順位
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タイトル
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監督
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出演者
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コメント
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01
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ロボコン
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古厠智之
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長澤まさみ、伊藤淳史、
小栗旬、塚本高史、荒川良々
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スポ根に対して、ロボコン(笑)、いや〜ある意味、マジでスポ根映画かもしれない。それだけ後半の競技会シーンは手に汗握る展開でワクワクさせられた。
映画が興味の発端となる場合が私には多いがこの「ロボコン」もそれに
あたりそうである。また、今まで私の中ではもうひとつ印象の薄かった
主演の長澤まさみも本作で魅力爆発(笑)。次作の「世界の中心で、愛を叫ぶ」
も期待したい。
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02
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シティ・オブ・ゴッド
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フェルナンド・フェイレレス、カティア・ルンド
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アレクサンドル・ロドリゲス、レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ、セウ・ホルヘ、アリス・ブラガ
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ブラジル映画って初めて見たが
以前から評判になっていたようになるほど、確かにこれは”ブラジル版”『仁義なき戦い』。「神の街」という名の政府も見捨てるスラム街で少年時代から20年に及ぶ覇権争いをするギャングの抗争劇の映像は「深作魂」炸裂っていう感じであります。衝撃度ではタランティーノの「レザボア」を見て以来のものを感じるけど、ドキュメンタリータッチなカメラアングルやら、主人公達の描き方などタランティーノ以上に深作欣二の影響を感じた。もしかして『仁義なき戦い』はブラジルでもヒットしたんでしょうか?『仁義なき戦い』と同じようにこれも実話のようですが面白さで言ったらコッチの方が上ですな。
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03
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木更津キャッツアイ
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金子文紀
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岡田准一、桜井翔、酒井若菜、岡田義徳、
佐藤隆太、塚本高史、阿部サダヲ、山口智充
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同名TVドラマの映画版である本作はその名の通り、日本シリーズ級のバカバカしさ、面白さ。ともすれば悪ノリ、楽屋オチで終わってしまう処をギリギリの位置でクリア。多分、脚本の宮藤官九郎も今までで一番ノッて書いた作品ではないでしょうか。私は好きですよ 土壇場にきて、全てを破壊尽くすような展開は(特に怪獣登場に至っては..笑)。最近のニュースでは木更津市長自らが、宮藤官九郎に続編制作希望の手紙を送ったそうですがさて、どうなる事でしょうか。
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04
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キル・ビル Vol.1
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クエンティン・タランティーノ
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ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、
ダリル・ハンナ、千葉真一、栗山千明
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タランティーノの日本映画への傾倒ぶりは昔から有名だったが
これほどとは...という感じですかね。基本的にお馬鹿映画です。
「あれは何故?」とか真面目に考えてはいけません(笑)
ユマ・サーマンが演じる主人公はオリジナルの「修羅雪姫」(監督:藤田敏八、主演:梶芽衣子)がモデルとなっていますが、オリジナルほどの過激さは無いかなあ。(もちろんバッサ、バッサと刀で切りまくるけど)殺し屋”Go Go 夕張”役の栗山千明はキュートで良かったですね。「BR」のイメージでキャスティングした
らしいのですがユマとの対決シーンは本作の一番の見所。あとユマと宿命のライバル、ルーシー・リューとの雪の日本庭園での対決は(立場が逆転しているけど)正に「修羅雪姫」。で、決着は爆笑もの。
でも この映画でなんと言っても痺れたのはエンディング。だって同じ梶芽衣子主演の映画「女囚さそり」の主題歌「恨み節」が流れるんだもの。一体、今までどこ産の映画見ていたんだろうか。判らなくなりましたよ。さてVol.2はこの日本テイストも薄まって舞台もアメリカ戻るけど、本作と同じように楽しめますかどうか。
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05
