村上電業株式会社【プラスチックの加工屋です】

プラスチック問答i

プラスチック 問と答え Ⅱ
プラスチック 問い一覧(素材別)

記入者 村上今朝男

今までに受けた質問と答えを記入いたしました。ただし学問的に書いておるつもりはありません。プラスチックをご使用になるときの参考にしていただくなど気軽に読んでいただければ幸いです。

 音楽やパソコンに使うCDの表面が“ぴかぴか”しているのですがこの皮膜材は何ですか。
 このぴかぴかしているのは皮膜がぴかぴかしているというのではなくCDの表面にとても小さい凸凹ありこれが反射しているのです。このことは表面にナイフなどで傷を付けて見ますとこの場所だけきちんと反射しなくなりますので確認できます。しかし手で触ったりしたときに汚れを防ぐために表面に保護膜を施してはあります。980214taiwann BACKTOP
 電圧が高いのでガラエポで端子台を造りたいのですが問題点はありますか。
 エポキシガラスと呼ばれるものだと思います。プリント基板にたくさん用いられています。絶縁性もいいですし強度もありますし、りっぱな材料であります。ですが、注意点としては吸水しないように気をつけなくてはならないと思います。主に切り口から吸水してしまい絶縁がうまくいかず思わぬ失敗することがありますので気をつけてくださるようお願い致します。991228ibue BACKTOP
 ウエルドって何ですか。
 射出成型をするときに材料に熱を加えて溶かした後型の中に圧力を加えて注入しますと、冷えて固まります。このときに樹脂の流れが、ぶつかりあった場所のことです。成型品の強度の弱い場所の一つです。ビデオカセットの透明な部分、中央あたりに薄い縞模様があるものがあります。これがウエルドです。inou981225 BACKTOP
 ブレーキ材の中に混入したいのですが超高分子量ポリエチレンの粉の大きさはどの位ですか
 肉眼で確認できる程度の大きさです。およそ0.2粍ぐらいだと言えます。分子量が高いために粒になることができずに粉になっているわけですから大きさをきちんと揃えた加工品ではありませんので了解の上ご使用の程お願い致します。もし、粒の大きさを揃えたものが必要なら加工した粉を求める必要があります。セラミックスは硬く脆いためかなり小さな粒まで製作可能です。1998oosaka BACKTOP
 ABSにはたくさんの品種があると聞きましたが、どの位あるのですか。
 正確にはわかりません数千と答えるのがそれこそ正解だと思います。三菱レーヨンで現在販売している通常の品種500を経費削減のために200にすると発表したと本日の産業新聞に出ておりました。日本のお客様のご要求はとてもきびしくそれに答えてきた結果だとことでした。hoiri981216 BACKTOP
 架橋ポリスチレンのパイプはありますか。
 架橋ポリエチレンならあります。ポリエチレンの間違いでないのなら結晶性のポリスチレンなら成型材料としてございます。ポリスチレンでありながら耐熱は200度を超え寸法の安定性などに優れ日本で開発された将来とても有望な素材だと私は見ております。9891216tokumei BACKTOP
 エンビとポリプロピレンの見分け方を教えてください
 エンビもポリプロピレンも耐薬品性がいいので同じような用途に用いられます。おのおのの材質にガラス繊維のようなものが入っていないと仮定してですがエンビは水に浮かべれば沈みますしポリプロピレンは浮きますので簡単に区別できます。981214suzuki BACKTOP
 オーリングはJISで決められたP番とかG番しかないのですか。
 オーリングは鯛焼きのような型でゴムを焼いて造られます。お客様の要望に応じられるようたくさんのオーリングを用意させていただいております。種類が多いために少々お時間をいただいて受注生産とさせていただいておりますのでご注文のいただければ幸いです。その際材質と個数を明記されてFaxをお願い致します。981201HORI BACKTOP
 プラスチックは生コンと一緒に錬っても減らないと聞きましたが
 プラスチックは種類が多いためにすべてのプラスチックが耐摩耗性に優れているということはできませんが超高分子量ポリエチレンのようにざらつき摩耗に大変優れたものもあります。湘南の砂浜は波に洗われて、捨てられたガラスの破片のかどがとれて丸まってしまったのを見られたことがあると思いますがこうした砂のような中で揺すって摩耗の程度を知る方法をざらつき摩耗と言います。超高分子量ポリエチレンを同じ状態にするまでにはガラスの数百倍位の時間が必要だと思われます。“ガラ”と言ってバリをとる道具があるのですが金属であれば1時間ぐらいでバリがとれるのですがポリアセタールで同じ形状のバリをとるのになんと200時間かかった経験が私どもにはあります。こうした性質を利用して超高分子量ポリエチレンは砂やコンクリートのホッパーに貼って使用されております。980925seki BACKTOP
 横浜八景島の水族館の水槽はアクリルでできていると聞いたことがありますが。
 水槽の前面の透明な板はご質の通りアクリル樹脂でできております。以前から使用されておりましたガラス板はたわむことができないため想定水圧を越えますと破壊されてしまいます。アクリルの場合は想定水圧を越えますと板が徐々に変形を起こします。さらに大きな水圧を受けますとさらに大きな変形を起こしやがて破壊に至るのですが、破壊に至るまでにはガラスに比べますと長い時間が必要となります。このことは水槽に使用した場合水槽の中の魚を見ている人間に対する安全にはとても重要であります。横浜八景島の水族館の水槽には数万トン数十万トンの海水が入っていますので破壊されたら観客の受ける被害は想像するだに恐ろしいものがあります。ですが適材適所とはよく言ったものでアクリルといえども万能ではありません。ラッコに対しては無力なのです。ラッコはお腹に石を乗せ貝を器用に割って食します。女子高校生の『かわいい』なんて悲鳴に似た声が聞こえて来そうですがこの貝殻や石がアクリルを傷つけてしまうのです。削ってしまうといった方がいいかもしれません。そこで仕方なくガラスの板を使用することに

