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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【ビジネス社会の中心は、管理者である】

 大分前のことですが、ある大手化学会社の社長が次のような話をしました。
「会社を管理するのに必要な全ての人間を、一体、何処で確保したら良いのか}、私には解らない。
確かに、うちの会社には優れた管理者が大勢いるにはいるが、そのほとんどは、いまより重い責任を背負うだけの力がない。

それに、大学の新卒者が、これから必要とされる管理職につくようになるまでには、相当に長い時間がかかる
 このことは、いまのビジネス社会においても同じように抱える大きな問題です。

 企業組織におけるすべての業務はそれぞれ目的別の内容ををもっていますから、その目的とする職務の数は、数百数千にも及ぶ独立した仕事に分類することが出来ます。
 これらビジネス社会において、目的別職務の仕事の中の一つが自分の担当するもので、他の目的別職務の一つは、管理者つまり上司のものです。

 それで、ビジネス事業所の組織系統図上の管理者の地位は、基礎組織の中に入る特質を持っています。一般的に、経営者層は、下級管理者とか、中級管理者あるいは上級管理者という言葉を良く使いますが、これは次のように解釈すべきだと思います。

 最初の下級管理者とは、

@ 殆ど訓練を必要とせず、少し頑張れば実際は誰にでも出来る管理者の職務です。

A 中級管理者とは、かなりの訓練と熟練を必要とする職務になります。

B 上級管理者は、非常に高い地位まで出世したり、才能に恵まれた成功者と見なされる管理者の一団がこれに相当します。

 このような考え方においての注目すべき点は、この上級管理者の中から、社内での昇進、あるいは金や力による他社からのスカウトによって、大部分の重役が生まれることです。

伝統的には、ある会社で始めて職についた人間は、この典型的な一連の指揮系統を昇りつめて重役の地位まで到達することが出来ます。しかし、多くの企業では、人間の動きが余りにも流動的であるので、明確な指揮系統がなくなっていることも多いのです。

それで、雇われ人の勝負は、カードの出し方次第ということもあります。下級から上級へと一足飛びに昇りつめる人もいれば、認められてしかるべきなのに見過ごされる人もいると言う訳にもなります。

 企業の持つ最大の財産は、その企業の方針や流儀を守り続ける一団の人々であるともいわれます。
そこには、入社してすぐ中枢となる仕事を引き継ぐ人は殆どおりません。仕事の詳細、慣例、目標などを自分のものにして、廻りの人々と親しくなるのにかなりの時間がかかるためでもあります。

五年、十年、あるいは十五年と、一つの会社で毎日の仕事に従事してきた管理者は高く評価されます。こうした人々こそ、会社の基礎を形成する最も強力な要素でもあるのです。

 この基礎階級の中には、常に上へ上へと向かう動きがあります。仮に、いつまで経っても同じ仕事ばかりやらされる管理者が幾らかいるとしても、管理者の大部分は、そのポストを誰かに残して昇進します。けれども、その基礎的ポストは、破れ目や落とし穴がありますから、必ずしも強固とは言える代物ではないのです。

ですから、その誰かと言うのは、自分を指す可能性が大く、チャンスは常に周囲にあることになります。会社の景気が良く、発展しつつあるときには、特にその傾向が強くなります。

 さらに、管理者が昇進するには、最高幹部の標準的な、要求に応じなければなりません。これらの標準は、会社や組織により様々に異なりますが、根本的には、その差は重要なものではありません。ビジネス社会が管理者の多くに要求する能力や手腕としては、次のようなものがあります。

@ 自発性(管理者は)上役から促されなくとも常に自発的に仕事が出来ます。

A 仕事をやり遂げる能力。これには、厳しい時間の制約やその他の困難がつきまとうことがしばしばあります。

B「有用な企画能力を持っています」従業員の時間の無駄、企業の原料の無駄をなくし、未完または、失敗した任務に固執するという無駄な努力を止め、金を捨てると言うような不必要な計画は立てません。

C 決断を下す能力。とるべき措置を選択決定し、それについて何らかの行動を起こす能力を持っています。

D利益をあげる能力。これは、以上の要求項目のうちで最も重要な能力です。なぜなら、企業は利潤の追求を仕事としているからです。
 これらの要求を満たす管理者とは、必ず昇進に値する価値を有しております。

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