- 旬
スズキはブリやボラと同じように、幼魚から成魚までの間に何回か名を変え、出世魚として喜ばれる。背は青黒く、全体に銀白色
に輝き、形はあくまでもスマートな流線形である。また、精悍な顔付きで第一背鱗の棘はピンと立っている姿は「鯛に
次ぐ美魚」である。背白身魚の代表格として、冬のヒラメ、春のマダイ、夏のスズキが誉れ高い。冬のハラブトも脂が乗
って美味とも言われる。特に東より西で人気が高く、関東からも関西市場送りとなっている。
釣り上げし すずきの巨口 玉を吐く : 蕪村
- 命名
『本朝食鑑』によれば、「黒い色を盧という。この魚は白い生地に黒い章がついているので、魚偏に盧とかいて鱸となった。」また
『日本釈名』には「その身白くて‘すすぎたる'ように清げなる魚なり」と記されている。この「すすぎ」が「すずき」に
なったとの説。また『大言海』ではスズキが直進するように泳ぐことから「進く進くの意。‘進き'の意か」と書かれてい
る。
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地方名 |
デキ(東京) |
体長20pほどの幼魚をいう。「デキ」は男の子に対する罵言。 |
ハネ(各地) |
若魚期の終わりの頃のものをいう。 |
マダカ(浜名湖) |
フッコを越えてスズキにあと一歩の魚をいう。 |
チュウハン(山陰) |
若魚の呼名、「中半」の意。 |
アンサン(山陰) |
方言で「アンサン」兄弟・若衆の意で若魚をいう。 |
ニュウドウ(北陸) |
「入道」の意で坊主頭の化物に老大魚をたとえていう。 |
ハクウ(北九州) |
スズキの幼魚の呼名「白魚」の意か。 |
英名 Sea
bass & Sea perch |
出世魚 |
ヒカリゴ |
5cm前後 体が銀色に光って見える。 |
コッパ |
当歳魚 小葉と書く。 |
セイゴ |
2年魚 25cm前後。 |
フッコ |
2〜3年魚 30〜40cm 関西では『ハネ』 |
スズキ |
4年魚 60〜70cm 1mにもなるものもある。 |
ハラブト |
冬の産卵期を向かえた大物、腹太。 |
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