カンタータ・データ 2003
BCJのコンサートに登場するカンタータについてのデータ
をお届けします!
コンサートに向けての“予習”などにお役立て下さい!
 

 2003年度BCJ定期公演は、ライプツィヒ第2年巻のコラールカンタータの名作の数々を味わいます!
 このHPにおいでいただいている皆様の中には、BCJの定期公演で取り上げられるカンタータについて“予習”されている方もいらっしゃることと思います。私も、毎回できるだけ個々のカンタータになじんでから演奏会に伺うようにしています。と申しますのは、何も知らずに初めて聴いてもバッハのカンタータはそれぞれの美しさがあり楽しく聴くことができるのですが、やはり「言葉と音楽の結びつき」が大きな意味を持つカンタータ演奏では、内容への理解の度合いが演奏を通して得られるものの大きさに深く関わっていると思うからです。まして、その「言葉と音楽の結びつき」にこだわって取り組んでいるBCJの演奏ですから、なおさら事前にできるだけ曲の世界に親しんでから実演に接したいものです。
 そこで、限られた情報ではありますが、今年度のBCJ定期で取り上げられるカンタータに関する基本データを、順次このコーナーで紹介していこうと思います。これらのデータをもとに『聖書』を参照していただく(次回に取り上げられるカンタータのデータから当該聖句へのリンクを設けるようにします)などしてコンサートを迎え、当日入手できるプログラムと合わせ、より深いBCJ体験を持っていただけましたら幸いです。 (04/03/21更新) 

次回に取り上げられるカンタータ・データ中の「礼拝での聖句」欄の書簡、福音書名をクリックすると、当該の聖句を読むことができます
カンタータの基礎知識についてはこちら(「カンタータの源を求めて」)をご覧下さい!

*参考文献・・・『バッハ事典』(礒山雅/小林義武/鳴海史生編:東京書籍刊:1996)
          『バッハ全集』第1巻〜5巻(『バッハ全集』編集部:小学館刊:1995〜99)
          『トン・コープマン/バッハ・カンタータ全集CD』解説(C.ヴォルフ[訳:鳴海史生]、野中裕)


 


 《主キリスト、神の独り子》 BWV96  
 
初演 1724年 10月 8日、ライプツィヒ                       
用途 三位一体節後第18曜日 
礼拝での
   聖句
書簡  :第1コリント 1,4-9
福音書:マタイ 22,34-46(イエスとパリサイ人の問答 ) 
歌詞 作者不詳
(引用:全曲にわたってE.クロイツィガーのコラール「主キリスト、神の独り子」(1524)より)
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:ホルン(トロンボーン)、フルート・トラヴェルソ、フルート・ピッコロ(ヴィオリーノ・ピッコロ)、オーボエ2、
    ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約20分 (リリング:20分、リヒター:20分、アーノンクール:20分、リューシンク:18分、コープマン:17分) 
構成 第1曲:コラール合唱
     (合唱、ホルン、フルート・トラヴェルソ、フルート・ピッコロ、オーボエ2、弦楽[VnI,II,Vla]、
      通奏低音[all:Org,Cem(大塚),Vc,Cb,Fg])
第2曲:レチタティーヴォ(アルト、通奏低音[Org,Cem(鈴木),Vc])
第3曲:アリア(テノール、フルート・トラヴェルソ、通奏低音[Org,Cem(鈴木),Vc])
第4曲:レチタティーヴォ(ソプラノ、通奏低音[Org,Cem(大塚),Vc])
第5曲:アリア(バス、オーボエ2、通奏低音[all])
第6曲:コラール
     (合唱、[フルート・トラヴェルソ、フルート・ピッコロ]、ホルン、オーボエ2、弦楽、通奏低音[all])      
備考
E.クロイツィガーの同名コラールに基づくコラール・カンタータ。キリストは誰の子なのか、という福音書章句の問答をふまえた台本。「神の独り子」キリストの降誕が「神の愛」に帰されることによって、聖句の2つの問答をつなぐ絆が明らかにされる。
フルート・ピッコロ(ソプラニーノ・リコーダー)のパートは、再演(1734年)の際にヴィオリーノ・ピッコロに、また、冒頭合唱でアルトのコラール定旋律を補強するホルンは、晩年の再演(1747年)でトロンボーンに置き換えられた。
各曲の通奏低音の構成のデータは神戸公演時のもの。(03/06/14追記)
BWV96の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


