銀河百科事典のトップへ
□アークトゥルス星区(Arcturus sector)
ト ランター銀河帝国の行政区。「アークトゥルス」は地球のある太陽系から約36光年離れた恒星で、銀河帝国時代にはこの恒星を中心にした「アークトゥルス星 区」が設定されている。ハリ=セルダンの故郷ヘリコンや、考古学者ラメットにより人類発祥地候補とされた遺跡のある「第3惑星」がここに含まれる。

□アーゴリッド寺院(Argolid Temple)
惑星アナクレオンの首都、王宮のすぐ近くにある寺院。「市長」で舞台となる。

□RB34号(RB−34)
「うそつき」の主役となったロボット「ハービィ」の正式名称。

□赤い回廊(Red Coriidor)
アナクレオン王国とスミルノ王国の間にある宙域。ここにある諸世界の支配をめぐって両国の紛争があった。
□アトミック・フレア(atomic flare)
原子力を利用した溶接用の道具。「われ思う、ゆえに・・・」でロボット組み立て時に使用されている。

□アトモ灯(Atomo bulbs)
原子力を用いた照明。「市長」のなかでレポルド1世の戴冠式に出てくるほか、サルヴァー=ハーディンがポケット・アトモ灯を取り出す場面がある。

□アナクレオン(Anacreon)
 銀河系周縁部にある惑星、およびその惑星を首都とする王国。
 惑星アナクレオンはアナクレオン太守管区に属し、その太守宮殿が置かれていた。「ニャック鳥」という特殊な生物が生息し、歴代のトランター銀河帝国皇帝もしばしばここにハンティングに訪れたという。
 銀河帝国の衰退と共に独立傾向を強め、ファウンデーション紀元50年に太守が公然と反乱をおこし、国王を称して独立王国となった。「心理歴史学者」によるとその反乱も「ファウンデーション」の心理歴史学者による扇動を受けてのものだったらしい。このアナクレオン独立により「第一ファウンデーション」の置かれたターミナスはトランター銀河帝国や周辺の交易世界との連絡を途絶させられることになった(このいきさつは「百科事典編纂者」で語られる)。
  独立直後にやはり近隣で独立王国を形成したスミルノと交戦した。ターミナスの占領も狙って軍隊を出したが、ターミナス市長サルヴァー=ハーディンの巧みな 外交戦術に撤退を余儀なくされ、スミルノとも休戦した。その後はファウンデーションの技術支援のもとで発展を遂げ、帝国時代より少ないとはいえ190億以上の人口を抱えた。
 建国者の初代国王はファウンデーション紀元78年に死去したが、その嫡男は狩猟中に不審死を遂げており、孫のレポルド が第二代国王となった。このときレオポルドの叔父の摂政ウェニスはターミナスの征服をはかったが、科学技術を「宗 教」の彩りを添えて資源としたターミナスにいつの間にか精神的主導権を奪われており、ファウンデーション紀元80年にサルヴァー=ハーディンの活躍により屈服させられた。その後数十年以内にファウンデーションの属領とされたとみられる。

□アナクレオン星区(Anacreon Sector)
トランター銀河帝国の行政区の一つ。アナクレオン太守管区をその内部に含む。

□アナクレオン太守管区(Province of Anacreon)
ト ランター帝国、アナクレオン星区のうちの太守管区の一つ。25の星系を含み、そのうち6つの星系が一つ以上の居住可能惑星をもつ。太守宮殿は惑星アナクレ オンにあり、銀河系の周縁世界の中ではもっとも豊かな地区であり、歴代皇帝もアナクレオン太守宮殿を訪問したという。トランター銀河帝国の衰退がはじまる とアナクレオン、スミルノといった「四つの王国」が成立した。
□アルファ・ケンタウリ(Alpha Centauri)
「ケ ンタウルス座のアルファ星」のこと。地球のある太陽系からおよそ4光年という近さにある。「百科事典編纂者」のなかで人類発生地候補地の一つに挙げられて いる。銀河帝国時代は地球の存在すら忘れているはずだが地球から見た星座に基づく恒星の名前はそのまま残っているらしい。

