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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【何故、言いなりになるのか?】

{身をまかせる}×{服従・安全・生活環境等の習性}
 自分は、上司に、能力以上の力を持たせることを、していないだろうか。?
「トランプ」の四枚のエースを全部、相手に渡して「賭けて勝負しませんか」と、はじめから負けるような事を、何故、どうしてやっているのでしょうか。

 このようなことは、ビジネス社会では、実に、多くみられることです。
 何故、その様な事をするのかは別問題です。けれども、習性から生まれて癖になるような、実際に沢山の経験をしながら、身につけた知識であることは、間違いありません。

例えば、
@ 自分が小さいときには周囲に、両親や年長者がいた。
この人達は、自分達よりも強く、大きく、賢い。自分自身の力でやってゆけるくらい大きくなるまでは、その周囲の力から抜け出す事は出来ない。それで、いいなりや、指示に従う習性が身についていた。

A 学校などの教育指導の場所には、必ず指導する先生がいた。
教師は自分達よりも多くの事を知っていた為、自分達は、常に教育の権威の下におかれていた。

B 自分達の社会人「新米の実習時代」
仕事をするときには、自分達を監督指導する上役がいる。この上役の機嫌を損ねたら、のけ者にされるか、面白くない仕事を割り当てられると言う上役の性癖にも出会っている。

C ビジネスマンになってからの実際。
上役に好かれれば昇給し、よりよい労働条件が得られると言う事が即座に理解できた。

 自分等が世の中に出て、実際に体験してからの結果では、うっかりして、上役の本当の力を過大評価しがちな理由は、もし、管理者に逆らったなら、のけ者や、馘になるなど、集団から追放されるのではないか、と恐れている事にあります。
 これは当然の事であって、その恐れは現実には、本当に多いためです。

 しかし、一方で、恐れを持っている自分等は、相手の権力に負け、彼等のいいなりになってはいないでしょうか。
のけ者や馘にされると言う差別を恐れのは、人間らしさのない冷たい個人的失敗を意味します。
 自分等は皆誰でも、そうした失敗に対して、恐怖心をを抱いております。

 けれども、まだ、起こってもいない事を、そして、おそらくは決して起こらないことについて、心配するのは、愚かな事とは違うでしょうか。
 話さなくてはいけないと解っていても、恐れのために、黙って仕舞う事も良くあります。話すべき事が上役の気に入らない事で、言えば必ず反感を買うかもしれないと思うときには、口を閉ざしてしまいます。
 そのかわり、上役の喜びそうな事をいう自分が、自分で嫌になります。

「恐怖心があるために考慮する」とは
価値のあるアイデアだと思っても、上役のところに持っていけずにおります。
 上役の気に入らないかも知れません。あるいは、自分だけがそう思っているからかも知れません。

 これと「同じ理由」で、自分達はよりよい条件、として
 作業量を増やす加重労働のときは、仕事の軽減、仕事の進め方を、より正確且つ十分に、遂行するための設備や予算の増加などを、求めて交渉したりは、致しません。
 以上は、古い階級社会において下級の労働者が用いた決まりです。

 古い保守的な体質は、徹底した従属社会で、従属主義が社会規範になっていますから、前述の四つの項目は、いわば社会常識でした。その当時の従属する集団からの離脱は、貧困社会の生死を意味するほど重いものです。
 従属社会では従属教育が徹底しておこなわれます。自立や自発的な行動は、指導者の権威を損ね、集団を破滅するとして嫌われました。
 ですから、仕事の指示は、「依らしむべし」「知らしむべからず」のトップダウンを基本にした命令で行われていました。
 現在の進歩的管理者は、このようなことを非常に嫌っております。

 今までの社会的矛盾(むじゆん)や、不合理をなくそうとする考えを、もっている現在の進歩的管理者は、アイデアや「提案を必要」としています。企業組織の自分たちのアイデンティティを確立するため「手助け」を強く要望しています。

 もし、その「進歩的管理者」の中の何人かが、多くの優れたアイデアや提案にそっぽを向いたとしても、管理者を場合によっては、自分の意思に反して助けるのは、自分の仕事です
「何か言いたい」ときがあるとき、「管理者にして欲しい」事があるときには、思い切って話しをします。
 管理者や上役を過大視して必要以上に恐ろしいと思っては、進歩がなくなります。そんなに恐ろしい管理者などいるわけがありません。

 もしも、管理者が間違っていたら、その点を指摘して、建設的な知識を提供する事にします。
 時代はどんどんいます。管理者に身を任せるような、切り札を配ってはなりません。
 管理者にも我々と平等に、テーブルの上に出たカードで、勝負して貰うようにするが当然です。    つづく 

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