第7日目:→ベルリン→フランクフルト


 行程 : 1996年 8月 9日
 (1)アムステルダム−ベルリン間夜行列車
 乗車区間: [341] Berlin Zoo
 (2)ベルリン
 乗車区間:Berlin Zoo [S-BARN NO.5] Friedrichstr. [S-BARN NO.1] Unter den Linden
      Zoologischer Garten [U-BARN NO.2] Stadmitte [U-BARN NO.6] Kochstr.
      Kochstr. [U-BARN NO.6] Friedrichstr. [S-BARN NO.1] Lehter Statbahnhof
      Lehter Statbahnho [S-BARN NO.5] Berlin Zoo
 (3)ICE
 乗車区間:Berlin Zoo [ICE/599] Frankfult Hauptbahnnhof
 (4)フランクフルト
 乗車区間:Hauptwache [S-BARN] Frankfult Hauptbahnnhof

(1)アムステルダム−ベルリン間夜行列車
 コンパメートをノックする音で目が覚める。何事かと飛び起きると、車掌が「車内改札です」と言い、乗車券のチェックをする。どうやら、ドイツに列車は入ったようである。夜行列車で夜行を利用すると、昔は国境を越えると何時であろうと、パスポートコントロールと乗車券のチェックがあったようだが、EUになってもその習慣は変わらないようである。
 突然起こされてビックリしたが、眠いのでまた眠りにつく。また、ふと目が覚めるとハノーファである。時計を見ると3時25分、定刻である。構内を観察すると、交通の要所だけあって、大きい。
 また、うとうと眠りについて気がつくと6時40分で、ポツダム駅構内にさしかかっていた。定時運転のようである。洗面を済ましベルリン到着の準備をする。7時6分、ベルリン・ツォー駅に到着し、乗客は眠たそうな顔をしながら列車から降りていく。

(2)ベルリン
 早速、両替と思い、構内の銀行に行くが営業は7時30分からである。取りあえず、切符売り場を除いたら、クレジットカードが使える。さっそく、14:00発のICEをフランクフルトまで予約する。ドイツの国鉄は最近民営化されたそうで、受付の係員もテキパキと気持ちよい対応である。ちなみにICEの指定料金は3マルクであった。
 7時30分に銀行が開いたので、手持ちのお金をマルクに両替し、コインロッカーに荷物を預ける。ロッカーの料金も3マルクである。身軽になってベルリン観光へ出かける。
S-BARN BERLIN

ベルリンのSバーン電車
休止になった南部縦貫鉄道に似ている(^^)

BERLIN ZOO ST.

ベルリン・ツォー駅
日本でよく見かける何の変哲もない駅に似ている
 ガイドブックを見て検討した結果、まず、東西分裂時の悲劇の象徴、ブランデンブルク門へ出かけることにする。ガイドブックだけだと、最寄り駅がわからないので、構内の書店でベルリンの地図を購入する。値段は6.8DM。地図を見てブランデンブルク門の最寄り駅はSバーンのウンター・デン・リンデン駅である事を確認する。

 Sバーンのホームへあがり、見回すとSバーンには架線がない!レールを見ると通常の2本のレールのほかにもう1本レールが・・。ポーランド方面の列車はベルリン中央駅から出るのだが、これでは西側と東側の直通列車は走れない。こんな所に、東西分裂の後遺症が残っているのであった。(ベルリン・ツォー駅は西ベルリン、ベルリン中央駅は東ベルリンにあった。)
 さて、ホームに入線してきた電車は、なんとなく南部縦貫鉄道のレールバスを思わせる顔立ちであった。まず、フリードリヒ・シュトラーセに向かう。路線図を見ると4つ目の駅であるが、Tiegarten,Bellevue駅は工事中で駅そのものが営業していないので、2つ目の駅がフリードリヒ・シュトラーセであった。
 早速下車し、Sバーン2号線に乗換る。が、くねくねした通路を5分近く歩いて地下に潜るとやっとホームへ着いた。電車がすぐ入ってきて、1駅でウンター・デン・リンデン駅である。
 地上に出ると、そこは「フランデンブルク門」の目の前で朝早くから、観光客とおぼしき連中が数人写真を撮っていた。ここは東側なので、門をくぐり西側へ出てみる。門を見上げると日差しがまぶしく、いい天気である。この辺一帯はディアガーデンでベルリン・ツォー駅付近まで続いている。荷物もないので、ツォー駅まで歩いてみることにする。途中に、戦勝記念塔があったので、階段を登ってみる。塔の上から見る眺めは、よく、先ほど乗ったSバーンやツォー駅が見渡せる良い景色であった。
 次に、カイザーヴィルヘルム記念教会まで歩く。ここは、広島の原爆ドームのように空襲で被害を受けた建物をそのままの姿で保存している。ここで、一休みし朝食をとる。しばしの休息のあと「ベルリンの壁記念館」に向かう。ここは地図を見ると、UバーンのKochstr.が近い。最寄りのUバーンZoologischer Garten駅に向かうことにする。
 ベルリンの地下鉄は均一料金3.9マルクで、2時間以内乗り放題(復乗O.K.)なので、充分役に立つであろう。

