バックナンバー・こんな事語ってました

お酒について語らせて
確かに言ってたこんな事


UP DATE .2002.4/9


第20回 女性の好きなお酒


お酒を愛する全ての女性へ 女性を愛する全ての男性へ


Numberファミリーのリンク集にもクレジットさせて貰ってるサイトBlack Ashさんが 集めたニュースソースに『ほんと? 女性は甘いお酒が好き 』というものが有りました。

バーを、あるいは深くお酒とのつき合いを日常にしている人たちとは違って、「なにか魅力的なんだけどお酒の事良く知らない」 という人は多いもので、何を頼んだら良いのかわからない、だからお薦めを聞いちゃおう、お任せしちゃおうという 方も多いと思います。Numberでも初めてお見えになったお客様、あるいは初めてお酒をオーダー下さる お客様はいらっしゃるわけで、そういう時に先ずNumberがどの点を注意するかというと『このお客様は お酒の事を知っている方か否か?』『アルコールに強いか弱いか?』という事だと思います。ようするに その方のお酒に対する知識や、対お酒の戦闘能力をチェックするわけです。バーマンは皆そういった スカウターを持ってるものだと思います。

そしてそのスカウターを使う機会というのは事の他多い。『女性は甘いお酒が好きなのか』もっと踏み込んで 『女性の好むお酒とは?』というこの問題の解答に充てられるテキストがここの過去ログに無いか探して みたんですけど、ないんですよね。女性とお酒に纏わる話しはいくつかあるんですけど、ちょっと的はずれ。 それで書いてみようと思いました。今回の『お酒について語らせて』は お酒というもの、お酒という世界に興味を持っておられる女性は勿論、 コイツを知っておけば 女性を愛する男性の役にも立つであろうものにしたいと思います。



女性とお酒


女性のお酒とのつき合い方というのは、過去ココで色々触れてきたわけですけど、ざっと読み返して見て

NOZOMIの 夜はこれから

彼女を愛するわけ

NOZOMI 初めての・・・

ちょっとそこのお嬢さん

NOZOMIの一時帰国

で垣間見る事が出来るかと思います。もしよろしければ覗いてやって下さい。

と、言いましてもココにあげたものは「ある種の目的意識を持って」お酒と向き合ってるケースが 殆どだと思うんですね。昔と違って、女性がお酒とお付き合いする様になって久しいのは勿論、 お酒とのつき合い方が真摯であるというのは 男性よりも女性の方が多いんじゃないかとNumberは 思っているくらいです。

女性は子宮でモノを考えるなんて言葉を聞きます。それくらい感情・感性で物事を捉える、感じる事の 出来る存在だと思うんですね。だから、本者を見抜く力の如何はともかく、偽者を見抜く力は持ってる ものだと思うんですよって差別じゃないよ偏見じゃないよNumber女性大好き〜

その上で合理主義的なものの見方ってのも言われますよね。野生の動物のオンナが結果として より強いオトコを 相手にするのは生命力の強い子孫を残すための本能だなんて事も聞きますよね?3Kって言っても 3高を望むのはある意味当たり前なわけで。。。感覚的に物事を捉える傾向にある女性が自身と 向き合った場合、徹底的に自分を磨き上げる傾向っていうのも女性のそのパワーは凄いと思うんですよNumberは。 そりゃ個人差がありますし、諦めに落ち着いたりするのは男性でも一緒ですけど、一度思い立って頑張る となれば女性のそれって凄いなぁと思うこと、覚え有りませんか?

男性は友達とのつき合いとか含めて、大切なものというのをバランスよく保つ傾向があると思います。 何かを思い立ち努力を積もうと思っても現実に他を犠牲に出来ないから踏みとどまったり テキトーというか、全体が崩れ落ちるようなリセットはかけないものなんですよ。ところが女性の 場合には思い立ったものがあったら他に築き上げたものを崩壊させても、場合によっては人間関係で あったり、人としての真理や正義をぶち壊してもって差別じゃないよ偏見じゃないよNumber女性大好き〜 (なんだか執筆の波に乗れない(^^;))

