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一桁>経営組織論?>権限委譲の問題

<権限委譲の問題>

 有能な管理者は自分の部下の才能をよく認識しております。しかも、その認識した内容を最大限まで活用しながら、日常のワークの過程で、彼らの腕と職業意識を極限まで磨きあげます。これは、俗にOJTと称せられる職場内教育のことですが、これを行う最善の方法は、一つの権限委譲になります。
 権限の委譲とは、他の誰かに、管理者自身が持っている義務や課業、そして、その職位に付属する権力なり、権限なりを、部下に割り当てることです。

 最も単純な形の権限委譲では、多忙な管理者が、彼の職務の事務的な部分を、部下などの代理にやらせたりしています。しかし、これはその委譲の中でも次元の低い分野に属するものです。
 大切なことは、管理者の本当の強さが発揮されるのは、権限‥‥権力‥‥を自分の部下に渡してからのことです。

 しかし、このような権限委譲は口約束だけで、とくに、「つまらない仕事」以外は、どのようなものでも、部下に委任することを拒否する経営者や、管理者はいくらでもいるものです。
また、かりに、権限を渡す管理者がいたとしても、権限の委譲が無意味になるくらい、幾重にも制約を加えることが多いものです。

 どうしてそういうことになるのでしょうか。この理由を理解するには、管理者が権限を委譲するとき、委譲はしても、放棄はしていないと言うことを認識しなければなりません。彼は、依然として権力を保有しており、さらにまた権限のコインを裏返しにしたと同じように、価値がおなじであるにもかかわらず、権限委譲の成否について、責任を負っているのです。

 管理者としては、部下が失敗してもその責任を負うことになりますから、必要な権限を部下に渡すことを、ややもすると不安がります。ですから、この不安がなくならない限り、権限の委譲はうまく行かないことになります。

 こうした際には、この管理者の不安が消えないと、管理者は部下を信頼して仕事をやらせることを拒否するようになります。この信頼の欠如に、管理者の感情の吐露するものには、「自分でやったほうがよくできる」といった理屈をつけるようになります。

仕事によっては確かに部下がやるより管理者がやったほうが、能率よくできるかもあるかもしれませんが、管理者の職務は管理することであって、それ以下のレベルの仕事をすることではありません。
 もし、管理者の権限の委譲が行われなければ、会社や部の仕事が、不安におののく管理者のところで、つまってしまい、身動きがとれなくなります。

 さらに、一部の管理者が、権限の委譲を拒否するもう一つの理由は、管理者に必要な能力が欠けている場合です。彼らは、自分たちより、部下のほうが仕事がよくできるかも知れない、と、思ったり、自分の地位が危なくなるのではないか、と考えたりして、現状を維持しようとするのです。
このような管理者を救う道は、自信を植え付けさせる以外に方法はありません。そうしないと、彼らが恐れる管理職の不適格者に、本当になってしまいます。

 けれども、管理者の中には、委譲の方法を知らない管理者もおります。このような場合は、教えてやらなければなりません。(効果的な委譲方法については、質疑の形にします)

 つぎに、一部の管理者にみられる困った現象は、握っている権力の虜になってしまうことです。彼らはその一部でも、他の者に与えることを嫌がります。これは、いわば、他の者が下す意志決定の責任を背負わされる不安の裏返しでもあるのです。
 また実質的には義務だけ委任したり、些細なことを言いがかりにして、僅かばかりの権限を委譲しただけで、権限の委譲を行ったと考える管理者もいます。このような管理者は、実際は自分が権限を握っているにかかわらず、「権限委譲」が失敗しても、その理由を理解できません。

 これと対照的なのが、委譲に価する能力のない部下に、権限を委譲する管理者です。権限の委譲を行うには、部下がよく訓練されており、その責任を果たす能力を備えていることが前提となります。
部下が、実際に割り当てられた職務を、果たせるという確信なしに、委任を行うのは、まずい管理のやりかたになります。また、ある種の権限は、委譲することはできません。当該の問題が、部下の権限外に影響を及ぼすような意志決定、あるいは上役のみが下せる判断を必要とする場合は、権限を委譲してはならないのです。

 PS前回までの組織の構造については、組織構造のタイプの種別、範囲が広くなるので、職務分掌も含め割愛しました。別の機会に詳細を述べたいとおもいます。