 《新たに生まれし嬰児》 BWV122  
 
初演 1724年 12月31日、ライプツィヒ 
用途 降誕節後第1日曜日
礼拝での
   聖句
書簡  :ガラテヤ 4,1-7
福音書:ルカ 2,33-40 (シメオンとアンナによる、イエスの将来の預言)     
歌詞 作者不詳 
(引用:全曲にわたってC.シュネーガスのコラール「新たに生まれし嬰児」(1597)より) 
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:リコーダー3、オーボエ2、オーボエ・ダ・カッチャ
    ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約15分
(グリッシュカート:16分、ロッチュ:15分、リリング:14分、アーノンクール:14分、リューシンク:14分、コープマン:14分) 
構成 第1曲:コラール合唱
     (合唱、オーボエ2、オーボエ・ダ・カッチャ、弦楽[VnI,II,Vla]、通奏低音[all:Org,Vc,Cb,Fg])
第2曲:アリア(バス、通奏低音[all])
第3曲:レチタティーヴォ(ソプラノ、リコーダー3、通奏低音[Org,Vc,Cb])
第4曲:三重唱(ソプラノ/テノール+アルト[コラール]、通奏低音[Org,Vc,Cb])
第5曲:レチタティーヴォ(バス、弦楽、通奏低音[Org,Vc,Cb])
第6曲:コラール(合唱、オーボエ2、オーボエ・ダ・カッチャ、弦楽、通奏低音[all])   
備考
C.シュネーガスの同名コラールに基づくコラール・カンタータ。1724年は、当該日が大晦日にあたっていたため、主の降誕新年を合わせて賛美する内容のカンタータとなっている。
各曲の通奏低音の構成のデータは神戸公演時のもの。(03/06/14追記)
BWV122の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


 《装いせよ、おお、わが魂よ》 BWV180  
 
初演 1724年 10月22日、ライプツィヒ
用途 三位一体節後第20日曜日
礼拝での
   聖句
書簡  :エフェソ 5,15-21
福音書:マタイ 22,1-14(王の婚宴の譬え)
歌詞 作者不詳 
(引用:全曲にわたってJ.フランクのコラール「装いせよ、おお、わが魂よ」(1653)より)   
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:リコーダー2、フルート・トラヴェルソ、オーボエ、オーボエ・ダ・カッチャ、ヴィオロンチェロ・ピッコロ
    ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約27分
(ヴェルナー:28分、リヒター:27分、リリング:23分、レオンハルト:25分、コアン:22分、マクリーシュ:20分、
 リューシンク:23分、コープマン:24分) 
構成 第1曲:コラール合唱
     (合唱、リコーダー2、オーボエ、オーボエ・ダ・カッチャ、弦楽[VnI,II,Vla]、
      通奏低音[all:Org,Cem(大塚),Vc,Cb,Fg])
第2曲:アリア(テノール、フルート・トラヴェルソ、通奏低音[Org,Cem(鈴木),Vc])
第3曲:レチタティーヴォとコラール(ソプラノ、ヴィオロンチェロ・ピッコロ、通奏低音[[Org,Cb])
第4曲:レチタティーヴォ(アルト、リコーダー2、弦楽、通奏低音[Org,Vc,Cb])
第5曲:アリア
     (ソプラノ、リコーダー2、オーボエ、オーボエ・ダ・カッチャ、弦楽、通奏低音[all])
第6曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音[Org,Cem(大塚),Vc])
第7曲:コラール
     (合唱、リコーダー2、フルート・トラヴェルソ、オーボエ、オーボエ・ダ・カッチャ、弦楽、通奏低音[all])  
備考
J.フランクの同名コラールに基づくコラール・カンタータ宴にあずかる喜びが表現され、宴のイメージは、「聖なる晩餐」へ、さらには、復活したイエスを「装える魂」が囲む、天上の宴へと広げられてゆく。
バッハは、主要曲をすべて舞曲のリズム長調の和声で構成し、明るい、喜びにあふれたカンタータを作り上げた。
ヴィオロンチェロ・ピッコロがここで初めてカンタータに登場し、以後5つの作品で用いられる。
各曲の通奏低音の構成のデータは神戸公演時のもの。なお、第3曲(チェロ・ピッコロの登場する曲)でのコンティヌオについて、プログラム冊子の「制作ノート」にはファゴットを加える旨が記載されているが、神戸公演当日に配布されたプリントで「ファゴットではなくヴィオローネ(コントラバス)を加えることといたしました」と訂正され、そのように演奏された。(03/06/14追記)
バッハの自筆総譜こちらからご覧になれます!(「Bach Digital 」HP) (03/06/17)
BWV180の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


