屋久島散策の1日目は、眠い目をこすりながら朝早くバスに揺られ、荒川登山口に到着。
荒川登山道ですが、トロッコの線路が敷設されており、枕木が歩幅を狭めて歩くづらいのですが、小さな洞窟や清らかな湧水
大正12年に総延長16kmのトロッコが敷設され、森林の伐採が本格化し、作業に携わる人々の増加に伴い、その子弟の為に
元は、小杉谷事業所(伐採、製材所)があった休憩所のひさしの下にボタンを見つけたのでポチっと押してみましょう。
(小杉谷小・中学校校歌 作詞:菅原杜子雄)
当時の授業の時に録音したものでしょうか?
この子達は、今どんな大人になったのだろう? 親となってその子供達に何を伝えているのだろう?
小杉谷小・中学校を後にして、途中、トイレ休憩を挟み、引き続きトロッコの線路の上をてくてくと歩くと右手前方巨木が見えてきました。
しかも巨木の根本は、空洞がぽっかりと口を開けています。この不思議な構造の三代杉ですが、1500年に倒れた最初(初代)の
三代杉を出発した我々探検隊は、再びトロッコの線路を踏みしめて歩き出しましたが、しばらくすると橋の袂で
余談ですが、道中、数ヶ所、清流と交差する地点がありますので、試しに手をすくって飲んでみて下さい。
翁杉を通過してウィルソン株に辿り着きました。
余談ですが、ここでの休憩時間中、同行している学生さん達が、おもむろにジャンケンをはじめたので眺めていると
まあ、それも面白いかな、と思って放っておく事にしたのは、ちょっとだけナイショです。
ウィルソン株、大王杉を経て、屋久杉観賞第一日目も大詰め、夫婦杉までやって来ました。(大王杉は写りが良くない為、ボツに。^^;;)
荒川登山口を出発して5時間弱。本日の最終目標にやっと辿り着きました。
年間5万人は屋久島に訪れるという観光客の多くがこの縄文杉に訪れる為に、根本が露出し、更に心ない登山者のいたずらで
春先とはいえ、暖かい陽射しが織りなす木漏れ日が心地よく、いつまでも、ぼーっとしていたいのですが
下山途中、翁杉を下り、三代杉に向けトロッコの線路を歩いていると、ディーゼル音が山間をこだましているではありませんか。
荷物を積んだ貨車を牽引しながら、ゆっくりと登る小さなディーゼル機関車にシャッターを切る手も素早く動き、疲れも吹き飛びます。
さて翌日はどこに行こうかな?(本当に何も考えていない筆者なのでした。)
登山道が分からなく不安だったので、同じ宿に宿泊していた学生さんグループとご一緒させて頂きましたが
そのうちなんとかなるだろう〜と鼻歌まじりに歩き始めたのは、ちょっとだけナイショです。(笑)
冒険気分満点です。
至る所、水がわき出ています。
巨大な岩が横たわる河原です。
そして吊り橋など目まぐるしく変わる風景が楽しくて、疲れを忘れかけていたところに廃校を発見。
廃校の少し先の休憩所で腰を下ろす事にします。
ここ小杉谷に小学校 兼 中学校を開校し、昭和30年代には最盛期を迎えたものの、その後、自然保護の機運が高まり
屋久杉の伐採の取りやめと共に昭和45年、廃校となったそうです。
今は児童の笑い声は聞こえません。
このボタンを押すと。
屋久の八重嶺(やえね)の山ふところに
われら生まれて故郷を愛す
この山この谷この川この水
豊かにきびしき故郷を愛す
ピアノの伴奏と共に子供達の歌声が休憩所の天井に吊り下げられたスピーカーから雑音混じりに流れ出しています。
休憩所には、トロッコの荷台に乗って通学する風景や校庭を元気よく駆け回る子供達の写真が掲げられ
当時の様子を我々登山者にわずかに伝えるのみです。
そんな思いに耽っていましたが、休憩時間もここまで。また更に登山を続けることに致しましょう。
(トイレは、道中、この一カ所しかないので、ご注意を。)
