長野五輪TV観戦記
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- 長野五輪TV観戦記(閉会式&総括)
- 長野五輪TV観戦記(エキシビション)
長野五輪TV観戦記(開会式)
ついに長野五輪開幕しました。
早速開会式の生中継を見たんですが、なんか凄い質素で厳かで、いかにも”式”という感じがして私は好感が持てました。最近のショーアップされた開会式はそろそろ飽きていたので。
で、フィギュア・ファンとしての注目点は、まずフランス選手団の旗手のキャンデローロですかね。結構時間差いて紹介してました。日本選手団では本田選手がチラッと見えたかなという程度でしたね。女子選手は殆ど映らなかった。田村選手や荒川選手はわかんなかった。荒井選手らしき人も見えた気がしますが。後は聖火の点火の伊藤みどりさんでしょうね。うーむ、ああいう巫女さんのような格好で出てくるとは思わなかった。でも格好良かったな。ピンと両手を横に伸ばして、人形みたいでした。でも、ちょっと緊張してたみたい。点火が終わってやっと笑顔が見れました。
さあ、開会式も終わって、いよいよ本番開始ですね。
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長野五輪TV観戦記(ペア)
フィギュア・スケートの先陣を切ってまずペアがスタート。
期待の日本勢・天野真&荒井万里恵組ですが、残念ながら出場20組中最下位となりました。まあちょっと演技のレベルに差がありすぎるので仕方ない結果ですが。この大舞台の経験を生かして、今後につなげて欲しいですね。特に荒井選手は若いので、これから伸びる可能性は大きいでしょう。頑張ってほしいです。
優勝したのはカザコーワ&ドミトリエフ組。SPもフリーも1位と完全制覇でした。2位もロシア・ペアで、ロシア勢は強いですねえ。3位のドイツ・ペアまではとてもハイ・レベルで甲乙つけがたかったですね。4位は日系イナ・キョウコのいるアメリカ・ペアですが、もう一歩上位3組には及びませんでした。そして5位はNHK杯優勝以来気に入っている豪快な中国ペア。SP8位が響いて5位にとどまったのが残念です。でも、フリーは持ち前の豪快な技が決まって見事3組抜きを果たしました。
初めてペアを真面目に見ましたが、基本はシングルなんでわかりやすくて良かった。佐藤有香さんの解説も的を得ていていいですね。技術的にどういう点が悪くてどういう点がいいのか丁寧に解説してくれるので、初心者にも親切でした。
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長野五輪TV観戦記(アイスダンス)
グリシュク&プラトフ組が五輪二連覇してしまいましたねー。
いやー、アイスダンスはよくわからないんですが、初めから最後までステップに次ぐステップで、これぞアイスダンスというようなフリーのプログラムではなかったでしょうか。音楽も徐々にボルテージがアップしていく曲で、演技もあっという間に終わってしまいましたね。ODのアップテンポのプログラムも良かったんで、納得の金メダルでした。
銀のクリロワ組は装飾過剰のフリーの演技はあんまり好きじゃありませんでした。銅のフランス組は怪力女性リフトがどうしても記憶に残ってしまうなあ。個人的な好みとしては、カナダのボーン&クラッツ組の軽快なステップなんか好きですねー。それとNHK杯で注目したイタリアのフーサルポリ組、あの陽気さはいいですねー。プログラム的に面白かったのはリトアニアのペア。男性が最初後ろ手に手を組んで滑ってたやつですが、私は勝手に、あれは中央アジアの砂漠の異国に来て盗賊に捕まったヨーロッパの男性が、現地の娘に助けられて恋に落ちる物語を表現しているんだと思いこんでいます。そういう想像を掻き立てる演技が見事でした。
日本の河合&田中組は、やっぱり上位と比べるとゆっくりに見えてしまいますねー。とりあえずビリにならずによかった。
でも、やっぱりアイスダンスは評価基準がよくわからない。まあ、少しは楽しみ方も覚えたので、これからは軽い気持ちで見ていきたいですねー。
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長野五輪TV観戦記(男子シングル)
とうとう終わってしまいました男子シングル。
それにしてもトップ3は三者三様という感じで面白かったですね。しかし、クーリックが勝つとは思ってもいなかった。まああれだけ完璧に決められたら文句はないですが、どうも見ていて面白くない。ジャンプの他は似たようなスピンとステップだけのような気がするし。あれで芸術点に5.9が並ぶのは解せないなあ。それよりはエルドリッジの方がバラエティに富んでいて面白かった。ストイコは売り物の4回転−3回転のコンビネーションが決まらないとやはり苦しいですねえ。でもケガを感じさせない演技は立派でした。キャンデローロはプログラムの勝利ですね。リレハンメルのゴッドファーザーに匹敵するいいプログラムだったと思います。表現力という点では頭抜けていたという感じがします。他は何か正統的で面白味に欠けるか、突飛だけど技術が伴っていないという感じで。
日本勢、本田選手は若さが出たというか、まだプレッシャーには脆そう。それでもSPに比べればフリーはスピード感溢れるいい演技でした。この経験を生かして飛躍して欲しいですね。田村選手は、SPはとてもいいできでしたが、フリーは全日本の再現とはいかなかったようで、ちょっと残念。やはりアクセルがダブルしかないのはどうしても見劣りしてしまいますね。でも、キャンデローロが示したように、プログラムさえ良ければかなり上位に食い込めるのだから、これからは演技力を磨いて魅せる選手になっていって欲しいです。
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長野五輪TV観戦記(女子シングル)
