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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【出口の無い道】

「ビジネス社会における義務」
「仕事の選択」
 仕事を通して、自分にとって本当に重要なものは一体何なんでしょうか?

それは、保証でしょうか。あるいは、銀行に蓄えたり、株や投資信託、あるいは不動産に投資したお金でしょうか?

それとも、権力を持って、特権や余分の利益を享受することなのでしょうか?

 自分という人間は、毎日々々、往く年も来る年も、いやいやながら同じ仕事に精を出す人間ではありません。
自分の仕事から満足が得られるように望みをかけて励んでいます。そのためには自分は仕事にたいして重要立場に立っています。

 いなくてはならない、有能な人間で、しかも、自分の人生に責任を持っていると考えます。楽しい仕事、自分が業績を成し遂げたと感じさせてくれる仕事です。
そして自分や自分の家族の必要とするいくばくかの保証を与えてくれる仕事を、遣りたいと思っているのです。

  これまで一つの職歴しか持たない年輩者の多くは、会社が自分の面倒を見てくれるものと、信じていました。
しかし近頃では、このような人々も、会社の経営方針は変わるものだということ理解するようになりました。

 しかも時には非常に頻繁に且つ大幅にかわるものだということを知るに至っています。いままでの経営方針は、自分に有利でしたが、新しい経営方針や金融機関・親会社よりの出向重役の中には、自分のような古参社員の面倒を見る義務はないと考えている人もいることが理解できます。

 これらの年長者は、自分の職業に責任を持ち、ビジネス社会においての人生に、責任を持つチャンスは常にあったのですが、そのことに気がつくのが遅すぎました。もっと早くに気づいていれば、会社に頼らずにすんだ筈です。

 もし、このような場合、仕事に不安を感ずるようになったなら、無理をして仕事を続ける必要は少しもありません。上役に相談します。それでも結論が出ないときには、自分の望むような仕事、要するに自分が本当にしたいことを探します。その理由は、そういう仕事が喜びを得られるからです。

  ビジネス社会において、周囲の尊敬を保持したいという自我をもって、チャンスを捉えようとするときは、自分自身の責任で遣ることになります。 自分の人生の責任は自分の責任です。
 企業組織のために、「出口の無い道」に自分自身を踏み込ませてはなりません。

 自分にとって何事が嬉しいかよく知っています。それは、組織図に当てはまる仕事ではありません。自分の性分にあった仕事につくことです。

仕事はいま現在の自分自身であるとは、良く云われます。
最も適した仕事とは、自分が人生に望んでいる重要な何かを与えてくれる仕事のことです。
まるで服を着替えるように、間違った仕事につくことは、自分自身の個性を台無しにすることになります。

 自分の性格や希望にそぐわない仕事をしているとすれば、不幸になって当たり前です。どうして不幸になる必要があるのでしょうか。金銭は、不幸の埋め合わせをするものではありません。

如何に難しい厄介なことに思われても、行き止まりの仕事には見切りをつけて、もっと気持ち良く、希望する満足の得られるような分野を開拓すべきでしょう。

労働時間がいまより長くなったり、報酬も少なくなるかもしれません。しかし、いまより満足が得られるはずです。幸福になるかならないかは自分の責任です。
それは自分の一番好きな仕事をしたときにだけ得られるものです。

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