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真夜中の脳みそ

詩集「半熟卵」(Update:2001. 9.16.)

コラム「午前3時の天気予報」(Update:2004. 8.21.)

AIBO日記(Update:2003.11. 3.)

アルバム(Update:2003.1.31.)

「紺野」とは?(Update:2004. 8.21.)

Links(Update:2002.10.20.)

更新ログ(Update:2004. 8.21.)

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1999年


目次

 

虚影

 疲弊することが目的で
 焦燥と強迫観念に駆られ
 繋がれることで自由を選択した
 足どり

 朦朧とした意識の中で
 循環するAmのデジタルビート
 ディラン効果を恨めしく思う
 混濁

 歩みを止めることで
 感覚を閉ざすことで
 姿容を脱ぎ捨てることで
 楽になるというのか

 我を照らすもの
 何処までも青く蒼い月

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閉塞

 台所に1本文化包丁
 時々指を切って痛い目にあう
 使いようによっては凶器になる
 なんて思いながらではキャベツの千切りは難しい

 電化製品のある快適な生活
 発電効率だけで原子力を選択した
 核エネルギー利用の発端は兵器だった
 なんて思いながらではエアコンは使えない

 畜産には大量の穀物が必要
 生産効率と食欲を満たすために遺伝子を組み替える
 穀物を買えずに飢えている人は8億人もいる
 なんて思いながらではステーキは全然おいしくない

 自動車に船に飛行機などなど
 交通事故は非日常の出来事
 化石燃料は有限で環境だって破壊する
 なんて思いながらでは海外旅行は楽しめない

 蛇口をひねれば水が出る
 断水しては怒り汚れていれば怒る
 水がないばかりに学校が建たない国もある
 なんて思いながらでは毎日お風呂に入れない

 何処へ行っても商品で溢れている
 古い壊れた要らないから廃棄する
 有害廃棄物による汚染は社会的弱者が背負う
 なんて思いながらでは特売品を見つけても嬉しくない

 豊かな暮らしは意外と窮屈だ
 現実はいつもネットワークの向こう側

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日常

 灰色のホームから
 通過列車に向かって一歩踏み出す
 1億J(1.)以上の運動エネルギーをもった鉄の塊が相手では
 ただの生身の人間はまるで爆発したかのように
 構成していた全てを解放する
 警笛と非常ブレーキの作動音と悲鳴を残して

 非情な物理法則は精神だけを昇華させ
 それ以外は現実への呪縛を再認識させる
 混乱、錯綜、怒号、諦観
 しかしそれもつかの間の異常事態
 数時間後には完全に常態を取り戻す
 記憶に残ることもない
 たった一人の自己の解放ともたらされる多大な損害
 他が消失したままの交換劇

 ならば
 何故、何の為に
 行為そのものが正当化されない道を選んだのか
 後悔する間もない一瞬の出来事

 頭の中で何度でもイメージする
 決して踏み出せない一歩の代わりに

 自分を傷めつけることで癒される
 内省的に自分を傷め続ける
 体験として焼きつけていく
 止めることができない

 繰り返す
 日常

 

  1. J.....ジュール(エネルギーの単位)
 

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Black Out

 スローモーションを見ているかの様に
 あらゆるものが遅く感じる
 こう思っていることでさえ
 一瞬であるはずなのに

 呼吸や鼓動が
 やけに激しく感じる
 既に音は
 静かの彼方へ

 思い出しかけている
 失くしかけている
 薄れていく意識が
 限界の加速度を超えて

 眼前に在る全てが
 落ちていく

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紫色

 外は雨
 雨降る夜は
 伝い流れて
 いずれ朝と巡り会う

 気高き花
 暗がりでさえも
 気品に満ちて
 濡れながら明日を待つ

 静けさは
 偽りよりも
 ずっと長く
 舌に残る苦味の様に

 洗い流せよ
 消えてなくなる前に

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陽光

 河の流れは
 旋律の様
 緩やかに清く
 力強さを秘めながら

 その流れを止めるかの様
 時間すらも止めて
 その花は静かに
 包まれている

 その名を問うても
 答えない
 必要としていないのか
 咲き誇る姿さえあればよいのか

 気高く気品に満ちて
 輝いている

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再生の森

 答えなどは始めから
 形すらも見えなくて
 薫る風に流されて
 過ぎる季節の様に

 彷徨い(1.)惑い流離い(2.)
 もがき足掻き(3.)疲れて
 緑に滲む涙は
 現在という時間を止める

 いつまでも何かに
 追いたてられ続けている
 いつだって何かを
 残す為に生き続けている

 両手が届く範囲で全て
 両手が掴むもので全て
 両手でできる事が全て
 両手で表す言葉が全て

 

  1. 彷徨い.....さまよい
  2. 流離い.....さすらい
  3. 足掻き.....あがき

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B-Life

 歩み続ける道なき道
 標もなく手がかりもなく
 荒野の様な砂漠の様な
 ただそこに広がる空間

 照りつける日差しに眩らみ
 吹き荒ぶ風雨に耐え
 理由を捨て必然性を捨て
 進むことだけに意味を見出し

 喜びにわきかえるときも
 涙のしずくを零すときも
 瞳に映る世界すべて
 ただそこにいつまでも

 共に生きるこのときを
 未来への片道切符を手にして

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朝焼け

 空が空であるために
 数多の芽を捨て
 生き続けることの痛み抱え
 遠くを目指し

 進歩すること
 現在(1.)を創ること

  1. 現在...いま

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人形

 静かに澄む瞳に
 梅の香を漂わせ
 微笑の無表情のまま
 祈り願う小さくか細い叫び

 悲しみ色の衣服は
 光沢の跡だけ残し
 動きを止めた時間のまま
 踊り舞う封緘された心の中で

 深く瞑き(1.)夜は
 想いを呼び覚まし
 全てを解き放つ
 眠りの中に

 それは何を見ているのか
 それは何を感じているのか

  1. 瞑き...くらき

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 雪
 輝
 風
 舞

 儚
 姿
 白
 瞬

 遠
 春
 待
 眠

 願
 喜
 恵
 賜

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