□アルフレッド=ラニング(Alfred Lanning)
USロボット社の工場所長。どうやら数学の博士であるらしい。「うそつき」中で部下のピーター=ボガートには「行列力学に固執している」と批判されている。この段階で70歳になり、すでに30年は所長を務めているという。「逃避」で再登場しこの時点で「75歳を越えている」とあるので1954年以前の生まれであることが判明する。「災厄のとき」の頃にはすでに亡くなっていたようだ。
□アルマデン水銀鉱山(The mercury mines at Almaden)
21世紀の世界連邦のヨーロッパ地区内にある鉱山。コンソリデーテッド・シナバー社の管理下にある。「災厄のとき」では生産の下降が報告されている。

□アンセルム=オー=ロドリック(Anselm haut Rodric)
アナクレオン副太守。「オー」は貴族称号(ドイツ語のフォン、イタリア語の「ドン」などに相当するか)。アナクレオンの近隣で独立王国を建設したスミルノとの戦争で武勲をあげたらしい。

□イェイト=フラム(Yate Fulham)
「百科事典編纂者」に登場する百科事典委員会理事。自然科学者。「獰猛な感じの赤い口髭」をもつ。

□ヴィジフォン(visiphone)
映像つきの電話。公衆ヴィジフォンもあり、「市長」で利用する場面がある。

□ヴィジ放送(visicaster)
TV放送のようなものと思われる。「市長」でターミナスのニュースがこれで放送されていた。
□ヴィジボックス(visivox)
どういうものなのか詳細は不明であるが、どうやら映画のより進化した形であるらしい。立体映像か何かで臨場感のある見せ物かと思われる。「ロビイ」の中でグローリアが父親に連れられて「ヴィジボックスのショー」を見物に行っており、上映されていたのは月を舞台にヒョウ人間が登場する冒険活劇だった。
□ヴィンセント=シルヴァー(Vincent Silver)
「災厄のとき」で言及される、USロボット社の研究所長。前任のピーター=ボガードが亡くなり、後任にスーザン=キャルビン博士が推されたが、彼女が断ったため、若手の研究者だったシルヴァーが研究所長となった。

□ヴェガ(Vega)
地球のある太陽系から約25光年の距離にある恒星。トランター銀河帝国にはここを中心に一つの星区をなしていたとみられる。「百科事典編纂者」でターミナスの交易先に名が挙がっており、ここのタバコが名物らしい。

□ヴェガタバコ(Vegan tabacco)
ヴェガ産のタバコで上等品とみられる。「百科事典編纂者」でサルヴァー=ハーディンが葉巻にして愛用している。

□ウェニス(Wienis)
ア ナクレオン王国初代王の息子で二代目国王レポルドの叔父。カギ鼻で右目が斜視。かなりの野心家で兄の不審な死や父王の死までも彼の策謀と疑われており、甥 のレオポルドが即位するとその摂政として権勢をふるい、一説にその命までも狙ったとされる。ターミナス市長サルヴァー=ハーディンを敵視し、「第一ファウ ンデーション」の占領を画策する。二人の息子がいる。

□ウェニス号(the Wienis)
惑 星アナクレオンの宇宙軍旗艦となる巨大巡洋戦艦。もともと銀河帝国軍のもので「宇宙船と太陽」の紋章がある。三世紀以上漂流していたところをアナクレオン 商船に拾われ、第一ファウンデーションで修理の後「ウェニス号」と改名されてアナクレオン宇宙軍に引き渡された。その容積はアナクレオン宇宙艦隊全体の 1.5倍という巨大なもので、惑星一個吹き飛ばすだけの原子砲を持つ。