女子シングルも終わって、とうとうオリンピックのフィギュア・スケートも終わってしまいました。後はエキシビションだけですか。
さて、女子シングルですが、タラちゃん(サザエさんではない)が優勝してしまいましたねー。私はクワンで決まりだと思っていたので、意外でした。滑走順もあったでしょうね。クワンが後なら芸術点は6.0が出ていたかも。結局はジャンプで決まってしまったと言えるでしょうね。リピンスキーは3回転−3回転のコンビネーションを含めて多分全種類のジャンプを跳んだのに対して、クワンは全種類は跳んでいないのではないでしょうか? ただ、それにも増してクワンのフリーのプログラムがオーソドックスでまとまり過ぎていたのが敗因のような気がします。世界チャンピオンになった時のプログラムほどの強烈なオリジナリティとインパクトが欠けていたと感じました。SPはスパイラルを長く見せたりと、かなりメリハリが効いていて良かったんですが。
一方のタラちゃん、私は初めてスケーティングを見たんですが、思ったより技術偏重ではなかったということが驚きでした。写真だけ見るとガリィなジュニア体型なんで、2年前のクワンみたいなジャンプは跳ぶけど芸術性が感じられない幼い演技を想像していたんですが、手先からつま先までしっかり神経が行き届いた動作はやはり世界チャンピオンになるだけのことはあると思いました。それに何と言っても勢いですね。溢れんばかりの若さが滲み出ていて、プラスαのオーラを発していたのではないでしょうか。プログラムも年齢にあった良さをうまく引き出してくれたようです。ただ、あのコマのような回転の早いジャンプはあまり好きではないですね。もともと伊藤みどりさんのような高くてゆったりとしたジャンプが好きなのもあるんですが、どう見てもあれはずるいというか、質的には2、3割差し引いて見てしまいます。
個人的にはクワン派なのですが、今回はしょうがないかなという感じもします。
他の上位選手では、何と言っても陳露の復活ですね。こちらは京劇的な動きも取り入れた中華風味たっぷりのフリーのプログラムが功を奏したようです。技術的にはジャンプがイマイチでしたが、それを補って余りある表現力でした。SPが特筆するほど凄くなかったように思うのですが、それでも4位につけていたのが逆転の銅メダルを生んだのでしょう。結局95年から97年までの世界チャンピオンが仲良くメダルを取ったということで、ジャッジに対する印象で実績は重要ということでしょうか。アマチュア最後の試合でこれだけの演技ができて、しかも2大会連続でメダルが取れて、彼女は幸せだったでしょうね。フリー終了後の感極まった表情が忘れられません。
ブッティルスカヤはジャンプに精彩を欠いてしまったのか惜しくも4位。でも、10代全盛の中で大人の魅力を振りまく彼女は貴重です。リピンスキーの演技後の興奮冷めやらない会場で、ゆっくり靴のひもを結び直していた姿が印象的でした。
スルツカヤは「ロシアのみどりちゃん」ということでジャンプのイメージが強かったのですが、意外に演技やスピンも素晴らしくてビックリ。特にあのビールマン・スピン2連発のアピール度は凄いですね。SPでもう少し上位ならメダルも取れたのに残念。でも、あの元気いっぱいの演技は好きです。
ボナリーはまだ出てたのかと思ったら、またまた一騒ぎ起こしてしまいましたね。確かにあれだけの演技をしてもSPの点数が伸びなかったのは可哀相でしたが、バックフリップはいただけません。今まで正当に評価されていないという不満が高じて、多分最後の大会ということもあってジャッジに対する当てつけでやったんでしょうが(フリーの演技の出来の悪さにイラついたという点もあるでしょう)、もっと違う形で示せなかったんでしょうか。私が思うに、結局彼女は自分の持ち味を伸ばせなかったのです。どうしても演技の美しさや表現力という点では劣るのだから、得意のジャンプを伸ばすべきでした。3回転半か4回転に挑戦すればよかったのに。それから、スルツカヤがロシア民謡を演じたように、自分の持っているオリジナリティをアピールしたプログラム作りもうまくできなかったんではないでしょうか。
他に目立った選手は、ロシア民謡がはまっていた陽気なロシア娘のソコロワや、高速スピンのアゼルの選手といったところでしょうか。話題のCMガールであるエレーナ・リアシェンコ様は普通の選手でしたね。ギュスメロリはグラマーな選手ですね(それ意外あんまり私は印象に残らなかった)。
そして、我らが日本の荒川静香選手ですが、初の大きなシニアの国際大会ということを考えれば、大健闘したと言えるのではないでしょうか。出場選手中真ん中の13位ですからね。SPはよかったです。3回転−3回転も挑戦して決まったし。でもフリップのミスは惜しかった。あれが決まっていればもしかしたら10位以内も・・・。でもフリーは不完全燃焼でしたね。やはり持ち味のジャンプが決まらないと苦しい。それでもトリプル・トゥ・ループの転倒以外は大きなミスが無かったのはサスガ。あの粘りのジャンプは天性のものか。でもまあこれからの選手ですからね。貴重な経験になったでしょう。あの落ち着きは大物です。冷静な性格のようだから、無理に笑おうとしないで、クール・ビューティ路線を目指して欲しいな。まだまだプログラム的にも十分ではないし、表現力もよくはなったがまだ真に演技はしていない。ただポーズをとっているだけというのが目に付きました。これはこれからの課題ですね。NHK杯のエキシビションの表現力が素晴らしかったので、素質はあると思います。頑張ってほしいです。今回若い10代の選手がいっぱいいましたが、これから彼女たちと戦っていくことになるんでしょうね。世界選手権も楽しみです(もう出ると思ってる)。
最後に、ターニャ・シェフチェンコが欠場したのが非常に残念です。出ればメダル争いに絡んできたでしょうから。あの元気いっぱいの演技を長野でも見たかった。世界選手権での活躍を期待しましょう。
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長野五輪TV観戦記(etc.)
