■村上・ふれあい篇■


新潟三都物語(3)

99年 7月10日(土)〜7月11日(日)

これまでのあらすじは、新潟三都物語(2)新津&五泉・はるかなる鉄路篇 をご覧下さいね。

♪悲しみに〜出会う”旅”〜あの人を思い出す〜

と中村雅俊さんの「ふれあい」を口ずさみながらやってきました。(ウソ・しかも誤字あり)

ブラウン管の向こうでしか見たことのない鮭の町 村上についに訪れる事が出来ました。
2泊3日の旅もいよいよ終盤にさしかかりましたが、ここでは何が待ち受けているのでしょうか?


道標
−みちしるべ−

7月10日(土)
駅名 発着時間 便名 列車番号 コメント
新津駅 16:11 白鳥 5001M やっとのことで新津駅に戻りました。これから村上を目指して旅立ちます。
新潟駅 16:29 白鳥 5011M ここで列車番号が変わり先頭車両は入れ替わります。
村上駅 17:16 同上 同上 2泊3日の旅の終着地 村上駅です。

7月11日(日)
駅名 発着時間 便名 列車番号 コメント
村上駅 16:31 いなほ12号 2012M 駆け足で見たい所を回りあせだくで駅に戻りました。^^;)
新潟駅 19:17 あさひ6号   速達便タイプです。行きのあさひ1号と違い車両は新しいE2系ちゃんです。^^)

【 昔懐かしいボンネット型の車両ですね。 】 【 列車フルコース料理、最後は特急いなほちゃんで”しめ”です。(笑) 】 【 速達便のあさひ6号です。名残惜しいですが自宅に帰ります。 】
青森行きの白鳥ちゃんです。(村上駅にて撮影) 新潟行きのいなほちゃんです。(村上駅にて撮影) E2系のあさひ6号です。実は車内で・・・^^)


食べる

  1. 八千草

    夕方、特急 白鳥ちゃんで村上駅に着いてすぐ駅前のビジネスホテルに荷物を置き、早速駅周辺を歩きましたが・・・無い!
    裏道もかなり歩き、村上警察署や総合庁舎、パチンコやさんなど広く歩いたのですがピン!とくる呑み屋さんが見あたらないのです。;_;)
    かれこれ2〜3時間経とうとしているので、一度振り出しである村上駅前に戻り、聞き込みをしていたら
    タクシー会社の人が教えてくれたお店に興味を持ったので、先程まで歩いていた所に戻り
    諦めて折り返した所からもう少し先に歩いた所を探すとお目当ての八千草さんが見つかりました。

    店内を見渡すと地元の人でとても混雑しているので、お店の御主人から「あと20〜30分ほどお待ち願えませんか?」
    との事などで一度外に出て近所を暫く歩いて時間をつぶし再度店内に入りやっと座れました。
    (実は、予約席を無理にあけて頂いた様で、大変、ご迷惑をおかけしました。あせ)

    さっそくお酒に〆張鶴で一献呑みながら、イ貝(ムール貝みたいなもの)、イカワタ(なんとイカの内蔵をシャーベット状に凍らせたもの)
    厚焼き卵(もちろん注文してから焼く本格的なもの)など、どれも手作りの美味しい料理ばかりで嬉しさひとしおです。^^*)

    「今日は、時化ちゃってねえ。あまりいいネタ(魚介類)がないんだけど。」

    と控え目な御主人ですが、カウンターの奥で手際よく調理する姿はただものではありません。
    ついついお酒が進み、仕上げに海鮮丼をつくって頂き、すっかり閉店の時間まで居座ってしまいました。
    他の常連さんや女将さんだちと雑談をしながら、くつろいでいると

    「おにいちゃん、(次に来たときは)予算と希望を言ってくれれば、それにあわせてつくるからね。」

    との御主人のコメントには感動してしまいました。
    (はじめてのお店で”勝手”が分からず、メニュー通りのものを注文していたのを忙しい最中見ておられた様です。)
    急に雨が降ったのでお店の人に傘を借り、ほろ酔い気分 千鳥足で駅前にトコトコと歩いて宿に帰り、長い一日に幕を下ろしました。^^;)

