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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【仲間を評価する】

◎「他人を認める」
◎「同僚とは違う自分を理解する」
◎「仲間を粗末に扱わない」

 他人を認めるということは、簡単なようでなかなか難しい問題です。
一体、自分はこれまで他人をどのようにして認めて来ただろうか、と考えますと、自分にとって彼らは、単なる人々に過ぎなかったように思われます。

もし、自分に無関係な路傍の石のように、粗末に扱ったことがあったとすれば、それは、人間関係において、自分が他人に対して犯し得る最悪な過ちの一つになっております。

 ビジネスで仕事をするときには、自分達の廻りは常に他人に囲まれております。 そのとき、廻りの人々の微妙な影響と、集団の圧力に晒されていると言うことは、個人々々からの影響と、それらが全部重なった組織集団の両方から、影響を受けていることになります。

 これは、同等の圧力と呼ばれるものです。しかも、組織の中におる自分が対処しなければならない性質と強い力を持っております。
 個人的には、仕事上で親しくつきあいするために、好きになる人もいれば嫌いになる人もおります。しかし、他人がいて、その中で生きていかなければならない以上、自分はその他人に依存しなければなりません。
自分がこの人達に弱みを握られているのは、この人達が自分を支持協力することを、いつでも止められるからです。その上に、この中には、上役や部下も含まれております。

 さらに、自分は他の誰よりも上役に依存しておりますから、弱みも握られています。こうした依存と弱点を握られている状態から、自分を守るためには、すべての人ではないにしても、同僚の大部分に対して、自分のためになる支持協力関係を強固なものにしなければなりません。

 そのためには、同僚に対する評価は次の各項目に従った遣り方で行います。
@ 他人の中には、「自分とは違う動物的な感情を持つ人など一人もいない」と、いうことをよく理解しなければなりません。

A 誰にとっても怖いものはあります。
 それは、失敗であり、暴露とか、義務、変化、ときには成功もこの中に入ることがあります。

B 皆それぞれ、自分を個人として認めて貰いたがっています。
 たとえば、感謝されているとか、理解されている、あるいは、知られていると言うように、確かに納得の行くような態度をほしがっているためです。

C この人々にとっては、自分の利益の方は、貴方への関心よりも遥かに重要になります。

D 人それぞれ皆、驚くほど多様な要求を持っていますが、その根本的なところは、貴方自身の要求と同じ点です。

E 一人一人の個性をよく知って、各人に応じた個別的態度で応じることが、自分自身のためには一番よいことです。
 言い換えるならば、すべて一束ねの人間としてではなく、一人々々の違った人間として扱うことがよいということです。

 人と人の付き合い方では、同僚とか仲間を、二つのグループにわけたいという気持ちはよく起こりがちです。
 仮に、片方のグループは自分にとって好ましい人々、もう一方のほうはあまり好きでない人々を入れて仕舞います。

これもまた過ちの一つです。ビジネス社会では、誰が自分の味方で、誰が自分の敵かなどということは、はっきり解るものではないからです。

 人を見透かすには、その人の発言した言葉や行動から判断するしか方法がありません。他人の心を読んで、実際にはどのように感じているかなどと知ることは不可能です。

それで、もっともよい方法は、それぞれを個人として受け入れて、一人々々と友達になることです。問題を起こしそうな人々に対しても、徹底した友情を示すように努力をすれば、何事もなくて済むでしょう。また、そのような友情を示せば、もともと、貴方を好いていた人は、更に貴方を高く評価するようになります。

 判りやすく言いますと、自分自身の評価の遣り方は、男だから、女だから、老人だから、若いから、外国人だから、肌色が違うから、宗教が違うから、主義が違うから等々の様々な外見的な差別理由によって、人を嫌ったりしないことから始まることになります。

 このような考えにしたがって、同僚と仕事をする上でよい人間関係を築くためには、あらゆる努力をする事にします。
ここで人間関係の基本になるもっとも重要なことは、同僚が別の自分だと言うことを、気がつくことです。それは、結果として自分と同じように見えたり、同じ行動をとったりはしないだけのことであると、理解することが不可欠だからです。

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