今まで何度も言ってますが、世間一般にお酒を善悪で分けたら悪じゃないですか?。 無ければ無いでやっていけるもののひとつだったりします。特に女性がお酒を飲むなんていうと、長く 誉められたもんじゃないって傾向があったわけですし、若くてカワイイ子がお酒呑んで 「ポッ」なんてなると萌え〜とかなる輩は多いでしょうが、 唯女性ってだけじゃあゴラァとかなる人、結構いますよね?(笑)

そういう世間的な認識があることを知りながらお酒と向き合ってる。お酒が必要なんだと思って 生活している女性のそれはNumberとても嬉しく思うんですよ。


一般的な見識


冒頭で述べましたが、初めてのお客さん それもお酒とのつき合いが無いお客さんからご相談 頂くことが多いのが

「アルコール強くないんで、軽めのカクテルお願いします」
「甘口のカクテルお願いします」


と言ったものです。でも、これはお酒の世界をあまりご存じない方が言われるケースが多いとNumberは経験上 思います。と、言うのは 甘口のカクテルが必ずしもアルコール分が高くない、呑みやすいとは限らない からです。傾向としては甘いリキュール=カルーア・カシス・フランボアーズ等 果実系リキュールの アルコールというのは高いものが多いんです。大体平気で24%くらいはざらに有ります。甲類の焼酎 よりも場合によってはアルコールが高く、これにベース、基酒となる40度内外のジンだのウオツカ だのというスピリッツを混ぜ合わせレモンやオレンジ等の果汁を混ぜ合わせばかなりアルコールが 高いカクテルにはなります。それでいて確かに甘い。

よくボトルにクレームド〜(CREME de)○○という表記をしているリキュールがありますが、これはアルコール よりも使われているエキス分が多い事を意味します。そしてこのエキス分というのは便宜上 糖分を 差すように使われています。つまりアルコール度数が20度でエキス分が25度あれば「クレームド○○」 という呼称がボトルに記されます。つまり甘くてもアルコールが高いお酒は存在するばかりか、 そういう方が多いくらいです。

恐らく昔は今以上に、果実酒等は保存出来る事が絶対的に求められました。放っておくと腐ってしまう 果実をそうならないようにするために、アルコールに浸漬することは勿論、大量の砂糖につけておくことも 有効な為 果実酒は甘いのがスタンダードになったのでしょう。加えて西洋ではデザートにケーキを食べる 感覚で甘口のカクテルを呑みます。アフターディナーカクテルはその流れです。

また、甘口と対照的なすっきりしたカクテルやお酒というのは当然前述のリキュールなど使用していません。 スピリッツベースならそれが然とした辛口なものになります。アルコールをただ薄めるならソーダや 水で割ればいいわけで、この方がアルコールは薄まるわけですが、その手法が有効な手段だという事を 一般にお酒の世界に詳しくない人は分からないようです。

だからまずアンケートを実施した対象が『お酒に詳しくない人』ではないかとNumberは推測してしまいます。 実はお酒の知識なんてそれくらい一般にみんな知らないものなんです。それで、甘口のカクテル= アルコール度数の低い飲み口の良いカクテルというイメージが広まっているんでしょう。はっきり いって間違った見識です。


別の傾向


また、お酒の世界の定石では『ドライ=辛口=アルコール度数が高い』という解釈がなされます。 辛口というと味覚で感じ取ったモノを差す場合も勿論ありますが、必ずしもそうじゃない。また 『スウィート=甘口』ではありますが それ=アルコール度数が低いという捉え方はしないようです。

日本酒の場合も辛口・甘口という呼び方、捉え方をしますが これは味覚でいうところの甘い・ 辛いとはハッキリ違います。日本酒で言うところの甘口というのはアルコールとしての比重が重い ものを指します。日本酒度という表記がなされていますので、注意して見てみると良いです。 日本酒度の数値が高いもの、つまり辛口とは比重が軽いものを指します。分かり易く言うと濁酒や濁り酒というのは、酒米の蒸し米が 入ったままですから比重は重いですよね?これを甘口と言うんです。日本酒度はマイナスの表記に なっている筈です。でも濁酒にだって呑んで辛いのが あるんですよ。と言うよりも甘酒の様に糖分を添加していなければ普通濁り酒の「味」は辛いんです。 なのにカテゴリーは『甘口』。端麗と謳ったお酒は不純物も無くサラッとしてます。わざわざ 端麗辛口なんて言いますが、端麗なもんはどう転んだって普通は辛口なんです。

