第6日目:パリ→アムステルダム→車中泊


1996年8月8日

地下鉄乗車区間(パリ)
NO.1 LINEGARE DE LYON→BASTILLE
NO.5 LINEBASTILLE→GARE D' AUSTERLITZ
NO.5 LINEGARE D' AUSTERLITZ→GARE DE NORD
列車名/路線乗車区間
TGV-THALYS(9321)PARIS NORD10:3715:28AMSTERDAM CS
(341)AMSTERDAM CS22:44車中泊


(1)パリ Part 3
PARIS NORD ST.

パリ北駅

TGV T

TGV 北大西洋線
撮影:パリ北駅
今朝も、さわやかに目が覚めた。日頃の生活と比べて実に規則正しい生活を送っている。(^^)
 今日の予定は、アムステルダムへ向かうことは、先日THALYSの指定券を入手したときに決まっている。その後の予定が未定だが、アムステルダムに宿泊するか、夜行でベルリンに向かうか、迷っていたが、ベルリンに向かうことに決める、THALYSの指定券は先日パリに来たときに、手配しているので朝はゆっくりできる。8時30分頃、ホテルを出て、メトロでパリ北駅へ向かう。
 今日はゆっくりした予定なのでまず、パリ北駅をゆっくりと鑑賞する。今までに、パリの代表駅として、リヨン,オステルリッツ、モンパルナス、北駅と見てきたが、北駅が一番歴史があり、ドッシリとしているような感じがする。次がリヨン駅で、モンパルナスは近代的な駅、オステルリッツは田舎臭さの残る駅との印象を受けた。
 構内には銃を持った屈強の兵士が1人、また1人、警備している。ユーロスターの始発駅だけあってテロへの警戒は厳重である。まだ、時間があるので軽い食事をとり、ユーロスターの待合室を見学する。
 パリ北駅のユーロスター待合室は中2階にあり、乗客はセキュリティチェックのため、重いにもつを抱えてエスカレータで上下しなければいけない。うーん。ウォータール駅と比べると構造的に厳しいのだろうが、機能としてはだいぶ見劣りがするなあ。ユーロスターに乗るならロンドンから乗車した方が、印象がいいだろうな!
 さて、ホームを見るとTGV北大西洋線を走る銀色のTGVやローカル列車が停車している。長距離のローカル列車は客車だけで、非常に羨ましい

(2)TGV THALYS
TGV THALYS

TGV THALYS
撮影:パリ北駅
 これから乗車する列車は、赤いTGVで通称”THALYS”である。このTHALYSは、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツの各国の異なる電化方式の区間を走行するために開発された電車であり、複雑なモータ機構になっている。現在はパリとアムステルダム間のみの運行だが、将来的にはドイツのコルンまでの延長が予定されている。
1996年夏のダイヤでは、パリ北−ブリュッセル中央(ベルギー)間は、日本のL特急なみに1時間毎の運行である。オランダのアムステルダムまでは本数が減って3時間毎の運転で、今度の発車は10時37分である。
 さて、指定された座席に行くと、誰か座っていたので退いてもらう。どうやら、満席で指定券がなかったので、立席(この様な制度はあるのであろうか?)で乗車したようだ。この電車、満席であったので、他にもずっと立ち放しの乗客の姿を多数見かけた。
 TGV2等の座席配置は、2+2列で集団お見合い型(中央を境にして座席が向き合っている)で、私の座席は、中央のボックス席である。今回の旅行では、ボックス席に当たるのが多く、ユーロスター,AVE,TALGOそして、THALYSと4回目である。そんなに、BOXシートが多いわけでもないのだが、なかなか不思議である。

 パリ北駅を定刻に発車すると列車は2時間、ブリュッセル中央駅までノンストップである。途中のリールまではユーロスターと同じ道のりを走るので、先日見た光景の巻き戻しで道中を進む。リールを過ぎるとまもなく高速新線から在来線に入るが、そのとたんに、TGVは踏切を通過する。ちょっと、TGVと踏切はイメージとして合わない。(山形新幹線のようだ!)ベルギーに列車が入ったところで、車内改札がある。パリ北駅から約2時間、定刻にブリュッセル中央駅に到着。5分停車後、アムステルダムへ向けて発車する。次に停車するのは、「フランダースの犬」のアントワープである。アントワープを出発するとオランダに入る。ここで、2度目の車内改札があった。オランダに入ると、風景がガラリと変わる。オランダといえば低地の国で、国土のほとんどが、海よりも低い国である。そのため、運河があちこちにあり、運河を越えるためのアップダウンが激しくなったようである。オランダの名物といえばチューリップと風車小屋であるが、チューリップの花は見えないが風車小屋やチラッと見ることができた。ロッテルダム、デン・ハグ、スキポール空港と停車し、定刻15時28分、アムステルダム中央駅に到着した。

TICKET

THALYSの指定券

 

(3)アムステルダム
AMSTERDAM ST.

