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 『泉鏡花自筆年譜』 泉鏡花を読む

 明治九年四月、年四つの時、父母に伴はれ、土地の向山に遊び、はじめて城の天守を望み、殆ど町の全景を覧る。山中の蕎麦屋にて、もり三杯を服し、往復を歩きて、健脚健啖を、しばしば一つ話にさる。健啖は知らず、その後五里以上の道を歩行し得たる覚えなし、嘲笑すべき男の足弱なり。
 明治十三年四月、町より浅野川を隔てたる、東馬場、養成小学校に入学。これより先、に草双紙の絵解を、町内のうつくしき娘たちに、口碑、伝説を聞くこと多し。

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