ですからお酒メーカーのコマーシャリズムや商業ベースの力が強くて、本来培われてきた酒文化という ものが、酒の作り手であるメーカー自らがねじ曲げてしまう。そういうことを平素からNumberは懸念している わけです。

余談ですけど、口当たりが柔らかく甘〜い味わいを持ちながらスッとした酒を口にして「おっ?! マスターなかなか辛口ですね」なんてお客様がいるから、私どもはいい加減な仕事はできないなぁと 思うわけです。そして嬉しい。


Amiさん登場


理論的な事はこのくらいでおいといて、ちょうど久しぶりに同業のある方が来てくれました。 彼女はバーと言えば木更津でも必ず名前の上がるバーのバーテンダー。キャリアとスキルは当然持ち合わせて、 またなによりバーテンダーという職業の在り方について非常に真摯に受け止めています。 適切な感覚か分かりませんが、私は『女性でありながらもバーテンダーでありつづける』あたり、 前述の女性ならではのパワーというものを感じています。

Numberにおいては プライベートなお付き合いですから匿名ということでお願いします。ここでは・・・Amiさんって 事にしておきます(^^;)

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N:「仕事関係の、しかも今更な話しで悪いんですけど、『女性は甘口のお酒が好き?』とかって 話題があがったんだけど、実際のところはどう思います?」

A:「そうでも無いですよね。うちは結構若い女の子とかも来てくれますけど、実際に「甘いのお願いします」 とかって言われる事があるんですよ。で、ただ甘いのを出すだけなら簡単ですけど、大抵はその後に 注文がつきますよね? 実は桃がダメだの、辛すぎるだの あ、辛いってのはアルコールが強いという意味で・・・」

N:「甘い辛いだけじゃ好みを満たせないものね。特に苦手なものがあるならそれを避ける方が大事だし。 出してみたら「キツ過ぎる」とかってこともね」

A:「甘口って言う人は大抵アルコールに強くない人が多いですよね。でもそれはあんまりお酒を飲んで 無い人が多いから。。。良く来てくれる人はあんまり甘口なものは呑まないですね」

N:「数呑むのに甘いのばっかりっていうのもねぇ。あと、酒は度数が高い程美味いって格言もあるくらい だし」

A:「甘口に拘る人は『もっと甘いのが良い』って言いますよ(笑)」

N:「それは初心者じゃないですよね。スキルはともかく、お酒に拘りを見いだしてる人は嬉しい存在です」

A:「あと、『おまかせ』って言われることもあって、とにかく初めてだから好みが分からないので。 私の場合は色々聞くようにしてます。バーテンとして良いのかどうか分からないけど」

N:「でも私も聞きますよ。出来るだけその時BESTのサービスを提供したいわけだから それは必要な 事だと思います。勿論『おまかせ』というのは全幅の信頼をおいてくれてのものでしょうから、 お客様も文句言わないっていうのはルールとしてもあると思うけど、これは提供する我々が口に していいことじゃないですよね(^^;)」

A:「聞いちゃうんですよ。さっきの話しですけど、甘口と言われて桃のカクテルを出したら「私桃キライ」 って言われちゃうとね(^^;) だから炭酸はどうですか?ロングですかショートですか?ミルクは使って 良いですか?とか。ミント系なんて必ず聞きますよ始めに」

N:「お酒に強くなくて炭酸がダメで、その上柑橘系がダメなんて言われると結構辛いよね」

A:「カクテルは幅が広いんでなんとでもなりますけどね」

N:「でも在庫的にうちは・・・そんなにバリエーション・・・無い(^^;)」

A:「あと『イメージのカクテルで』って言うのはねぇ・・・やっぱりその人の事、知らない 場合は 安易に色とか使っちゃいますねぇ」

N:「うちもあるよ、イメージのカクテルっていうオーダーは。多分僕らが一生向き合っていかなければ イケナイ仕事じゃないかな?」

A:「そういう時も色々聞くんですよ。趣味や、どんな音楽が好きかとか・・・結局無難になっちゃう かなぁ。もう完全におばちゃんなんだけどプリンセス○○とか出しちゃうし、あと こう・・・ 細〜いスッとした形のスマートなグラスに注いだりとかして(^^;)」