なってしまいます。こうした道具を使用した食事の方法はほ乳類の中では霊長類とラッコだけといわれています。アクリルも今のところラッコだけには勝てないといったところでしょうか。yang980804 BACKTOP
 湘南の浜辺で最近プラスチックのとても小さい粒のようなものが見られると聞きましたがこれは何ですか。
 そうですか。直径が2-3ミリ程度長さが2-4ミリ程度の小さい粒だと思われます。これは樹脂製品を成型するときに用いる原料でペレットと呼んでおります。製品として市場にでることはきわめてまれなのです。成型工場、や運送途中などいずれにしましても業者の不手際から漏れだしたものだと推察できます。海に生息する魚や鳥はこれを食してしまい体の中で消化できずに胃の中に滞留し生物にややこしい影響を与えています。プラスチックで生業をたたさせていただいている私としましては恥ずかしいかぎりです。業者が注意深く外部にでないように排水口に網を設備をしたり掃除を完全にしておればこうした不幸は免れるはずだからです。海を漂い湘南の海にたどり着いたとすればポリエチレン、ポリプロピレンなどエチレン系で比重が1以下のプラスチックの可能性が高いと思われます。ikeda980804 BACKTOP
 最近話題になっている可塑剤って何ですか。
 環境ホルモンの一種として、もしくは発生源の一つとして可塑剤が注目をされています。材料に可塑性を付加する物質を可塑剤と呼んでいいと思います。塩化ビニール(塩化ビニル)は白い粉でありこれに熱を加えても可塑化せず焦げてしまいます。この塩化ビニール(塩化ビニル)の粉にフタル酸エステルを加えてあげて後に、熱を加えますと“どろっ”として可塑化されます。こうした状態になれば金型の中に入れ常温に戻しますと成型品ができあがり塩化ビニール(塩化ビニル)製品として出荷できることになります。下記のように想像されたら容易に雰囲気はつかめると思います。家庭にあります塩はこのままでは加温しましても流動化しませんがバターに混ぜてあげ加温しますと流動化し常温にしますと固化し形が作られます。結果的に塩はバターに可塑性を付加されたといえるのではないでしょうか。塩化ビニール(塩化ビニル)にフタル酸エステルを付加するのはこうした関係に似ています。980728main BACKTOP
 御社で溶けたプラスチックを手で団子みたいに丸めていたのを見たことがありますが大丈夫なのですか。
 色替えなどをするときに材料を捨てるのを見られたのだと思いますが、溶けたABSであれば少し慣れれば手で上手に団子を作ることができますが、溶けたポリエチレンで同じように作るのは手に引っ付いて火傷をしてしまいます。ですから私どもが団子を作ったからといって真似しますとひどい目に遭います。ポリエチレンは品種によって違いますが140度に加温しますと本当にきれいで透明な液体のようになります。この状態の時に手で触りますと手にピタピタ付いてしまいなかなか離れてくれません、温度が140度と高い上に熱伝導が低い材料なわけですからなかなか冷えてくれません。と言うわけで火傷を負ってしまうことになります。ですがABSであれば温度は200度を超えているに拘わらず手にはポリエチレンほどには付きにくく手で団子を作ることが可能なわけです。同じようにナイロンも団子を作るのが難しくアクリルは団子を作ることは可能です。980724seki BACKTOP
 アクリルの臭いが以前より違うのですが
 以前とはどの位前からかはっきりしませんが第二次世界大戦の日本の誇る戦闘機零戦の風防に使われていたアクリルはコンクリートに擦り付けるととても甘い匂いがし『匂いガラス』などとも呼ばれていました。ですが98年現在流通しているアクリルはこうした匂いがあまりしません、これはアクリルの板に不純物がとても少なくなったのが原因です。980715ikez BACKTOP
 ポリカボネートの成型品で薄い色を着けたいのですが。
 ポリカボネートは透明度の良い樹脂の一つです。おそらく車の窓ガラスに貼って車内が見えにくくするような色のことだと思います。こうした色にするには染料が効果的です。重量比1000分の3程度を基準にして量を加減なされ好みの濃さになされたらいいでしょう。ポリカボネートの光沢と透明度が相まってすばらしい色が得られます。9890713kita BACKTOP
 御社が成型品で今までお客さんからもらったクレームでなにが一番多いのですか。
 個別の寸法とか色合いだとかを別に致しますともっとも多いクレームは『割れた』『割れる』です。90%以上がこうした『割れる』で占められています。薬品に膨潤した、熱で溶けた、摩擦で溶けた、などのクレームはお客様ご自身でも確認が容易にできます。結果として解決策をが見つけられるのですがこの『割れる』に関してはなかなかご理解願えず困難を極める例が多く苦悩しています。980712mizo BACKTOP
 ABSでできている成型品の色はどうやって着色するのですか。
 成型品全般に言えることなのですがプラスチックの色を出すには二つの方法があります。一つは素材に混ぜて色を作る顔料で、一つは何らかの方法で色をしみ込ませる染料です。ご質のABSでは顔料を使用するのが一般的です。鉛筆の芯を細かく砕きますと小さな粒の粉ができますね。こうした粉を顔料と言います。この顔料をABSの原料のペレットに混ぜ一緒に溶かしてあげれば着色できたことになります。元々性質の違う物質を均一に混ぜるには何らかの工夫が必要です。一つの方法としてABSのペレットに極わずかな灯油を混ぜ顔料を加えてあげますとこの油分に顔料がまるでゴマ和えのように付着しかなり均一に混ざります。980712mizu BACKTOP
 ジュラコンについて教えて
 メールをいただきとてもうれしく思います。ジュラコンはポリプラスチック社の商標だと私は認識しています。ポリアセタールコポリマーです。この類にはユピタールがあります。ご質の内容が大きすぎとても答えることができません。具体的な質であれば答えられるかもしれません。どうか整理なさってもう一度メールをお願い致します。もしくはポリアセタールとして販売されている本がございます。目を通されるのも一つの方法かと思います。980708meru BACKTOP
 ポリビンは奥の方が広いのですがどうやって作るの。
 そうですね。入り口より奥の方が大きいのですから普通の金型では中子が抜けてくれません。そこで、程良い大きさの筒を作ります。この筒を加熱して柔らかくしてあげ底の部分を強制的に張り合わせた後、空気を吹き込みますと風船のように膨らみます。膨らんだ形が金型の面にあたった状態で冷却してあげれば中空の品物ができあがります。こうした成型法をブロー成型とよんでおります。PETボトルなどもこうした成型法を応用して製作されています。980707yama BACKTOP
 屋外で使用する部品を製作したいのですが
 屋外で使用するプラスチック素材を選定するには幾つかの注意が必要です。塩、紫外線、塵、などが絡みあうわけですから複雑怪奇です。このうちプラスチックには紫外線が特に大敵です。ポリエチレン、ポリプロピレン、の類は紫外線に晒しておきますと表面にヒビが入ってまいります。アクリルやポリカボネートのように耐候性の優れた樹脂もあります。高速道路の遮音壁にはポリカボネートが使用されております。5年間使用しますと強度は半分になると言われており、10年をめどに取り替えをすることになっているようです。PEEKのように放射線が常在して一年間経過しても変化の見られないものもあります。いずれにしましても要求される内容をよく教えていただきその上で決めるべきだと思います。980707sekin BACKTOP
 細いガラス繊維を並列に組むために高速に走らせたいのですが
 私どもへの依頼としてはガラス繊維を保持するための保持具の素材の選定ですね。外径、速度など詳細を教えていただき保持具の温度の特定をする必要があります。細いので見かけの温度の上昇はないと思われますが高速のため高温である可能性があります。どうか詳細な条件の提示をお願い致します。980626sano BACKTOP
 アクリルのパイプを塩化メチレンで接着しますとひびが入るのですが
 アクリルパイプはアクリルのどろどろした液つまりモノマーと言われるものに“硬化剤”を混ぜステンレスのパイプに流し込み回転させ作ります。これを遠心法と呼んでおります。製品にひずみが残っているためにヒビが入ったものと思われます。これを解決するためには熱処理が有効です。具体的には80度の温度を6時間保ち1時間ぐらいかけて常温に戻します。焼き鈍しとかアニーリングと呼ばれる方もおいでです。980612iida BACKTOP
 ベークライトのJISの記号を教えて
 PLがフェノールの板、PBがフェノールの棒、Fが布基材を意味します。ベークライト厚み交差のところに書いてございます。980612arak BACKTOP
 アクリルのパイプとエンビのLボを接着したいのだけれど
アクリルもエンビも溶剤で溶けますので可能です。しかしアクリルとエンビの膨張係数が違うので長期に渡っての使用は使用条件を確認してから行うべきだと思います。またエンビからの移行によってアクリルがやられてしまう可能性があります。これらを諸条件をふまえた上で行ってください。具体的にはテトラヒドロフラン(THF)の溶剤を使用するといいでしょう。980610aoki BACKTOP
 金型の断熱材に使っている板はどうやって切ればいいの
 そうですね。灰色の板でおそらくアスベスト板だと思います。もっとも最近ではアスベストを使用していないノンアスと呼ばれる板が主流です。大工さんが使うような電動の丸鋸で切りますとほんの少し切ると鋸の歯が切れなくなり、しまいには煙がでてきてそれはそれは大変なことになります。こうしたときはダイヤモンドの粉を鋸のように着けたものを使用するとこうしたことは防げます。こうした“ダイヤモンド”は熱に弱いので十分に冷却ができるようにしてあげなければなりません。こうしたときは村上電業に申しつけくださればご希望の形に加工して提供させていただきます、これがもっとも安上がりだと思います。980529seki BACKTOP
 ベークライトの板の厚みが一定でないのですが
 ベークライトの板は積層板と言いまして、紙にフェノール樹脂を塗布させたレジンペーパーと言われるものを何枚か重ね鉄板の間に挟み加熱しながら圧力をかけて硬化させ製作されるものです。ですから厚みに対しては誤差は大きくなりがちです。JISでも規定されております。970527sasa BACKTOP
 5ミリのアクリルで3メーターのものはありますか。
 別表の通りありますが、御社は産業用の機械の製作会社なのでできうるならば長さを2メーター以内になされつないで使われた方がよろしかろうと思います。在庫、搬送、加工など自ずと変わってきまして、割高にならざるを得ないからです。大量にお使いの場合はこの限りではありません。980526kita BACKTOP
 ウレタンって柔らかいものなのですか。
 ウレタンと一口にいってもたくさんの種類があります。座布団の中などに入っている、スポンジ状のもの(ウレタンフォーム)からABS相当と言われる堅さを持ったもの(注型タイプ)まで種類も豊富です。また、RTVタイプにても20度位から95度位までの硬度を持ったものが任意に作成できます。ですがウレタンの板、丸棒をくださいと言えば90度のものが出てまいります。(これってなんかへんですね)くれぐれも欲しい硬度がある場合にはご指定をお願いいたします。何しろたくさんあります。どうかご用途を教えていただけますれば幸いに存じます。 ここでの硬度はショアーDです。 BACKTOP
 ポリアセタール、つまりジュラコンを燃しますとどうなりますか。
 そうですね。140度を超えますとひどい臭いがでてまいります。あの“つん”と来る臭いはたまりませんね。主成分はホルマリンだと言われています。それこそ目も開けておられず目から涙がポロポロ出て止まりません。 BACKTOP
 塩化ビニール(塩化ビニル)を燃やすと猛毒のダイオキシンがでるとか
 猛毒のダイオキシンがでると最近マスコミをにぎわしています。1000度C以下で燃やしますとでると言われています。このエンビは主成分として塩素が含まれています。170度Cを越えるとエンビが分解してガスが発生します。一般の成型機ではシリンダーが腐食してしまい使いものにならなくなります。金型も真っ赤に錆びてしまいます。このことは燃やしたときにもこうしたガスの発生が考えられるわけですからかなり強烈なガスであることは想像できると思います。このガスをほんの少しでも吸いますとどうにもならないくらいに苦しむことになってしまいます。このガスの正体は毒ガスの塩素ガスを主成分としたものなのです。