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ホテル・ハイビスカス
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中江裕司
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蔵下穂波、照屋政雄、余貴美子、
平良とみ、ネスミス
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「ナビィの恋」の中江裕司監督、4年ぶりの新作。またまた沖縄が舞台。
元気いっぱいでうるさいくらいの主人公の美恵子を中心に日々の生活を
愉快に描くものだが、戦時中、日本において唯一戦場となった沖縄だけあって
その悲しいエピソードを織り込む事も忘れてはいなかった。
戦争中に亡くなった美恵子の父親の妹がお盆の季節に「遊びに戻ってくる」
かのようなファンタジックな描写はこの元気印の「ホテル・ハイビスカス」には
ピッタリ。あと「ナビィの恋」のオジイこと登川誠仁の妖精、ママの余貴美子もイイ感じでありました。
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06
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猟奇的な彼女
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クァク・ジョエン
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チョン・ジョヒョン、チャ・テヒョン、
キム・インムン、ソン・オクスク
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”猟奇的”という言葉だけがやたら先走りして、当初は特異なイメージを持たれた
この韓国映画も蓋を開ければ真っ当な恋愛映画だった。
”猟奇的”というタイトルは韓国語の語感では「ちょっとおかしな」「変わった」
「かわいいわりに突拍子もないことをする」といった意味を含むらしいのだが、
”彼女”役であるチョン・ジョヒョンはそのイメージにぴったり。こんな娘なら
殴られても、蹴られても付いていってしまうかも?という男に幻想も抱かせる(笑)
(ただ、車中、衆人環視の中、ゲロを吐くのはちょっと....苦笑)
ある意味、S女xM男の恋愛映画なのだが、後半のある秘密が明かされるあたりから
予想外の泣かせなメロドラマになり見事に「やられた!」。二転三転する展開は、ストーリーテリングの巧さにあるんだろうと思う。
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07
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インファナル・ アフェア
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アンドリュー・ラウ、アラン・マック
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アンディ・ラウ、トニー・レオン、
アンソニー・ウォン、エリック・ツァン
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アンディ・ラウとトニー・レオンという二大香港明星がタッグを組んだピカレスクロマン。マフィア組織に潜入した捜査官と、そのマフィアから警察に潜入したヤクザ。
マフィア組織に潜入した捜査官というのは手垢のついた設定だけれど、マフィアから警察に潜入というのは意外に聞いた事がなくその時点でまず、興味を抱かせる。それにその潜入期間が10年に渡るという設定で面白さを増幅させた(そもそも、10年も居たらそれはもう真性の警官であり、ヤクザだと思うのが.....その辺りの葛藤もちゃんと描いていた)結局、ある大がかりな麻薬の取引で二人の素性がそれぞれ暴露されようとするのだが、この緊迫感が(ジョン・ウーの「男たちの挽歌」など以降の)香港映画を継承していて実にイイ。
ブラッド・ピットがリメイクに動いているらしいけど、そちらの出来も気になるところではある。(ブラピ&デカプリオで撮るってマジ?)
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08
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戦場のピアニスト
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ロマン・ポランスキー
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エイドリアン・ブロディ、エミリア・フォックス
ミハウ・ジェブロフスキー、エド・ストッパード
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第二次世界大戦中のナチスによるユダヤ人の迫害を描いた映画は
過去、数多く作られてきた。「戦場のピアニスト」もその類の映画である。
実在の主人公、シュピルマンはナチスからの逃避行を続けるピアニスト。
例え、家族を見捨ててでも逃げ、どんな事をしてもナチスの目から逃れ
生き延びようとする。監督のロマン・ポランスキー自身もナチスから逃れてという経験もあり、その上現在、アメリカから(少女との淫行容疑で)指名手配をくらい世界を逃げ続けているという立場はまんまシュピルマンの境遇と重ね合わせる事が出来る。ただただピアノを引き続ける事しか出来なかったシュピルマンと映画を撮り続ける事しかない(かのマンソン事件で妻子を惨殺されたという痛ましい過去もある)ポランスキー。この二人は出会うべきして出会ったという気がしてならないのだが如何だろうか。
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09
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北京ヴァイオリン
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チェン・カイコー
