ムササビむー太 放野後の様子



そ の 1


 平成11年05月10日(月)にムササビむー太は自然に戻りましたが、その後も皆様の協力でむー太の情報が入っています。ご報告します。




Tさんより
  5月10日、放野当日の夜は、他のムササビは(夜の)7時ごろ外で動き出したのに、むー太は巣箱から出てこず、7:30、 8:30に私が巣箱をのぞいても出てこなかった。
  9:30頃巣箱にライトを当てると身を乗り出してしばらく体を上下させたり、ひねったりした後、巣箱のある木を登っていった。他のムササビが3匹いて、直接攻撃はしないようだが盛んに警戒音をだしていた。
 (夜中の)12:00頃様子を見に行くと、むー太はミツマタの木にいた。(ムササビは使わないくらい低い木)。翌朝は、そこから5mほど離れたおなじく低木に座っており、 9:30ごろ巣箱に回収した。とくに抵抗もせずすぐに静かになった。


※ むー太を放野した場所の近くに、野生のムササビが設営していました。

※ 写真はTさんが撮影したむー太です。



Kさんより
 昨晩( 5月11日)のムー太の様子をおしらせします。 
 昨日はムー太は木の枝の上で寝ていたようです。
 夜 7時頃、出陣し、 9時頃まではウロウロ動いていたようですが、行動範囲はまだそんなに大きくないようです。
 けさは30m位はなれた別の杉の木の枝に寝ていました。自分で作ったのか。枯れ枝などのベッドになっているみたいでした。



Tさんより
  5月18日現在、むー太は巣箱を利用せず、スギの木の枝の付け根で丸くなって、昼を過ごしています。夜は、ごく狭い範囲で、ジャンプする事で移動しています。確認できた食痕は、フサザクラの葉です。



5月25日(火)現在
 むー太は巣箱周辺を離れ、所在不明となっているそうです。発信機によると移動しているらしいのですが、むー太自身が動いているのかは現時点では不明です。



5月27日(木)、Tさんより
  5月25日、姿は見えませんでしたが、夜にテレメをとった感じでは、動き回っているようです。
  5月24日には、代わりに行ってもらった友達が「ムササビにしてはしっぽの細いムササビを見た」と言っているのでムー太かもしれません。Yさんや、Kさん、Hさんによると、小屋の前や裏まで行っているようだと言う情報もあります。
 地形が複雑で、電波を活かしきれていないのが現状です。
5月28日(金)、Kさんより
 Tさんからメールが来たのでそのまま送ります。(そちらにも直接送信されてるかもしれませんが)

 25日の晩、行ってきました。
 結局、姿は見えませんでした。しっぽのきれいなのが2匹いて、お互い近くで行動しているのを見たのですが…。
 24日の夕方、Nさんが、「ムササビにしてはしっぽの細いムササビを見た」と言っていますが、テープ(発信機の端に取り付けている目印)は見ていないそうで、その2匹なのかも知れません。はげてたか確認してみますが。
 テレメをとった感じでは、夜の間はあちこち(坂の上の方〜小屋の横のケヤキ〜小屋の前のスギ)動いているようでしたが、電波を上手く使いきれていない私は位置を特定できませんでした。昼の方が電波が弱い、というか取りにくいようなきがしたのですが、どこか、穴でも見つけたのかな〜?
せっかく発信機をつけているのに、困っています。
 今度は29日の夜に行く予定です。

 穴を見つけたのならいいのですが。



 巣箱に入ることや穴を見つけ利用することは大変重要なことです。就寝場所であると同時に天敵から身を守る場所でもあります。特に寝ているときは無防備な状態ですので天敵にやられやすい。少しでも安全な状況で寝るには巣箱や穴を利用することです。



