志位「国民連合政府」構想「選挙共闘」宣伝→4カ月間で破綻
「イデオロギーの壁」「共産党アレルギー」抜取なしで、勝てるとの空想だった
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15年9月「国民連合政府」構想提唱者志位は、16年1月、その破綻を実質的に認めた
「選挙共闘」も熊本県・市民連合主導以外で不成立
(宮地作成)
〔目次〕
2、志位「国民連合政府」構想・「選挙共闘」宣伝→4カ月間で全面破綻とその原因
3、「イデオロギーの壁」「共産党アレルギー」抜取なしで、勝てるとの空想だった
4、学者文化人は「野党共闘」に見切りをつけ→「100%新政党結成」に転換か?
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2、志位「秘密報告」=参院選1人区全32単独立候補戦略の目的・意義
政党支持率推移データは何を示しているか。2016年7月参院選議席は、自公統一候補者vs野党候補者のたたかいになる。2015年1月〜16年1月における(1)自公支持率と(2)安保法制反対5政党支持率は、野党側が減っている。ほとんどの月において、(1)3 vs (2)1のままで推移してきた。
「選挙共闘」が不成立なら、この対比率は、7月参院選まで続く。しかし、おおさか維新が、安倍・憲法改悪必要議席3分の2に賛成表明→(1)4、30.8% vs (2)1、7.2%になった。
内閣・自民・公明支持率 時事−15年1月〜4月統一地方選〜16年7月参院選
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1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
内閣 |
47.2 |
47.4 |
47.7 |
45.6 |
48.0 |
45.8 |
40.1 |
39.7 |
38.5 |
39.8 |
40.5 |
41.2 |
45.2 |
|
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|
|
自民 |
26.2 |
26.5 |
27.0 |
25.3 |
23.2 |
24.2 |
23.6 |
24.1 |
23.3 |
24.2 |
22.8 |
23.1 |
25.6 |
|
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公明 |
3.7 |
3.0 |
4.1 |
4.2 |
3.2 |
2.7 |
3.5 |
3.6 |
3.4 |
3.4 |
4.3 |
3.9 |
3.8 |
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自公 |
29.9 |
29.5 |
31.1 |
29.5 |
26.4 |
26.9 |
27.1 |
27.7 |
26.7 |
27.6 |
27.1 |
27.0 |
29.4 |
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お維 |
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0.9 |
1.2 |
1.4 |
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自公お維 |
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28.0 |
28.2 |
30.8 |
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維新→維新とおおさか維新に分裂。おおさか維新は安倍寄り?
安保法制反対5政党支持率 時事
月 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
民主 |
6.1 |
6.6 |
4.6 |
5.6 |
5.4 |
6.4 |
