったし、見事な優勝だったと思います。
女子シングルに比べて男子シングルは田村選手の圧勝という感じで、本当にパーフェクトな演技で感動しました。ジャンプも完璧に決まったし、おかげで定評のある表現力も魅力倍増となり、鳥肌がたつようでしたね。新しい華のあるスター誕生でしょうか。
それにしても去年の全日本選手権の2位が揃って初優勝ということで、本当に争いが熾烈になってきましたね。女子は荒川選手と村主選手、男子は本田選手と田村選手というライバル同士で競い合っていけば、これからのフィギュアスケートはますます面白くなっていきそうです。楽しみ。
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1997年世界選手権ミネアポリス大会
世界選手権も終わり、97−98年シーズンも終了ですね。
仙台では、男子シングルの日本選手+最終グループ、ペアの上位、そして女子シングルの日本選手+最終グループ+有力選手がテレビ放映されました(本当はもっと沢山放映して欲しいのにな、TBS。深夜でいいからさあ)。
まず男子シングルですが、ヤグディンが初優勝、エルドリッジは2位に留まってしまいましたねえ。ヤグディンも完璧なフリーというわけではなかったので、エルドリッジにも逆転のチャンスがあったのに残念。あの4回転が決まっていれば(着氷で失敗)・・・というところでしょうか。3位の若干16歳プルシェンコは驚異ですね。ロシアの層の厚さを見せつけられました。ジャンプの技術は相当高いです。4回転に2度挑戦して2度失敗するあたりは負けん気も心臓も相当強いと見ました。本田選手も少し見習って欲しいような。ルックスもまあまあなので、これから人気が出るかも? 一方、日本選手ですが、本田選手はまあまあといったところですかね。五輪よりもよかったけど、去年の世界選手権より順位を落としてしまいましたからね。彼にはまず3回転ジャンプや3回転半−3回転のコンビネーションを完全に決めれるようになって欲しい。4回転はそれからでもいいんじゃないかな。田村選手はSPで予選落ちと最悪でしたが、演技を見る分にはそんなに悪かったという気はしませんでしたが、五輪の時の完璧な出来ではありませんでした。やっぱり何もないところで転倒したのがいけなかったんでしょうか(ブティルスカヤとおんなじ)。来期はトリプルアクセルを身につけてもっと飛躍して欲しい(といっても次回は枠が1人だが)。
ペアは中国ペアが4位と徐々に順位を上げてきましたね。これで正確さを身につけてSPで順位を上げれれば、来期はメダル有望でしょう。優勝したロシアは・・・ベレズナヤ選手が可愛かった(ってそればっかり見てたわけではありませんが)。
女子シングルはクワンが返り咲きましたね。滑走順がまた1番だったんで、すわ五輪の再現か?とも思わせましたが、やはりリピンスキーがいなければ他に敵はなかったというところですかね。2位以下は混戦でしたが、ジャンプの技術でスルツカヤが2位、表現力でブティルスカヤが3位をもぎ取ったと思います。ユベールやレクリオ(だったっけ?)もなかなかいい演技だったんですがね。荒川選手は22位と惨敗。本人はショックだったんじゃないでしょうか。五輪13位ということで、出来が良ければ10位以内に入ると思っていたでしょうから。フリーは五輪よりもいいと思ったんですが、点数が伸びませんでした。五輪でばらけていた採点が低い方で固まってしまったようです。やはりこれからは4分間滑りきるスタミナと、表現力が課題でしょう。2位以下は混戦なので、いいプログラムで完璧な演技をすれば絶対上位に食い込めるはずです。
最後に、リピンスキーがプロ転向という話を聞いたんですが、本当でしょうか? 本当だとしたら悲しいなあ。これでバイウルに続いて若くして世界チャンピオン・五輪金メダルに輝いて引退・・・ということで、燃え尽きてしまったと思われても仕方がないと思います。バイウルの場合はお金の面もあってプロにいったんでしょうが、リピンスキーの場合は続けていく障害は何もないと思うのですが。それにまだ子供の演技しかしておらず、これからどうやって大人の演技に脱皮していくかというのが楽しみだったのに。プロで食っていけるようになったのはスケート選手にとってはいいことなのですが、その分アマチュアをさっさと引退してしまってはファンにとっては楽しみが半減してしまう。難しい問題ですね。
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1997年北日本選手権
選手権とは言っても、シニア女子シングルで参加6人だけという地味な大会ですが、地元仙台で行われたので見に行ってきました。
でも、久しぶりの観戦と、地味な大会そうで観客層がわからなかったので、最後のシニア女子シングルをちょこっと見ただけで帰ってきてしまいました。それも参加6人中終わりの3人しか見れなかった。会場に行ったら、身内ばかりじゃなさそうだったんでホッと一安心。貧相なリンクでしたが(客席が少ないというだけですが)、おかげでリンクサイドから見ることができました。有名どころが出ていなかったんで、レベルが低いかと思いきや、3回転ジャンプもボンボン飛び出してなかなか見応えがありましたねえ。そんな中で最終滑走はあの荒井万里絵選手。五輪とは違ってのびのび滑っていました。3回転ジャンプやコンビネーションもキッチリ決まっていて、なんだ実力はあるじゃないかと思いました。やっぱりあの時は緊張してたのね。でも、表彰式は別リンクでやるとかで、最終順位は不明でした。うーむ、欲求不満。でも久しぶりの観戦はよかったなあ。
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