 元々エンビに限らずプラスチックを焼却処分をすることに題があると私は考えています。熱可塑性なのですから加熱しますと溶けて、可塑化することを意味します。このことは再生が容易であることを意味しております。社会全体で再生された製品を受け入れていただいたり、現在のように役所がただ同然で処理する事をやめていただいて適正な処理費用を請求できる仕組みを作ることができれば解決できる題だと思います。  BACKTOP
 ベークライトの成型品は溶けないのですか。
 ベークライトは熱硬化性の樹脂ですから加熱しても溶融することはありません、ですが、酸にフェノールを加えてあげ、加熱しますと粘性を持つようになります。具体的には細かい粉末にして酸とフェノールがよく混ざるようにし加熱致します。kyou980521 BACKTOP
 村上電業さんのプラスチックには環境ホルモンが入ってるの。
 私どもは加工屋であります。お尋ねの環境ホルモンはポリカボネートなどのプラスチックを作る原料の一つビスフェノールなどの化学物質のことです。


 米国の化学者が癌の細胞を培養中にポリスチレンでできた試験管でのみ細胞の増殖に異変があるのを偶然見つけたことから大騒ぎになったわけです。この種の環境ホルモンは人間が生存を維持するために体の中で作られているホルモンによく似ており、このよく似ていることが人間にとってはおかしなことになってしまうと信じられています。ビスフェノールは先ほどのポリカボネートの原料に使われる他、エポキシ樹脂を作るときなどにも使われています。自然界にはたくさんの化学物質があり、わずか100年ぐらい前まではこうした自然界の化学物質のみでこの世を形成しておりましたのですが、人造の化学物質が加わったわけですから、とてもややこしくなったのだと私は思います。SAIT980520 BACKTOP
 8ミリ外径がきちんとでているのジュラコンの丸棒はありますか
 はい、外径を研磨して外径8ミリにそろえたものを在庫してございます。ジュラコンはポリアセタールコポリマーの商品名ですがジュラコンの場合は外径をほぼマイナス百分の3してあり、同じくポリアセタールのホモポリマーデルリンの場合は外径を百分の2程プラスしてあります。どういうわけかこんな習慣になってしまいました。a-su980519 BACKTOP
 くねくね曲げられる樹脂はありますか。
 形状記憶プラスチックというのがあります。これでしたら適当に曲げられます。あるいは延伸されたPET樹脂であればペンチのようなもので曲げることが可能です。980515nagai BACKTOP
 内径12ミリ長さ50ミリのABSの成型品テーパーなしでできますか。
 普通の材料では無理ですが、長さ方向に約0.1ミリぐらいのテーパーをとれば可能になります。品物の突き出しに工夫が必要になります。また材料にテフロンの粉末や油分を混入させることによって可能になります。因みに中国語ではこのテーパーのことを【退角】といいます。 BACKTOP
 アクリルの板に6mmの厚みのものはありますか。
 規格にはあります。厚み0.2から、100ミリぐらいまで規格としてあり。とたくさんあります。ご質のお客様は産業用の機械の保護にお使いなわけですから、厚み2;3;4;5;6;8;10;12;の中から選ばれるのがよろしかろうと思います。このうち4ミリと6ミリは使用頻度がとても少なく5ミリや3ミリに比べますと10分の1以下になります。大量にお使いでない場合、ごく少量お使いの場合、定尺一枚を使い切らない場合など、4ミリと6ミリは避けていただくと私どもとしますと、在庫面に於いてとても助かります。その分、幾分なりともおまけしますので、よろしくご配慮の程、お願い致します。 BACKTOP
 プラスチックは板金のようなことができるのですか
 鉄板に力を加えて変形させますと、元の平板に比べて強い構造体にすることができます。プラスチックでも熱を加えたりして曲げることは可能ですが、曲げたことによって金属のように強くなることは分子構造の違いからありません。曲がっていることによる強度の向上は図ることができます。PET樹脂であれば冷間で板厚5ミリ程度であれば簡単に曲げることができます。970510sinne BACKTOP
 シリコンいやシリコーンって接着剤なのですか。
 答えとしては、離型剤として、使用されたり、接着剤として使用されたりしますとなります。シリコーンは珪素化合物です。ですから化合された結果としてたくさんの状態があることになります。シリコンの分子量の小さいものを使用しますと接着剤になります。980422kita。 BACKTOP
 塩化ビニール(塩化ビニル)はUL規格は通ってるのですか。
 水道に使われているような塩化ビニール(塩化ビニル)は炎を近づけますと燃えますが、炎を取り去りますとすぐに消えます。このことを、自己消化性といい、プラスチックの重要な指標の一つです。塩化ビニール(塩化ビニル)は燃やしますと塩素が出ます。この塩素が炎を消し去ってしまいますので、厚み1ミリ以上であれば、V0(零)を満足します。980421ootu BACKTOP
 ビニール袋とポリ袋は違うの?
 ビニールハウスに使われているような材料でできているのがビニール袋です。塩化ビニール(塩化ビニル)にてつくられたものだからです。もっとも近年は塩化ビニール(塩化ビニル)を使用している例はまれで、ポリエチレンが主流です。これに対してポリ袋はスーパーの買い物袋の代表されものです。気泡を巻き込まないよう水に入れ浮かべばポリ袋、沈めばビニールです。試験的にごく少量を燃やしてみて“つん”とくればビニール袋、蝋燭の臭いがすればポリ袋だと言えます。980420itou  BACKTOP
 貴社から購入したセラミックを瞬間接着剤で着けたのですがはがしたあとをにこの接着剤が残ってしまいました。どうしたらきれいにとれますか。980417ITOU
 そうですね、一般にセラミックは非常に硬いので金属のようなもので擦ってとろうとすると黒くなってしまいますね。(金属の粉が着いてしまう)プラスチックのようなもので擦るとやはり削れてしまい、うまくいきません、アルファシアノ系の瞬間接着剤であれば、残ったというかはみ出たような瞬間接着剤は有機溶剤で簡単に落ちます。私どもでは塩化メチレンを主成分とした混合液を用いています。臭いがそれほどでもなく、よく溶けるからです。 BACKTOP
 プラスチックってなんですか。
 日本語の可塑性のこと。形容詞である。反対の概念が弾性(エラスッチック)である。何らかの力を加えたら変形をおこし復元しないもの。外力の痕を残すもの。中国語では可塑性材料から転じて塑料といいますもっとも台湾の方たちは塑膠といわれています。 BACKTOP
 エンジニアリングプラスチックとは何ですか。
 汎用のプラスチックに対する概念、耐熱温度や価格が比較的高く、材料の特性を生かした用途に使用される。主に工業用に利用される。現在ではスーパーエンジニアリングプラスチックという概念もあり、熱変形温度650度を誇るものさえあります。 BACKTOP
 プラスチックは日本語ではなんていいますか。
 合成樹脂という言い方が一般的です。樹脂(読んで字の如く)松脂、漆などに対しての概念です。人工的に作られた樹脂に似たものを合成樹脂と言います。天然ゴムに対して合成ゴムという概念があります。概念ですから特定の物質を指すことはなく総称なのです。 BACKTOP
 プラスチックと後ろにスがついているときとないときがあるのですが?
 プラスチックとプラスチックスと日本語の中に単語の語尾が変化をして形容詞になったり名詞になったりする習慣がないため漫然と外来語を受け入れてしまった結果だと私は思います。少なくとも中国語の中にはこのような混乱は見受けられません。ですが日本のJISではプラスチックに統一されております。しかし現在でも両方の言い方が通用しております。私の知る限りでは三菱エンジニアリングプラスチックスと社名に“ス”をつけておいでです。ここではJISに敬意を払いプラスチックを使うように努力をする事を誓って当面は両方を区別せずに使いたいと思います。こういった例はコンピュータとコンピューターに見られます。JISではコンピュータと定義されており計算機と同一とされております。我々日本人はもっと言葉に関して厳格になる必要があると私は思います。この例では指す意味は同じだと思っていいのですが、シリコン、と、シリコーンは意味する内容が違います。シリコンは珪素のことで珪素鋼板などに使われるものであり、シリコーンは珪素化合物のことで窓ガラスの密封に使用されるどろどろした液体を代表とした化合物です。曖昧にする怖さを知るべきだと私は思います。 BACKTOP
 合成樹脂と絶縁材料とは違いますか。
 絶縁材料とは電気抵抗の大きなものを言います。おおむね抵抗値が10*10の16乗以上のものです。金属以外の材料は電気抵抗が大きく絶縁材料といえます。我々が暮らしているこの大気も絶縁材料であると言えます。絶縁材料には無機材料である、セラミックスや雲母なども含まれます。合成樹脂の大部分が電気抵抗が大きいため絶縁材料といえます。このため合成樹脂と絶縁材料とが同義語に用いられることすらあります。  BACKTOP
 プラスチックの種類はどの位あるのでしょうか。
 一概には言えませんが金属を鉄、銅、錫、といったように数えれば40種類とも80種類ともいえます。金属に真鍮を加えて数えるといった方法によれば数千とも数十万とも言われています。日本産業新聞によるとポリプロピレンには一時期日本国内に9000種類あったといいます。 BACKTOP
 ABS樹脂もたくさんのグレードがあるときいておりますがどうですか。
 アクリニトリル、ブタジエン、スチレンの共重合体でありますので電話機などに使われる非常に光沢の良いものから、女性のハイヒールのかかとに使われたり、ヘルメットに使われたりするような材料までたくさんあります。透明なグレードもあり、多岐にわたっております。 BACKTOP
 プラスチックは同じように見えるのですが区分けする方法はありますか。
 単純にはいきませんが実用的に区分けするには幾つか方法があります。融点を探り特定する。溶剤を用いる。温度、炎を加えて臭いから判定する。などの方法があります。 BACKTOP
 区分けする方法を例で教えてください。
 燃して見て燃え残りがなさそうで、水に入れて見て浮くのであればポリエチレン,ポリプロピレンの可能性があります。燃したときのにおいが蝋燭のようであればかなりの確率でポリエチレンです。 BACKTOP
 車の灰皿もプラスチックだと思いますが熱を加えても溶けないようですが。
 プラスチックには熱を加えても溶けないものがあります、この種類を熱硬化性樹脂といい熱を加えると溶ける樹脂を熱可塑性樹脂と呼んでおります。 BACKTOP
 そういえば御社から購入した“テフロン”製品に加工時には換気に注意してくださいとありましたがどういうことですか。
 テフロン(4F)を削ると粉が出てきますがこの粉を高温にさらしますとフッ素ガスが出てきます。このフッ素ガスは猛毒のため人間が吸ってしまいますと非常に危険なことになります。喫煙中のタバコが赤くなった部分は800度にも達するとのこと。この熱によってフッ素ガスがでてくるというわけです。 BACKTOP
 世界最大の合成樹脂原料の製作会社はどこですか。
 一社で全てを生産している会社はありません。ABS樹脂であれば世界最大の生産量を誇っているのは台湾のメーカーです。 BACKTOP
 プラスチックはいつ頃からあるのですか。
 1909年にベルギー生まれの化学者ベークランドが米国においてフェノールを人工的に合成したのがプラスチックの始まりとされています。1945年以前日本ではベークライト、他はなく其の差は歴然としていたとされています。いずれにしましても現在のプラスチックのイメージとは趣がかなり違います。今年が1998年90年しか時間が経過していないことに驚きます。 BACKTOP
 機械のカバーを作りたいのですが透明な材料にはどんなものがありますか。
 厚みが2以上であれば、塩化ビニール(塩化ビニル)、ポリカボネート、アクリル、PETが一般的です。薄ものではこれらに加えポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、サラン、ポリ塩化ビニリデンなどがあります。 BACKTOP
 軸受をプラスチックで作りたいのですがどんな材料が良いのか教えてください。
 回転数、外径、軸受けにかかる重量など質事項が書いてございます用紙をFAX致しますので記入して返送してくださいますようにお願いいたします。弊社特製のソフトにより計算を致しまして、速やかに連絡致しますのでそれを元に確認作業をお願いいたします。 BACKTOP

