8月21日〜31日に行われた第2回の「バッハ・オルガンツアー」の現地レポート、とても充実したものですので(南部さん他お手伝いいただいた皆様、ありがとうございます!)、閲覧の便を考えて
26、27日分のレポートをこちらのファイルにまとめさせていただきました。(01/10/15:改訂)
文中の時間の表記はすべてドイツ現地時間。サマータイム期間中のため、日本との時差は7時間です。
*オルガンの仕様は(III/P/65)のようにあらわします。この例では
手鍵盤の数が3/ペダル鍵盤有/ストップ数65を示します。
2001年 8月
・21日(火)、・22日(水)、・23日(木)、・24日(金)、・25日(土)、
・26日(日)、・27日(月)、・28日(火)、・29日(水)、・30日(木)、・31日(金)
2001年 8月26日(日) 〜第6日〜 |
*ルート概要:
ナウムブルク:ヴェンツェル教会のヒルデブラント・オルガン(1746)
礼拝参加とオルガン鑑賞
[コンサート]演奏:鈴木雅明さん (12:00〜12:40)
ワイマール:通過(15:00)
アルンシュタット:
バッハ博物館(16:30〜17:00)
バッハ教会のヴェンダー・オルガン(1703) (17:00〜19:00)
[オルガン紹介] 演奏、解説:ハラルド・フォーゲルさん
→《アイゼナハ泊》
昨年のツアーではまだ修復は未完成でリュックポジティフとハウプトベルクの一部しか聞けませんでした。2000年12月に完成し、ようやくすべてを聞くことができました。 圧巻! 18世紀初め
タイスナーが制作したケースをヒルデブラントが流用したため、このあたりにはめずらしいリュックポジティフを持つオルガンとして現在まで残されています。 日曜日の礼拝に全員で参加しました(一般の礼拝者より私たちの方が圧倒的に数が多かった)。 礼拝後 鈴木先生のコンサートがあり、この時はなぜか教会が満員、最後のパッサカリアは圧巻でした。 J.S.Bach:ファンタジー ト長調 BWV572 パッヘルベル:4つのマニフィカト J.S.Bach:コラール"Herr Jesu Christ,dich zu uns wend"BWV709、BWV726 パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582 | ||
運転手のフリードリィッヒさん。 アイゼナハでの「フリードリィッヒ左折」は語り草に。 |
ナウムブルグに着いて 遅い朝食をとる人。 |
ニーチェが1800〜7年に住んだ家 |
ヴェンツェル教会の ヒルデブラント・オルガン (1746) (III/P/53) バッハは1746年にこのオルガンの鑑定をしています。また娘婿のアルトニコルが1748年にオルガニストに任命されました。 |
ラッパを吹く天使 | 祭壇 |
キュウリには梅マヨネーズが よく似合う |
人数を確認するスタッフの ハーン恵さん |
当初予定したワイマールはバッハのゆかりの建物はもう失われてしまっているので立ち寄らずに、アルンシュタットへやってきました。 バッハ博物館には復元したバッハ教会のオルガンの演奏台を復元したものが展示されていました。 バッハ教会のヴェンダー・オルガン(1703)(=バッハ・オルガン)はバッハが確かに弾いたものの、バッハが来る前に完成していました。 | |||
左:広場の「バッハ像」 バッハが「踵を使ってオルガンを弾いた 証拠だ」とはフォーゲル氏のジョーク? 右:バッハ博物館 |
バッハ教会のオルガンの復元されたコンソール。横に並んでいるストップは誤り。 | アルンシュタットには世界的な人形コレクションがあるそうです。 | |
バッハ教会 | *ヴェンダー作のオルガン。(1701〜03)
(II/P/21) 19世紀に再建されたオルガンはそのままバロックオルガンの下部に設置されている。 右はオルガンの説明をされるフォーゲルさんとオルガン制作家の横田さん。 |
祭壇 | |
博物館に展示されているコンソールから復元した演奏台 | 絵葉書、CDの購入に行列 | アイゼナハのホテルへの帰途立ち寄ったドライブインで夕食 | |
2001年 8月27日(月) 〜第7日〜 |
バッハの生誕地アイゼハナにやってきました。ここは宗教改革者ルターのゆかりの地でもあります。今日は3台のオルガンを訪ねました。そのうちの2台は、3台しか現存しないトロスト作のオルガンでした。 | |||
ホテル前広場のルー像の前で全員写真。大きな画像はここをクリックしてください。 | ワルプルギス教会 | トロスト・オルガン (1716)(II/P/22) |
打ち合わせする2大巨匠 |
← 教会の天井からぶら下る麦藁で編んだ燭台? |
← おなじみのランチボックスですが、量が増えていきます。 | ||
続いてはバッハが1708〜9年短い期間を過ごしたミュールハウゼンへやってきました。 | |||
聖ブラージウス教会と入り口にある記念碑。バッハは1708年から1709年までここのオルガニストであった。 | 聖ブラージウス教会の入り口で。 拡大写真はここです。 700年前のステンドグラス(写真左)が現存し、ルネサンス・バロックの装飾が混在する教会。これだけのステンドグラスが残っている教会はないとのこと。その見事さに「中世の秋」にタイムスリップ・・・ | ||
←*ミーントーンのヴォルフ 教会の入り口、オルガンの下に怪物(狼?)の像があります。「ヴォルフが抜けたため今あるオルガンは平均律になった」とはフォーゲルさんの洒落です。 ※ヴォルフとは、平均律ではない調律(ミーントーンもその一種)で発生する、使えない(調和しない)音程のことを言います。 |
デルナのオルガンは、バッハがミュールハウゼンにいた頃、ベンダーがミュールハウゼンのブルッケンホフス教会のために制作したもの。その後1843年にミュールハウゼンの別の教会に移された。さらに、1985年、デルナのこの教会に移されて94年から修復が始り、われわれの到着する1週間前に完成した。ケースと風箱とバッハが弾いた鍵盤が残されている。その他の部分についてもオリジナルに近い形で復元されている。 | |||
デルナ・ドールフ教会 | ロマネスク時代の教会の面影を残す祭壇 | ヴェンダーオルガン(1段/ペダル/7ストップ) | |
ヴェンダー・オルガン を弾く雅明先生。 |
鍵盤とストップ | これが「くさび形ふいご」 (WEDGE BELLOWS) |
オルガン内部 |
最後に訪ねたワルタースハウゼンの市教会のオルガンは、教会とオルガンが同時に制作された珍しい例である。この教会が市の物であったということもあり、歌、音楽、説教がドラマでありエンターテイメントであった背景から、オルガンと教会がオペラハウスのような空間をつくりだし、演奏効果は圧巻でした。(宮本靖子)。 | ||
外観は普通の教会ですが、内部は・・ 右の写真をご覧ください! |
オペラハウスでありません。宮廷劇場風?教会です。中央上がオルガン。 | 教会天井絵。 |
数少ないトロースト作のオルガンでもっとも大きいもの。トローストは完璧主義者であったため、商売を考えなく完成も遅れてまわりがいらいらしたとのこと。 | 大空間、大オルガンをわがものにするフォーゲル氏。 | ひとつひとつの装飾も見るときりがないほど見事。 |
2001年 8月28日(火)[第8日]〜31日(木)[第11日]については、こちらをご覧ください! |
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