5.5 |
5.6 |
4.9 |
4.2 |
5.7 |
4.1 |
4.8 |
||||||
維新 |
1.8 |
2.5 |
1.5 |
2.0 |
2.2 |
1.5 |
2.0 |
1.6 |
1.9 |
1.2 |
1.1 |
0.6 |
0.2 |
||||||
共産 |
2.9 |
2.4 |
2.1 |
2.4 |
3.6 |
2.8 |
1.7 |
2.0 |
1.2 |
2.3 |
1.8 |
1.3 |
1.4 |
|
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|
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社民 |
0.7 |
0.6 |
1.2 |
0.4 |
0.8 |
0.2 |
0.3 |
0.5 |
0.1 |
0.7 |
0.3 |
0.6 |
0.5 |
|
|
|
|
|
|
生活 |
0.3 |
0.0 |
0.1 |
0.1 |
0.3 |
0.2 |
0.2 |
0.1 |
0.2 |
0.2 |
0.1 |
0.3 |
0.3 |
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合計 |
11.8 |
12.1 |
9.5 |
10.5 |
12.3 |
11.1 |
9.7 |
9.8 |
8.3 |
8.6 |
9.9 |
8.1 |
7.2 |
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共産党支持率のみは、3.0%以上緑字
『2014年衆院選の比例得票率による野党4党の選挙協力の評価』 12月11日→1月成立は熊本県のみ
支持率が(1)自公+お維=4 vs (2)野党5党1のまま推移するなら、廃案勢力が、自公議席を過半数割れに追い込むことは不可能である。
2、志位「国民連合政府」構想・「選挙共闘」宣伝→4カ月間で全面破綻とその原因
〔小目次〕
1、4カ月間だけで全面破綻−2015年9月19日〜16年1月
1、4カ月間だけで全面破綻−2015年9月19日〜16年1月
志位は、2015年9月19日、突然、全党討議にも掛けないで、「4中総」を招集し、志位「新提案」を決定した。瞬時に、「国民連合政府」構想・「選挙共闘」の大宣伝を展開し始めた。そのやり方は、志位を先頭にし、全国会議員を総動員し、著名な学者文化人と懇談をした。狂気のような学者文化人工作は成功したように見えた。
しかし、他野党、とくに民主・維新の反応は冷たかった。民主党・岡田だけが、「共産党側の候補者降ろし→民主党に投票」を皮算用し、色気を現しただけだった。社民・生活は、1議席でも落選すれば、政党資格を失い→政党でない「政治団体」に転落する危険大なので、志位「新提案」に擦り寄った。
2016年1月、「国民連合政府」構想提唱者志位は、自ら、その破綻を実質的に認めた。「選挙共闘」も熊本県・市民連合主導以外では成立していない。
(1)、共産党側の原因
日本共産党とは、資本主義世界で唯一生き残っているコミンテルン型共産党である。レーニンのウソ・詭弁・大量殺人犯罪を隠蔽したままで、レーニンの犯罪的組織原則・democratic centralism堅持→「官僚主義的中央集権制」政党である。党内外での妨害分裂犯罪史・データにたいし、党改革・自己刷新・自己批判を拒絶し続けている反民主主義政党である。
その反民主主義・党内犯罪体質を堅持したままで、党改革・自己刷新・自己批判をする気もなく、志位「新提案」=「国民連合政府」「選挙共闘」を4カ月間大宣伝し続けた。
2015年安保闘争は、各階層の国民が、安保法案=憲法違反だと悟って、かつてない規模・日数で全国的に盛り上がった。今まで、デモ・集会に参加しなかった人々も立ち上がった。立憲主義や民主主義という理念が、多くの国民に広がり、共有された。それらは、60年安保闘争の国民運動とも異なり、幅広い成果を挙げた。
『15年安保闘争ネット記録』データ多数
学生・シールズ 学者・各大学 弁護士 元長官 市民 ママの会