    【 店舗外観 】 【 店主近影 】
    店舗外観
    (夜撮影したら真っ黒だったので翌朝撮影させて頂きました。)
    御主人と女将さんです。
    若いおねえさん(まゆみさん?)もはたらいています。^^)

    住所村上市山居町1丁目
    電話52−1213
    営業時間〜23:00?(日祭日定休)

  2. 有限会社 酒道楽 工藤

    二日酔い冷めやらぬまま、翌日(7/11)、村上駅でレンタサイクルを借りて街に飛び出してみました。
    名所旧跡を回り、村上城址の次にどこに行こうかな? とパンフレットを眺めていたら
    「利き酒できます」の文字が目に飛び込んできました。(笑)
    せっかく村上に来たのだから、その土地ならではのお酒を手に入れたい・・・
    そう思うと自転車をこぐ足も急に軽くなったのは呑んべえの悲しい性というものでしょうか?(笑)
    地図を頼りにとある幼稚園を通り過ぎるとお目当てのお店がありました。^^)
    早速店内に入ると日本酒を中心に様々なお酒がズラリ!私の目もキラキラ状態です。^^)

    ゆう 「予算\2,000-前後ですっきりとした美味しいお酒を買いたいのですが。」
    御主人 「お兄ちゃん車で来たのかい? なに自転車か? それなら説明するより、試飲してみなさい。(笑)」

    と言葉通りにいろんな日本酒を次々と出して頂きました。
    (その日一日の中でレンタサイクルを使って本当に良かったと強く思ったのは、この時に他なりません・笑)
    試飲をしながら御主人・工藤 達朗さんからそれぞれのお酒の特徴を伺いながら話に花が咲きました。

    工藤さん 「私も若い頃に旅行が好きでいろいろ歩いたが、旅先でいろんな人にお世話になった恩返しをしたくて
    村上で観光案内などの活動をやっているんだ。」

    お言葉に甘えて市内観光のポイントを伺いながら、試飲を続け(笑) 2種類のお酒(吟醸 道−あゆみ−酔水−すいすい−)を購入しました。

    工藤さん 「荷物(お酒)は、市内観光が終わるまで預かっておくから、ゆっくり見てきなさい。
    それと何か困った事があったら、私に電話をしなさい。」

    細やかで暖かい心配りに感動しながら、ふと

    自分はこういった振る舞いが出来る様な人間になれるのだろうか?

    という問いかけがしばらく頭をもたげました。

    ・・・この後、まさかホントに困った事がおきるとは思いませんでしたが(笑・詳しくは、まいづる公園をご覧下さいね・あせ)

    【 店舗全景 】
    店舗の前で愛車”轟天号”(レンタサイクル)とともに撮影しました。(笑)

    住所新潟県村上市堀片4の8
    電話0254−53−2694
    営業時間不明

  3. 味匠 きっ川

    お土産用のお酒を先の工藤さんで購入したので、次は、おつまみというわけでこちらを訪ねました。(笑)
    こちらは、店員さんにお願いすると中の作業風景を見学する事が出来ます。
    奥の大きな座敷で冷たい日本茶を頂きながらお話を伺います。

    「この家屋は、築(約)110年なのですが、それまであまりにも火事で焼失する事が多かったので質素な造りなんですよ。
     まさか、こんなに長持ちするとは、当時の人は思いもしなかったでしょうね〜。」

    お茶を飲み干し、更に奥の蔵へ進みます。
    天上に吊り下げられた無数の鮭を眺めながら、説明を聞きました。

    「ここが作業場です。1匹 約6kgの大きな鮭(イヨボヤ)を1年かけて干します。
     その間、約10回手入れをすると仕上がり時には、約500〜600gになってしまうんですよ。
     また、この鮭の酒びたしは、ここ村上の気候でなければできないんです。」

    「手塩に掛ける」とは、こういう事を言うんだろうなあと納得しながら
    たくさんの職員さんが山積みの鮭をさばくのを見て、ちょっといじわるな質問をしてみました。^^;)

