無重力 小・中学生の皆さんへ 

質量と重さ
物の量を質量といいます。質量の単位はg(グラム)やKg(キログラム)などを使います。
私たちのまわりの物には地球の引力(重力)がはたらくので重さがあります。重さの単位はg重(グラムジュウ)、Kg重(キログラムジュウ)を使います。(*1)
地球表面の重力は場所による差が少ないので(*2)、質量と重さは気にしないで使っています。しかし月の表面へ行くと月の重力は地球の重力の6分の1くらいです。
質量が30Kgの人は地球上では重さが30Kg重ですが、質量が同じ30Kgの人が月面では重さが約5Kg重になります。
このように質量は同じであっても、はたらく重力が変わると重さが変わります。質量と重さの違いは分かりましたか。

若田光一さんが滞在している国際宇宙ステーションのような人工衛星は地球の重力がはたらいていますが、円運動するための向心力(*3)に使われていますので力は0です。(地球の重力=人工衛星の遠心力という説明もあります。)
少しむずかしいですね。人工衛星は地球へ落ちてこないし、宇宙のどこかへ飛んで行くこともないので、力がはたらいていないと考えることが出来ます。
力が働かない無重力では物の重さが0ですが、次の事柄を考えてみよう。

@ビンに入ったジュースをコップへ注ぐことが出来るでしょうか。
Aビニール袋に入ったチャーハンをスプーンで食べることが出来るでしょうか。
Bフォークやはしは使えるでしょうか。
Cお餅にキナコをつけて食べることは出来るでしょうか。
D散髪はどうするでしょうか。
E鳥やトンボは飛ぶことが出来るでしょうか。

考える参考に

*1 重量g,重量Kgと表現する教科書もあります。N(ニュートン)という単位も使います。力Fと質量mと加速度aの間には F=ma の関係があり、質量1Kgの物体に9.8N(ニートン)の力を加えると9.8m/s²の加速度が生じます。

*2 地球が楕円体で赤道半径が極半径より大きい、また自転しているため、赤道で遠心力が大きいなどで重力は極で大きく赤道で小さい。その他にも場所による小さな違いがあります。

*3 飛ばしても危険がない消しゴムに糸を付けて円運動させてみよう。
糸を放すと消しゴムは飛んでいってしまいますね。
円運動させるには手に持つ糸を引いていなければなりませんね。この中心の方向へ引く力を向心力といいます。
地球を回る人工衛星や月の向心力は地球の引力(重力)です。

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