樹齢1200年の木の上に、また別の杉が実り(樹齢1000年)、その二代目の木を350年に伐採した後に、更に三代目の現在の巨木の本体
が成長しているという三層構造で、初代の杉の部分が少しずつ朽ち果て、空洞が広がっているという次第です。
大自然の生命力の強さを感じずにはいられませんね。
三代杉です。
朽ち果てた根の上に次の命が育っています。
大株歩道入口という立て札を見つけましたが、ここからは急な上り坂となり、肩で息をしながら、更に歩き、やっと翁杉に到着。
樹齢 約3000年、幹の周囲 約12m、樹高 約27mと麓の杉と比べて一回り大きいですね。ここから更に巨大な杉が目に付く様になります。
この橋の袂からトロッコの線路を離れ
大株歩道を登りますが道が険しくなります。翁杉です。
空のペットボトルを用意するといいですよ。
まさに甘露というべき、冷たくて美味しい清水を味わう事ができますよ。(お腹の弱い方は無理に飲まないで下さいね。)
私は大丈夫だったので、空のペットボトルに汲んで持ち歩きました。^^)
1914年(大正3年)にウィルソン博士によって発見された推定樹齢3000年の屋久杉の切り株です。
(写真中の登山者と比べて、どれだけ大きな切り株か? お分かりになりますでしょうか?)
胸高周囲13.8mの巨大な杉は16世紀頃に伐採されたらしく、屋久島最古の切り株と目されています。
切り株の中は、巨大な空洞となっており、清水が滾々とわき出ており、小さな祠が祀られているので
この先の道中の安全を祈願して、更に登山を続ける事にします。
登山者と切り株の大きさを比べてみてね。
切り株の中は、木漏れ日がさしています。
切り株の中の祠に道中の安全を祈ります。
敗者が、他の仲間の写真を撮影し、本人はそこで写真を撮れないというバツゲームが待ち受けていました。
ゆう 「そんな(意地悪な)事しなくても宜しければ私が皆さんの写真を撮りますよ。」
学生さん達 「いいんです。これがボクらの鉄の掟。旅の思い出なんです。」
・・・負けた女の子一人がしきりに悔しがっていましたけどね。あはは。^^;;)
2つの屋久杉が仲良く寄り添って並んでいる為にこの様な名前になったそうです。
右が「夫」(樹齢 約2000年、胸高囲10.9m、樹高22.9m)、左が「妻」(樹齢 約1500年、胸高囲5.8m、樹高25.5m)との事。
二本の杉が
仲良く寄り添っています。
樹齢7200年(推定)を誇る縄文杉です。通常、樹齢1000年を越えるものを屋久杉と呼んでいますが
その屋久杉の中でも幹は群を抜いて太く、重厚な存在感を醸し出しています。
バスの運転手さん 「7〜8年前までは、直接(縄文杉に)触れたんだけどねえ。」
樹木本来の生命力が弱まった為に、現在は、柵で囲い、またデッキを設け、登山者が根本の土砂を踏み荒らすことの無い様に
保護する事で少しずつ元気を取り戻しつつあると聞き、ほっとした様な、少し寂しい様な複雑な気持ちが去来しますが
ぐっと胸にしまいこんで静かに巨木を見守る事にします。
はるばる来ました。縄文杉に。^^)
圧倒的な存在感です。
帰りのバスに乗らなければならないので、後ろ髪をひかれる想いで、この地を後にします。またね。
ひょっとして・・・少しでも早く前に進みたい気持ちとは裏腹に、足で踏みしめただけでたわむレールと疲れが行く手を阻みます。
同行している学生さんの前では、フツーのオトナのフリをしたい私は、胸のトキメキを内に秘め、足並みを揃え前進あるのみです。
そして予想通り、森林軌道の作業車両とのご対面となりました。
♪ある日、森の中
トロッコに出会った愛らしいですね。
貨車も連れています。
森の奥に消えていきます。
満足するまで撮影し、鉄分の補給も終えたら、学生さん達から置いてけぼりをくらったのは、ちょっとだけナイショです。(笑)