縄文杉を訪ねる旅を終え、一夜明け、本日からはレンタカーを使い、早朝から気ままに出発。
宮之浦を起点に海岸線を南下しながら、思いつきで目指したのは、麦生に近いモッチョム岳です。
モッチョム岳の麓の駐車場で車を止め、背伸びをして遠くに目を向けると谷底に流れているのが千尋の滝です。
幅400m、高さ200mの巨大な花崗岩の一枚岩の中央に流れ、落差 約60mの大きな瀑布です。
朝のすがすがしい空気を吸って、元気いっぱいに今日も登山をはじめたのですが、まさか、あんな事になろうとは・・・(笑)
遠くから見ても大迫力です。 |
千尋の滝を眺め、鋭気を養った筆者が本日、最初に登るのがモッチョム岳です。
そう思い、リュックを車に置き、水も持たずに手ぶらで登山口に踏み込みます。
鼻歌まじりに歩くとすぐ急流の河原が視界に広がっています。
水面を跳ねる飛び石のように、岩から岩に飛び移り軽々とステージ1をクリアしパワーアップキノコをゲット。(意味不明)
一時間半ほど歩き続け、やっと万代杉に到着。ここで暫し休憩。喉も渇いていますが水が無いので我慢するよりほかありません。
少しでも多くの屋久杉を見たい。
山頂付近にあるというモッチョム太郎をこの目に焼き付けたい一心で登山を再開しますが高低を繰り返し、ジグザグとした道は
少し気持ちが和らいだところで、目と鼻の先に見える頂上を目指そうとしましたが、無い。
・・・あ、モッチョム太郎を拝むのを忘れました。それくらい疲労困憊だったという事で・・・
(追伸)その夜、宮之浦の呑み屋でマスターと雑談をしていたら
3月の半ばとはいえ、気候の温暖なこの島でマムシが冬眠から目覚めていないとは断言できない事を考えると
モッチョム岳の中腹に位置する樹齢3000年の屋久杉です。
屋久島の南部、麦生と原の間にある落差6m程度の小さな滝です。
命からがらモッチョム岳から下山し、車で麓に降り、JA直営の物産館である「ぽん・たん館」の駐車場に車を置き
特筆すべき点は、海に直接落ち込んでいる事とその流れ込む水の音の大きさです。
「ぽん・たん館」で喉を潤し、屋久杉自然館で空腹を満たし、再びレンタカーで、ゆっくりと上に上にと走ること1時間程で紀元杉に到着。
霧の立ちこめる林道を車でゆっくりと元来た方向に下る事、30分で辿り着いたのがヤクスギランドです。
元々、屋久杉はご神木として崇められ、江戸時代まで伐採される事はありませんでしたが、地元の儒学者 泊如竹(1570〜1655年)が
時計を見ると16:00を回り、薄暗くなってきたので、千年杉、荒川歩道を歩き、小花歩道はめぼしい杉が無い為に割愛し
時間が無い。その焦りが迷走を招き、見るべき場所を通過し沢津橋に筆者を誘った為、慌てて引き戻り、三根杉、母子杉、天柱杉
そして最後の関門、くぐり杉を通り抜けると、レンタカーの待つ駐車場に17:00頃、到着。
観光案内所で入手した地図を見ると標高940mとあり、昨日登った縄文杉のある高塚山(標高1,396m)より400m程低いという事になります。
意気揚々と入山です。
登山口の川ですが、いきなり難所です。
45度以上はある
急斜面です。ザイルで岩場を登ります。
しかも大きな岩がごろごろと転がり、対岸に向けてロープが一本張られているのみです。
冒険魂をむくむくと膨らませ、ズンズンと突き進みますが、道は段々険しくなり、あっという間に45度以上の急斜面が立ちはだかります。
(写真だと地味でわかりにくいですが。)めげずに登り続けると、今度は丸い大岩が行く手を阻み、岩場の上に生える細い木から
黒いザイルがぶら下がっています。ザイルにしがみつき、両脚を岩場に交互にかけて乗り越えると、お次は幾重にも連なる螺旋の様な
山道が、筆者の体力をじわりじわりとそぎ取り、疲れも増していく一方です。
苦労して登ったカイ
はあります。思いっきり、やっほーと言ってみました。
頂上制覇を断念しました。^^;)
まさに獣道そのもの。他に登山者がいない、一人きりという不安が疲労感を更に強めていきます。
万代杉を出発して一時間強ほど経て、尾根伝いにかなり上層部に到着。ここからの海の眺めが余りにも素晴らしいので、再び休憩。
ふた昔前の青春ドラマの登場人物になりきって、声を振り絞ってみました。
