電話&Fax: 06-6222-2010
住所:〒541-0048 大阪市中央区瓦町3-2-15
12:00〜13:30、18:30〜22:00(L.O.) 定休日:日曜日
2013年5月
過去の記録: 2012年3月、2011年6月、2010年5月
最新の記録はこちら
この回の点数評価は<9、2、4.5=15.5点>
料理は最先端。日本で最もフランスの香りするレストラン。だけど・・・
食べたもの
アミューズ1◎セップ茸のスープ
アミューズ2◎キッシュ、ライ麦パンとクスクス、にんじんムース、ほうれん草のラヴィオリ、グジェール
前菜1◎おにアサリ、アーティチョーク、竹の子、ラディッシュのマリネ
前菜2◎ホワイトアスパラのムース
前菜3◎アスパラと空豆と長ネギ カルダモンの泡
前菜4◎フォアグラと鯉のテリーヌ
魚料理◎真鯛のポワレとズッキーニ
メイン◎鴨とポテト
アヴァンデセールマンゴーのピュレとジャスミンの泡
デザート1ローズマリーとオレンジのタルト
デザート2◎フォレ・ノワール
小菓子
飲んだものはこちら
現代のフランス料理の到達点がどのようなものであるかを知りたい時に第一に思い浮かぶ店。
発想は斬新で、最新の技術が随所に用いられているが、クラシックの技法が基礎にあるので、完成した料理は軽やかなのに抜群の安定感がある。形式的には「少量多皿」だが、どの料理もしっかり味わえるだけのヴォリュームとなっている。もう一口食べたいな!と思う料理はもちろんあるが、コース全体の質量のバランスが考えつくされていることがよくわかるので、もの足りなさは全くない。
全体的に味と同じ位香りを生かした料理。セップ、カルダモン、ジャスミンといった香りを直球で訴えるものはもちろん、フォアグラも香りを楽しむ食材であることがはじめてわかった。
二つ目のアミューズは一口サイズのスナックが5品。それぞれ全く違ったタイプの小品で、シャンパーニュを飲みながらつまむとそれだけで幸せになれるという素晴らしいプレゼンテーションとなっている。
こうしたレヴェルの極めて高い料理が続いたあとに、デザートの質の高さにまたびっくりする。変わったばかりのパティシエールはフランス帰りの方で、シェフが繰り広げた最先端フランス料理の世界と同じ系統の仕事をデザートでおこない、同じレヴェルがそれ以上に展開。香りを重視した「再構築」料理。
東京の北島亭は、「料理は一流、サーヴィスは三流」として有名な名店だが、繁盛の秘密は本能に訴えるどっしりとした料理にあると思う。どーんと食べれば人はそれだけで満足してしまう。
それにくらべてラシームは知性に訴える最先端料理なので、食べたあとにいろいろ考えてしまう。サーヴィスが貧弱だとそこにも目がいってしまう。正直のところ、サーヴィススタッフはいろいろ気を遣ってくれるのだが的外れで、どちらかというと上から目線。お任せコース料理なのに、はじめに全体の流れの説明すらなく、どんな料理がでてくるがわからないままワインを決めなければならない。尋ねたらたずねたで、今度は料理の説明を間違える。レストラン全体の雰囲気のプレゼンテーションを考え直せば随分変わると思うのだけど・・・。