 早速、切符の購入をしようと自動券売機に向かう。しかし、この自動券売機はコインの投入口にコインが入っていかない!。紙幣なら大丈夫かな?と思い紙幣を投入しようとしたが、これもダメであった。そもそも、電源が入っている様子がない!!
 あたりを見回したが、駅員はおらず途方に暮れた。隣を見ると、同じように家族連れが券売機と格闘している。”この券売機は故障(電源が入っていない)しているから、無賃乗車になるけど、このまま乗車してしまおうか”と思っていたら、この家族連れが購入に成功した。これを見て、もう一度トライしてみる。
 しかし、コインの投入口には、コインは入っていかない。しばらくして、ふと思い当たることがあった。「もしかして、先にボタンを押すのでは?」と、ボタンを押してみると、電源がつき、コインの投入口が開いた!
 やっとの思いで、乗車券を購入し地下鉄Uバーン2号線に乗る。乗客は少なく、乗っている乗客の感じも良くなかったので身構えたが、すぐ地上に出たので安心する。Pstsdamer Platzを過ぎるとまた地下に潜り、StadtmitteでUバーン6号線に乗り換えて1駅でKochstr.駅に到着する。
 後ろよりの階段を上ったところに博物館があり、早速入館する。入館券を発券してもらったが、レジのレシートである。コレクターとしては非常につまらない。
 かれこれ、1時間ほど見学し、またUバーン6号線に乗り、朝、乗り換えたフリードリヒ・シュトラーセに向かい、Sバーンに乗り換えてベルリン・ツォー駅へ戻る。あらためてツォー駅の全景を見ると、ヨーロッパの駅の中では珍しい、日本の新幹線と同じタイプののっぺりとした駅で、面白味がかける。
 構内の待合室のTVでは、ユーロスポーツが放映されていて、F1ハンガリーグランプリの予選が流れている。映像は、日本で見るのと同じだが、アナウンサーの声は物静かで、うるさい日本の番組とは違う。見ているところで、早速M.シューマッハがベストラップをたたき出した。どこからともなく拍手がわき起こる。さすが、ドイツの英雄だ!


(3)ICE
 発車時刻が近づいてきたので、ホームへあがる。発車20分前にICEがホームに入ってきた。ドイツがTGVに対抗すべく開発を重ねてきた高速車両で前面形状はノーズ型だが、なんとなく丸みを帯びていて愛嬌がある。色使いも白に赤ラインでスマートである。

ICE

ICE(インターシティエキスプレス)
撮影:ベルリン・ツォー駅
 指定された座席は6人部屋のコンパメートでドイツ国鉄の案内情報誌、供食サービスのメニューなどが置いてある。よく見ると、この列車の時刻表が置かれている。記念にもらってきたが、駅間距離、各駅の到着時間、発車時間、接続案内が記載されていて、特に接続案内は、Sバーンの時刻も載っている。日本だとSバーンに該当する国電区間の接続時刻の案内など絶対ないが、きめ細かな配慮であると感心した。もっとも、このサービス1等だけのようであるが・・。
発車間もなく、改札があり、その後、スチュワーデスがオーダを取りに来た。1等だけのサービスで座席に座ったままスナックやドリンク類が、注文できるのだが、文字だけだと何が出てくるかわからないので、4号車のレストラン&ビュフェ(正式名称は、ボート・レストラン,ボート・トレックという)に出かける。ボート・レストランは本格的な料理を味わうことが出来るらしいが、空いている座席がなかったので、ボート・トレックに行く。ボート・トレックもなかなかの賑わいだったが、カウンターでビールとつまみを頼み、空いていたシートに座り、走るサロンを堪能する。なかなかいい気分である。

 Hiedeshein駅を16:27、定刻に発車すると間もなく、高速新線に入る。ここまでゆっくりと走行していたICE(それでも、表定速度は110km/h近くある)はスピードを上げて、280km/h走行に入る。フルダまでの210kmほどを1時間15分程で走行する。この区間、牧草地帯が多い。フルダからしばらくして、フランクフルト方面への連絡線を通り在来線に戻る。この区間、山間部にかかるがICEは力行を続ける。(120〜140km/hぐらい出ているであろう)
 山間部を40分ほど走行すると、突然広い構内を持つ駅へ出た。駅名を確認するとHanauである。ここは、フランクフルトの郊外であり、フランクフルトのSバーンの始発駅であり、ザルツブルグ方面への分岐駅でもある交通の要所である。15分ほどかかって、ICEはフランクフルト市街の南側から円弧を描くようにフランクフルト中央駅へ入っていく。
 フランクフルト中央駅はICEにとっては途中駅だが、ヨーロッパスタイルの終端式ホームでICEはゆっくりと進入し、18:39に到着する。ベルリンから約4時間40分。退屈せずに過ごせた。このあと、ICEは4分の停車ののち、スイッチバックして反対方向へ出発していく。終点はミュンヘンで22:16到着の予定である。

ICE TICKET

ICEの指定券

 

(4)フランクフルト
FRANKFULT CS ST.

フランクフルト中央駅
駅前のホテルにチェックインしたあと、市内観光へ出かける。まず、フランクフルト中央駅を見学する。駅前にはトラムが走り、古い感じの駅舎とマッチしている。が、駅舎をよく見ると、一部工事中で屋根に大穴があいている。
 さて、フランクフルトの街だが、金曜日の夕方というのに、町中にはあまり人通りがなく、オープンしている店もほとんどない。ロンドン、マドリッド、パリ、アムステルダムの夜の賑わいを見てきた私には、フランクフルトの市街の静けさが、なんとなく違和感を感じた。
 ドイツ料理を味わいたいと思い、ガイドブックに載っている店を数店まわってみたが、すべて閉まっていたので、Sバーンでフランクフルト中央駅に戻り、構内レストランで食事をとることにした。なんとなく、消化不良のままホテルに戻り、今日は休むことにした。



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