 プラスチックの耐熱温度を教えてください。

 種類が多いため簡単には表すことはできませんのですが、おおよその目安として利用でできますように表にまとめてみました。ここのところをチョット、クリックしてください。ABS等の例では耐熱が60度から120度ぐらいまでと幅は広いのですが、実際の応用事例やクレームの起るであろう心配度のようなものから書いてあります。主観に左右されていることを含んでご覧ください。 BACKTOP

 成形したときに品物が小さくなってでてくると聞いたのですが。

 そうです。金型より幾分小さくなって出て参ります。この率を収縮率と呼んでいますが、この値はプラスチックの種類や圧力のかけ方、流れ方向、厚み、充填剤などにより複雑に変化します。よって一定の値を表記できるわけではありませんが、そういっていますと、仕事は先に進みません。私どもの永い経験からこの様に決めております。ここをクリックしていだだけますとご覧になれます。しかしながらいくつという絶対値を決めませんと仕事は進まないことになります。そう、うちは現場なわけですから、そこで英断を持って決めるということになります。そうは言いましてもいつでもこの値を採用するというわけではなく要求される内容により吟味して決めることに変わりはありません。 BACKTOP
 ピンポン玉もプラスチックですか。
 セルロイドといわれる熱を加えると変形する熱可塑性の樹脂です。ですからピンポン玉がつぶれたら、お湯の中に入れますと中の空気が暖まり膨張し元に戻ります。ま、損傷具合により必ずとは言えませんが修復は可能です。 BACKTOP
 ピンポン玉は今でもセルロイドを用いているのですか。
 そうです。玉を打ったときの弾み具合、打ったときの感じがセルロイドに勝るものはないと言われているが、セルロイドがあったから生まれたスポーツであればセルロイド以外使えないのではないかと思います。もっと弾力のあるゴムのような玉であったなら違った遊びであるに違いないと思われるのです。玉の重さは硬球2.5グラム軟球2グラムでありこの玉との相性からでしょうか、今でも合板にゴムを貼ったラケットを使用している我々プラスチックを売りたい立場から見ますと、何とかプラスッチクのラケットを使用していただけないかと願っているのですが。 BACKTOP
 セルロイドは燃えやすいと聞いていますが
 とても可燃性に優れています。火薬など素早く燃焼するような場所に使われています。この可燃性の理由から子供向けの玩具ではセルロイドの使用は禁止されております。ですが人間が触ったときの感覚が他の樹脂にはない為眼鏡の枠などには現在でも使われております。明治38年増永五右衛門がセルロイド用い眼鏡枠を郷土の産業として広めたため福井県は一大生産基地となっております。 BACKTOP
 セルロイドは燃えやすい欠点があるそうですが。
 そうです、火薬にも使用されるぐらいです。セルロイドでできた、フィルムが燃えて貴重な資料が煙りになったりしました。40度の温度の中においておくだけでもえはじまえます。 BACKTOP
 六甲の水をペットボトル詰めて透明なポリエチレンの袋に入れて持ち上げましたら延びてしまったのですが。スーパーで買い物の時もらう袋は平気なのにどうしてですか。
 それはポリ袋を作るときの方法がちがうのです。ポリエチレンをまずパイプの形に押しだし空気を送りながら薄く伸ばしたものがポリエチレンの袋で、さらに幾つかの方向から延伸させたものがスーパーの袋なのです。幾つかの方向に伸ばすと分子が一定方向に並ぶことになります。分子が並ぶと強固な鎖の様になるわけです。並んだ方向に引っ張れば強いが平行に鋏の様なもので切ると裂けてしまうことになります。こういった方向性がないものと方向性のあるもの(スーパーの袋)とがあると考えると理解が容易です。 BACKTOP
 市販されているプラスチックは高分子単体で構成されているのですか。
 ほとんどのプラスチックは添加剤、安定剤を含んでおり単体で販売しているものはほとんどありません。中には可塑剤が50%以上含んでいるものもあります。添加物がある、この性質を利用して制作会社の特定をする事が可能です。 BACKTOP
 可塑剤ってなんですか。
 プラスチックそのものでは充分な可塑性が得られない為に加える添加物を可塑性を持った品もものに育てる添加物を可塑剤と言います。 BACKTOP
 そんなに多くの可塑剤を含んでいるのではプラスチックとはいえないのでは
 そうですね。しかし可塑性を与えてくれたのはたのは可塑剤ですから、可塑剤の方に敬意を表し我々プラスチック業界の一員に大きく拍手を放って迎えましょう。 BACKTOP
 その可塑剤にはプラスチックそのものに与える害はないのでしょうか。
 害、これは範囲の広い題なのですが。もともと一部のプラスチックには可塑性が足りない、そこで可塑性を加えていると考えたらいかがでしょうか。 BACKTOP
 そんなにたくさんの可塑剤が入っているものにはどんなものがあるの。
 最も有名なのが軟質の塩化ビニール(塩化ビニル)です。70%以上が可塑剤だといわれてます。 BACKTOP
 可塑剤が入っていると出てくることはありますか。
 セロテープを割れたガラス窓に貼って修理したあと、[ばりばり]に乾いた後を見たことがあると思いますがその状態が可塑剤が出ていってしまった状態です。 BACKTOP
 可塑剤が出ていく(移行)すると困った事が起きませんか。
 おきます。塩化ビニール(塩化ビニル)とABSを一緒に用いますと,ABSに可塑剤が移行してABSが割れたりします。 BACKTOP
 実例を教えてください。
 某ゲーム機の足の滑りどめに軟質塩ビを用い足の部分がもげてしまった事件は有名です。 BACKTOP