その運動成果をどう継承し、国民全体でどう発展させるかが、安保法案反対5野党側だけでなく、全階層の課題となった。5野党側だけが独り占めするような課題ではなかった。じっくり腰をすえ、今後の方向・方針を、各階層の国民と政党が同じテーブルについて、検討すべきだった。
志位「新提案」の本質とは、何か。それは、2015年安保闘争の国民運動成果を、安保法案=憲法違反成立当日・2015年9月19日その日に、共産党だけで独り占めしようとした赤色陰謀だった。独り占め謀略の発想者は、志位だけでなく、小池・不破哲三もいたと言われている。
〔原因1〕
そんな国民運動成果独り占め謀略犯罪にたいし、共産党の戦前戦後党内外犯罪体験・見聞きをしてきた民主・維新国会議員が拒否するのは、当然の成り行きだった。独り占め志位陰謀への対応をめぐって、民主党内部は賛否対立→党分裂動向が広がった。志位「新提案」は、民主党内部を分裂させる妨害分裂棘だった。
〔原因2〕
民主党・共産党が、安保国民運動中の「選挙共闘」声に押されていて、2党の対立がまだ表面化しない瞬間だけは、市民連合・熊本県だけで「選挙共闘」が成立した。表面化後、「選挙共闘」動向はストップさせられた。
その破綻原因とその責任は、独り占め志位陰謀にある。「嫌いな政党bP」の共産党が、主導権を独り占めしようとすれば、民主党側において、「共産党アレルギー」が瞬時に激発するという想像力皆無の志位・不破だった。その根底には、「共産党アレルギー」なんか、無視せよという「うぬぼれた排他的エリート」意識が沈着している。
〔原因3〕
そもそも、2015年安保闘争の国民運動においても、「選挙共闘」声が高かったが、「政府構想」声は皆無だった。ましてや、共産党「民主連合政府」構想の「民主→国民」と名前だけ付け替えたスローガンは、それこそ「国民」の意識・要求にも浮上していなかった。まさに、志位・不破の先走った「空想的社会主義」構想だった。
このような国民・他政党騙しの大宣伝は、2度目である。1976年「自由と民主主義の宣言」があった。上田耕一郎が大宣伝の中心だった。
第1、ユーロコミュニズム、スターリン問題の研究・出版活動粛清事件
通称『ネオ・マル粛清』の『田口・不破論争』1978年〜『高橋彦博除籍』94年
第2、民主主義文学同盟『4月号問題』事件 1983年
第3、平和委員会・原水協一大粛清事件 1984年 古在由重氏も粛清
第4、東大院生支部の党大会・宮本勇退決議案提出への粛清事件 1985年
志位委員長の『汚れた手』出自 「党中央青年学生対策委員」当時
国民・他政党は、その宣言に基づいて、日本共産党が革命綱領・反民主主義規約を放棄し、「官僚主義的中央集権制」政党でなくなると錯覚させられた。しかし、その期待は、ユーロコミュニズム運動を批判・敵対した宮本顕治による日本共産党の逆旋回クーデターによって、裏切られた。
世に倦む日々『悪銭身につかず - 半年弱で破綻したパクリと誤算』
「国民連合政府」』1月12日
- 熊本に続く共闘選挙区は出るのか』1月13日
google『国民連合政府すべて』→ニュースも
(2)、廃案勢力側の原因
政党支持率比率データ推移にもかかわらず、廃案勢力も、超楽観的な「5野党選挙共闘」を願望し続けていた。超楽観的とは、2つの幻想から抜け出せないからである。
〔幻想1〕、「イデオロギーの壁」「共産党アレルギー」抜取なしでも、「5野党選挙共闘」が成立するという空想的幻想を捨て切れない。
〔幻想2〕、廃案勢力が要求・圧力をかければ、5野党は「選挙共闘」に踏み出さざるを得ないという幻想=5野党体質認識レベルである。
そもそも、廃案勢力・学者文化人は、「イデオロギーの壁」「共産党アレルギー」の内容・歴史を知らない人が多い。ほとんどが、戦前戦後の共産党党内外犯罪データや犯罪史に無知で、レーニン神話・日本共産党神話を信じていると思われる。
共産党『戦争法(安保法制)』−志位「新提案」に無条件・無批判賛美者リスト数十人
3、「イデオロギーの壁」「共産党アレルギー」抜取なしで、勝てるとの空想だった
