AD物語II 第23話 「ドロップ・アウト」



〜 岩男潤子コンサート”フリーダム”レポート 〜
 えー。  「オールナイトニッポンの想い出話編」が終わってから、  「完パケ番組の想い出話編」に入ったんですが、  これが、なかなか進みませんで。  書くことが全然まとまりません(笑)。  ということで(何が『ということで』なんだ?)、  今回の「AD物語」は、先日中野サンプラザで行われた、  岩男潤子さんの夏のコンサート・「フリーダム」のレポートなんかを書いちゃって、  お茶を濁そうかと。
 1998年8月30日(日)。午後4時30分。  お台場での、本日のお仕事終了。  え?  「日曜日とはいえ、4時半に仕事が終わるなんて、なんて楽な仕事だ。」  ・・・ですって?  冗談じゃないっす。  朝5時起きで働いてるんですよ。  辛いっちゅうの。  ちなみに日曜日のお仕事は、  三宅裕司さんと小俣雅子さんの「裕司と雅子のガバッといただきベスト30」を担当してまして。  この日はレイティングということもあり、  「ユーミン・電話リクエスト」と題しまして、  リスナーのみなさんから「ユーミン」こと「松任谷由実」さんの曲を、  電話でリクエストしてもらって、  その結果を集計し、ベスト30を決めちゃおう!  ・・・というものでした。  もう、朝9時の番組開始から、番組終了のお昼の1時まで、  集計センターとスタジオの往復で、なおかつずーっと走りっぱなしでヘトヘトになっちゃいました。  おまけに4時間ずーっと「ユーミン」の歌ばっかりで、さすがに飽きましたな。  ・・・で、お昼ご飯を食べた後、  「ガバッと」の反省会をやって、  スタジオの後かたづけをやって、  春風亭小朝師匠の番組の「番宣(番組宣伝CMスポット)」を作って、  ようやく解放されたのが、午後4時って訳です。  しっかし、ボクが「中野サンプラザ」に行く日は、決まって天気は雨のようで。  前回、ボクの師匠・デーモン小暮閣下率いる「聖飢魔U」のミサの時も雨だったし。  その前・・・何を見に行った時か忘れちゃったけど、そん時も雨だった。  しかも今回は、ご丁寧に台風4号というオマケ付き。  おー、なんてこったい。  ご存じのように、ニッポン放送は、「お台場」という、  今、若者にもっとも人気のある「観光スポット」にあるため、  台風が来ようが、大雪だろうが、北朝鮮のミサイルの雨が降ってきても、  休日はいつも大混雑です。  これすなわち、島に出入りする交通機関もすべて大混雑というわけであり、  最悪な状況が展開されます。  おそらく、「新交通」という名の、すぐ止まるダメ列車ゆりかもめの中では、  聞き分けのない我慢知らずのお坊ちゃんどもが、奇声を上げて泣き叫んでいることでしょう。  仕事終わりでヘトヘトなのに、そんな、  メタルの兄ちゃんのような声  を聞かされた日にゃあ、気が狂っちまいますぜ。  ここは迷わずタクシーを使用。  JR新橋駅までね。  え? どーせなら、中野までタクシーにした方がいいって?  えーえー。そーですとも。  その方が楽ですとも。  でもね。  こないだ車壊れちゃったから、その修理に金かかちゃって、  金穴状態なんですってば。  どーも、ここんとこ、8月ってのはツキが落ちるようで、  去年に引き続いて、今年も8月は最悪でしたな。  車は壊れるわ。  胃炎にはなるわ。  仕事でもあんなことやこんなことがあって・・・。  ま、いいや。こんなとこで愚痴こぼしてもしょうがないし。  タクシーに乗ると、朝からの疲れと睡魔がどっと押し寄せて、  あっという間に夢ゴコチ。  お台場から新橋までのタクシー、熟睡!  新橋から新宿までの、山手線、爆睡!  新宿から中野までの中央線、猛睡!  夢も見てねぇ。