 アクリルの板にキャスト板と押し出し板がありますがどのように違うのですか。
 キャストとは日本語の注入成形のことであり鋳物を想像しますとわかりやすいと思います。どろどろした液体を型の中に流し込んで成形したものが注入成形です。押し出し板とはアクリルの粒を熱により溶かして型の隙間から圧力をかけて押し出す作成方法です。ところてんを押し出して作るのと同じ方法です。元の材料が違うのと製造方法が違うわけです。ところでアクリルのことを中国語では亜克力といいます。 BACKTOP
 性能には違いがありますか。
 あります。製造方法の違いから製造原価が違うために販売価格が違いが生じ押し出し板の方が廉価です。機械的な強さを要求するのなら注入成形(キャスティング)板を使い、形を優先するなら押し出し板ということになるでしょう。工業用には注入成形板をそうでないところには押し出し板と考えてもいいと思います。 BACKTOP
 どうすれば区分けできますか。
 押し出し板は注入成形板に比べ塩化メチレンに比べ溶けやすいので簡単に分かります。この性質を利用して接着が行われます。 BACKTOP
 窓ガラスに使われているようなガラス板を何枚か重ねて透かしてみますと重ねるごとに暗くなるのですがアクリルはなりませんね。
 それは光の透過率がアクリルの方が高いためです。私どもで厚み50ミリの板を10枚張り合わせて板を制作したことがありますが肉眼では50ミリ一枚が透けて見えた感じと同じでした。 BACKTOP
 普通に張り合わせたのでは気泡を含んでうまく貼れないのではないのですか。
 そうです、気泡を含むというか、隙間ができているというか広い面積では溶剤などを用いた接着はうまくできません。この気泡をワカメと呼んでおります。こういったときには重合と呼ばれる接着方法を用います。透かしてみるような方向からはつないだことさえわからない位にきれいに接着できます。直角方向から見ますと接着したことがわかる程度です。 BACKTOP
 アクリル板を壊すのにはどうしたらいいですか。
 壊すというか、割るためにはアクリルを平らなたとえばコンクリートの上で、できるだけ尖った堅いもの(ハンマーなどで)叩けば簡単に割れてしまいます。ガラスが割れるようにそれこそきちんと割れます。 BACKTOP
 アクリルの板に紙が貼ってありますがこの紙はどうやって着いてるのですか。とてもはがれ易くなっていて加工をするには都合がいいのですが。
 アクリル板の保護紙の件だと思いますが、現在採用されている方法には2種類あり一つはゴム系の糊をを使用した圧着紙と呼ばれるもの、これは剥がすときに注意して見ますと“ねば”としたものが着いているのを見ることができると思います。主に傷を付けたくないものに利用されております。もう一つは水貼りと呼ばれる方法、水分、具体的には水蒸気を当てますと粘着性が出る保護紙を使用しております。ですからもう一度つけたいときは蒸気を当ててあげますと着くことになります。こちらは剥がすのに簡単ですから質のように加工用に用いられ主流はこちらです。 BACKTOP
 ポリカボネートは透明でとても強いと聞いておりますが
 その通りです。透明で、艶があり、耐熱温度も高くすばらしい樹脂であると思います。だが、強いと信じて採用するわけですから逆に弱い点を押さえておく必要があります。油分、などの薬品に弱い部分があります。一定のひずみを持った、あるいは与えてあげた状態で四塩化炭素にあいますとひずみがなくなるまでぼろぼろになってしまいます。 BACKTOP
 ポリエチレンを世界で最初に制作したのは?。
 イギリスのF.W.Fawcettにより合成され1933年ICI社によって上市されました。 BACKTOP
 ポリエチレンは1種類なのですか。
 とんでもない、重合条件の仕方により、性質の異った製品が沢山あります。 BACKTOP
 どんな種類がありますか。
 大きく分けると7種類あります。 BACKTOP
 教えて下さい
 密度などによって分類するとこのようになります。

____低分子量ポリエチレン______分子量2000-5000


____低密度ポリエチレン________比重0.91-0.925

____中密度ポリエチレン________比重0.92-0.94

____高密度ポリエチレン________比重0.941-0.965

____超高分子量ポリエチレン____分子量100万以上

____架橋ポリエチレン BACKTOP
 製法によっても分類できるとか。
 高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)

中圧法高密度ポリエチレン(HDPE)

