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◆今週の記事

◆ファースト・エンペラーの秘密

 秦の始皇帝といえば、説明不要だろうが中国最初の「皇帝」である。それまでバラバラの国に分かれていた中国を初めて統一し、言ってみれば一つの世界を統べる絶対的君主となったことで自身の称号を古代伝説の「三皇五帝」にちなんで「皇帝」と定めた。その後中国では歴代王朝の君主がみんな「皇帝」になってしまうのだが、もともとは神にも等しい存在とアピールする凄い名前なのだ。
 彼は史上初の「皇帝」ということで「始皇帝」と自称し、後継者たちに二世皇帝、三世皇帝…と番号で名乗らせる予定だった。しかし始皇帝の死で帝国は崩壊、二世皇帝でこの予定は終わってしまった。

 それでも始皇帝という存在の大きさは、いまだにその全貌がつかめないほど巨大な彼の陵墓にも体現されている。陵墓の地下には死後も始皇帝を守るべく陶器で作られた大軍団「兵馬俑」が埋められていることも有名だ。兵馬俑の兵士たちは一人一人モデルがあったらしく顔が全て異なる上にやたらリアルで、製造当時はカラー塗装もされていてなおさらリアルだったと思われる。本物同様に武装した兵士だけでなく馬や戦車までそろっていて、本物の大軍団をそっくりそのまま焼き物で作ってしまっているというとんでもないシロモノなのだ。

 死後も自身を守るためだけに、これだけのものを作らせてしまう始皇帝は凄い…とは思うのだが、それにしてもここまでするか、という気がするのも事実。この疑問いついて、中国の研究者が文献と実験から新説を科学雑誌「ネイチャン」に発表、注目を集めている。
 始皇帝の宰相であり、始皇帝の生母との関係から実は始皇帝の実父だったとの見方もある呂不韋(りょ・ふい)という人物がいる。彼がブレーンを使って編纂させた『呂氏春秋』という百科事典のような書物があって、これには自然科学分野の記述もかなり多い。この内容を精査したところ、呂不韋の一族である呂暮斗(りょ・ぼと)なる人物が自動的に動く人工機械について記述していることが分かったという。
 その記述によれば、その機械は外見は全て陶器で作られているが中身は精巧な部品が敷き詰められ、まるで生きた人間のように動くことができたという。これは兵馬俑のことを言っているのでは、と考えた研究者は、実物の兵馬俑を調査したところ、背中の一部に取り外し可能な個所を発見、その内側に二つの金属片のようなものが見えたので、試しにそこに電流を流してみたところ、陶器の兵士がごくわずかだが動作するのが確認できた。

 実験を行った研究者は「ごくわずかしか動作しなかったが、2200年以上前ではかなりよく動いたのではないか。兵馬俑は実は死後の始皇帝を守るものではなく、実際の戦争に使用する自動機械だったと思われる」と推測する。その機械を動かす電流をどうやって得たのかについては、始皇帝陵の地下が大量の水銀に満たされていたとの歴史書の記述、それが現代になって事実と確認されたことに触れて、「今では利用されていないが、かつて水銀電池というものが広く利用されていた。始皇帝の時代にその原理を発見した者がいて、大量の水銀を使って自動機械の大軍団を動かすことを可能にしていたのだろう。始皇帝が一代でいきなり他の六国を滅ぼすことができたのも、この自動機械大軍団の力によるところが大きかったのだろう。それから400年ほど後の三国時代にも蜀の宰相・諸葛亮が『木牛・流馬』という自動機械で兵糧を運んでいたとの歴史書の記述も知られているが、これもその技術がひそかに伝わっていたことを示すのかもしれない」と語った。

 なお「ロボット」という言葉はチェコの作家チャペックのSF小説に由来するとされるが、。実はこの呂暮斗が語源ではないかとの主張もすでになされている(参考:民明書房刊『中国の科学と機械』)。



◆鉄路を死守せよ
 
 2025年4月1日をもって、関東の私鉄・新京成電鉄が京成電鉄に吸収・合併され、長い歴史に幕を下ろした。廃止とは違うのだが、長い歴史をもつ鉄道会社がひとつパッと消えてしまうのは珍しいケースだ。
 新京成電鉄は京成津田沼と松戸を結ぶ約26kmの路線一本で運営されてきた鉄道会社で、その名が示すように京成電鉄の子会社である。駅も京成津田沼を共用し近年は京成千葉線への乗り入れも行っているが、それでも長いこと独立を保ち続ける不思議な鉄道でもあった。「新京成」と言いながら、かつては京成電鉄の中古車両を下げ渡されることが多く「旧京成」などと揶揄されることもあった。しかしやがては独自の車両も走らせて京成本社とはまた違った雰囲気を持ってもいた。だがついに京成電鉄への吸収が実行され、今後は「京成電鉄松戸線」と扱われることとなる。

