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向上訓練の研究
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《技能開発の 技法−企業内教育》

【企業内教育】


◆概要
 企業組織は、事業目的に沿った経営の方針を、活動内容とする階層社会です。
 実務に携わる一般社員、一般社員を指導して、目標の達成や管理の責任を負う初級管理者。いくつかの係りを 統括する中級管理者、さらにいくつかの課を統括する上級管理者という様式のピラミット型の階層になっており ます。

 いままで、企業で働く人々は、年数が経過すると、職位(ポスト)が上がり、職務内容や、権限そして、 取るべき責任が変わってきました。ところが、技術革新による新しい時代では、企業の対応活力や組織化能 力が、たちまち、企業の存続に影響します。そのため、年功序列による昇進制は見直され、社員の能力・効 率など実力本位による職位の昇進制度へ、移行しております。

 この最も大きい原因は、製品や商品のライフサイクルが短命になったことです。消費生活が向上したた め、画一的価値から、価値の多様化へ、消費者の個性にあったものへのニーズが、顕著になっております。
 つまり、物的な経営資源には、「多品種少量、多頻度短納期、無在庫、生産管理方式」を、求めるように なりました。また、コストの改善が出来なければ、逆に企業業績を左右したり、経営資源の変革が遅れる恐 れがでてきております

 物的な価値の形成には、他に、時間の効率、そして、情報の価値化、さらに、高度技術を細分化したエキ スパートなどの、人的経営資源の問題があります。生産活動は、歴史とともに時間短縮が求めらます。これ は、人の本望です。けれども、それは、ゼロになることはありません。就業時間は、企業の成長力と競争力 の維持のバランスの上になり立ちます。
 現在では、こうした視点と、実践者としての一般社員から、管理者に至るまで、自分自身による指針の設 定が出来る能力が求められております。また、企業内においての早急な人材教育が急務となっています。

◆企業内教育の内容

 階層別テーマ別教育として、行われている教育プログラムには、一般的に次のようなものがありま す。
T.階層別教育
 新しい職務内容や役割を教えます。職務のに就く心構えなど、階層別組織の教育
目的とするところです。
@.一般社員を対象にした教育
 a. 新入社員教育
  学生時代と社会に出てからは、生活環境がかけ離れて
  います。企業への適応を促進して、社会人として、し
  かも、企業人の意識や行動を、身につけて貰います。
 b. 一般社員教育
  効果的に業務を遂行するため、業務知識や、技能の充
  実をめざした教育をします。
 c. 中堅社員教育
  安心して仕事を任せられる、もっと活躍して欲しい、
  指導力、リーダーシップ、コミュニケーションなどを
  高める教育をします。
   実務の遂行者として、正確、迅速、効果的な業務歴
  女性で入社3年目くらいから、
  男性で5年目くらいといわれます。
A. 管理者対象の教育
  管理者の仕事は、部下を指導育成して、目標を示し成
  果をあげることです。
 a. 初級管理者教育(ロア・マネジメント)
 b. 中級管理者教育(ミドル・マネジメント)
  最近は、マネジメントの基礎を見直そうとする動きが
  出ており、基礎教育力を入れてます。
B. 経営幹部対象教育
  経営幹部の教育は、新任のとき行う基礎教育の他に、経
 営幹部としての役割を果たさせるため、必要時に行います。
  上級管理者(トップマネジメント)
 意思決定をするための情報収集や、戦略策定のための討議法の教育をします。
U 業務別教育
 階層別教育は、その職位にある人を対象にしているため、多くの企業で概ね類似した内容になっ ています。
 ところが、業務別教育は、業務の内容や役割、仕事の課題など、それぞれのテーマ毎に分けて行 う、集合教育法を取っています。

 テーマや役割、業務の教育の分野としては、概ね次のようなものが考えられます。
1) 一般社員向け
 ★ 業務教育
 ★ ビジネスマナー
 ★ 接客応対
 ★ 業務マニアル作成教育

2) 中堅社員教育向け
 ★ 管理の基礎教育
 ★ 人材活用の仕方
 ★ 面接スキル教育
 ★ リーダーシップ教育
 ★ インストラクター教育

3) 管理者教育向け
 ★ 計画能力革新教育
 ★ 課題別管理者教育
 ★ 問題解決能力革新教育
 ★ マーケティング能力強化教育
 ★ 問題対応型管理者教育
 ★ 再活性化教育
 ★ 出向・転籍管理者教育

◆企業内教育の効用
 商品寿命が短くなると、そのカテゴリを扱う業種のライフにも影響します。つまり、企業にも寿命が あるとされます。人と異なり、放置しておくと、たちまち脈絡がつきてしまいます。
 一説によれば企業の寿命は、30年といわれます。そのとき、人の寿命が70才を超え、定年年齢を 65才に延長する動きがある今日では、延長する前に、企業の方が定年がきてしまいます。

 多くの人が英知を集めて行う経営が何故行き詰まってしまうか。ここに管理者教育の必要とされ る大きな要因がありました。
 技術革新によってビジネスライフが大きく変わり、プロダクトアウトから、マーケットインの市 場構造へ変化や、新素材の開発、顧客ニーズの多様化、工法の革新、資金調達の多様化、等々経営 環境の変化が急なあまり、商品のライフサイクルが短くなってしまったのです。

 そのため、今後の経営戦略の計画を通して、経営の再構築が急務になっています。この経営重点 にマッチした構造の最も中心となるのは、管理者の教育など人的資源の確保以外に手だてはありま せん。
 経営の教育は人への投資になります。人、もの、金、などの経営資源を枯渇させないためにも有 能な人材の育成が重要になります。

 管理者教育など社内教育の計画は、教育のシナリオづくりです。要するに、計画レベルで、その 人材教育実施の成功を、イメージできるか否かが、企業教育の成否を決定づける重要な分岐点で す。
 不安要因は、計画レベルで、徹底して解決する姿勢を、貫き通す必要があります。

 経営目標と、ニーズ調査に基づく人材育成の策定で、計画した内容を、どの様に実施に移すこと が出来るか」に、細心の注意と気配りを持って取り組むこと、それが最も大切です。

 企業教育の計画別毎に、プロジェクト編成など、計画責任者を中心に、一体となった計画と実施 こそが、真の目的と成果を期待することが出来ると考えられます。



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