低圧法高密度ポリエチレン(HDPE) BACKTOP
 中圧法と低圧法は同じHDPEですか。
 中圧法と、低圧法の厳密な区別はなくて中低圧法とも呼び最大の特徴は触媒を使用して製造していることです。 BACKTOP
 高圧法で低密度ポリエチレンができるのですか。
 高圧法は圧力のみで重合させるために、低密度ポリエチレンが得られるのです。 BACKTOP
 高分子物質とは
 シュタウンジンガーによれば分子量10000以上のものをいうと定義されている。極めて多数の原子が共有結合によって結ばれ長い線上の分子や網状に結合して成長したものである。 BACKTOP
 高分子物質の性質はどんなですか。
 低分子物質は加熱すれば300度C以下で水のような液状になるか、揮発してしまうが、高分子物質は粘土の高い水飴状になるか、溶融しないものはさらに加熱すると炭化してしまいます。 BACKTOP
 薬品にはどうですか。
 低分子物質は溶剤に溶けやすいが、高分子物質になると溶けにくくなり、耐薬品性が増します。 BACKTOP
 機械的にはどうですか
 低分子物質は氷砂糖のように脆くて割れやすいが、高分子物質になると、ポリエチレンのように強くなります。 BACKTOP
 ポリエチレンは網状の分子ですか。
 長い線状の分子です。何らかの方法で溶かしてゆっくりひっぱてあげると繊維になります。 BACKTOP
 密度って何ですか。
 重さを体積で除算したものです。1CM3の体積で密度0.95のポリエチレンの重さは0.95グラムになります。 BACKTOP
 JISには密度の規定はありますか。
 JISK7112にきていされ、t度Cにおける物質の単位体積当たりの質量、g/cg3で表す。となっています。 BACKTOP
 比重とは何ですか。
 4度Cの水と比べた体積当たりの値です。4度Cの水1cm3の重さは1グラムとなります。 BACKTOP
 超高分子量ポリエチレンの製造法とはどんなものですか。
 低圧法で製作し途中で反応を止めずに思いっきり分子量を上げたものです。 BACKTOP
 超高分子ポリの密度にも種類があるのですか。
 大きく分けて密度0.94台のものと0.92台の物があります。三井石油化学のハイゼックスミリオンではグレード名にその密度を使用しています。 BACKTOP
 ポリエチレンの分子量が大きいと減りにくく(磨耗しにくく)なるとか。
 普通の高密度ポリに比べて数倍から数十倍耐摩耗性が向上します。スキーの板の裏に貼って耐磨耗と摩擦係数の小ささを利用しています。摩擦係数はテフロンに次いで小さく。低温でざらつき磨耗にもっとも強いと言われております。 BACKTOP
 中高圧法でも低密度ポリエチレンが出来るとか。
 できます。プロピレンを加えたりすると可能です,それをLLDPE直鎖状低密度ポリエチレンとと呼んでいます。 BACKTOP
 高圧法と低圧法の違いはどこにありますか。
 高圧法は2000気圧とかの非常に大きな圧力で製作するものですから,圧力だけで反応させると理解していいでしょう。低圧法では触媒を使用することにより,密度の制御することが容易なので,低密度から高密どまで製作することが可能です。 BACKTOP
 分子量が大きくなると安定するのですか。
 はい,安定して強靭な材料になります。 BACKTOP
 重合度とは何ですか。
 分子量を定数(ポリエチレンのとき28)で割って得られた答。 BACKTOP
 ポリエチレン28の意味は
 ユニットあたり28の大きさである。 BACKTOP
 そのユニットてなんですか。
 ポリエチレンはC2H4ですから炭素の分子量12,水素の分子量が1ですか ら,炭素が2個(12+12=24)水素が4個(1+1+1+1=4)合計28となります。 BACKTOP
 ポリエチレン1ccに含まれている水素の数を教えて下さい。
 水素の数=密度*28*アボガドロ定数*4です。 BACKTOP
 アボガドロ定数てなんですか。
 アボガドロの法則で6.02*10(-23乗)です。(1モル中に含まれる原子,分子,イオンなどの粒子数) BACKTOP
 アボガドロの法則ってなんですか
 1811年アボガドロが提唱した法則で同温度,同圧力,の基で同体積の気体は同数の分子を含むという法則です。 BACKTOP
 モルってなんですか。
 物質量を示す,国際単位。アボガドロ数と同数の構成要素からなる物質の量を1モルとするときめられています。 BACKTOP
 密度と水素が中に含まれている量は無関係だという方もおられますが。
 そうですね。密度が低いということは,側鎖といって枝分かれしている訳ですからその枝もポリエチレンですから,そうもいえます。 BACKTOP
 ほかの言い方はありませんか。
 言い替えますとポリエチレンの分子量が28ですから,ポリエチレン全体の4/28が水素だといえます。 BACKTOP
 水の中に含まれている水素の量はどうですか。
 水はH2Oですから水素(1+1=2)酸素が16ですから合計18になります。 BACKTOP
 そうしますと,水の中にふくまれている水素の割合は。
 水全体の2/18が水素といえます。 BACKTOP
 水とポリエチレンを比較しますと。
 水が18/2=9、ポリエチレンが4/28=7ですから水のほうがおおいといえます。 BACKTOP
 水素が多いとどんなところにつかえますか。
 原子力産業などで放射線の遮蔽には水素が多いことが大変有効です。水素の部分で中性子が減速するわけです。 BACKTOP
 エチレン「C2H4」ただ一個のときはどんな状態ですか。
 気体です。ポリエチレンの材料は全部気体です。それを重合させて製作しています。このエチレンをたくさん(高)つながったものがポリエチレンなのです。 BACKTOP
 ポリエチレンの分子が長いことは何とか理解できますがならばポリエチレンは一本の糸でできているのですか。
 そうではありません。分子の末端に「CH3の」メチル基が付いて一つの分子が構成されるのです。 BACKTOP
 CH3の数が多いか少ないかで枝分かれが多いか少ないかがわかることになりますが。
 そういうことになります。枝分かれの多いもの程結晶化度も小さく軟化点や引っ張り強度も小さいことが証明されています。 BACKTOP
 スーパーの買物袋などもポリエチレンだとか。
 延伸させて製造したフィルムです。ポリエチレン消費量の半分ぐらいがこうしたフィルムです。 BACKTOP
 純度99.99%の金という考え方がありますが。
 そういう考え方からしますと100%ポリエチレンといっていいのではないですか。 BACKTOP
 添加物などは入っていないのですか。
 安定剤などがはいっています。 BACKTOP
 それでは,100%ポリエチレンとはいえないのでは。
 それは,具体的な目的を持ったグレード(製品にたいしてです)。 BACKTOP
 分子量が一定ではないとか。ききましたが。
 分子量10万と呼ぶ製品は,分子量5万から20万ぐらいのものが混在しおよそ10万と呼んでいるわけです。 BACKTOP
 高分子と密度::理解しにくいのですが。
 高分子と密度は全く違う概念です。高分子とは分子の大きさ、密度とは1cm3あたりの密度です。 BACKTOP
 それでは密度と比重は同じになってしまいますが。
 はいそうです。 BACKTOP
 FRPってなんですか。
 英語の( )からとった名前です。二通り考え方があります。Fとは繊維状のものRは鉄筋コンクリートの様に強化したもの、Pとはプラスッチクのこと、つまりプラスチックをコンクリートと同様な考え方で強化したプラスチックのこと。日本には古来土の中に藁を混ぜて土壁を作ってきた伝統があります。これもFRPの考え方と同じです。コンクリート単体ですともろくて壊れやすいが中に鉄筋を入れることにより強固な固まりができあがるわけです。ただ単に複合化しただけのものですから局部的に叩いたりしますと、局所的に容易に壊れるわけです。これと同じようにFRPはエポキシやポリエステルの中にガラス繊維を混合させ強固な固体を形作っているわけですからやはり局部的にみますと脆いことに変わりはありません。エポキシやポリエステルといった主剤と硬化剤とを用いて制作されたものをFRPと呼ぶのが一つ目の考え方。プラスチックの中にガラス繊維のようなものを混合させればこれこそがFRPであると考えポリピロピレンにガラス繊維を混入させこれをFRPPとして上市しているメーカーもあります。 BACKTOP
 それでは他の樹脂でもFRP化は可能ではありませんか。
 そうです。例外を探すのが難しいくらいにその他の樹脂でも行っております。FR-PET、FR-PBT、FR-ABS、ウレタンや塩化ビニール(塩化ビニル)を強化したもの、たくさんあります。 BACKTOP
 ガラス繊維で強化をする、であれば、その他の材料でも可能なのではないのですか。
 その通り、たくさんあります。雲母、石の粉、などいろいろあります。中には檜の粉を混入させたものさえあります。ほんのり檜の香りのするプラスチックなんていいではないですか。でもこうなると元の目的のFRP化にあっているのかどうか。疑が残ることになりのではと思います。 BACKTOP
 ガラス繊維以外のものではどんなものがありますか。
 ガラス繊維以外のものでは炭素繊維が有名です。FRPにCを加えてC-FRPと呼んでおられる方もおられるくらいです。強靱な炭素繊維で補強しますと薄くて柔軟で強度の高い製品を得ることができます。それには母剤の樹脂の品種の選定(たとえばエポキシ樹脂の品種)が重要な要素となります。 BACKTOP
 FRP化させると他に利点が生まれますか。
 ガラス繊維で強化されたために耐熱温度の上昇がみられます。局所的には同じなのですが全体からみますとかなりの上昇がみられる場合があります。PBTでは60度の耐熱が200度を超えるまでに改善されます。こういった樹脂では未強化タイプといった言葉さえあります。 BACKTOP
 ステンレスの繊維などを混入させられませんか。
 なかなか難しい題です。ガラス繊維は容易に混入させ複合化できるのですが、成型機のノズル部分は通常2ミリから5ミリ程度の小さい穴しかあいていません。この間を通さなくてはならないのと混練するためにネジ状部分を通さなくてはなりません。ガラス繊維は容易に砕けてくれるのですが、金属は砕けずにこの部分で固まってしまいます。また金属と金属を擦れば“かじり”という題も生じます。ですが圧縮成型ではこの題は生じないためテフロンの中に銅を入れる、ときには60%も入れる。といったこともおこなわれています。フェノール樹脂の中に導線を放射状して成形し軸受けを作成している例もあります。この金属から摩擦したときの熱を逃がしてあげ、軸受けの温度上昇を防ごうと言うわけです。 BACKTOP
 その“かじり”って何ですか。
 金属と金属を滑らせますと“かじり”といってくっついてしまう現象があります。金属の軸受けはこれを防ぐために油を用いているわけです。鉛の固まりを包丁で刺身のように切り出します。そして、元々の状態になるように手と手を合わせて幸せよろしく貼ってみますと、かなりの怪力の持ち主でも剥がすことは不可能になります。つまり金属は金属どうしで仲良くなってしまう癖があるわけです。私ははプラスチック屋ですからこれくらいのところまで、そう、この油の部分をプラスチックに置き換えたものこれがプラスチックの軸受けというわけです。 BACKTOP
 じゃ、鉄でできた電車の車輪と、鉄でできたレールはどうしてくっつかないの。
 固さを変えてひっついてしまうことを防止しているわけです、金型を作るときもこういった可動部分では、焼きを入れたりして、固さの調整を行っております。ですがやはり介在する金属以外の物がないとひっついてしまうことが起きてしまいます。山道、箱根の登山鉄道では坂が多いためブレーキをかけなくてはならないので、水や砂を撒いてこれを防止している処置をとっているそうです。自分はプラスチック屋なので“そうです”としておきます。 BACKTOP
 御社から購入したベークライトの板に穴を明けけたいのですが、ドリルの先から煙がで抜け際がぼそっとなってしまい、うまくあけられないのですが。
 弊社に依頼するのが一番良い方法だと思いますが、どうしてもご自分で開けたいのであれば、ドリルのすくい角を零もしくはマイナスにしてあげ、ドリルの芯をごくわずか(100分の2位)狂わすとうまくあきます。10ミリのドリルはおよそ100分の5位外径が小さいのでちょうど10ミリの穴があくと言うわけです。 BACKTOP
 ベークライトの板を接着して厚い板にしたいのですが、うまく接着する方法を教えて