 《備えて怠るな、わが霊よ》 BWV115  
 
初演 1724年 11月 5日、ライプツィヒ
用途 三位一体節後第22日曜日
礼拝での
   聖句
書簡  :フィリピ 1,3-11
福音書:マタイ 18,23-35(悪いしもべの譬え。恵みを失う危険について)
歌詞 作者不詳 
(引用:全曲にわたってJ.B.フライシュタインのコラール「備えて怠るな、わが霊よ」(1697より)   
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:ホルン、フルート・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、ヴィオロンチェロ・ピッコロ
    ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約22分
(リヒター:24分、リリング:21分、アーノンクール:22分、
 コワン:23分、リューシンク:22分、コープマン:21分) 
構成 第1曲:コラール合唱(合唱、ホルン、フルート・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、弦楽、通奏低音)
第2曲:アリア(アルト、通奏低音)
第3曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第4曲:アリア(ソプラノ、フルート・トラヴェルソ、ヴィオロンチェロ・ピッコロ)
第5曲:レチタティーヴォ(テノール、通奏低音)
第6曲:コラール(合唱、ホルン、フルート・トラヴェルソ、オーボエ・ダモーレ、弦楽、通奏低音)  
備考
J.B.フライシュタインの同名コラールに基づくコラール・カンタータ。人を許さないのなら天の父はこれを厳しく罰するという福音書章句に即し、怠らず、心を引き締めて主の道を歩めと警告する。
BWV115の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら


 《われいずこにか逃れゆくべき》 BWV5  
 
初演 1724年 10月15日、ライプツィヒ
用途 三位一体節後第19日曜日
礼拝での
   聖句
書簡  :エフェソ 4,22-28
福音書:マタイ 9,1-8(イエスが中風の者を癒す)
歌詞 作者不詳 
(引用:全曲にわたってJ.ヘールマンのコラール「われいずこにか逃れゆくべき(1627)より)   
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:リコーダー2、フルート・トラヴェルソ、オーボエ、オーボエ・ダ・カッチャ、ヴィオロンチェロ・ピッコロ
    ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約23分
(アーノンクール:23分、リヒター:23分、リリング:20分、リューシンク:22分、コープマン:20分、他) 
構成 第1曲:コラール合唱 (合唱、トランペット、オーボエ2、弦楽、通奏低音)
第2曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第3曲:アリア(テノール、ヴィオラ・ソロ、通奏低音)
第4曲:レチタティーヴォ(アルト、オーボエ、通奏低音)
第5曲:アリア(バス、トランペット、オーボエ2、弦楽、通奏低音)
第6曲:レチタティーヴォ(ソプラノ、通奏低音)
第7曲:コラール (合唱、トランペット、オーボエ2、弦楽、通奏低音])  
備考
J.へールマンの同名コラールに基づくコラール・カンタータ。当日の福音書章句の語る「罪の許し」を、流麗な音楽で掘り下げている。
第3曲のオブリガート・ヴィオラ・ソロ(本来ヴァイオリン?)は、「神の泉」からの御血を表している
BWV5の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