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タン・ユン、リウ・ペイチー、
ワン・チーウェン、チェン・ホン
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息子をヴァイオリニストにする為に、奔走する父親。その一生懸命な姿が
時には滑稽にも見え身につまされるのだが、その息子の出生と
父親の秘密が明らかになるあたりから涙腺モードは全開。あざとい作りではあるんだけど中国の風景とかとマッチすると嫌みが無くなるのは不思議であった。
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10
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さよならクロ
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松岡錠司
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妻夫木聡、伊藤歩、新井浩文、金井勇太、佐藤隆太
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学校に居着いてしまった野良犬クロと10年以上彼と触れ合った生徒、先生たち。
そんなクロが職員会議に出て、最後は学校で葬式まで出してもらったという事実は
驚きだが映画はそんな夢のような物語を虚実エピソードを取り混ぜながら
やさしく見せてくれた。最近、周りがなんでもかんでも吠えまくる馬鹿犬だらけなので少しはこのクロを見習って欲しいと思ったぐらいでもある。
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以下は次点作品です。
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8マイル
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カーティス・ハンソン
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エミネム、キム・ベイシンガー、
ブリタニー・マーフィ、メキー・ファイファ
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私、ラップってどうも苦手だったんである意味、色眼鏡で見始めた映画だったけれど
意外にまともな”ド根性映画”でした。自分の精神状態、その他諸々と微妙にリンク(?)する部分もあってラストのラップバトルには結構、燃(萌)えましたね。そして、バトル後、勝ったにも関わらずアルバイト先に帰っていくエミネムの後姿。かなりカッコ良かった。正に「漢(おとこ)」。
ちなみに某IさんのHIHO誌でのコメント「これはラップ版『クロスロード』である」というのは至極納得。
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SWAT
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クラーク・ジョンソン
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サミュエル・L・ジャクソン コリン・ファレル
ミシェル・ロドリゲス LL・クール・J
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往年のTVシリーズのリメイクらしいが、それを知らなくても
充分、楽しめた。ちょっと「ダイ・ハード」っぽさもあったが
SWAT(LAの警察の特殊部隊)の内情を緻密に再現するなど
色々、興味深かったなあ。
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THE EYE
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パン・ブラザース
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アンジェリカ・リー、ローレンス・チョウ、
キャンディ・ロー、チャッチャー・ルチナーノン
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盲の女性が角膜移植によって出くわす奇々怪々な出来事。
見えてはいけない(見えるはずがないもの)が見えてというのは
ブラック・ジャックの一編「瞳の中の訪問者」でも取り上げられていたネタだが
その見えるものが「幽霊」「死神」というからいかにもホラーである。
要は霊能力のあった人から角膜を移植したら、その力も移植されちゃったという
事なのだが、そんな事あり得るんだろうか?と思ったら実際に角膜を移植したら
自殺してしまった人がいたそうで、もしかしたらその人にもこんな事が起きていたのではという脳内妄想でこの映画は出来上がったようである。だがこの作品を見て強く感じたのはいかに「リング」「らせん」の貞子シリーズが偉大?だったかという事。
本作は「リング」「らせん」と全く異なるお話なれど、その影響は大であることは明白。ただ 唖然とするラストで「リング」「らせん」は既に越えたと言っていいかもしれない。本上まなみ似の主人公も良かったですな。
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ボーリング・フォー・コロンバイン
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マイケル・ムーア
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チャールトン・ヘストン、マリリン・マンソン、
マット・ストーン、ジョージ・W・ブッシュ
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「ブッシュよ、恥を知れ!」と米アカデミーの演壇でアジッていたマイケル・ムーアのドキュメンタリー映画。99年にコロラド州リトルトンのコロンバイン高校で起きた、男子生徒2名が銃を乱射して多数の死傷者を出す事件を端に発する本作品は正に硬派な「電波少年」。カメラ片手にマイケル・ムーアが銃問題の疑問を携え色々な人に突進します。