 この事態に、新京成の独立維持を主張する団体が現れ、一部路線の占拠、あるいは線路への破壊工作といった強硬手段に出ていることが千葉県警への取材で判明した。この団体は「大日本帝国陸軍鐡道第二十一聯隊」と名乗っており、「新京成線は日本の生命線」「新京成護持」「京成は敵だ」といったスローガンを掲げているという。
 そもそも新京成電鉄の路線は、戦前の日本陸軍鉄道連隊の演習線がルーツである。「鉄道連隊」とは戦地において重要な輸送力となる鐡道の敷設や運行を任務としていて、さらには敵側の鉄道の破壊工作を手掛けることにもなっていた。かつて千葉県の習志野方面は江戸幕府の牧場を受け継いだ経緯で軍関係の施設が多く、それらを結びつつ任務の演習をする目的でいくつかの演習線が敷設されていた。このうちの津田沼から松戸を結ぶ路線が「松戸線」で、これが敗戦で日本陸軍が消滅したことで京成電鉄に払い下げられたのが新京成誕生のきっかけとなっている。路線図を見ていただければわかるが新京成線はやたらグニャグニャと細かく曲がる路線で、これもかつて鉄道連隊の演習線として建設されたため。無理に距離を伸ばしたとか施設や傾斜を避けたためにこんなルートになってしまったとか言われている。

 このたび新京成の独立維持を訴えて強硬手段に出た「鐡道二十一聯隊」について、その施設占領や破壊工作の手口から、旧陸軍の鉄道連隊の演習マニュアルをそのまま実行していることから、戦前の鉄道連隊の関係者が指導、あるいは自ら実践しているものと推測される。当時の鉄道連隊に属していた元兵士たちとなるとどう考えても90歳代後半以上の高齢ということになるが、この年齢まで生きてる人は実際かなり元気な人が多いため、不可能ではないと思われる。
 そもそも鉄道連隊の演習線が京成に払い下げられた理由も連隊の有力者が京成電鉄に入っていて留学時にマッカーサーとも知り合いになっていたためだと言われている。しかし京成の一路線になるのではなく「新京成」という独立した存在になったことが謎だった。千葉県警によると、新京成に旧鉄道連隊の関係者がそのまま雇用されており、いつの日か陸軍ともども復活を果たすためにひそかに独自の運営を続けていたものと推測されている。かつて日本がポツダム宣言を受諾して無条件降伏した際にも陸軍の一部が降伏に反対してクーデターを起こしたように、今回の京成への吸収に反発した元兵士の社員たちが決起したものとみられる。

 決起した「鐡道二十一聯隊」の幹部は電話取材に応じ、「新京成そのままで維持することが叶わないなら、大映映画「悪名」が「続悪名」「新悪名」「続新悪名」と続いたように「続新京成」と名乗ることにした。あるいは最近の流行に乗って「シン・京成」とするのも一興だ」と語っている。



◆大空から見下ろせば

 「ナスカの地上絵」は大変有名なので説明不要だろう。世界に残る遺跡の中でも際立って特異なもので、ペルーの砂漠地帯の地上に浅い溝を掘り、それによって上空から見ないと全体像が把握できないほど巨大な絵を描いたものだ。実際、発見されたのは20世紀になって飛行機が現地を飛ぶようになってからのことで、どうしてそんなものが描かれたのか、どうやってそんなデカいものを描いたのか、多くの議論がなされてきた。
 いま有力な説としては天の神々に見せる目的で、小さな下絵を拡大する方法で描いたものと言われているが、宇宙人との関係とかUFOの滑走路だとかオカルトめいた説も相変わらず主張はされている。日本の政治家のどなたかが「あれは宇宙人との関わり出ないと説明できないでしょ?」と冗談めかしてではあるが公の場で口にしたこともあったっけ。
 ナスカの地上絵については近年日本の山形大学の研究チームがドローンなどを使って詳細な調査を行い、次々と「新作」を発見していて、その数は現在700作以上にも伸びている。古いものは3000年前に制作されたとみられ、実に長い年月をかけて数多くの地上絵が描かれ続けてきた歴史が浮かび上がってきている。

 さてこの4月1日、日本においても「地上絵」が発見されたとのニュースがあった。山形ならぬ山梨県の青木ヶ原大学の研究チームが、地元である青木ヶ原樹海をドローンで空撮していたところ、樹海の緑の中にくっきりと薄緑のラインの「地上絵」が浮かび上がったのだ。研究チームの一人は取材に対し「樹海の深緑の樹木の中に、薄い緑色の葉をもつ樹木を線状に植えて「絵」を作ったようです。近年有名になっている「田んぼアート」の樹木版ですね」と語った。これまで発見されなかったのは、現地が磁石も効かなくなって迷うと言われるような秘境であり、自殺の名所としても名高いことから上から見下ろそうと思う人がいなかったためという。

