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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【好嫌感とは、前進かバックだだ】

「友人になる秘訣」
 よい管理者とか、能力の高い管理者といわれる人は、部下自身に
「自分という人物は重要な人間であり、他人から尊敬される能力をもっているから、自分の運命は、自分で管理しなければならない」と、
いうような気持ちを起こさせる人物のことです。

 これとは逆に、悪い管理者といわれる人は、部下に、
 自分は「無価値でつまらない人間だ」と、思いこませます。
部下は、いつもおどおどした態度をとり「自分とはなんだろうか、何をやれば良いのか、どのようにしたらそれを知ることが出来るだろうか」と、
自分の進む方向を見失い、必死に「何かを探させる」ことだけを、するようにさせる人間です。

 この対照的な管理者の相違は、管理者に対して、部下が「信頼、愛情、尊敬」の念を抱いているとか、管理者の部下にたいする扱い方に、強い嫌悪感や、憎んだり警戒するなど、敵意の感情を持つか』あるいは、持たないか、によって定まるものです。
 ところが、管理者から受ける影響を、理解していない人が多い事実もあります。実は、この好き嫌いの影響には、当事者の人間性が深く関わっているという、共通の性質をもつ問題があります。

 上役が部下である自分自身に影響を与える‥‥。
 このことは、自分で考えるより以上に、自分の行動に大きい変化を与えています。この影響は、上司に、好意的な行動をとれば、自分の昇進や立身出世の後押しになるでしょうし、憎悪や軽蔑など敵意の態度の終着は、相手側のてきびしい辛辣な感情の為に、出世の階段から引きずり下ろすことも可能になります。

 ですから、この分岐点において、自分は、
上役について、「どのように感じているか」
 そして、「なぜそのような態度行動になるか」を、
きちんと考察整理することは、自分の責任になるはずです。このようにすることによって、上役のために呼び起こされた隠れた感情の、引き起こす結果に、始めて気がつくことになるからです。

 また、上司が、自分の利益になることを考え気配りなどを、配慮してくれるときは、上役に好意を持ちます。しかし、逆に、上役の言動から、自分が無視または、それほど重要視されていないと解れば、憎しみをもつのが普通です。しかも、それでは、部下である自分自身の反応は、上司の配慮にたいして、有無の中間はありません。ONかOFFの関係になってしまいます。

 人によっては、親切にされたから親切にしようという上役もおります。好意に対して好意で報いる人もいます。他方では、自分に向けられた憎悪に反応して、報復行動にでる人も大勢います。部下も上司も、同じ人間ですから、人間性に格別な差があるわけではないのです。

 自分が周囲からどのように思われているのかは、必ず反応がでています。決して一方通行ではありません。とくに、自分と上司の関係は、ほどよく釣り合いがとれているかも知れませんし、協調や調和を生み出す正しい方向に向かっているかも知れません。けれども、自分が自覚しない間に、仲を引き裂くようなことを、犯しているかも知れません。
 これは、もつれた糸が接着剤で固められたような難しいものかも知れません。
 ことのはじめと終わりの関係がつながっているのか、あるいは、接着されているのか、見当がつかないほど、こうした人間関係は複雑だからです。

 ビジネス社会での成功は、アメリカの行動科学者の調査のように、学業成績の優秀な人より、ビジネス社会での成功の土台は、「良い人間関係」を作ること』と、その努力をなした人が、成功者の 95%以上を占めています。
 上役とか、部下とかの問題は、すべてその範囲内の問題になります。
 上役を好いたり嫌ったりするのは、どうしてかということは、自分や上役の期待と、行動のすべてが両者の間に埋まっていることになります。この隠された理由を見出すことが、良い人間関係を作ります。つまり、成功の秘訣につながる大切なものです。

 以上のことは「上役を、軽々しく友人」にするという、決まり文句ではありません。数えきれぬ多くの人がこの決まったやり方を実践してきています。
 自分にも出来ぬ筈はないのです。それには、まず、自分がなぜ上役にそのような感情を抱くかをよく知り理解することです。
 仏教においても、2000年も前から、自分を見れば知恵が湧き、自分を聞くことが出来れば偉大な力が湧くと説いています。    つづく 

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