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今年もベストテンを選んでみました






順位 タイトル 監督 出演者 コメント
01 クレヨンしんちゃん
嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
原恵一 矢島晶子、他 昨年の「オトナ帝国の逆襲」で印象が全く変わったクレしん。
今年は昨年以上の感動作で驚きました。今年は遂に1位です。
黒澤映画の引用、忠実な合戦シーンの再現、ロミオとジュリエットのような 身分違いの恋などもうこれが子供向けアニメと誰が思うでしょうか?
次回作「栄光のヤキニクロード」は此処2作の子供ほったらかし路線の反省か またまたお馬鹿路線に戻るようですがやはり侮れませんです。(苦笑)
02 なごり雪 大林宣彦 三浦友和、ベンガル
須藤温子
尾道から臼杵へ。場所は変わっても大林監督の映画に込めた想いは変わらない。
「映画日記」でも私は「なごり雪」に変わりゆく尾道へのレクイエムとして捉えたと 書きましたが大林監督の映画は色々な見方が出来、かつ色々考えさせてくれる ところがあらためて凄い。
噂される臼杵映画の第二弾、今度はどんな物語を紡いでくれるのか非常に楽しみでありますね。
03 リーベンクイズ(日本鬼子) 日中15年戦争・元皇軍兵士の告白 松井稔 元皇軍兵士
久野綾希子(ナレーション)
旧日本軍が戦時中、中国大陸で行った殺し尽くし(殺光)、焼き尽くし(焼光)、奪い尽くす(槍光)、「三光作戦」の全貌を当事者が告白するこの映画は後々までかなり尾を引きました。それだけ衝撃的だった訳ですが冒頭のシーンで終戦記念日の靖国神社が軍服に身を包んだ旧軍人達で賑わっている様を見てまるでコスプレのイベントのようで驚きました。TVに映らない裏側ではああなっているんですね。
04 カタクリ家の幸福 三池崇史 沢田研二、松坂慶子
丹波哲郎、西田尚美
忌野清志郎
”笑って、笑って120分”という感じでホント笑い疲れた。
ミュージカルをあの三池崇史が監督するのも意表を突いていましたが 丹波哲郎御大が唄い、踊る姿だけでも一見の価値があるというもの。
(モデルが実歳する−現在、拘置中−の)キヨシローのインチキ海軍大佐最高!です。
05 A2 森達也 森達也、オウム真理教
現アレフ信者、右翼関係者
警察、マスコミ関係者
同じ、オウムを密着取材した前作「A」も気になっていたものの見れなくて ようやく見ることが叶った本作。なかなか興味深かった。
本来敵対していると思われた地元住民や右翼関係者と笑顔で交流する信者の姿など 絶対、TVでは伝えられないものが映し出され衝撃的。こう思うと我々が知りうる情報というものがいかに操作されているのか判るというものでもあった。
だが、劇中、一人の信者に監督が「尊師(麻原)に命令されたら君も(地下鉄サリン実行犯のように)するのか?」と尋ねられて躊躇しながらも「Yes」と答えていたことはまだこの団体の底知れぬ危なさを感じた。
06 鬼が来た チアン・ウェン チアン・ウェン、香川照之 香川照之氏の舞台挨拶付きで見たのだが かなり映画に入れ込んでいたのが 非常に印象的だった。(マネージャー無したった一人で劇場に来たのにはもっと 驚いたけど)映画自体は同じ中国大陸での日本兵を描いていた為 「リーベンクイズ」と被る部分もあったけれどラストはこちらの方がショッキング。あらためて戦争の狂気を感じた次第です。
07 ミニパト  神山健治 大林隆之介、榊原良子
千葉繁
本編の「パトレイバー」よりもこちらのパロディを選んでしまいました(笑)
割り箸アニメというほとんど冗談としか思えない手法を高度なCGで再現する 気合いが立派です。また「パトレイバー」お馴染みのシーンやギャグが所々に 散りばめられていて結構楽しめました〜
08 ラストシーン 中田秀夫 西島秀俊 、若村麻由美
麻生祐未 、麻生久美子
ジョニー吉長
撮影所を舞台とした過去と現在が交差するファンタジックな物語。
昔はスターで今はうらびれた役者を演じたジョニー吉長の存在感が 特に際だっていた。あのジョニー、ルイス&チャー〜ピンククラウドのドラマーで あった事がもう遙か昔のように感じてしまう。
また「淀川長治物語 サイナラ」でエキストラ参加した日活撮影所が舞台で あった事で(見慣れた風景などで)当時の記憶も懐かしく甦ってきました。
09 DRIVE SABU (サブ) 堤真一、大杉漣
安藤政信、筧利夫
柴崎コウ
SABU監督作品って食わずぎらいだったけどこれが結構面白い。SABU作品ではお馴染みの偶然が偶然を呼びというものだけど 新鮮だった。
10 ノーマンズランド タニス・タノヴィッチ フランコ・ジェリッチ
レネ・ビトラヤツ
ボスニア紛争という日本人には今ひとつ理解し難いこの戦争を 分かり易い構図で見せてくれる。休戦地域で出会ってしまった ボスニア人兵士とセルビア人兵士には「JSA」のように友情が芽生える 事などなく常にどちらかが戦争責任を追及し、いがみ合っている描写には この戦争の根の深さと双方の憎しみの深さを痛感させられた。
またラストが非常に現代の国際情勢を皮肉っているようで象徴的でもあった。






