米菜クラブ平成15年3月の授業より(抜粋)

【献立】


(1)春の刺身盛り (帆立貝等を中心に早春の刺身を盛り合わせてみました)

帆立貝等を中心に
 早春の刺身を
  盛り合わせてみました
材料 帆立貝、真鯛等の白身魚、鮪、その他入荷次第で変わる、大根、大葉、飾り芽物、昆布、海苔、山葵
調味 濃口醤油、酢、塩、
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要点 @帆立貝は表面の汚れを水洗いして殻から外し貝柱を取り出す。Aひもは包丁を横滑りして汚れを取り除き 薄塩でもみ洗いする。B貝舌は軽く霜を降り冷水で冷やす。C真鯛は鱗を外し三枚におろしさくにしてから 薄塩を当て、晒を当てて湯をかけ松皮に作る。D鮪は拍子木切りにして霜降りにし冷ましてから海苔を巻く。 各々適宜に切り揃え大根のつまと大葉の上に天地人の三点に盛り化粧小物で飾り、おろし山葵などを添える。
<参考>
この時期の海は毎日のように風向きが変わり、突風が吹くので漁が大変難しく、河岸に水揚げされる量の差も 大変異なるので、種類や値段が毎日のように変わります。食べ物を商売にしている人にはやりにくい時期です。
と言うわけで、今回は帆立貝、真鯛、鮪、が運良く手に入りました。予備に仕入れて置いた生ウニやイクラ、 赤蝦(アルゼンチン蝦)等も取り合わせてみました。この他の候補として、真鰯、馬刀貝、初鰹などがありました。教室では 前盛りに使う山葵入れの櫻花や大根の葉を使った唐草などの作り方などを学びました。


(2)芥子蓮根磯辺巻き(熊本の名物、芥子蓮根をゴージャスに仕上げました)

熊本の名物、芥子蓮根を
    ゴージャスに仕上げました
材料 蓮根、鶏と豚挽肉、にら、鶏卵、青海苔、芥子、鶏卵、小麦粉、サラダ油、萱(かいしき)
調味 酒、味噌、塩、砂糖
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要点 @韮は水洗いし水気を切ってみじんに刻む。A鶏と豚は少量の酒を加えて合い挽きにし、韮・鶏卵・砂糖・味噌と混ぜる。B蓮の皮を金束子などで荒削りし薄い酢水に浸ける。C微量の酢が入った湯で蓮を5分ほど茹で冷めるまで放置する。D味噌 ・砂糖を合わせ火にかけ冷ましてから練り芥子と合わせる。E蓮の表面の水分を取りDを穴に詰めてから小麦粉をまぶしAを薄く延ばしながら全体に塗りラップして均等に延ばす。Fラップを外し小麦粉まぶして少し置き、表面に水分が出てきたら、全面に青海苔をかけてサラダ油で揚げる。油の温度は天ぷらより少し低めにして入れ、2〜3分したら油温を上げて表面をカラッとするようにあげる。G5分位で油から上げ、余熱が取れたら切り揃えて盛る。
<参考>
蓮(別名:芙蓉・藕・荷)の花は不思議がいっぱいあります。夜明けとともに日が昇る事を知らせるようにポンという音を発して開花し、やがて日が沈む 事を伝えるかのように日が少し傾く3時頃花を静かに閉じます。これを3回繰り返し散って行きます。さらに、花が咲いた時その下の花托には既に実が 成っているのです。このように蓮には他に無い不思議なところが多い点から経典の妙法蓮華経に例えられているのだという説もあります。現在では蓮の 花は両性であることが解明されていますから、特例ではあっても不思議ではないのですが、昔は受精も無く結実した蓮を神秘的に感じたのでしょう。 

♪ひ〜らいた、ひらいた、なんの花がひ〜らいた、レンゲの花が開いた、開いたと思ったら、いつの間にかつぼ〜んだ♪
昔から江戸を中心に歌い次がれてきた童歌の『ひらいた、ひらいた』に出てくるレンゲは『蓮華』つまり蓮の花のことです。野や田に咲く蓮華草は漢名 で紫雲英と書き豆科の2年草でその昔中国から伝来してきました。栄養価も高く食用にもなりますが、一般には農閑期に田圃の肥料を目的に植えられて きました。最近は化学肥料が多く使われるようになったためか、田に咲く蓮華草はあまり見ることができなくなり、土手や空き地で野生種を見るくらい に少なくなってきています。

蓮は食用としてだけでなく、仏教に限らず他の宗教などにも深く関わってきた植物です。
インドでは紀元前3千年もの古い時代から、神がハスから誕生したという神話があり、聖なる花、吉祥の象徴とされ、種が多いので、多産や生命力を創 り出す象徴、神秘のシンボルにもなっています。
仏像が座っている台座は蓮台と言って蓮華が開いた状態を象ったもので、蓮華は釈迦の誕生を告げ花が開いたという言い伝えから来ています。蓮の花は泥 のように濁った蓮池からスマートに立ち上がって美しい花を咲かせます。水面はさながら地獄と極楽の境い目、といったところでしょうか。その姿がいか にも仏様の御座(おわ)す極楽の雲のようなところが神聖さを一層増しているかのようです。お釈迦様は生まれた直後に歩いた、といわれています。その足 跡に咲いたのも蓮の花です。

中国や日本でも仏教でいう極楽浄土とは蓮池のこととされていたので、寺院では境内に競って蓮池を作ったそうです。
日本各地の城のお堀には、よく蓮が植えられていますが、城の場合は現実的で非常食の目的であったと言われています。
日本では特に花托(かたく)が蜂の巣に似ていることから、「はちす」と呼ばれていました。(平成11年1月号・平成7年11月号参照)
「古事記」にも「波知須」の記載があります。蓮の花は万葉集や源氏物語でもお馴染みです。出家した女三の宮に光源氏が「同じ蓮の台(うてな)に…」と言ったらすげなく断られてしまったという下りがあります。たとえ仏になってもアンタとなんか一緒に同じ蓮には坐りたくはないわね、と肘鉄を喰らわされてしまうと言う、男にとっては情けない話ですね。


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