 そんなこんなで、中野の駅に着いたのが、午後5時半。  ま。バッチリの時間じゃございませんか。  中野サンプラザ正面玄関の階段を上っていると、  前の方に、見知った背中があるのに気づく。  「田・所・健・太・郎・く・ん・☆」  「あ゛?」  ボクの呼びかけに対する、チンピラを思わせるその返事。  国民栄誉賞男の息子さんであり、  やっぱり、旧アニメガスタッフでもある、  田所ディレクターじゃありませんか。
<参考資料>

      ↑
 賞状もらってる田所クン。
 横はアブラギッシュ3世。
 そのまた横は田所クンのおばさん”さくら”さん

            ↑
    盾をもらって大はしゃぎの田所クン
 「あれ? 田所くん、びしょ濡れじゃない?」  「そうなんすよ。」  「どーしたの?」  「ほら、俺、タクシー移動が多いから。カサ、持ってきてないわけよ。」  「はぁ?」  台風4号来てるんだっつーの。  カサ、持って来いっつーの。  ちなみに、この田所くん、大の「携帯ストラップ好き」で、  彼の携帯電話には、「スピード」や「ディープス」などのアイドルものから、  「フライデーウルトラカウントダウン」「ロボット大戦」などの変わりものまで、  ありとあらゆるストラップがジャラジャラとぶら下がっている。  今時、非売品の「スピード」の「携帯ストラップ」なんか、見せつけて歩いてると、  親父狩りにあっちゃうぞ。  ま、なかには、「グレート・ムタ」みたいな、  訳のわかんないストラップも混じってるんですが。  ちなみに余談ですが、彼はストラップだけでなく、ストリップも大好きで、  「ストリップこそ、風俗の最高峰!」  ・・・という理論を持っています。  ま、ここでは敢えて紹介しませんが。  コンサート会場のロビーで、ふと見ると、そこには「岩男潤子・携帯ストラップ」が売っている。  こりゃあ、買わない手はない。  2人して、肩で風切って、販売コーナーに向かう。  すると、警備のおっちゃんに、ズガンと止められた。  「はい。ちゃんと並んでね。」  「え?」  後ろを見ると長蛇の列だ!  我々は割り込みをしている形になってしまっている!  「なんじゃこりゃ。」  「俺らにこれ並べってのか?」  「ざけんな、コラ。」  「いいよ、いいよ。あとで岩ちゃんとこの社長にもらおう。ストラップ。」  ああ、最悪コンビ。  悔しい思いをしながらも、2人でグッズ販売コーナーを眺めていると、  みんなたくさんグッズ買っていくのね。  1枚、¥3000のTシャツ、3色全部買ってく人のなんと多いことよ。  世の中不景気だってのは、ありゃデマだね。  コンサートってのは、それ自体は、開催すると、赤字かほとんどトントンの世界なんで、  儲けを出すのって、ほとんどがこのグッズ販売コーナーでの売り上げ。  いわゆる、物販(ぶっぱん)販売利益ですな。  これを読んでる諸君。スターボードをそんなに儲けさせちゃいけませんぜ(笑)。  そんなことを考えてたら、小学館の王様がやってきた。  ニコニコしながらこっちに近づいてきます。  「ども。お久しぶりです。」  「コバジュンさーん。こまるなー。」  「は?」  「『残酷宣言』、読みましたよ。」  「ああっ。こりゃどーも。すんません、すんません。」  「『少コミ・ナイト』のCMの秒数、ちゃんと書いてくれないと。」  「すんません、すんません。」  「はっはっは。じゃ、また。」  「ふう・・・。」  チェックされてて困る!
