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一桁のビジネスマン《行動心理資料》より

【普段の態度】

 リーダーが人々の前でとる態度や物腰が、彼のリーダーシップ効果を大きく左右するものだという事実は、あまりにも軽視されているように思われてなりません。

人間の態度や物腰は、普通、性格に由来する無意識的なものです。しかし、自分の本性を卒直に吟味検討すれば、意識的に変えることも可能ですし、また、正しい態度をとるようにもなります。

 リーダーの中には、無意識の中に恩着せがましい態度をとるものもいれば、また部下が大事な問題を懸命に説明しているのに、うんざりしたような、ろくすっぽ聞いていない表情のものもいるのです。

俗物的な態度のもの、”俺は偉いんだぞ”と、そりかえる者、気短な者、実に様々です。
ほとんど表情が変わらないから、”ポーカーフェス”と、陰口たたかれている上役もかなりおります。

多くの場合、リーダーは、自分の態度の方が、言葉よりずっと多くのものを物語るということに気がついていないのです。リーダーの態度によって、人々は彼に親近感も覚えるし、離反することにもなるのです。

 かってある大工場での話ですが、会社側が、管理者の態度について、調査した結果、”こそこそ””猫のように”スパイするような職長の挙動が、工員の激怒をかっていることが判明したことがあります。

さらに、職長の方では、自分達がそんな態度をとっているとは、夢にも思っていないことも、わかったのです。また、これを彼らが指摘されると、快く改めたのでした。

 一般に、リーダーは、自分の管理態度が不人気なことに気づかない場合が多いものです。
「あいつがやって来ただけで、嫌な気持ちになる」
「俺が側にいても、全然知らん顔だ」
「うっとうしいムードを持ち込みやがって」
などといわれるような態度は、リーダーがつとめを良く果たすためには、有害でしかないのです。

 すべてのリーダーは、その地位のいかんにかかわらず、自分の挙動、人に接する態度、顔の表情言葉遣いなどについて、
「歯に衣を着せないで率直に批評してくれる友人」
をぜひ持ちたいのです。

リーダーと言う地位にあると、つい人から褒められたり、自己批評を忘れるようになってしまいます。ですから、こんな友人がいて、時々、自分の態度についての親切な批評をしてくれることは、なにものにも代え難いものです。

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