以下は次点作品です。

** ハッシュ! 橋口亮輔 片岡礼子、田辺誠一
高橋和也、つぐみ
Gayを公言しているだけあってこの映画の主人公達への 監督の眼差しは的確でユーモラスに富んでいた。 その為、とかくメッセージ色が強く暗く成りがちなこの手の映画に しては後味、爽やかで良かった。
それにしても「キネ旬」で評価が高かったにも関わらず、先日の「日本アカデミー賞」では全く無視されているのは何故?
** 千年女優 今 敏 折笠富美子、小山茉美
飯塚昭三、鈴置洋孝
一人の女優の過去から現在までを色々な映画シーンを 挟みながらファンタジックに語る本作。(ちょっと時間の跳躍の仕方が カルト作品「幻の湖」っぽいのかな。って見たことないんですけどね 笑) まんま実写映画の手法で描き公開前に賞を取るだけあると思いました。 誰かこれを実写化しませんか?
** マルホランド・ドライブ デイヴィッド・リンチ ナオミ・ワッツ 相変わらず訳判らなくて良い(苦笑)
デイヴィッド・リンチの作品は 筋を追うよりも雰囲気を楽しむものだと 痛感。
** Returner (リターナー)  山崎貴  金城武、鈴木杏
岸谷五朗
山崎監督の前作「ジュブナイル」が 懐かしき”ジュブナイル”な快作だったので 期待していたが今回も期待を裏切らない”オトナ向けジュブナイル”で私的には満足な作品であった。
** モンスターズ・インク
(日本語吹き替え版)
ピート・ドクター 石塚英彦(ホンジャマカ)
田中裕二(爆笑問題)
日本語吹き替え版を見て、大正解だった一本。
石塚と田中のキャラにあったような配役が絶妙で、これが吹き替え版で なかったら次点にも残らなかったかもしれない。
** 少林サッカー(少林足球) 周星馳、李力持 周 星 馳、呉 孟 達
趙 薇、謝賢
もう意味の無いCGへのお金のかけ方が最高って感じ。
ちょうどワールドカップ開催中の公開だけあって日本でも 大ヒットしたが日本チームにも主人公達のような 強力な助っ人がいたらと思った程だった。私的には ゲスト出演の張柏芝の男装姿が拝めただけでもポイント高し?かも (ちなみに張柏芝は周星馳の映画「喜劇王」でデビューした経緯があります)






補足

キネ旬、日本アカデミー等で評価の高かった「阿弥陀堂だより」「たそがれ清兵衛」も結局、未だ見ていない。見ていたなら評価は変わるのかも?って毎年、こんな事書いていますね(笑)






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