第8日目:フランクフルト→ローデンブルグ→フランクフルト→機中泊


 行程 : 1996年 8月10日
 (1)フランクフルト→ローデンブルグ
 乗車区間:Frankfult Hauptbahnnhof 8:15 [EC/23] 9:25 Wurzburg 9:40 [IR/2785] 10:12 Steinach bei Rothenburg 10:34 [LOCAL] 10:51 Rothenburg ob der Tauber
 (2)ローデンブルグ
 (3)ローデンブルグ→フランクフルト空港
 乗車区間:Rothenburg ob der Tauber 13:11 [LOCAL] 13:26 Steinach bei Rothenburg 13:31 [RB/3336] 14:15 Wurzburg 14:31 [EC/28] 15:43 Frankfult Hauptbahnnhof 16:51 [IC/724] 17:04 Frankfult Flughafen
 (4)全日空210便(機中泊)
 乗車区間:Frankfult 19:40 (NH 210)

(1)フランクフルト→ローデンブルグ
今日は、ヨーロッパ旅行最終日である。19:40の全日空機で日本に戻るのがそれまでの1日、どのようにして過ごそうか?悩んだ末、「ロマンチック街道」と「古城街道」が交差するローデンブルグまで往復することにした。片道200km。ちょっと往復という距離ではないが、最終日なので頑張る。フランクフルト中央駅発8時15分のEC23列車ウィーン行きに乗車する。(ECはユーロシティ国際急行の略である)このECは、なかなかの長距離列車でコルン5時54分に出発して、フランクフルトまで222kmを走行。このあとウィーンまで765km走行しウィーン到着15時45分である。この様に1,000km近く走る列車がドイツにはゴロゴロしている。(しかも表定速度が速い!)
この列車、客車なのでフランクフルト中央駅8分停車して、機関車の付け替えを行う。はじめ3号車に乗車したが、コンパーメントには予約票が付いていたので2号車に向かう。こちらは、予約票が付いていないので、空いているコンパーメントを見つけて、一人で占有する。コンパーメントには、昨日のICEのように各停車駅で接続する列車の乗り換え案内の冊子が置いてある。定刻にフランクフルト中央駅を発車した列車は、Hanauまで昨日の経路と同じ道のりを進む。Hanauから山間部を走行するが、川に沿って線路が引かれている。1時間ほど走行した後、ハノーファ−ニューデンブルグ間の高速新線に乗り入れ、ザルツブルグ駅に9時25分到着する。
 ここで9時40分発のザルツブルグ駅始発、ミュンヘン行きのIR(地域間急行)に乗り換えるのだが、階段を降り、連絡地下道に出た瞬間、ものすごい混雑で、新宿駅を思わせる光景が目の前に広がった。この様なところで、こんな目に遭うとは思わなかった!!人混みをかき分け、乗換ホームにやっとの思いでたどり着く。
 さて、ホームに停車しているIRだが、先頭に電気機関車を連結した客車であった。編成は5両なのだが、1両だけ連結していた1等に乗車すると、がらがらで、1ボックス(6人掛け)を1人で占有できた。これだけ空いているとなんとなく寂しい。この列車にも各駅の乗換案内の冊子が置いてある。このようなサービスは手間がかかり大変であろう。30分ほどでローデンブルグ方面の乗換駅"Steinach bei Rothenburg"に到着する。駅前のに出てみると、食料品店が1件だけある寂しいところであった。
 ローデンブルグ方面から2両の客車を連結したディーゼル機関車がホームへ入ってきた。この路線は、非電化単線のローカル線である。この列車が折り返しローデンブルグ(Rothenburg ob der Tauber)行きになるようである。この列車の編成は変わっていて、ローデンブルグ方面の客車1両の半分が自転車を積むスペースになっていて、大きな荷物がおけるようになっている。
(編成は下図参照)

    ┌───┬───┐┌─┐   機:機関車
    │運荷客│ 客 ├┘機└┐  客:客室
    └───┴───┴───┘  荷:荷物室
                   運:運転台

 Rothenburg←       →Steinach

LOCAL TRAIIN

ローデンブルグ支線の客車列車
撮影:Rothenburg ob der Tauber駅
 客車に乗り込むと、大きなトランクを抱えた若い日本人女性2人が座っている。この様なローカル線に、観光客がいるのは珍しい。最近ガイドブックでも、列車でのアクセスを紹介しているからその影響かもしれない。
 発車時刻が近づくにつれ、車内は満員盛況になる。自転車置き場もサイクリング車で盛況である。さすが、有名観光地へのアクセス列車である。
 ところでこの列車、機関車を付け替える作業が行われると思っていたが、その気配がない。そのうち、運転手が客車の運転台に乗り込んで、10時34分、そのままローデンブルグ方面に発車する。日本でいうと推進運転にあたるのだろうが、ドイツでは客車に運転台を設けて、そのまま本線走行している例が多い。日本では、嵯峨野観光鉄道で見られる程度である。よっぽど機関車が余っているのであろうか?
 でも、よく考えるとTGVもICEも前後に機関車を配置したプッシュプル方式だからヨーロッパでは当たり前なのかもしれない。
 列車は15分ほどでローデンブルグ・オブ・デ・タウバーに到着する。