6月 1日(火)、Tさんより
  5月30日の夜11時37分、2週間ぶりにむー太と再会しました。ロケーションしたところ、随分川沿いに(受信機の位置を示す)点が落ちたので、探しに行き川のそばのメタセコイアの木にいるのを見つけました。アンテナの端子をはずしても針がふれたので、木をライトで照らして探したのですが、下の方の枝にいたのに、しばらくみつけられませんでした。1つには、枝の先の方にいたのと、もう1つは、むー太がライトを見ないのが原因のようです。
 なんだか、小さく見えましたが、翌朝行ってみると根元に食痕がおちていました。場所的にも、10mくらい飛ばないとたどり着けない所なので、随分レベルアップしているみたいです。

 昼間はこの前後2日間は、小屋の横のケヤキのあたりのようでした。棒だけのアンテナにして音のみが入りました。かなり上にいるんだと思います。



6月 5日(土)、Tさんからのお便りをもとに作成
むー太が放野された場所 むー太が放野されたところのイメージ図です。学生さんたちが観察している簡単な小屋があり、その近くに巣箱をかけてあります。ところがむー太は巣箱には入らず、観察小屋の横のケヤキに居ついているようです。

今回目撃されたのは川沿いのメタセコイアの木です。樹冠のつながりぐあいから見て、矢印のようなルートを伝っていると考えられます。最大10bぐらいは滑空していると思われます。
(まさか一旦地面へ降りて、またよじ登っているんじゃないでしょうねっ!!)



6月 7日(月)、Tさんより
  6月 4日・ 5日の晩にむー太に会いに行ってきました。会えはしなかったのですが、 6月 5日の夕暮れ時、多分「むー太だった」というのを目撃しました。

6月 4日の晩
 昼間、テレメをとった感じではまた(観察)小屋の横辺りの感じだったが、動き出したところなどは観察できず。夜の間は巣箱をかけた木より奥の方であまり動きがなかった。

6月 5日の晩
昼間、テレメをとった感じでは巣箱のあたりにいるようだったので、夕方その辺りを中心に見ていた。どこからか巣箱のある木にムササビが飛んできたと思ったら、その辺りの木のもっと高い所から小屋の裏手に飛んでいったムササビを目撃した。その後林道からテレメをとった所、(観察)小屋の裏に点が落ちた。 よって、あれがむー太だったと思われる。その約1時間後にとった時にはもう池の方で(テレメに)入った。この夜はこの前と同じメタセコイアの木の他にも、もっと川側の木、もしかしたら対岸の木にも、枝伝いでも渡れるので、行っていたと思われる。

6月 6日の昼
(観察)小屋の裏にいる感じ。



6月13日夜、わが家の掲示板より
  5月10日に丹沢山中へ放野しましたムササビむー太に会いに行って来まして、23時30分に帰宅しました。
 取り付けた発信機によると、むー太は盛んに移動し、21時30分頃には川向こうに行ったようでした。めでたく親子ご対面とはいきませんでしたが、まずは何よりです。そのかわりというわけではないでしょうが、野生のムササビを観察できました。



6月18日(金)、Tさんより
  6月16日の夜のムー太は川向こうのようでした。



7月 8日(木)、Tさんより
  7月 1日(木)のむー太は、夜8時ごろ、最初は、放したころよく行っていた下の小屋の裏で電波が入っていたけれど、私がそっちに下りていくと急に入らなくなってしまいました。すぐに、林道に戻ると、10mくらいよこのスギに1匹ごそごそしていて、その方向から電波が強く入ったので、むー太だろうと思いました。(蛍光)テープは見えなくて、むー太の向きによって電波の強さが全然違いました。鳴き声はしませんでした。



8月 6日(金)、Kさんより
 Tさんからは 7月26日(月)に次のようなメールをもらって……

 私(Tさんのこと)も、ムササビも元気にやっております。最近ムー太には会ってないけど、昨夜は××の沢のほうでうろうろしてるみたいでした。お母さんムササビたち(むー太の側で生息する野生のムササビたち)も、少しは子供に手がかからなくなったのかちょっと遠出してる感じでした。
 それでは……

 ××の沢、というのは、(池の側にある−地図参照)養魚場の小屋に行く手前でわたる沢のようです。



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