職制活動と小集団活動の違いを整理します。
多くの企業で小集団活動の効率を著しく低下させる原因は、職場の組織活動と小集団活動の混同になっています。
ですから、各企業の組織活動と小集団活動との違いを明確にし考え方をよく理解しないかぎり、円滑な活動は望めません。
その結果は、ブレーキを踏みながらアクセルを踏むのと同じように、活動にスピードがありません。
ここでは一つの考え方について説明をします。
上図は、どの企業でも職制によって目標管理活動が進められています。たしかに関係者が集まり、対策を協議し、目標達成に向けて頑張っています。しかし、この職制活動の主役は管理・監督者です。また仕事ですから、時間の制約がありませんが、反面厳しいノルマが課せられているのです。活動の形やすすめ方は多種多様ですが、どこでも、つねに改善は仕事として職制的に、トップダウンで進められています。
このトップダウンにボトムアップをくわえ、二つの車輪にしようとするところに、厳しさがあります。ですから、職制で改善しているから、小集団活動は不要というのは間違った解釈によるミスになります。
そこで、小集団活動の目的は人間の成長であると説明しました。ゴールは無限です。また活動の主役は、啓発や改善への参画であり、会議に参加するチャンスの少ない、いわば若年者層といえます。
全社的立場から、社内教育も行われますが、いままで以上に自主的、自発的に、平素から相互啓発し合う体質づくりをめざします。
具体的には、自分たちのレベルにあったテーマを中心に、特定のメンバー(5〜7人)が、一定期間(6ヶ月)定例に集まり、自分たちで計画し、活動し、相互に補足しあい、啓発、研究、創造しあいます。小集団の活動目的はあくまでも、毎回の活動の中身であり、その過程(プロセス)なのです。
テーマやその結果は問題ではなく、どんな能力をめざし、どのように活動し、どれだけ能力を高めているか、そのプロセス重視こそ、小集団の特色であり、職制活動では得がたい機能を補足しているのです。
以上の考え方を参考にし、自分たちの職場で仲間とよく話し合って、職制と小集団の活動の相違を確かめ、信念を持って小集団活動を推進して下さい。