□宇宙船と太陽(Spaceship-and-Sun)
トランター銀河帝国のシンボルとなる紋章。銀河帝国の宇宙船には必ずこの紋章がある。
□「宇宙の恋」("Love in Space")
「うそつき」でスーザン=キャルヴィンがロボット「ハービィ」に読ませた本。タイトルからして恋愛小説と思われる。

□宇宙ヨット(space-yacht)
詳細不明だが、手軽に仕える小型宇宙船らしい。「心理歴史学者」で言及がある。
□ウルトラウェーブ(ultrawave)
詳細は不明だが、電波よりも強力かつ高速な情報伝達手段らしい。「堂々めぐり」において最初の言及があり、「装置の据え付けに二、三週間かかる」と言われている。
銀河帝国時代にも利用されていることが「百科事典編纂者」から分かる。同時期にある「ハイパーヴィデオ」との違いはあちらが映像放送であるのに対し、こちらは電報のようなものではないかとみられる。

□ウルトラウェーブ・リレー(ultrawave relay)
ウルトラウェーブに乗せて何光年先もの場所にあるものをほぼリアルタイムで遠隔操作する機器。「市長」でサルヴァー=ハーディンがアナクレオンの宇宙戦艦を機能停止させるのに使っている。

□エア・スピード・スター(air speed ster)
空中を高速で飛ぶ一人乗りの乗り物らしい。「市長」のなかでアナクレオンの名物ニャック鳥狩りで使われている。
□エイブ=レヴァ(Abe Levver)
「逃避」に登場するUSロボット社の社員。
□エネルギービーム(energy beam)
21世紀の都市で、公共施設の多くにエネルギーを供給するビーム。「災厄のとき」では世界統監私室内の暖炉の火はこれによって点火されている。
□エーテル物理学(etheric phisicist)
恒星間飛行を研究する物理学。「迷子のロボット」で超原子力エンジンの開発にはエーテル物理学者が携わっている。彼らはその研究のためにNS2モデルのような第一条を緩和したロボットを望んだ。
□NS2モデル(NS-2model)
「迷子のロボット」に登場するハイパー基地専用のロボット。愛称はネスター。一体につき3万 ドルの製作費がかかるという。研究所では研究員が少量のガンマ線にさらされて働く必要があるため、彼らの初期タイプは人間を邪魔しないよう第一条が緩和さ れアクティブな部分だけを保持した陽電子頭脳を持っている。またこの電子頭脳はガンマ線を数秒放射されると破壊されてしまう。
□エネルギー転換器(Energy Converter)
「われ思う、ゆえに・・・」の舞台となったソーラーステーションの中心的装置。太陽から受けたエネルギーをビームに変換して地球などの惑星に送っている。ロボット「キューティー」は、この装置を自分の創造主として崇めた。
□MCモデル(MC model)
USロボット社製作のロボットの一形式。「われ思う、ゆえに・・・」の中で、反乱を起こしたロボット「キューティー」を説得するためにドノバンとパウエルが地球から持参した部品でこれを組み立てている。
□Lチューブ(L-tube)
「われ思う、ゆえに・・・」のステーションにあるエネルギー変換装置の一部分。マイケル=ドノバンがこれに唾を吐きかけたところ、ロボット「キューティー」は「神聖を汚した」と怒り、彼らを拘束した。

□エンタン朝(Entun Dynasty)
トランター銀河帝国の皇帝の家系。帝国末期の皇帝クレオン1世が暗殺されたことで断絶した。「心理歴史学者」によるとエンタン朝の皇帝たちは政治にも積極的で市民の聴聞も行っていたらしい。
□オバーマン(Obermann)
「うそつき」で登場する技術者ミルトン=アッシュの台詞中に登場する人物。アッシュと同じUSロボット社に務める技術者らしい。
□オビジャシ(Obijasi)
銀河帝国時代の考古学者。「百科事典編纂者」で言及がある。