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一桁>経営組織論?>『部下の問題処理』

続続<部下の協力>

4、望ましい活動を協調せよ。
 プラス面を協調します。部下の仕事の欠陥ばかりを気にしないで、部下の業績を褒めてやります。強化療法を支持する心理学者たちは、「過失を責める」代わりに、「業績を褒めたほうが改善効果が上がる」と、言っております。会社は、部下に何を達成するように期待しているか、正確に理解して、部下がその期待に答えることが出来たときは、その部下を褒めてやります。
 部下が期待以上のことをしたなら、特別の褒賞を必ず出すようにします。

 5、部下を援助せよ。
 管理者は、職務を適切に成し遂げるため、部下が求めるあらゆる援助を与えるのは当たり前のことです。部下は、援助を必要とする時、上司から援助が受けられることを、良く理解しておく必要があります。それによって、安心感と上司に対する信頼が生まれます。
 しかし、援助とは、必要としているとき、与えてやれば済むと言うわけではありません。トップマネジメントから、認められるようにしてやるとか、あるいは、部内の管理者同士の争いの中で部下を援護してやる等、部下をとり巻くあらゆる問題が効果的に、処理されるのを見届けてやるようにして、部下にとって頼り甲斐いのある援助でなければ意味がありません。
 そのほか、有能な管理者は情報面でも、部下を援助します。計画中のことや部 下に影響がある変化について絶えず助言を与えております。

6、意思決定についてはスタッフに相談せよ。
 出来ることであれば、いつでも、管理者の権力に頼って解決策を押しつけるのではなく、事実に基づいてどうすべきか、部下に相談しながら決めるのが良策です。
そのことが習性になって賢明で献身的な部下の方々は、問題に直面すると、適切な解決策を出すようになります。

7、標準的な苦情処理手続きを作って置くべきである。
 優れた管理技術を用いると、これといった苦情は出てきません。しかし、状況によっては、部下が思い悩む問題が生じてくるようになってきます。このときの、優れた管理者の扱いは、悩みを上手に吐き出せるようにします。部下の内部に悩みを秘められたままにしていると、彼心にこびり着いて仕舞い、協力しようという意欲を押さえつけるようになります。
 部下が監督者に苦情を持ち込んで、直ちに公平な処置が期待できる場合には、何らかの形の手続きを定めておくようにすると、この問題は、ある程度の解決が可能になるます。
 しかし、苦情の多くが直接の上司に関わるようなときには、直接の上司を避けて、苦情申し立てが出来るようにしておきます。
 会社によって、人事部の専門家がこの種の問題を処理するところでは、おそらく、労働契約の中に考えを入れているように、もっと正規の苦情処理手続きを用いているようです。どちらにしても、優れた管理者ならば、正規の手続きが取られる前の段階で、この種の問題の解決を図るように努めています。

 また、この様な苦情の対処方を効果的に行うには、部内の士気を低下させないため、意に反する決定でも受け入れるときもあります。だからといって、決定を実施する方々に接する態度に、その不満を表しては結果に悪い影響があることを、管理者はよく認識する必要があります。

8、最後に、部下と管理者の間のコミニュケーションは、常時円滑に流れていなければならない。(意思の伝達編を参照)
管理者は、自分が部下に何を期待しているかを部下に解らせるだけでなく、部下は自分に何を期待しているか、を、常に正しく見極めなければならないでしょう。
                           つづく