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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【管理する、管理される】

【管理する、管理される】
{管理における耳触りな概念}&{異性年長者との確執}&{積極さがない場合}
「成功や出世なんて出来るわけがない」
「いまの会社じゃ駄目だ。俺の上役なんて働く気を起こすようや奴じゃない」
「三年経験したら転職をするのだ」
 サラリーマン3年生の彼が持っている上司についての概念は、何処にでもあるようなものです。上役が全権力を持ってるので、自分には何の権利もないというものです。しかも、部下の自分は、無力だと信じ込んで仕舞ってます。

 彼は、「権力」を受け入れて、上役と一緒に前向き進もうとも、社内で昇進するためには、もっと、キチンとした打ち合わせを、しようなどとは少しも考えていません。
 何の権利も持たない農園の奴隷のように、自分が管理されることを大人しく受けいれています。しかも、その状態から逃れる唯一の道は、他の会社へ移ることだと思っているのです。

 自分の考えている「管理者」や「管理される者」という言葉を聞いて、
気に障る厭な感じのする意味の内容が、彼のどこかについて回って離れない』
と言うことを、彼は知らないでおります。

 彼はノーマルな普通の青年です。管理者というものは、頼みもしないのに人を管理する者であると言うような考え方は、馬鹿々々しいようですが、多くの人達の誰もが、考えていることです。

 また、上述とは逆に、ある公立病院の診療受付窓口に患者に不人気な五十代のオールドミスの逆管理のケースがあります。
 彼女は、待合い患者に対して、診察の順番の案内をするの仕事をしていました。病院特有の喧噪で混雑する環境の待合い室の中ですが、彼女は、診察患者名の呼出をスピーカーで一度だけ、しかも早口で名前を読み上げます。

 朝早くから順番待ちに並ぶ患者には、呼出を聞きもらしたなら、一番最後に回されて仕舞うため、心に、大きい負担をかけています。呼び出しを待つだけ疲労を呼びますから、この呼び出しには気配りがないと非常に不評でした。

 彼女を知る人によると、彼女は、自分は長い間男性と同じ仕事を、しかも男性よりやすい給料で長い期間励んできた』と、誰彼となく感情を表にする人で、怒りっぽく、傲慢で、近寄り難い女性だと噂されています。

 友人や仲間達は、
 診療事務の忙しいときに、呼び出しの大変なことは理解できる』 けれども、そのために長い時間を拘束される患者が可哀想だと、いろいろなアイデアや、提案を行っても彼女は全然受けつけないのです
 そのため、周囲の仲間達は、改善の提案を諦めて仕舞ったため、職場はお互いによそよそしく、冷淡な感じのする場所になってきたのです。

 友人や仲間達は、
 彼女は、課長と対決したり、課長や上司に訴える事もできる影響力の持ち主だから、いまの仕事よりさらに良い他の良い仕事にも移れると言ったのですが、彼女の答は、
「私には、他の仕事はできません」
と、いつも突き放します。しかもその上に、彼女の上司は、忙しい病院事務の切り盛りには、彼女のような仕事も必要と考えています。ですから、彼女は、早口で単調化された患者の呼出を続けたのです。

 この二つの例を別な視点からみたらどうなるでしょうか。
 上役は、ビジネスマン三年生を、自分からは絶対ものを言わず、賛成や望みを外に表さない鈍感な奴だと思っているかもしれません。

 真面目くさった態度が取り柄な、単なる木偶の棒の評価をするかもしれません。
 もし、彼が仕事に精力的に挑戦していたなら、上役は、歓迎していたかもしれませんが、彼が、自発的行動を何もしない限りにおいては、実質的に忘れ去られた人間に、ならざるを得なくなります。

 一方の病院受付の老嬢の場合、本当は、年下である上司の課長に恐れられているのです。
 自分より経験が深く、人脈も、豊富にもっています。男性と競争して高い地位を得るために努力した彼女ですから、革新市政が生む申し子として、自分に代わって課長職につくかもしれません。と、自分の地位が脅かされるのを恐れたのです。

 この課長の抱いている恐れこそが、「地位や仕事を横取りされそうだ」と思う人達に対して、お互いに冷ややかで、殆ど邪険と言っていい態度をとった原因だったのです。

 彼女は知らなかったのですが、患者のクレームにたいする課長の問題解決の態度が問題になったため、部長は他の人間を探していたのでした。
「管理者」や「管理される者」について、誤った概念に屈服した、ビジネスマン三年生も、病院の受付老嬢も、後日になって、出世昇進の機会を失って仕舞った事はいうまでもありません。             つづく

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