    ゆう 「これだけ、毎日たくさんの鮭を見ると食べるのがイヤになりませんか?」
    店員さん 「鮭の昆布巻とかは、あまり食べませんけど(笑)、鮭の塩引きや酒びたしは毎日でも飽きませんね〜。」

    一通りの見学を終え、再び店舗に戻って、さっそく鮭の酒びたしを試食してみましたが・・・うまい!>_<;;)
    歯ごたえは、ビーフジャーキーと生ハムの間で、口に放り込むと中で広がる深い風味はなんとも言葉にできません。^^*)

    が、さすがに値段が高いので、どうしようか悩んでいたら
    鮭の酒びたしの”切り落とし”が手頃な値段だったので、これを買い求めました。(約70g \1,050-税込)
    ちなみに食べるときは、日本酒に浸さなくても、十分美味しいです。(店員さんは、そのまま食べるのがお薦めとの事。)
    店先の冷たいお水を飲み干しながら、レンタサイクルで再び、名所旧跡めぐりをすべく街に消えていく筆者なのでした。

    ちなみに、きっ川さんの商品は、東京・大丸(地下)、新宿・伊勢丹(地下)、池袋・東武(B2F)
    阪急梅田本店(地下)などでも入手出来ます。

    【 店舗外観 】 【 鮭がいっぱい!^^) 】
    店舗外観
    この奥の蔵などの一部分が築110年です。^^;)
    店内の作業風景を見学させて頂きました。
    たくさんの鮭が所狭しをつり下げられています。^^)

    住所〒958-0842 新潟県村上市大町1−20
    電話0254−53−2213
    営業時間不明


見る

    村上市内の名跡は、点在しているので自動車又はレンタサイクルでまわる事をお薦めします。^^;)
    村上駅のレンタサイクルは、みどりの窓口で申し込み、改札口から1番線ホームに入りすぐ左で自転車を受け取ります。
    えちごホリデーきっぷを呈示すれば、無料で貸し出してくれます。 ^^)

    【 レンタサイクル置き場です。 】
    村上駅構内のレンタサイクル置き場です。^^)

  1. 藤基神社(ふじもとじんじゃ)

    内藤家の先祖 信成候(徳川家康の異母弟)を祀った神社です。
    嘉永2年(1849年)に完成した総欅造りの社殿との事。

    【 藤基神社本堂 】

    電話52−4781

  2. 光徳寺

    村上藩主 内藤家の歴代藩主の墓所が静かに眠っております。
    後で聞いたところによると本堂の中も変わった構造で面白いとの事なので興味の有る方は訪ねてみては如何でしょうか? ^^)

    【 内藤家歴代藩主の墓所 】

    電話52−3849

  3. 村上城址(舞鶴城址)

    明応年間(1492〜1501)に本庄氏によって築城され、その後 村上 頼勝氏(慶長3年 1598年)、堀氏(元和6年 1620年)
    松平 直矩氏らに引き継がれると共に城内を拡張してきましたが、寛文7年(1667年)の落雷による天守閣の焼失
    明治6〜8年の城門取り壊しなどにより石垣だけが当時の面影を残しております。
    市内のはずれの小高い山の上にそびえる天守閣跡からの眺望は絶景です。^^)
    普段、日本海を見ることのない筆者にとっては、遠く向こうに大きく見える粟島がとても新鮮で驚きました。

    【 天守閣の礎を緑が包みます。^^) 】 【 高台から日本海を臨みます。 】
    頂上までもうすぐです。ふうふう。^^;;) 海の向こうに島も見えます。

  4. まいづる公園

    皇太子・雅子妃殿下のご成婚を記念して平成6年から村上市が整備をはじめた公園です。(平成10年完成)

    写真左の旧 藤井家住宅は、現存する直屋の武家屋敷としては最大のものだそうです。
    写真中の旧 嵩岡家住宅は、(旧姓)小和田雅子様のご先祖の住宅との事。
    写真右の旧 岩間家住宅は、本来長屋だった家屋を後に一戸建てに大改築した変わった経緯を持つものです。