登山道を示す赤いリボンがどの木を見ても結ばれていないのです。しかも段差1m以上のある岩場を一度降りなくては頂上に行けない。
すっかり憔悴した筆者にとっては、これ以上の我慢と無理は危険と直感が警鐘をしきりに鳴らしている為、これ以上の登頂を断念。
下山途中に見つけた沢で水を手ですくい、一気に飲み干し、渇きを癒し、とぼとぼと麓に戻ったのは、登山を開始してから5時間後。
登山口の立て札を見ると、「モッチョム岳 往復7時間」の文字を見て、改めてこの山の厳しさを知った筆者なのでした。
無事に下山できて良かったと改めて胸をなで下ろしました。
昭和51年に発見されたそうですが、胸高囲8.6m、樹高13.2mと比較的大きく、ここからの海の眺めは良いのでお薦めです。
縄文杉と違い登山道がほとんど整備されておらず、ここに来る観光客も少ない為、あるがままの状態で見たり、触れたりできますが
こちらの記事をご覧になって行かれる方、是非、マナーを守って大切に扱って下さいね。宜しくお願いします。ぺこり。
万代杉です。
とても太い幹です。
万代杉から周囲を見渡します。
歩くこと5分程ですぐに見ることが可能です。
”トローキの滝”とは、”轟きの滝”が訛って命名されたとだけあって、迫力満点です。
屋久島の降雨量は、山岳部で年間8,000mmから10,000mmを記録し、その多くは春先と梅雨の時期に集中し
水が豊富な為、この様な滝もできるという事なのでしょうね。
トローキの滝の入口です。
豪快な音が聞こえます。
標高1,230mの細い山道のすぐ脇に位置する紀元杉は、樹齢3000年、胸高囲8.1m、樹高19.5mの大樹です。
この大樹には、ツガ、ヒノキ、ヤマグルマ、サクラツツジ、オオヤクシマシャクナゲ、アセビ、マルバヤマシグレ、ヒカゲツツジ等の植物が
複雑に絡み合い、重厚な印象を見る者に与えます。しばし静かに眺めた後、霧が立ちこめる中、次なる目的地に向かう筆者なのでした。
紀元杉です。
様々な植物が着生しています。
どっしりとした存在感があります。
厳密には「屋久杉自然休養林(荒川地区)」という270.33haの面積を擁する原生林ですが遊歩道が整備されており、手軽に散策できます。
順路としては、30分、50分、80分、150分の4コースの中から自由に選べますが、負けず嫌いな筆者は、もちろん150分コースを選択。
入口の管理棟で協力金\300-(高校生以上)を支払い、駆け足で巡る事に致しましょう。
吊り橋を渡ります。
渓流(つつじ河原)沿いに
屋久杉が点在します。山紫水明とは、この事でしょうか。
三根杉です。
島民の迷信を払拭し、島津藩に(年貢の代わりに??)献納する事で貧困に喘ぐ島民を救ったそうです。
興味深い事に屋久杉の伐採を推進した泊如竹は、同時に屋久杉の乱開発を諫める様な事も説いていたとの事。
自然と人間のあり方の原点を垣間見る事ができ、感慨深いです。
苔の橋(吊り橋)ごしに、つつじ河原を一瞥すると水面はエメラルドの様な色彩を放っています。
母子杉です。
天柱杉です。
天柱橋は破損しています。
仏陀杉です。
くぐり杉です。
まで全力疾走し激写。通行止めになっている天柱橋で深呼吸し、再び山道を上って、下って全力疾走し、仏陀杉に到着。
この仏陀杉も、縄文杉同様、人々に踏み荒らされ、弱った為に現在は、保護の為のデッキが設置され、直接触れる事は出来ません。
自然に触れたい、癒されたいと私を含め、誰もが考える事ですが、その代償は決して安くはないという事でしょうね。
次の世代の人達にも是非、見ることができます様にと願いながら、シャッターを切ります。
お土産でも買おうかなと思ったらログハウス調の売店は営業終了。職員さんも撤収準備に入った為
泣く泣く車に乗り、一時間半ほどの時間を費やし、人里に戻る筆者なのでした。明日は、のんびり島めぐりしたいなあ〜。
名称
胸高囲
樹高
樹齢(推定)
三根杉
9.3m
26.1m
1,100年
母子杉(母)
9.0m
31.1m
2,600年
母子杉(子)
6.3m
29.5m
2,600年
天柱杉
8.2m
33.8m
1,500年
仏陀杉
8.0m
21.5m
1,800年
料金
(協力金)\300-(高校生以上)
問い合わせ先
ヤクスギランドを美しくする会
電話
0997-46-3221