この映画で興味深いのは(当時)全米ライフル協会会長だった俳優チャールトン・ヘストンがマイケル・ムーアの質問に終始逃げ腰で応えていたのに対し、風貌や原動が日頃から異端視されてきたRockミュージシャンのマリリン・マンソンが至極、真っ当な意見を述べているという点。世の中、見た目じゃないんだなあという事をリアルに判りやすく教えてくれたのでありました。(笑)
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黄泉がえり
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塩田明彦
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草なぎ剛、竹内結子、
哀川翔、山本圭壱、寺門ジモン
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「想いが人を蘇らせるのか」と彼のSMAPメンバー(笑)がつぶやいていたファンタジー映画。
黄泉がえり期間が3週間という設定にひっかけ、3週間限定と銘打って公開した処、
ロングラン大ヒット(よく、考えてみれば3週間上映って、今の邦画界ではまったく普通の事。限定でも何でも無いんですよね。この映画の宣伝部はその辺りを逆手に取って巧い事やりましたな)まあ、この手の映画は大林監督の「あした」でもやっていた事だが「いじめで自殺した学生が蘇ったら」「自分よりも年下の兄が蘇ってきたら」「好意を寄せる未亡人の旦那が蘇ってきたら」と現代的で、かつ身近な要素を膨らませた事で「あした」よりは面白くなってます。ただ最後のRUI(柴咲コウ)のライヴシーンで歌を3曲、4曲も聴かせられたのは閉口しました。あれで完全に気持ちを盛り下げ、この映画を単なるRUIのPVにしてしまったのがこの映画の最大の失敗。まんまと柴咲コウの事務所の戦略に乗せられたような気がします。後のRUIの曲がヒットしたり柴咲の歌手活動が順調なのを聞くと特に(苦笑)
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フォーン・ブース
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ジョエル・シュマッチャー
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コリン・ファレル、フォレスト・ウィテカー、
ラダ・ミッチェル、キーファー・サザーランド
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最後の犯人探しは何となく、予想がついていたがそこまでに持っていく緊迫の展開は
流石、ハリウッドの底力を感じた。最近、CG全盛の大がかりな映画ばかりで食傷気味であったのでこういうピリリと効いた小品は実に新鮮。アイデアと脚本がいかに映画には大事かって事を久々に教えてくれたという気がした。
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リベリオン
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カート・ウィマー
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クリスチャン・ベール、エミリー・ワトソン、
テイ・ディグス、ショーン・ビーン
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「マトリックス・リローデッド」「マトリックス・レヴォリューションズ」で満たされなかったものがこの「リベリオン」にはあった。と言ってもいいくらいだった........。
『核戦争後、戦争を起こす根本の原因は「人間の感情」にあるとして人類は薬によって感情を抑制し人民を管理し統制のとれた社会を築いていた。いわゆる全体主義国家である。しかし、感情を捨てる事が出来なかった者達は政府に刃向かいレジスタンスとなって、今日も政府の制圧組織クラリックと戦っていた。』ここで語られるのは古くは「1984」や「未来世紀ブラジル」で描かれたような割合、古典的なSF的世界観なのだが、このクラリックである主人公ジョン・プレストンが身につけた戦闘武術、ガン=カタが実に斬新で格好良い。銃とクンフーを混ぜたようなこのスタイルを見るだけでも飯は三杯食えるって処か。もちろん「マトリックス」のアクションの延長線上にあるのだが「こういう手もあったのか」と目を見張らされたのである。小難しいばかりで全然、面白くなかった前述の「マトリックス」2作にこの「リベリオン」ぐらいの面白さと爽快さがあったらと思ったのは多分、私だけではないだろう。B級っぽさを残しながら、A級らしさも感じられた本作、製作に「スピード」のヤン・デ・ボンの名前があってなるほどと納得。
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"アイデンティティ"
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ジェームズ・マンゴールド
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ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、
レベッカ・デモーネイ、アルフレッド・モリーナ
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ひとつの交通事故から始まる、奇怪な猟奇連続殺人。嵐の夜、モーテルに集った全く接点の無い人々が次々とそれも残酷に殺されていく様はまるで「13日の金曜日」シリーズなどのスプラッタ・ホラーを見ているかのような錯覚にも陥る。しかし、ある時を境に全ての点が線で結ばれる時、驚きの真実が見えてくるのだった........。
「こういう手もアリなのかー」と唸ってしまった程、見事、先を読ませない展開に恐れ入りました。もうちょっと早く見ていれば確実にベスト10入りしてましたよ、これは。
(ネタバレ注意:ぶっちゃけ、脳内劇場というか、のび太の夢オチ(ドラえもんの物語は寝たきりののび太の夢でした。という一時、流行った例のヤツ)的な話であるんだけれど、それが現実世界に繋がっているというのがこの映画のミソ。多重人格者が見る日常ってこんな妄想だらけなの?)
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