    実は、旧 嵩岡家住宅に管理人さんに「さいきんパソコンを買ったのじゃが、使い方がわからなくての〜。」

    と質問ぜめと井戸端会議につかまり、なんと3時間以上も、そこに留まる事になってしまい
    その後の行程が全て慌ただしくなってしまいました。
    競輪の中野選手の様に自転車のペダルを全力でこいだのは言うまでもありません。トホホ・・・;_;)

    【 旧 藤井家住宅全景 】 【 旧 嵩岡家住宅全景 】 【 旧 岩間家住宅全景 】
    旧 藤井家住宅です。 小和田家と縁の深い 旧 嵩岡家住宅全景です。 旧 岩間家住宅です。>

  5. 重要文化財 若林家住宅

    築 約200年の中級武士の屋敷としては、当時の面影を色濃く残しており、東日本海地域唯一の貴重な歴史的遺産です。
    昭和52年(1977年)に重要文化財に指定、昭和60年から解体、復元工事を行い、昭和63年に完成しました。
    屋敷内に美しい日本庭園もあるので、歴史に興味の無い方でも楽しめるのではないでしょうか? ^^;)
    ちなみにこちらの入場券で後述の村上市郷土資料館も見学出来ます。

    【 若林家住宅全景 】 【 若林家住宅庭園 】

    観覧料一般\500-/小・中・高校生\200-
    ※村上市郷土資料館と共通です。
    住所〒958-0837 新潟県村上市三之町7-13
    電話0254−52−7840

  6. 村上市郷土資料館(おしゃぎり会館)

    羽黒神社の祭礼に使用される お屋台(おしゃぎり)や甲冑、刀剣類が展示されています。
    一番の見所は、堆朱(ついしゅ=漆塗り)などの村上の伝統工芸の技法をふんだんにつかった山車(だし)の一種である お屋台です。
    現在は、新潟県下の三大祭りの一つ村上大祭で威勢の良い姿をご覧になれるそうです。

    観覧料一般\500-/小・中・高校生\200-
    ※村上市郷土資料館と共通です。
    観覧時間09:00〜16:30
    休館日12/28〜1/4,7/5〜7/8(村上祭)
    住所〒958-0837 新潟県村上市三之町7-9
    電話0254−52−1347

  7. 重要文化財 浄念寺

    土蔵造りの一見変わった本堂は、文化15年(1818年)に建立され、平成3年に国の重要文化財に指定されました。
    松尾芭蕉が「奥の細道」の途中に、このお寺にお参りしているそうです。
    ちなみに地元の高級割烹として有名な吉源さんは、このお寺に前にあります。^^;)

    【 浄念寺本堂 】

  8. 観音寺

    日本で最後の即身仏(ミイラ) 仏海上人(明治36年3月20日入寂)が安置されているお寺です。
    生前のある時から「五穀断ち」を行い、死後腐敗しない為に質素な食事だけという荒行の末にお亡くなりになったそうです。
    昭和36年に仏海上人の遺言に基づき、墓所から発掘され、お堂の中に棺と共に安置されています。
    (注)現在の法律では、即身仏になる事は禁止されています。

    【 観音寺全景 】

    電話52−4707
    拝観料高校生以上 \200-
    拝観時間9:30〜17:00

  9. 市有形文化財 旧成田家住宅

    もとは岡本左太夫なる人物の屋敷であったものが、その後、成田正男氏の手に渡り
    1992年に村上市に寄贈され、1993年 村上市有形文化財に認定、解体修復作業の末、現在では広く一般に公開されています。
    他の旧家住宅と異なる特徴を多数有しているので、相互に見比べてみては如何でしょうか? ^^;)

    【 旧成田家住宅全景 】

    入館料無料
    開館時間9:00〜16:30 年末年始は休館


今回の新潟旅行は、人との出会い、ふれあいが多く、私自身とても印象深いものとなりました。^^)
更には、東京へ向かう 上越新幹線 あさひ6号の車内では
隣に座った若いおねーさんとの会話も弾み、最後までウキウキワクワク夢のような3日間でした。
こういう事があるから旅ってやめられないんですよね。^^*)

最後に工藤さんから頂いた書を引用しつつ、旅行記 新潟三都物語の筆をおきたいと思います。^^)

【 出会い それが人生 】


新潟三都物語 −完−

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