 開演5分前。  田所クンの席は、PA卓(音響調整卓)のすぐうしろ。  いいな、いいな〜。  PA卓って、観客席の3列分あるから、  前の方のお客さんが立ってても、座ったまま見れるんだよね。  音、いいし。  僕の席は、ってぇと。  これが1階席の後ろから2列目だ。  あちゃー。これだと、前のお客さんが立っちゃうと、  いっしょになって立たなくちゃいけないねぇ。  ま、ご招待なんで、お金払ってないんで、文句いえた柄じゃないんです。  ほんとーにすんません。  そーいや、今回のコンサート、  本番前の「諸注意ナレーション」ってあったっけ?  無かったよねぇ。  うちの師匠のデーモン閣下率いる聖飢魔Uのミサのすごいとこは、  この「諸注意」とコンサート後の「客出しアナ」にまで気を使ってることね。  アニメガのイベントの「悪男づん子」の「客出し」は、  この聖飢魔Uの「客出し」をまねたものだったんです(笑)。
 で、開幕・・・と。  M 1.インスト  M 2.あなたといれば  M 3.運命のエントランス  M 4.はじめてのさようなら    <MC>  M 5.そのまま  M 6.三日月(クレッセント)の誘惑  M 7.挽歌  M 8.太陽のくに    <MC>  ・・・と、ここまでが前半戦ね。  結構2枚目のアルバム「エントランス」からの選曲が多いのかな?  ボク的には「三日月(クレッセント)の誘惑」が結構お気に入りの曲だから、  よし◎(←ご満悦らしい)  ラジオのミキサーさんはコンサートに行くと、  「エコー」だの「ディレイ」だのを気にしながら見ちゃうけど、  ディレクターは、圧倒的に<MC>を気にして見ちゃいますね。  長さはどうか、ネタは的確か・・・。みたいなね。  岩ちゃんの話がやけに長く感じたりすると、  トークバック(スタジオの中のパーソナリティに指示を出すマイク)で、  「はい、そろそろ、曲行きましょう!」  ・・・って言いたくなっちゃうこともありますな。  M 9.ここにいるよ  M10.ぶらんこ降りたら    <MC>  M11.夜の歌    <MC>  M12.海を見ていた午後    <MC>  岩ちゃんが<MC>で、  「それじゃここで、私の大好きなユーミンの歌を・・・。」  って言い出したときにはゾッとしましたね。  今日はもうユーミン聞きたくねーよ。  みたいな。  でも、これだけ岩ちゃんが「ユーミン、ユーミン」って言ってると、  岩ちゃんのファンになってから、ユーミンの歌を聞くようになったっていうような、  順列が逆の人たちも出てくるよね。きっと。  そいで、コンサートで岩ちゃんが「海を見ていた午後」とか歌っちゃうと、  「俺も横浜に行って、『ドルフィン』でソーダ水飲んで、その中を貨物船が通るんだぁ!」  ・・・なんて思う人が出てきてもおかしくないよね。  でもね。  横浜の「ドルフィン」は、お店が移動しちゃってて、  「海を見ていた午後」が作られた頃とは、場所が変わっちゃってるから、  「♪ソーダ水の中を貨物船が通る」ような景色はもう見られません。  あしからず。  (ただし「店の位置は変わってない」という情報もあります。ま、どっちでもいいんだけど)  M13.あなたをまた戦いに誘う(いざなう)としても  M14.翼になれ  M15.リトルオアシス  M16.シャッターチャンスの連続  M17.STARSHIP 1996  M18.泣かないWeekEnd  ・・・と続いて、本編終了。  この辺の曲の並びは、ここんとこの岩ちゃんのコンサートの王道パターンですね。  EN1.あそびにいこうよ    <MC>  EN2.手のひらの宇宙  これがアンコール・・・と。  おしまい、と。  「あそびにいこうよ」の前に、  またおなじみの「踊りの練習」があるかと思ってたんだけど、  曲のカットインのカッコよさをねらって、  あえて「踊りの練習」を入れなかった「割りきり」には、  大賛辞を送ります。  「あそびにいこうよ」の後の<MC>っていうか、<お知らせ>はちょっと長かったかな。  ふうん。  コンサートツアーが年明け早々に始まるんだねぇ。  デビルマンレディに出るんだねぇ。  この秋は学園祭もあるんだねぇ。  LFで新番組も始まるんだねぇ。  ・・・てオイ。なにそれ。  な〜んて、知らないフリしてみたりして。  LFの新番組ねぇ。  誰がディレクターなんだろね?  な〜んて、知らないフリしてみたりして。
 ま、そんなこんなで、コンサートは無事終了。  楽屋に行って、岩ちゃんに挨拶を済ますと、  我々は帰途につきました。  ああ、これで今年の夏も終わりだねぇ。
続く  1998/09/01

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