アフリカ紀行97総集編に寄せて

 単なるツーレポのつもりでスタートしたこのコーナーも、終わってみれば短編小説なみの作品になってしまいました。これまでこのコーナーを訪れて読んでくださったみなさん、ありがとうございました。「読み逃してしまった回があるのでバックナンバーを」という声も何回か聞かれましたので、これに答える形で総集編として全編を一気にUPしました。それぞれの回ごとに気分に任せて書いていたせいか、繋げてみると表現に統一がない箇所もあったので、一部手直しを加えたことを申し添えます。

 旅に出るときはいつもメモ帳を携行して、その日行った場所や出来事などを簡単に記録するようにしています。日記ふうに克明に書いていると途中でバテてしまうので、極力簡潔に、を心がけています。後日、このメモと写真をあわせてみると、かなりの記憶を呼び戻すことができるものです。あらためて97年のこの旅のメモを見てみると、今では考えられないくらいの膨大な情報が記録されていました。そのくらい、感動が大きかったということでしょう。

 「おお、こんなこともあったなあ。」

 仕事からの帰り道、夜空を見上げれば鮮やかに蘇る、土埃の匂い、凛とした夜明けの空気、疾走するガゼルの群・・・しかし記憶は日々断片化しています。悲しいかな人間は「忘れてしまう」動物なのです。

 輝けるサバンナの記憶が、少しずつ遠ざかっていきます。

PART1

PART2

PART3