ボリショイ劇場 日本の夢/レ・シルフィード


1998年11月29日(日)

1.ショペニアーナ(レ・シルフィード):エリナ・パリシナ、コンスタンティン・イヴァノフ、マリヤ・アラーシュ、ナタリヤ・マランディナ、オリガ・ソコローヴァ、アンア・イヴァノーヴァ
2.モーツアルティアーナ:ニーナ・アナニアシビリ、セルゲイ・フィリン、ドミトリー・ベロガロフツェフ
3.日本の夢:ニーナ・アナニアシビリ、インナ・ペトロバ、マリヤ・アレクサンドロヴァ、セルゲイ・フィリン、アンドレイ・ウヴァ-ロフ、ユーリー・クレフツォフ、D.K.グダーノフ


今回は小品が3つ。レ・シルフィードとモーツアルチアーナそして歌舞伎から題材を得た日本の夢。
1.は夢のようにきれい。背景とバレエリーナの踊りとの一体感がすばらしい。最初幕が開いた時、バレエリーナたちがまるで美しい可憐な花束のように静かに座っている様子にまずため息。そしてその花弁が散って、花の妖精が現れてくる。しとやかにやさしくそっと。ショパンの音楽が流れている。静かな時がゆっくりとためられそして舞われる。 バレエリーナたちの驚くほど訓練された足が、そっと床に触れては小さく静かにはじけていく。これほどまでに人間の肢体というものはコントロールされ、美しさを醸し出すものなのか。
2.アナニアシビリが圧巻。もう踊っているということすら忘れる。あまりの自然な体の動きとその流れに呆然と見入ってしまう。彼女特有の可愛らしさが損なわれずに、それでいて大胆、細心。指先の一ふり一ふりが、いとも見事に自然に決まる。舞うというよりも音楽に合わせてそうありたいように振る舞っているとしか見えない。素晴らしい。
3.日本の夢は、完成度の高い最高の芸術家たちによる日本歌舞伎の違った捉え方を示していた。激しい振り付けの現代バレエにありがちな気負いや固さは全く感じられない。日本の太鼓の音に混じった三味線の音にあわせ、エネルギッシュな現代日本の躍動を表わしている。こんな素晴らしいバレエを見せてくれるバレエ芸術家たちに感謝の念が湧く。

実はドゥニャンたち一家はVIP席でこれを見たのだ!!


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