アムステルダム中央駅
 アムステルダム中央駅は東京駅丸の内赤煉瓦のモデルとなった駅と言われている。本家の赤煉瓦駅は、建物自体は落ち着いて、駅前のトラムと非常にマッチしている。荷物をコインロッカーに預け、市内観光へ出かける。
 駅前に出ると人だかりがもの凄い!!まるで、休日の渋谷駅前や新宿東口のようである。今日は平日のはずであるが、いったいどういうことだろう?
 ダム広場へ向かうとそこは新宿の歩行者天国の光景のように、若者が火の輪くぐりの芸を披露している。この光景は、どこに行っても変わらない。ダム広場を見たあと、アンネフランクの家を見学し、運河沿いを歩き花市場を巡り、レストランに入って食事とする。
 ハイネケンビールの地元なので、ハイネケンビールを飲んだのは言うまでもない。
 21時頃駅に戻り、ベルリン行きの列車のクシェットを手配しようと、何故か大混雑している窓口に並ぶが、車掌から購入してくれと言われる。???。オンラインだからまだ、発券できるだろうに・・。
 仕方ないので、発車予定のホームへあがるアムステルダム駅のホームは1本のホームをの2つに分けて使って、運用がなかなか複雑である。(同じ5番線でも、5aと5bに2分割して、1本のホームに2本の列車を入れることは、日本でも見受けられるが、アムステルダム中央駅は、ホームとホームの間には通過線を設置し、a,bのどちらかに電車が停車していても、通過線経由で発着できるような配線になっている。ますます、乗車の際に注意が必要である。

(4)アムステルダム−ベルリン夜行
Midnight Train

国際夜行列車
ホームの案内板を見るとこのホームから発車する長距離列車の編成案内が載っている。この案内からみると、ベルリン行きの夜行は1,2等合造クシェット1両、2等クシェット1両、2等座席3両の5両編成で、ユーレイルパスで利用できる1等座席はないようだ。この列車を待っていると、日本人の家族連れが近づいてきた。話をしてみると、御主人が列車好きで毎年、奥さんと子供2人をつれてヨーロッパを旅行しているそうで、今回の旅の予定は約3週間。特に、SLが好きで必ずイギリスへよるそうである。すでに、2週間近く旅していて、夜行列車2、ホテル1の割合なので、奥さんもかなり疲れているようであった。が御主人と女の子2人は元気で、隣のホーム列車を見学にうろうろしていた。なかなか優雅な家族である。

 トーマスクックでは、ベルリン行き341列車はアムステルダム中央始発なのだが、発車時刻が近づいてもなかなか入線してこない。発車10分ほど前にようやく、列車がホームに入ってきた。サボを見るとスキポール−ベルリンの表示が・・・。乗客もすでに何人か乗車しているので、どうやらスキポール空港始発の列車のようである。始めからわかっていれば、スキポールへ戻っていたものを・・・。
 2等車両に入ると、座席はすべて6人部屋のコンパメートで、禁煙、喫煙のコンパメートに分かれている。空いている部屋にとりあえず荷物を置き、通路の方を見ると、座席の表示がある。通路に出てよく見ると、一部の座席番号にカードがささっている。内容を確認するとアムステルダム−ベルリンの文字が・・。
 この表示を見て、先ほど、クシェットが購入できないわけが理解できた。このカード、実は座席の予約状況を表していて、列車が始発駅を出発する前に、係員がホルダーにカードを差し込むのである。この作業、始発駅を発車する前に終えなければいけないので、始発駅を発車する2時間くらい前に指定券の販売は締め切られ、その列車の予約は出来なくなるのである。
 予約票が差し込まれてなければ、その席は自由席で誰でも座ってよく、クシェットであれば、車掌から購入できるのであった。座席も充分空いていたので座席で眠ることにする。同室の人は、ユーレイルパスを持ったカップルとベルリンへ向かう女性であった。早速、カーテンを閉め、眠りにつくことにする。座席での仮眠のため姿勢が苦しいが、ありしの165系大垣夜行に比べれば、足も伸ばせるし席も広く天国である。(今は無き大垣夜行で眠れる癖がついていると、ホントにどこでも眠れます。)発車後すぐに、うつらうつらして眠りについたのであった。


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