 青木ヶ原樹海は西暦684年に起こった「貞観大噴火」による大量の溶岩がこの地域を埋め尽くした後で生まれた森なので、この「地上絵」もそれ以後のものということになる。研究チームはこの「樹海地上絵」の製作は戦国時代以後、はっきり言えばヨーロッパ人との接触以後のことと推定している。その根拠は「絵」に描かれているものが左の写真のようなものだったからである。

 写真を見ればお分かりのように、地上絵に描かれているのはジャガイモ、トウガラシ、トマト、ピーマン、タバコといった、いずれも中南米原産でスペインによるアメリカ大陸征服以後に世界に広まった農作物ばかりである。日本に伝来してからタバコやトウガラシといったものは早くに馴染みのものとなったが、ジャガイモ、トマトやピーマンは近代まで知られていなかったと思われるため、これらの地上絵は中南米から来航したスペイン人、あるいはそれに同行した中南米の先住民ではないかと推測される。
 
 研究チームのメンバーの一人はこう指摘する。「地上絵の素材に注目してください。いずれも中南米原産の農作物というだけでなく、植物の分類ではいずれも『ナス科』に属するのです。これは日本語を覚えたナスカ現地の先住民が、『ナス科の地上絵』という掛け言葉をして天空の神にメッセージを送ろうとしたのではないかと。日本最高峰の富士山はもっとも神に近い山とも言えますからね。あるいは遠く離れた故郷をしのんだものかもしれません」



◆小さいことはいいことだ

 ドナルド=トランプ氏がアメリカ大統領に返り咲いてから3か月が過ぎた。この3か月、「トランプ政権」という言葉がニュースで流れない日がなかったくらい、連日のようにあれやこれやの大統領令を出しては、もはややりたい放題というほかない政策をトップダウンで次々と実行に移している。そんな無茶な、と思う話も多く、さすがに裁判所で差し止め判断が出るケースも続いているが、それすら無視する、あるいは判断をした判事を弾劾しようとかカネを使って選挙で落とそうとか、アメリカ建国以来の民主主義・三権分立理念すらかなぐり捨てようとしている。国内での「多様性」をとにかく目の敵にしてその手のことを公の場から抹殺しまくり、その結果「エノラ・ゲイ」とか硫黄島の有名な星条旗をあげる写真(先住民が一人いる)を国防総省のサイトから消えるといった珍事も起こっている。
 国際的にも、ウクライナやガザ地区の紛争の和平調停に乗り出しつつ、鉱産資源の見返り要求やら住民を追い出してのリゾート開発やらといった話を大っぴらに持ち出し、政府による国際支援をほとんど中止、貿易面でもナントカの一つ覚えよろしく高い関税をかけまくるばかりで、どう見ても世界的に嫌われるようなことを嬉々として進めている。ここまで大方の人たちの予想をはるか斜め上を行く政策の数々には、筆者のような四月バカ作者も苦しめられている(笑)・

 中でも電気自動車テスラの会長・イーロン=マスク氏が実質的に率いる「政府効率化省」の動きはすさまじい。とにかく「大きな政府はダメ」ということで、各省庁の職員を彼ら独自の基準で数千二ン規模でどんどんクビにし、あるいは教育省のように役所そのものを廃止する動きまで見せている。「大きな政府」か「小さな政府」かといった議論は古くからあるが、ここまで急速かつ一方的に大ナタをふるった例はないんじゃないかと思う。あまりに大量に公務員を解雇するので、すでにあちこちの分野で行政に支障が出はじめているようだ。

 それでも無駄をとことん省く「小さな政府」を目指す「政府効率化省」、今日4月1日を期してついにホワイトハウスの人員整理に乗り出した。無駄な高給をもらって国家の役に立たない、さらには国家に害をなすような公務員をAIに認定させ、それに基づき大量の人員が解雇された。その中には大統領や副大統領の名前も含まれていたため、「効率化省」は彼らも解雇、おかげでかなりの国家予算が浮く効果もあったという。大統領がいないなら無用の長物、とホワイトハウスも封鎖し、近日中に爆破解体する予定殿ことである。

 また移民の子孫であり国家に問題を起こす大統領を「敵性外国人」に指定し、即座に国外追放することも検討中という。ただ追放するだけでは一文の得にもならないのでアメリカ生産品として輸出し、国内産業の復活を印象付けようとの意見もある。
 こうした動きに対し、各国はこの「輸出品」に700%の高関税をかけて実質的に輸入を拒絶する構えだ。イギリスやフランスはかつての「ブロック経済」の再現によりこのアメリカ製品から国内を守ろうとしており、日本も消費税導入以前に存在した「トランプ類税」を復活させ、トランプや花札、麻雀といったギャンブル性の強い品物にかける税を政治的ギャンブル性の高いこの輸出品にかける案も政府内に浮上しているという。


2025/4/1の記事
間違っても本気にしないように!

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