 《われらが神は堅き砦》 BWV80  
 
初演 1724年 10月31日(?)、ライプツィヒ
用途 宗教改革記念日(10月31日)
礼拝での
   聖句
書簡  :第2テサロニケ 2,3-8
福音書:黙示録 14,6-8(天使による福音の宣言)
歌詞 フランク(1715) 
(引用:全曲にわたってM.ルターのコラール「われらが神は堅き砦」(1526/28)より)   
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:オーボエ2、オーボエ・ダモーレ2、オーボエ・ダ・カッチャ、ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約23分
(ヴェルナー:30分、リヒター:27分、リリング:31分、アーノンクール:23分、リフキン:26分、
 ヘレヴェッヘ:24分、リューシンク:25分、他) 
構成 第1曲:コラール合唱 (合唱、オーボエ2、弦楽、通奏低音)
第2曲:アリアとコラール(バス、ソプラノ、オーボエ、通奏低音)
第3曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第4曲:アリア(ソプラノ、通奏低音)
第5曲:コラール合唱 (合唱、オーボエ・ダモーレ2、オーボエ・ダ・カッチャ、弦楽、通奏低音)
第6曲:レチタティーヴォ(テノール、通奏低音)
第7曲:二重唱 (アルト、テノール、オーボエ・ダ・カッチャ、ヴァイオリン、通奏低音)
第8曲:コラール (合唱、オーボエ2、弦楽、通奏低音)   
備考
M.ルターの有名なコラールを柱としたBWV80は、ルターとバッハの強い精神的な絆を示す作品として知られている。
本作品は、1715年に演奏されたBWV80aの、ライプツィヒにおける発展的改作である。
1744/47年頃のアルトニコルの筆写で伝えられている最終稿ではルターのコラール4節が全面に出て、ルターとのつながりがいっそう鮮明になった。
旧全集に取り入れられているトランペットとティンパニのパートは、バッハの死後、長男フリーデマンが付加したものである。
BWV80の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


 《幸いなるかな、神に身を委ねる者》 BWV139  
 
初演 1724年 11月12日、ライプツィヒ
用途 三位一体節後第23日曜日
礼拝での
   聖句
書簡  :フィリピ 3,17-21
福音書:マタイ 22,15-22(イエスを罠にかけようとするパリサイ人との問答)
歌詞 作者不詳 
(引用:全曲にわたってJ.Ch.ルーベのコラール「幸いなるかな、神に身を委ねる者」(1692)より)   
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:オーボエ・ダモーレ2、ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約19分
(リヒター:20分、リリング:19分、アーノンクール:19分、ガーディナー:17分、コープマン:17分、リューシンク:18分) 
構成 第1曲:コラール合唱 (合唱、オーボエ・ダモーレ2、弦楽、通奏低音)
第2曲:アリア(テノール、ヴァイオリン1、[+α?]、通奏低音)
第3曲:レチタティーヴォ(アルト、通奏低音)
第4曲:アリア(バス、オーボエ・ダモーレ2、ヴァイオリン、通奏低音)
第5曲:レチタティーヴォ(ソプラノ、弦楽、通奏低音)
第6曲:コラール (合唱、オーボエ・ダモーレ2、弦楽、通奏低音)   
備考
J.Ch.ルーベのコラールに基づくコラールカンタータ。原コラールはバッハが生まれたのちに書かれた近作であるが、旋律は1世紀前のトーマス・カントル、J.H.シャインに由来する。
福音書章句の税金の説話には深く踏み込まず、牧歌的な明るさのうちに「幼子のごとき神への信頼」を多角的に説いていく。
作品の伝承が不完全で、自筆総譜が失われている上、パート譜にも欠落部分がかなりある。第2曲のアリアでは第2ヴァイオリンのパート譜が欠落していると思われるが、コープマンはトラヴェルソとオーボエ・ダモーレのパートを補って演奏している。鈴木&BCJの判断やいかに?
BWV139の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