2015年11月19日、学者の会・シールズらの呼びかけにより、野党5党と合同で、参院選1人区対策の会議が初めて持たれた。その内容は、産経記事にある。「1人区32市民選対」主導→無党派統一候補者擁立+野党5党支援というパターンになれば、展望が開けるが? 2016年1月時点、熊本県以外「選挙共闘」は不成立である。今後も、成立の見込みがなくなった。
一方、新しい民主主義運動は、共産党が手放さない妨害分裂棘=民主集中制・分派禁止規定・革命路線・党名という分裂棘を抜き切ることができるか。新しい民主主義運動の力量から見て、志位の反対・拒絶姿勢を見通せば、7月参院選までには不可能であろう。
新しい民主主義運動が、(1)落選運動だけをやって、(2)既成5政党による選挙運動に任せ、当選を期待するのは、もはや幻想である。
(3)党員でない無党派候補者を、新しい民主主義が捜し出し、擁立し、当選させる運動なしには、安倍・自民公明を落選させ、憲法違反の安保法制を廃案に持ち込むことは不可能である。
(4)それどころか、参院選結果として、安倍・自民公明+おおさか維新=憲法改悪必要議席3分の2を超える危険さえ迫っている。
(5)しかも、2016年1月、志位は、「国民連合政府」構想が4カ月間だけで破綻したと自ら認めた。さらに、「5野党選挙共闘」も熊本県以外成立見込みがなくなっている。志位「新提案」=「空想的社会主義」政府構想は、全面的破綻になった。
4、学者文化人は「野党共闘」にも見切りをつけ→「100%新政党結成」に転換か
現状の「5野党選挙共闘」協議が進展する見込みは皆無になった。廃案勢力・学者文化人は、次なる転換=選択肢が求められる。
〔選択肢1〕、「新提案」にたいし、「妨害分裂棘抜取が支持前提条件」に大転換→志位は拒絶
民主党が、志位「新提案」を「妨害分裂棘抜取なし」のままで「選挙共闘」に踏み込むことは100%なくなった。「5野党選挙共闘」を願望し続けても幻想に終わる。
あくまで、「選挙共闘」成立にこだわるのか。それなら、「妨害分裂棘抜取が支持前提条件」に大転換するしかない。
しかし、志位・共産党と懇談した多数の中で、その支持前提条件に大転換しそうな学者文化人はまるでいなかった。原因は、妨害分裂棘の党内外犯罪性・実態にたいする認識・体験の欠如である。この〔選択肢1〕を主張する学者文化人は出そうもない。
半日ゼネスト中止の誤りのとき、中国滞在中の宮本顕治指令?
(2)、核・原子力問題にたいする共産党3回の誤り・妨害分裂犯罪
(1)1963年→(2)1984年→(3)2011年
運動・理論面での反国民的な分裂犯罪史
〔選択肢2〕、「5野党選挙共闘」に見切りをつけ→「100%新政党結成」に転換
学者の会・シールズなどは、「5野党選挙共闘」協議が進展する見込みにたいし、その願望をし続けても幻想に終わりそうだと分かってきた。いらだってきた。
産経【野党再編】野党5党×「シールズ」など反安保法団体 参院選協力で一致
しかし、「選挙共闘」は、志位の「国民連合政府」構想破綻と同時に、熊本県以外で不成立に終わる。廃案勢力は、その幻想に見切りをつける時期に来た。
〔選択肢2〕として、「5野党選挙共闘」幻想に見切りをつけ→「100%新政党結成」に転換するしかない。決断のタイムリミットは近づいている。
「100%新政党結成」に転換する。そこが、無党派統一候補者を探し、擁立する。5野党は、「選挙共闘」不成立のままでも、「新政党結成」と無党派統一候補者を支援すればいい。ただ、政党のプライドが障害になるが。
一つの「試案」が提起されている。検討の価値はある。ただ、憲法学者多数が、この選挙情勢認識に到達するかどうかである。「今そこにある憲法明文改悪危機」を認識し、政党政治の世界に、「清水寺の舞台」から飛び降りる決断ができる学者は、何人出てくるか。
世に倦む日々『立憲党で40議席を取る -
憲法学者の新党で投票率を70%に上げて勝つ』1月15日
東京『「立憲政治を取り戻す」 学者、弁護士ら「国民運動」設立』1月19日
このケースなら、「5野党選挙共闘」が不成立でも、参院選は1人区32「新政党」でたたかえるが? 志位・共産党の妨害分裂棘抜取なし・拒絶でも、かまわない。
以上 健一メニューに戻る
〔関連ファイル〕
2、志位「秘密報告」=参院選1人区全32単独立候補戦略の目的・意義