(2)ローデンブルグ

Rothenburg ob der Tauber

ローデンブルグ・オブ・デ・タウバー駅
 ローデンブルグは「中世の宝石」と呼ばれる町で、町全体が城壁で囲まれている。なだらかな起伏の平野の中に赤いレンガ屋根の家が建ち並ぶ町並みは、おとぎの国のようである。しかし、第2次世界大戦には火の海に包まれたので、現在の姿は昔の姿を再現したものである。きれいな町並みなのだが、どこから現れたのか日本人ばかりであった。(^^;
 どうして、みな集団で来るのかなぁ。ひととおり、町を歩く。その中、中世犯罪博物館に入る。入ってみたところ、なかなか面白い趣向を凝らした博物館であった。(^^;
 こういうマニアックなの好きだなあぁ。
 マルクト広場に戻ってきたところ、市庁舎のからくり時計がちょうど動き始めたところであった。からくり時計に人が集まるのは、万国共通だなあ。
 十分堪能したあと、ローデンブルグ・オブ・タウバー駅に戻る。
 

(3)ローデンブルグ→フランクフルト空港
 13時31発の列車で、Steinachに戻る。ザルツブルグまでRB(準急)で戻るが、この列車も推進運転である。この準急も、自転車置き場を設置している。ローカル列車には必ず自転車置き場を設置しているようで、駅の列車発車案内板にも荷物室が連結されているかどうかのマークもついていた。
 2等は足の踏み場もないほど混雑していたが、車両の中央に設けられた1等車は、わずかに空きがあったので、1等の座席に座る。完全に往きの経路の逆であるが、小さな駅にも停車するので、それなりに新鮮である。ザルツブルグに定刻に到着し、ここでECに乗り換えてフランクフルトへ戻るのだが、ホームの案内板を見ると15分ほど遅れているとの案内が・・。ウィーンから700kmも走ってくるので、多少の遅れはやむをえまい。15分ほど遅れて到着したECに乗車し、フランクフルトへ向かう。

EURO CITY

EC(ユーロシティ国際列車)
撮影:ザルツブルグ駅
 この列車、フランクフルト中央駅の次に、フランクフルト空港駅に停車するので、そのまま直行したいのだが、中央駅のコインロッカーに荷物をおいてきたので、それを取りに行かなければならない。16時頃フランクフルト中央駅に到着。いったん下車し、荷物を取りに行く。ここから、空港へはSバーンも出ているが、最後にもう一度、ユーレイルパスを最大限に活用すべく17時4分発のIC(急行列車)を待つ。このあいだ、構内を散歩して過ごした。さて、到着時刻が近づいてきたので、ホームで待っていると若い女性が近づいてきた。「・・・・」とドイツ語で、話しかけてきた。「わからない」というジェスチャーをすると「English?」と聞いてきたので「Yes」と返事をすると、「・・・でお金がなくて、今、お腹が空いているので、少しお金を恵んで欲しい」とのことであった。コインはもう、不要なので手持ちのコインを渡すと、「どうもありがとう」と言いながら、去っていった。なんとなく、不思議な光景である。(もしかして、良いカモだったのだろうか?)
 ICは5分ほど遅れて到着した。乗車して10分ほどで空港駅なのだが、1等の座席に座り、ヨーロッパ最後の列車を堪能する。思い起こせば、いろいろなことがあったけど、楽しかったなあと思っているうちに、空港駅に到着。ターミナルビルへ向かう。

結局、この1週間にユーレイルパスで乗車した距離は推定7,000km(トーマスクックに距離が記載されていない区間も多々あるので・・・)その他に、ユーロスターやロンドン、パリ、マドリッド、ベルリンの地下鉄とかなりの距離に乗車した。7,000kmというと、稚内−鹿児島間が3,500kmぐらいなので、稚内−鹿児島間を往復したことと同じである。
 日本と比較して、国土が広い、スピードが速いということもあって、そんなに乗っていたという感じはなかった。


(4)全日空210便
 全日空機は第2ターミナルとの表示があったが、第1ターミナルにカウンターがあったので搭乗手続きを済ませる。荷物は往きと同じように機内持ち込みとする。フランクフルト空港の第1ターミナルと第2ターミナルは成田のように離れていて、両ターミナル間はスカイラインと呼ばれる新交通システムで結ばれている。3分ほどのミニトリップを堪能する。
 第2ターミナルに到着すれば、あとは出国手続きを済ませ、離陸までしばしの休息である。この旅行中お土産をサッパリ買っていないので、免税店で購入する。この辺に出店している店は日本円も使用できるようで、日本円で買い物をしているお客も多数見られた。

 19時20分頃日本語で登場案内があったあと、ドイツ語、英語でで搭乗案内がある。完全に日本語が主になってるので、すでに日本に着いたような心地がする。(日本の航空機を使用するとこういう気分になる)新聞をもらい、久しぶりに日本の情報に接する。この新聞で”寅さん”が亡くなっていたことを初めて知った。
 19時40頃、飛行機は動き始め、19時45分頃には、離陸を開始した。成田まで11時間のフライトである。早速、機内食が配られるので、ワインを片手に乾杯を行う。空いていてゆったりと出きるのでいい気分になってくる。いよいよ、明日は日本到着である。さっさと寝て、時差ボケを修正しておかないと・・・。


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