 《ああいかにはかなく、ああいかに虚しきものよ》 BWV26  
 
初演 1724年 11月19日、ライプツィヒ
用途 三位一体節後第24日曜日
礼拝での
   聖句
書簡  :コロサイ 1,9-14
福音書:マタイ 9,18-26(病気および死に対するイエスの権能)
歌詞 作者不詳 
(引用:全曲にわたってM.フランクのコラール「ああいかにはかなく」(1652)より)   
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:ホルン、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ3、ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約17分
(ヴェルナー:18分、リヒター:(1)15分、(2)18分、リリング:15分、アーノンクール:17分、ロッチュ:17分、
 コープマン:14分、リューシンク:16分) 
構成 第1曲:コラール合唱 (合唱、ホルン、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ3、弦楽、通奏低音)
第2曲:アリア(テノール、フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン・ソロ、通奏低音)
第3曲:レチタティーヴォ(アルト、通奏低音)
第4曲:アリア(バス、オーボエ3、通奏低音)
第5曲:レチタティーヴォ(ソプラノ、通奏低音)
第6曲:コラール (合唱、ホルン、フラウト・トラヴェルソ、オーボエ3、弦楽、通奏低音)  
備考
M.フランクの同名コラールに基づくコラール・カンタータ人の世の空しさを鋭くえぐり出した、第一級の名作。
戦乱の17世紀に形成された、この世を「涙の谷」と見る厭世観を、バッハが生々しく迫力を持って音楽化している。
BWV26の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


 《汝、平和の君イエス・キリスト》 BWV116  
 
初演 1724年 11月26日、ライプツィヒ
用途 三位一体節後第25日曜日
礼拝での
   聖句
書簡  :第1テサロニケ 4,13-18
福音書:マタイ 24,15-28(世の終わりに起こる誘惑)
歌詞 作者不詳 
(引用:全曲にわたってJ.エーベルトのコラール「汝、平和の君イエス・キリスト」(1601)より)   
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:ホルン、オーボエ・ダモーレ2、ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約15分
(リヒター:17分、リリング:18分、アーノンクール:15分、コープマン:16分、リューシンク:16分) 
構成 第1曲:コラール合唱 (合唱、ホルン、オーボエ・ダモーレ2、弦楽、通奏低音)
第2曲:アリア(アルト、オーボエ・ダモーレ、通奏低音)
第3曲:レチタティーヴォ(テノール、通奏低音)
第4曲:三重唱(ソプラノ、テノール、バス、通奏低音)
第5曲:レチタティーヴォ(アルト、通奏低音)
第6曲:コラール (合唱、オーボエ2、弦楽、通奏低音)
備考
J.エーベルトの同名コラールに基づくコラール・カンタータ。「平和の君」としてのイエスに呼びかけるエーベルトのコラールとともに、艱難の中における神の寛恕と愛を祈るカンタータ。
本作品は、かつてシュピッタにより、バッハの晩年に書かれたコラールカンタータの最後のものとされていたが、今日では否定されている。この作品の筆致が円熟しているからこそのエピソードとも言えよう。
BWV116の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


 《来たれ、異邦人の救い主》 BWV62  
 
初演 1724年 12月3日、ライプツィヒ
用途 待降節第1日曜日
礼拝での
   聖句
書簡  :ローマ 13,11-14
福音書:マタイ 21,1-9(イエスのエルサレム入城)
歌詞 作者不詳 
(引用:全曲にわたってM.ルターのコラール「来たれ、異邦人の救い主」(1524)より)   
編成 声楽:ソロ(SATB)、合唱
器楽:ホルン、オーボエ2、ヴァイオリンI,II、ヴィオラ、通奏低音
演奏時間 約20分
(マウエルスベルガー:23分、リリング:20分、アーノンクール:20分、ガーディナー:18分、
 ヘレヴェッヘ:17分、リューシンク:20分、コープマン:19分、他) 
構成 第1曲:コラール合唱 (合唱、ホルン、オーボエ2、弦楽、通奏低音)
第2曲:アリア(テノール、オーボエ2、通奏低音)
第3曲:レチタティーヴォ(バス、通奏低音)
第4曲:アリア(バス、弦楽、通奏低音)
第5曲:レチタティーヴォ(ソプラノ、アルト、弦楽、通奏低音)
第6曲:コラール (合唱、オーボエ2、弦楽、通奏低音) 
備考
M.ルターのコラールに基づいたコラール・カンタータ。BWV61と同じコラールによっている。
主の来臨への期待にあふれた美しい音楽で、作曲技法の円熟にかけては、前作をしのぐ出来映え。
BWV62の「Bach Cantatas Website」のデータはこちら

 


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