 2液のエポキシ系接着剤で接着するとよくつきます。瞬間接着剤でも着きますが衝撃に弱いので横方向からちょっと叩いてあげますと割れてしまいます。これを利用して加工するときの仮止めに使うくらいですから、2液型の接着剤はどろどろしていますので張り合わせのときちょっと腕がいります。接着剤がゆっくりと動くように圧力をかけるのがコツです。成功を祈ります。接着は中国語では粘結と言います、私はこの方が意味をよく表しているように思います。 BACKTOP
 アクリル樹脂を接着したいのですが何かいいものを教えて
 アクリルは溶剤に弱い、これを利用して接着するのがもっとも簡単です。具体的には塩化メチレン(エチレンクロライド)を極小の隙間(百分の5位)に流し込んでお互いの面が溶けて着くのを待ちます、結構きれいに着きます。 BACKTOP
 アクリルの板をくり抜こうとジグソーで切ったのですが溶けたようになってうまくいかないのですが。
 原因はジグソウで切るときに鋸とアクリル板が摩擦をして温度が上昇したためです。これを防ぐのにはアクリル板の上下にベニア板を挟んで一緒に切ればベニア板が温度の上昇を防いでくれ綺麗に切り抜けます。どうかおためしください。 BACKTOP
 ABS樹脂を張り合わせるのに隙間から塩化メチレンを流して接着できたとして出荷しましたら一部分しか着いてないと返品されました。どうして。
 ABS樹脂が塩化メチレンに簡単に溶けてしまうことに原因があると思われます。つまり溶けやすいために入り口のほんのわずかな部分で溶けてしまい内部まで塩化メチレンが中まで入っていかない、その為内部は溶けておらず強度的に題が生じたものと考えられます。解決するには塩化メチレンの作用をを遅くすればいいわけです、具体的にはABS樹脂を溶かし込んだ溶液を作りこれを用いる。塩化メチレンに酢酸(要するに酢)などを加え作用を調節する、といった事が考えられます。 BACKTOP
 サンプルを作るためにそのABSの板を合わせて接着して塗装をしたところ接着面に“線”が入ってかっこうわるいのですが。
 溶剤を使用して接着しますと溶けて接着した部分と溶剤が消滅してしまった部分があるわけです。端っこの部分はまさに溶剤の消滅部分なわけです。この溶剤がなくなった部分が“線”になって見えるわけです。塗装をする前にこの部分を処理してあげればいいことになります。この“線”部分に瞬間接着剤をそれこそ極、極、わずか塗ってあげますとこの”線”は塗装したときには見えなくなり、見栄えの向上が計れるというものです。お客さんにはこのあたりのことは内緒にしておきましょう。 BACKTOP
 ところで接着ってなんですか。
 話がでかすぎて私には答えられませんが、お話だけさせていただきます。ガラスの板を2枚用意します、そして片方のガラスの上に水を垂らします。そして、もう片方のガラス板をおきますと置いた方向から引っ張ってもなかなか離れるものではありません。これを接着と言えるのかどうか。接着剤が世に存在するのであれば物質と物質を接着してしまう万能の接着剤でなければなりません。と考えますと、接着剤は存在しないことになります。では販売されている沢山の接着剤はどうしてだとなりますが、何かの接着剤を考案したとして着くのかどうかは接着したらできた、だから、接着剤として販売できる。としか言えないのではないかと思います。接着剤メーカーの仕事はあれとあれはくっつくがあれとあれは着かないと、言っているだけではないのかと思います。ということは使用者である我々はこの試験の仕方を知ればよいと言うことになります。 BACKTOP
 我が大和民族も伝統的に接着剤を利用してきたと思われますが。
 子供の頃、現在のような格好のよい糊が販売されていたわけではないので、ご飯粒で(米を炊いてもの)で紙などを接着したものでした。山に行き漆をとりこれもやはり接着剤として利用しておりました。膠なんて言葉もありますね。それこそ太古の昔から接着剤はあったことになります。ですが、どうしてご飯粒が接着剤になるのか、まことに、不思議な話ではありませんか。利用はしてきた歴史はあるのですが、どうして、どうやって、着いているのか、証明がされているようなないような世界なのかもしれません。 BACKTOP
 どうしたら接着が成功しているのかわかりますか。
 接着剤を購入したらまず説明書を読んでおおよそのことを頭に入れます。接着メーカーでも先ほど言った理由からテストを繰り返しているはずだからです。次に実際の物につけてみます。そして実際の使用温度より何割か高い温度に急上昇させ、物がその温度になったことを確認してから、使用予想温度の何割か低い温度に急冷します。これを何回か繰り返しますと接着力の判定には非常に効果的です。 BACKTOP
 どうして加温、冷却を繰り返すのですか
 物には固有の熱膨張係数(線膨張や体積膨張)があります。二つの物質、接着剤を入れれば三つの物質がくっついているわけですから、温度の変化に対して膨張、収縮、この挙動は複雑怪奇になります。その結果、接着力に変化が表れることになります。 BACKTOP
 貴社から納入してもらった成形品を加温したのですが大きくなるどころか小さくなってしまいましたが。
 それは、すみませんでした。小さくなった、つまり加温したときに縮小したということは成形品の内部にひずみを持っていたためと考えられます。加温したことによって内部の分子が動きやすくなり、ひずんでいる部分を均一化させたために起きた現象です。このひずみがなくなってしまったあとでは理屈通りに加温すれば膨張するはずです。ある一定の温度に加温してひずみをとる。これを焼き鈍し。もしくはアニーリングと呼んでおり、プラスチックの安定化に効果的とされておりますが、これも設計段階のときに、吟味しておかないと後悔する事になります。 BACKTOP
 体積が膨張するとどうなるの。
 体積が膨張する、冬になって水が凍ると水道管を破裂させるだけの力を持っております。 昔中国で岩を破壊するのに岩に何らかの隙間を作りそこへ大豆を詰め込みこれに水分を充分与えてその体積膨張の力を利用したと聞いたことがあります。ですからこの力はかなり大きいとみておいた方がよいと思います。具体的な数字は私の専門を離れるので文献を参考にしてください。 BACKTOP
ゴムをパイプの中に入れて上から内径と同じ径にしてつぶしたのですが、なかなかつぶれてくれません。
 ゴムは自分の体積を小さくすることが得意というわけではなく、ただ、変形するのを得意なだけだと、考えてください。その為、変形させるためには、ゴムが変形できるように逃げ場所を作ってあげる必要があります。たとえばゴムの中を空にする。電車の乗降口の扉についているゴムは中が空になっているために圧力を受けたときに変形をして密閉できるわけです。もし、むくのゴム材を使用していたらあれほどきちんとドアを閉めることはできないでしょう。 BACKTOP
 ウレタンのパイプを鉄の丸棒につけてローラーにしたいのですが。
 ある程度の変芯を覚悟してそこそこの接着でいいという条件でお話します。まず芯金に両面テープを巻きます。そして、これに台所用洗剤を水で薄めて両面テープに塗ってあげますと両面テープがつるつるしますのでここへゴムのパイプをつっこみますとテープに着いたあらかたの水分は逃げてなくなりくっつけることができます。結構、強くつきますよ。 BACKTOP
 プラスチックは金属のように曲げたり、つまり板金(板プラなんて言っちゃって)はできないのですか。
 金属の分子はきれいに格子状に並んでいるために曲げてあげることは分子を滑らせることを意味します。力を加えて曲げたものは構造化され強度が向上していることを意味します。プラスチックでは曲げると分子のつながりが切れてしまい金属の板金のようなことは起こらないことになります。無理して曲げた結果として曲げた部分が白濁したり、割れたり、ヒビが入ったりすることになります。分子を動きやすくしてあげれば曲げることができるわけですから、熱を加えてあげればいいことになります。一般的にはこのような加工方法を採用することになります。ですがPET樹脂のように冷間で曲げられものもあります。(厚み5ミリぐらいまでは確認済み) BACKTOP
 2液硬化タイプのウレタンを攪拌したいのですが、なかなかうまくいきません。ビーカーの中で棒で混ぜるのですが、機械でやればいいとは思いますが。液体はマヨネーズ位の固さです。少量テスト的にしたいのです。
 私どもではそうしたときには、ポリ袋を使用しております。主剤と硬化剤を入れたままできるだけ空気の量をなくすようにして縛ってしまいます。そうして表からそれこそ浅漬けの元よろしく“もみもみ”するわけです。よく混ざります。そうして袋の端から押し出せば結構うまくいきます。 BACKTOP
 柔らかいプラスチックがあるとかで、ゴムとどう区別したらいいのか、わかりません。
 柔らかいプラスチック、たとえばポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーとそれはそれはにぎやかです。ゴムとどのように区別したらいいのかですが、ここで想定しているプラスチックは熱可塑性プラスチックですから、熱に対しての挙動を見ればいいことになります。プラスチックであれば加温してあげれば溶融します。ゴムであればこういった溶けるという現象は起きないわけですから簡単に区別できることになります。 BACKTOP
 最近の消しゴムはどうやら熱で溶けるようですが
 消しゴムとはゴムを使用した物質、それこそ消しゴムであればゴムでなければならないのですが、ほとんどの消しゴムは塩化ビニール(塩化ビニル)を主成分としております。ですから正確に言えば消し塩ビだと私は主張しておりますが、皆さん“塩ビ”ねと、感心するばかりで名前が変わる見込みは零に近いようです。因みに消しゴムは中国語では【像皮】と言います。 BACKTOP
 アクリル製のパイプがあるのですがこれに塩化ビニール(塩化ビニル)をつけたいのですが
 塩化ビニール(塩化ビニル)とアクリルの着ける面を加熱して溶融状態にしてあげ、“せいーの”って押してあげますとどういうわけかよくっつきます。これを利用して塩化ビニール(塩化ビニル)の溶接棒でアクリルパイプを溶接した例について紹介しましょう。制作した二股の回転混合機の例では使用してから10年になりますがお客さんの工場で元気に動いております。 BACKTOP
 テフロンはいろいろなものがひっつかない性質があるとか。980314hyuga
 テフロンを皮膜したフライパンは有名ですね、卵焼きを焼いてもこびりつかない、こうした特性でもっとも優れているのがテフロンと言われています。着きやすいかどうかの判定は物質の上に水滴を垂らしてあげればおおよそのことはわかります。着きにくいものは水滴が丸くなります。もし、何も着かないような材料を使用して船を制作しますととてつもない速度がでると思われます。 BACKTOP
 PTFEってテフロンのことですか。980312enndo
 テフロンは米国デュポンの商標です。PTFEは英語のポリテトラフルオロエチレンの略です。(日本では4フッカエチレンともよんでおります。) BACKTOP
 超高分子量ポリエチレン外形100の丸棒これはどんなグレードの材料を使ってますか。980316AKA
 現在日本には超高分子量ポリエチレンの原料つまりポリエチレン粉は日本国内では三井科学(ハイゼックスミリオン)、旭化成(サンファイン)、ヘキスト()の三社が製造、販売しております。このうちハイゼックスミリオンの240Mという品種を使用して作成されておりますのを私は確認をしております。 BACKTOP
 塩ビの銘板を使用しておりますがこの塩ビは難燃性はどうですか。980323SEKI
 塩化ビニール(塩化ビニル)には塩素というか塩素基を含むため燃焼したとき塩素ガスが発生します。ご存じのように燃焼が継続するためには酸素を供給し続ける必要があります。燃焼したときにガスが発生するとこのガスが酸素の供給を遮断する事になります。塩ビにライターの火で燃やすといった行動をとり続けない限り、燃え続けることはないと言うことになります。この状態を難燃と呼んでおります。この性質を利用してABS樹脂に塩ビを混ぜ難燃性を付加したと表現した品種も存在しております。 BACKTOP
FRPでかなり大きな漁船が運行しているとか。
 一時期300トンなんて大きな船をFRPで作成され運行をしておりました。ですが、遠洋にでたとき波のうねりが大きいと“みし”っ音がしたことがあり、乗組員の方たちがこの音を怖がるようになり現在では運行しておりません。この音はFRPとガラス繊維の剥離が原因なので乗組員の方たちの気持ちもよくわかります。ですから現在は20トン以下の小さな船しか作られていませんとのこと。930327KII BACKTOP