N:「それは、『良いバーテンダーはウソツキかもしれない』という話しもありますし いや、 私が言ったんですけどね(^^;)。しかし 同業で分かり切ってる話しをしていると、どうもネガティヴな内容になるね(^^;)」

A:「確認し合うというよりはグチめいたりして(^^;)」

N:「でも、絶えず自問自答している事ではあるんだよね。Amiさんは凄いよ。この仕事に人生かけてる わけだし。その点は感服します。今後の事っていうとなんだけど、結婚とか・・・」

A:「そりゃあやっぱり子供は産みたいですよ」

N:「一時期休んでたって良いと思うんだよね。自分自身モチベーションが維持できればいつだって 復帰出来る仕事なわけだし」

A:「でも女性バーテンダーの華があるうちは短いじゃないですか」

N:「だけど僕らがやっぱり70歳80歳の先輩にはどう転んでも叶わないっていうように、そのくらいの 女性バーテンダーって凄いと思うよ。僕は接客を受けたことはないけど」

A:「私も殆ど会いませんね。東京には一人いてお会いした事あるんですけど」

N:「大変な事だけどがんばって欲しいなぁ。せっかく身に付いた、知識もそうだけどその感覚はね」

A:「ありがとうございます。今はがんばるしかないですね(^^)」


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一応まとめ


なんだかぐてぐてです(^^;) 話しの後半はサービスね。でもまあ、『女性が甘口のお酒が好き』というのは錯覚ですよ。 世間一般にいつの間にか広まったイメージ。イメージくらいアテにならないものは無いんです。 イメージくらい人を魅了するモノもないですけどね。世の中妄想系が溢れているのも良くわかる。 ただまぁ、西洋の感覚っていうのが拡がったのは事実かもしれませんね。赤玉ポートワイン という商品があったから「赤ワインは甘い」という感覚を日本人は長くもっていたし、 英語で大切な人の事をsweet Heartっていいますよね?

男性が女性をエスコートするときの注意点としては、このイメージに踊らされないことですね。エスコート した彼女が
「私、お酒はあんまり飲めないの」
って言ったからってホントにお酒が苦手だと決めつけちゃう男がいたらもうバカバカバカ。 お前、男ヤメロと言いたい。女性の口からなかなか「お酒マンセー」なんて言える人はそうそう いませんって、どんなに時代は変わったって言ってもね あんま大和撫子なめんなよ。

まず自分がある程度の知識を身につけてないとイケマセン。そうでないと彼女の要望だと思って 提供されたカクテルが「甘すぎ」たり「アルコール強すぎ」たり「マズすぎ」たりしますから ね。

落ち着いたお洒落な雰囲気、ちょっと気取った一時を誰もが味わいたいと思う事は事実だと思います ので、バーという空間をチョイスしたまではGood! だけど大切な彼女をそこに連れてきて あまーい 一時を作り上げようと思ったら一度一人で事前調査することをお薦めします。そして素直にバーマンに 話しを聞き、耳を傾ける。これが一番近道にして的確だと思います。

その点『ほんと? 女性は甘いお酒が好き 』というニュースソースを見て疑問を抱いた、 違和感を覚えたBlackAshさんは幸せに なれる可能性があります。良かったですね(^^)。♯こんなもんでどうでしょうか?

ALL>本当は最後に 触れた「そのイメージはどうして定着しているのか」とかを考察すると面白いかもしれません。 でもそういうクスグリ的なネタはココの過去ログに散りばめて使用しているんですよ。ちょっと今は モチベーション的に上手くまとめられない感じ。いつか気が向いたら取り上げるかもしれません。 ここから派生した疑問・質問がありましたら遠慮なくお寄せくださいね。


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