1.リポーター対決
さて、今回の長野五輪は現役選手ばかりでなく、引退した選手たちのリポーター(または解説者)としての対決も見所がありましたね。まず佐藤有香さんですが、なかなか堂に入った解説は感心しました。喋りがうまいというわけではないのですが、冷静にコメントしてくれるので解説向きですね。伊藤みどりさんは喋りはちょっと苦手みたいですねー。まあ彼女は天才型・長嶋型だからあれはあれで微笑ましいんですが。でも発するオーラは別格です。存在感がありますね。八木沼純子さんはスケーティング同様サッパリ・シャキシャキした歯切れいいレポートでした。さすがキャスターやってるだけはあるな。それにしても彼女たち以降の選手が伸びていないというのがこうして見るとわかりますね。スター性と知名度のある人が出ていないという気がします。そういう面でも荒川選手や村主選手には伸びて欲しい。
2.テレビ局対決
地元の五輪ということもあり、今回は民放各局もフィギュアの放映をした分けですが、テレビ朝日以外はまあまあよかったですね。NHKはノーカットだし大元の映像も制作していたからいいのは当然なのです。TBSもずっと世界選手権を放映してきたこともあり、ノウハウがあるしコメントも的確でした。下位選手の演技をカットしたのが気に入りませんが。日本テレビとフジテレビは似たような感じでしたが、コメンテーターの質は日本テレビの方が上。松岡修造氏はフィギュアに詳しいし、アイドルのマヌケな発言をうまくフォローしていました。最悪なのはテレビ朝日。まず生放送ができるというのに、セレクション的にしか放映しないのはどうにかしてくれ。やる気がないんだったらNHKに譲ればいいのに。そして長嶋一成のキャスターがどうしようもない。フィギュアのことを全然理解してないし、出てくるコメントは女が綺麗だということだけ。本当に頭に来た。
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長野五輪TV観戦記(閉会式&総括)
閉会式を持って長野五輪もとうとう終了してしまいました。フィギュアの選手も、荒川選手や田村選手が映ってましたね。なかなか楽しい閉会式でした。
さて、今回の五輪のフィギュアですが、シングルに限って言えば、芸術性優位の時代でもなく、ジャンプ優先の時代でもなく、技術も表現力もともに兼ね備えた選手が増えてきて、ますます高度になってきているという感じですねえ。アルベールビルあたりは上位でも転倒なんかが多かったのですが、今回は上位は皆大きなミスもなく滑ってのではないでしょうか。その中でもやはりクワンとリピンスキーは完璧な演技をしましたね。男子は4回転時代を完全に迎えたといえそうですが、キャンデローロを見るとジャンプだけではないということを見せてくれて安心しました。女子はかなり上位と下位の差が大きかったんですが、男子はホント混戦ですね。この中で上位に行くのはかなり難しそう。
日本勢は、殆ど高校生の若い代表と言うことで、今回の成績(15位近辺)は妥当というか、頑張った方じゃないでしょうか。やはり本番は4年後のソルトレークシティでしょう。そこまでにどれだけレベルアップしているかが鍵ですね。幸い男女とも年の近いライバルがいるので、希望は持てます。特に最近の女子は佐藤有香さん以来伸び悩んでますから、頑張ってほしい。まずは10位以内に入れるようになって欲しいな。
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長野五輪TV観戦記(エキシビション)
今回は五輪のエキシビションの他に、メダリスト・オン・アイスまであって賑やかでしたね。特にメダリスト・オン・アイスは凄かった。リンクと客席が近いしマイクが会場の声をよく拾っていたんで熱気が画面が溢れんばかりでした。極めつけはキャンデとクーリックの演技の時でしょうか。声援も凄かったし、花束もまた凄かった。でも勝っていたのはキャンデの方か? やはり日本での人気はまだまだ彼の貫禄勝ちといたところでしょうか。
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