 アクリルについた傷を消すか、もしくは目立たなくできないものですか。

 まず、傷を消すということは傷のついた部分と周辺とが同じ高さになり色具合が同じになればいいと定義します。アクリルは削ることが容易でありなおかつ透明度が非常に高いため母材と同一にまで磨き上げることが可能です。よって、修復が可能です。具体的には擦って傷がついたような、そう、擦り傷程度であれば、傷の大きさにあわせてサンドペーパーのようなもので擦ってあげれば透明になります。研磨ですから粗めからはじめて細目にと何回か研磨してあげることが肝要です、そこで弊社ではこうしたときのためにファインセラミックスを丁寧に焼き上げた粉を用意しており、1000番を50CC、1500番を50CC2000番3000番を50CC、5000番を50CC、8000番を50CCを6種類を一組にして送料込み12000円にて販売しております。この粉を水で練り柔らかい布につけて擦ってあげますと磨くことができます。3000番を越えた粉で磨きますとそれこそピカピカの一年生といった感じになること請け合いです。この粉は硬いため金属をも磨くことが可能です。自宅にありますステンレス製のスプーンをこれで磨きますとそれこそピカピカ、テカテカになります。ここまでを要求されないときはバフ研磨する方法(つまり車の外装のツヤを出すときに使うあれです)もあります。ですがダレテしまったり摩擦熱で歪が残るために強度や対薬品性を要求されるときには注意が必要です。かなり傷が深いときにはアクリルそのものを埋めてあげる必要があります。980405SUZUK BACKTOP

トラブル

 今までにあったトラブルを教えて
 ポリエステルエラストマー 確認日 1998年02月25日 東洋紡のポリエステルエラストマー、ペルプレン、Sタイプを用い長いこと成形をしていました。(気がついたときには2年は経過していたが時間は特定はできず)ホッパー部分の塗装がまるで蜜柑の皮をむくようにきれいにはがれてしまった。パッキン部分は変形をしぶよぶよ状態になり、ホースの部分は軽く引っ張るとビローンと伸びてしまった。これはペルプレンから発するガスの影響である。Pタイプであれば影響度は極めて少ない BACKTOP
 プラスチックには塗装は可能ですか。
 お答えとしては塗装できるプラスチックがありますということになります。スチレン系のプラスッチック、スチロール、アクリル、ポリカボネートなどは市販のスプレーで可能です。焼き付け塗装は、母材の耐熱温度と相談して決めることになります。低い温度なら可能ということになります。ですが結晶性の樹脂、ポリアセタール、ポリアミドなどは難しい。ポリエチレン系の樹脂も困難です。ですが処理をすれば可能なプラスチックもあります。980406ARAKI BACKTOP
 ベークの板に焼き付け塗装はできますか。
 できます。ベークライトは熱硬化性樹脂なので加温しても溶けてしまうことはありませんが140度を超えてきますと内部から“ガス”がでて参り、ついにはお餅を焼いたときと同じように局部的に膨れて、ついにはぷすっと音がして破裂します。温度をさらに上昇させるとパンパンと賑やかになって参ります。そこでこのような状態にならない温度以下で焼き付け塗装を行う必要があります。 BACKTOP

 テフロンの成型品にM3雌ねじを立てたいのですがうまくいかないのですが
 タップで切ろうとしますと相手が柔らかいためにうまくいきません。M3ぐらいでしたらそれこそ使用されるねじそのものをタップと考えて注意深く立てますときちんと立てられます。ですが、ちょっと強く締めますと馬鹿になってしまいます。そこでこうしたときには弊社に用意してありますここのところをチョット、クリックしてください。『打ち込みねじ』を使用されることを強くおすすめします。これは下穴に真鍮製の『打ち込みねじ』を打ち込んでいただきますと、この中に切られたねじに使用されるねじを締め込みますとその力で内部に食い込んで雌ねじの役目をするものです。比較的柔らかい材質にはとても有効です。980407KAWA BACKTOP
 ジュラコンとデルリンは違うのですか。
 ジュラコン、デルリンとも商標です、他にはテナック、ユピタールなどがあります。ジュラコンはポリアセタールのコポリマー、デルリンはポリアセタールのホモポリマーです。見かけ上は自然色では白くよく似ています。ですが熱に対する挙動が違います。ジュラコンの丸棒を再生するのは単純に加熱すればいいのですがデルリンの丸棒は溶け方が違うために再生するのがちょっと難しい。またギヤを切ったときにバリがでるのですが、ポリアセタールのコポリマーの方がバリがつながって切れにくく、の方がぼろぼろと落ちやすい。そのためギヤを切るときはポリアセタールのホモポリマーの方が喜ばれます。成型品もやはり違いがみられます。成形の収縮率や、成形温度が違います。ですが、特殊な用途でない限りほとんど同じだと考えても差し支えありません。ただ違いがあることを忘れないでいただきたく思います。980408SIOTA BACKTOP
 導電性プラスチックって何ですか
 ほとんどのプラスチックは絶縁材料として有効です。ということは電気を通さない、つまり、導電性を持たないということになります。ですが、さびない、軽い、加工しやすい、といった特徴を持ったプラスチックに導電性を付加すればかなり有効な材料となることは明らかです。そうした目的で開発が進められております。現在上市されておるものが何種類かあり、そのほとんどが体積抵抗10の3乗オームぐらいです。980410kita BACKTOP
 制電性樹脂もあるとか。
 導電性樹脂とほぼ同じ考え方です。体積抵抗10の7乗オームぐらいのものを制電性と呼んでおります。このぐらいの抵抗ですと静電気が起きにくくなり帯電しにくくなります。ICなど静電気の帯電を嫌う場所にたくさん用いられております。某Tメーカーでは10の3乗以下を導電性と呼び10の7乗付近の値を制電性と呼んでおられます。980410kita BACKTOP
 導電性ってどうやって付加するの
 絶縁材料の抵抗値を下げてあげればいいわけですから、帯電しにくい材料すなわち金属の類を混ぜてあげれば実現できることになります。具体的には炭素の粉を混ぜますと下がります。ですから導電性のものは黒いものが多くなります。銅の繊維を混合して導電性を付加した材料も存在しております。こうしたものは抵抗値が10の1乗以下になり電気を通すことを容易に確認できます。980412kita BACKTOP
 MCナイロンとMOS2ナイロンはどこが違いますか。
 MCナイロンはモノマーキャスティングナイロンの略称と考える方と、某P社の商標だといわれる考え方があります。モノマー段階からいきなり鋳物のように固形化させたものがMCナイロンといわれるものです。MOS2ナイロンはナイロンの中にモリブデンを混合させたものです。利点としてはクリープ現象に強くなり、耐磨耗性の向上がみられます。980413TOKO BACKTOP
 そのクリープ現象って何ですか。
 プラスチックは粘弾性物質といわれております、弾性的な一面と、粘性な一面とを併せ持ております。ゴムに重量を加えてあげますと変形いたしますね。プラスチックも同じように変化いたします。このような変化の状態をクリープと呼んでおります。この状態を持続させますと、ちょうどパンクをしたタイヤで走行してるのと同様に動きは不安定になり、タイヤに至っては『ぼろぼろ』に切れてしまいます。こうしたクリープがありますとプラスチックは変形が復元できずに破壊してしまいます。軸受けを設計なさるときには特に注意する必要があります。 BACKTOP